【2019年卒市場動向】新卒採用に求められる企業の転換
【市場動向予測4】求められる企業の転換
-「時代に合った採用戦略を」
超売り手市場で採用難が続く中、近年、耳にすることが多いのではないだろうか。「なぜ我々が学生に媚びなくてはならないのか」という言葉が頭をよぎる担当者もいるだろう。この市場動向予測4では、ミレニアル世代の特徴から、なぜ今、企業の転換が求められているのかを考える。
大学と学生の変化
市場動向予測3のマクロ環境の変化でも少し触れたが、大学や学生の変化は下記の通り。
大学進学率が50%を超えると大学の役割はマス型からユニバーサル・アクセス型(M.トロウ)へ移行するとされ、それによって学生の質の多様化が進む。まだ量的変化は見られないが、質的変化は顕著となっている。ライフスタイルや義務教育の中身は20代の若手採用担当者であっても同じではなくなってきている。そういった今と昔の学生の違いへの配慮は選考を進捗させる上で重要となってくるだろう。とくに、働き方改革の推進により、学生の働き方への関心は高まってきている。「安定」という言葉を1つとっても学生によって捉え方が異なってきている。
また、日常的に活用するスマートフォンにはいくつものアプリがダウンロードされているわけだが、その画面自体が一人ひとりにカスタマイズされている状態だ。もちろんアプリのほとんどが利用者に合わせて個別最適化もされている。ある大学のキャリアセンター職員の方の話では、全学部向けに一斉にメールでアナウンスしたときよりも学部ごとに分けて内容を変えて送信したところ反応率が全然違ったという。スマホ対応だけではなく、学生へのコミュニケーション全般において個別最適化は欠かせない要素になってくるだろう。
最近は、サイトに訪問したお客様の性別や購入履歴、閲覧履歴などを元にしたwebの接客サービスなどでも個別最適化されている。学生もコミュニケーション方法や情報収集の仕方は変化しており、今や学生と連絡をとろうとすると、すべて直接本人へとつながる。このように、局所的にみても「学生とのコミュニケーション」には個別性を欠かすことができない。
ミレニアル世代の特徴
次に、デトロイトトーマツが世界的に実施したミレニアル世代の調査によると、日本のミレニアル世代の特徴が下記のように発表されている。
社会に対して悲観的で自己効力感も低い。帰属意識は低下傾向にあり、働き方の多様性を求めている。こういった承認欲求の強さは、目立ちたい、自己顕示欲が強いというマイナスなとらえ方ではなく、弊社で行った下記の働き方に関する意識調査からも分かるように「活躍したい」「認められたい」という思いがうかがえる。
【出典】
株式会社i-plug『18卒対象 就活生の「働き方」に関する意識調査アンケート』2017年1月12日(木)〜1月18日(水)実施
このように、大学や学生の変化、ミレニアル世代の特徴といった背景を考えると、採用する側の企業の転換は必須だといえる。それは言い換えると、『価値観が多様になった今、一人ひとりの価値観や求める働き方に寄り添い、個別に最適化した対応、コミュニケーションを図る事の重要性が増してきている。』ということだ。
※本記事は「【市場レポート】どうなる? 2019年新卒採用の動向・変化予測 ー秋冬・本選考対策編ー」の一部を抜粋したものです。