企業から内定の連絡をもらった後、お礼のメールを送るかどうかは多くの学生が就活中に迷うところです。マナーとしてお礼メールを送った方がいいのか、内容はどのように書くのかなど調べている人もいるでしょう。
本記事では、内定や内々定のお礼メールを送る際のポイントや書き方を例文付きで解説します。お礼を伝えるだけでなく、内定承諾や内定辞退、内定保留する場合のメール文をそれぞれ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
内定・内々定のお礼メールは必要?
内定をもらった後のお礼メールは義務ではありませんが、マナーとして送ることを推奨します。内定や内々定のお礼メールには、感謝や入社に向けた意気込みを伝える目的だけではなく、内定通知を確認したことを伝える役割もあります。ここでは、お礼メールを送るべき理由を詳しく解説します。
内定通知を確認したことを伝えるため
内定お礼メールを送るべき理由の1つ目は、「内定通知を受け取ったことを企業側に伝えるため」です。そもそも内定通知メールは、企業から送られてくるだけであり、基本的には一方通行となります。そのため、皆さんが何かしらの返事をしなければ、内定通知を確認したかどうか企業に伝わらないのです。
内定通知は、学生と企業の双方にとって重要な情報であり、行き違いがあると後にトラブルになりかねません。そうした事態を避けるためにも、内定通知を受け取った後には、確実に内容を確認した旨を返信するのがマナーといえます。
感謝や意気込みを伝えるため
内定お礼メールを送るべき2つ目の理由は、選考に関わってくれた方への感謝や、内定承諾後の入社に向けた意気込みなど、気持ちを伝えるためです。
内定へのお礼メールを送るような決まりはありませんが、一言お礼を伝えておくだけでも丁寧な印象となり、入社後に気持ちよく仕事をスタートできるでしょう。なお、意気込みは入社する場合に限られるため、内定保留や内定辞退の際のお礼メールには書く必要はありません。
お礼を伝えるさまざまな方法
内定通知に対してお礼を送る際に、メールでは失礼にならないか不安になる人もいるでしょう。基本的にお礼を伝える手段は、企業側の連絡方法に合わせるのがルールです。内定のお礼を伝える手法として、メールと手紙、電話の違いやそれぞれのメリット・デメリットを説明します。
メール
内定通知へのお礼を送った学生のほとんどがメールを選んでいます。メールは、相手の好きなタイミングで確認できますし、電話のように相手の手を止めることがなく負担になりにくいというメリットがあります。また、瞬時に送信が完了するので、手紙のようにタイムラグが発生しないのも利点です。
一方で、手軽さゆえに電話や手紙よりも気持ちが伝わりにくい可能性があります。とはいえ、メールの文章表現次第で、失礼にならずに率直に気持ちを伝えることは可能です。メール文章のコツについては後の章で詳しく説明します。
電話
直接相手と会話ができる電話は、メールに比べて感謝の気持ちが伝わりやすい傾向があります。また、内定通知を受け取ったことと、内定への感謝と返事だけを簡潔に伝えるだけなら、数分で完了できます。
電話により相手の手を止めてしまうため、電話のタイミングには注意が必要です。また、相手が不在のときや、電話がつながらない場合は折り返しを待つか、改めてかけ直す必要があります。
また電話の場合、おそらく内定承諾するかの質問を受けますので、内定承諾を検討している状況での電話は、正直やりづらいこともあるでしょう。
お礼状
お礼状は、メールや電話に比べると、あまり一般的ではありません。内定が郵送通知で来た場合にお礼を伝える方法として推奨します。
手紙のお礼状は、礼儀正しい印象を与えられます。パソコンのテンプレートを使って作成し、印刷して送ることもできますが、手書きでお礼状を書くことでより気持ちが伝わりやすいでしょう。
ただ、手紙のお礼状は体裁を整え、季節の挨拶や出だしと結びなどのマナーに気を配る必要があります。また、相手に届くまでに時間がかかってしまう点はデメリットです。地域や距離にもよりますが、平均2〜3日ほどを要するため、お礼状を送った旨を先にメールで知らせておくと無難でしょう。
内定のお礼メールの書き方
ここからは内定承諾のケースに加えて、内定を保留したいケース、辞退を考えているケースそれぞれのお礼メールの書き方を例文を用いて紹介します。内定お礼メールを作成する際に参考にしてください。
尚、企業からのメールに返信する形で送る場合、件名を編集する必要はありません。
内定承諾のお礼メール例文
内定承諾のお礼メールの例文は、以下の通りです。
【本文】
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯様
お世話になっております。
△△大学・△△学部の△△(名前)です。
このたびは、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。ありがたくお受けいたします。
来年4月の入社後は、1日も早く貢献できるよう精一杯頑張りたいと思います。
つきましては、今後の流れについてお教えいただきたく存じます。
お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
———
署名
内定承諾の場合、お礼の後に入社後の意気込みや抱負を添えることで、印象がアップします。内定承諾書の提出など、後日改めてやり取りが必要なことを確認する一言を入れれば、入社日に向けた準備をスムーズに進められるでしょう。
内定承諾メールを送る際に気をつけたいマナーや返信期限などをまとめた下記記事もご覧ください。
【例文あり】内定承諾メールの基本的なマナー【返信や質問の方法・期限延期について】
内定保留のお礼メール例文
内定や内々定の承諾を迷っている場合、お礼とともに保留したい旨を企業に伝えるメールを送りましょう。例文は以下の通りです。
【本文】
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯様
お世話になっております。
△△大学・△△学部の△△(名前)です。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
現在選考を受けている企業がほかにもあり、後悔しないようすべての結果を受けてから決めたいと考えているため、すぐの返答が難しい状況です。
誠に勝手ながら、〇月〇日まで回答をお待ちいただくことは可能でしょうか?
内定のご連絡をいただいたところ申し訳ございませんが、何卒ご了承いただきたくお願い申し上げます。
お忙しいところ恐縮ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
———
署名
スムーズなやり取りのためにも、保留したい理由とともに、いつまでに内定通知に対する回答ができるか目安の日時を提示しましょう。一般的には、遅くとも1週間以内には連絡するのがマナーです。
内定辞退のお礼メール例文
内定を辞退したい場合のお礼メールの例文を紹介します。
【本文】
◯◯株式会社
◯◯部 ◯◯様
お世話になっております。
△△大学・△△学部の△△(名前)です。
このたびは内定のご連絡を頂き、誠にありがとうございます。
せっかくのご連絡をいただき大変恐縮ですが、熟考した結果、貴社の内定を辞退させていただきたく思います。
理由は、選考を受けていたほかの企業から内定をいただき、入社を決意したためです。
選考の過程でお会いした貴社の皆さまの人柄や温かな社風に大変魅力を感じておりましたが、本当にやりたい仕事と自らの適性などを考慮し、決断いたしました。
選考に貴重なお時間を割いていただいたことを改めて御礼申し上げますとともに、内定を辞退いたしますことをお詫び申し上げます。
本来ならば、直接お伺いしお伝えすべきところ、メールでのご連絡となりますことをご了承いただけますと幸いです。
最後になりましたが、貴社のさらなるご発展とご活躍を、心よりお祈り申し上げます。
———
署名
内定への感謝を伝えた後、誠意を持ってお詫びする文章を入れます。辞退理由として「他社への入社を決めた」ことを明記しても失礼には当たりません。ただ、将来的に内定を辞退する企業とご縁があることも考えられるので、最後まで誠実な態度を心がけましょう。
内定承諾後に辞退したい場合の連絡方法やスムーズな伝え方については、下記記事をご参照ください。
【例文あり】内定承諾後に内定を辞退する方法 | メール/電話での伝え方も
内定のお礼メール作成時のポイント
内定お礼メールを作成する際には、誤字脱字や会社名、担当者名の正しい記載など基本のマナーはもちろん、送るタイミングや文章量にも気を配る必要があります。感謝ややる気を適切に伝えるためのお礼メールの作成ポイントを詳しく解説します。
送るタイミング
内定メールは、送るタイミングが重要です。会社説明会の参加確認などよりも重要度が高いため、できるだけ早くお礼メールを送りましょう。
受け取った同日中に返信するか、遅くとも翌営業日には返すのが理想的です。万が一お礼メールを送信するのが遅れてしまった場合、「返信が遅くなり大変申し訳ございません。」とお詫びの一文を添えましょう。
誤字脱字の確認
企業の担当者へ送るメールでは、誤字脱字にも注意しましょう。丁寧で真摯な文面であっても、誤字脱字があると印象を下げてしまう上、ビジネスでは信用性にも影響が及びます。また、先方の名前や企業名、役職などに記載ミスがあれば大変失礼です。
家など落ち着いた環境でメールを作成し、企業名や担当者の氏名が正しく記入できているか、送信前によく確認しましょう。
会社名・担当名を略さない
メールの宛名や本文の会社名や氏名は、略さずに記載します。(株)ではなく株式会社と表記し、担当者の部署名や役職名も省略せず、正式名称を書くことが大切です。自分の出身校や名前も同様に、フルネームで記載しましょう。
選考の過程で採用担当と親しくなったとしても、企業の担当者の敬称は「さん」ではなく「様」を使います。
就活で使うメールのマナーや例文は、下記記事をご覧ください。
就活メールの送り方|マナーや例文・テンプレを紹介
承諾や辞退の返答日を伝える
内定保留を伝える場合は、いつまでに承諾または辞退を返答するか、目安の日時を伝えることが大切です。他社の選考結果待ちが理由で内定を保留したい場合、率直に理由を伝えることは問題ありませんが、いつまでに決めるかは相手にとって重要な情報です。
一般的には1週間前後であれば内定承諾の保留が可能とされていますが、期限によらず早めに結果を連絡しましょう。期限を過ぎても連絡しないまま放置するのはマナー違反であり、印象が悪くなるため避ける必要があります。
内定が出るタイミングや承諾期限などのスケジュールは、下記記事もご覧ください。
内定はいつ出る?就活スケジュールや承諾期限など紹介
適切な文量を意識する
企業からの内定連絡は喜ばしいことですが、嬉しいからといって気持ちを込めすぎて長文のメールを送ることは避けるべきでしょう。仕事用のメールを1日何十件も対応している方も少なくなく、読むのに時間がかかるメールは相手の負担となります。
件名を読むだけで内定のお礼メールだと分かるように、「内定のお礼(学校名・氏名)」など端的な件名を付けます。内容をわかりやすくまとめ、簡潔に感謝の気持ちを伝えることが大切です。メールの最後には、自分の氏名と学校名、連絡先などの情報を署名として入れましょう。
感謝や意欲をなるべく自分の言葉で書く
内定承諾をする際の感謝や入社後の意欲は、できるだけ自分の言葉で書くことを意識しましょう。就活マナーを守り、お礼メールもテンプレートや例文の形式に沿って作成すること自体は問題ありません。
ただ、お礼の気持ちを伝えるためには、自分の内側から湧き出た言葉を率直に文章にする方が効果的です。「1日も早く貴社に貢献できるよう精一杯努力いたします」など、前向きな表現を自分で考えて作成しましょう。
内定お礼メールに関するQ&A
内定お礼メールに関するよくある質問に回答していきます。内定お礼メールを送る相手や、「取り急ぎ」など敬語の使い方を確認し、適切なメールを送りましょう。
OBOG訪問などでお世話になった人にお礼メールしてもいいですか?
OBOG訪問をした企業から内定や内々定を受けたら、お世話になった先輩社員にも連絡しましょう。入社後に社内で顔を合わせることや、同じプロジェクトを担当することがあるかもしれません。
「OBOG訪問の際は、お忙しい中、貴重な機会をいただきましてありがとうございました。」「おかげ様で、このたび貴社から内定を頂くことができました」など、感謝を伝えると理想的です。
キャリアセンターやエージェントにもお礼メールをした方がいいですか?
キャリアセンターや就職エージェントの担当者など、就活中にお世話になった人がいれば、メールでお礼を伝えると良いでしょう。
先方へのお礼メールと同様に、件名は「新卒採用試験結果のご報告(学校名・氏名)」などわかりやすいものにし、就活中にお世話になったお礼と希望する企業から内定をいただけたことを簡潔にまとめます。単なる報告だけでなく、アドバイスへのお礼など具体的なコメントを入れると理想的です。
内定お礼メールの件名はどう書けばいいですか?
内定のお礼メールの件名は、読んだだけで内容が分かるようなものが望ましいでしょう。相手側が送ったメールへの返信だとわかりやすいように、内定通知や選考結果の連絡に返信する形で「Re:」と付いた状態で送りましょう。
また、先述した例文のように、「内定のお礼(学校名・氏名)」と書き換えることで、受け取り手が把握しやすくなります。
内定お礼メールに「取り急ぎ」と書くのは失礼ですか?
「取り急ぎ」には、「とりあえず急いで」という意味で、本来やるべき対応が間に合わず一時的におこなったというネガティブな意味合いが含まれます。ビジネスシーンでは便利な言葉ですが、頻繁に使うと準備不足で計画性に欠ける印象を与える可能性があるため注意が必要です。
また、取引先や上司など目上の人に対して使うのは失礼なため、使用は控えましょう。
就活や入社後に必要となるビジネスメールのマナーや例文を下記記事で確認しておくと安心です。
【初めてのビジネスメール】結び・締めの言葉のマナーと例文集【就活生必見】
お礼メールで感謝の気持ちを伝えよう
内定のお礼メール自体は必須ではありませんが、内定をいただいたことに対する感謝を伝える重要な役割を担っています。内定承諾の場合には、できるだけ早く返信を送りましょう。
内定承諾をするか迷っていても、メールの返信を先延ばしにせず「いつまで保留にしたいのか」「何を迷っているのか」など、現状を伝えるのがマナーです。学生から何かしらの返信をしないと、メールをそもそも確認していないのかなと企業が心配になる可能性もあるためです。今回紹介した内定お礼メールの例文も参考にして、分かりやすく簡潔にメールを作成しましょう。