企業研究は就活をするうえでとても重要ですが、やり方や情報をどこから集めたらいいのかわからない学生も多いことでしょう。
そこでこの記事では、企業研究の具体的なやり方や、いつから取り組めばいいか、どんな情報をどこから集めればいいかを詳しく紹介します。
また、企業研究の目的や効率の良い進め方、結果を就活に活かす方法についても紹介しますので参考にしてみてください。
目次
企業研究とは?
企業研究とは、特定の企業をさまざまな角度から知ることで理解を深め、その企業が自分のやりたいことや適性とマッチしているかを判断することです。
企業研究のやり方には、企業研究ノートの作成、企業の説明会やインターンへの参加、OB・OG訪問で実際に働いている社員の声を聴くなどの方法があります。
企業研究をすれば、その企業で働きたい理由や、やりたいことが明確になるため、ESや面接での志望動機に説得力が出ます。
また、入社後に働いている自分をイメージできるため、入社後のキャリアプランが明確になり、自分の将来像を考えることにも役立つでしょう。
企業の事業内容、職種、働き方、強みを把握して、同業他社と比較し、業界内での立ち位置を知って、自分がエントリーしたい企業を絞っていきましょう。
企業研究と業界研究の違い
企業研究と業界研究はどちらも1つの対象について詳しく調べて理解を深めますが、業界研究の対象は「1つの業界」で、企業研究の対象は「1つの企業」です。
調べる内容もそれぞれ異なり、企業研究は企業の事業内容や社風、福利厚生などについて調べますが、業界研究は業界全体の将来性や成長度合い、どんな企業がその業界に属しているのかなどを調べます。
一般的には、業界研究をして興味のある業界を見つけたあとに、企業研究をして志望業界内での志望順位をつけることが多いです。
企業研究にはいつ取り組むべき?
企業のインターンシップ応募が始まるのは卒業年次前年の6月頃からで、企業の説明会やエントリーシートの提出は卒業年次の3月頃から始まります。
エントリーシートを提出するには、業界内での志望順位がある程度決まっていなければいけません。また、説明会が始まってしまうと忙しくなって企業研究をする時間をつくるのは難しくなるでしょう。
そのため、企業研究は卒業年次前年の6月頃から始め、卒業年次の2月までに終わらせておくとよいでしょう。
企業研究は調べることが多いため、数日程度で終わらせてしまおうと考えずに、数ヶ月かかるつもりでスケジュールを確保しておくことをおすすめします。
企業研究すべき理由・目的
企業研究すべき理由・目的は以下のとおりです。
- 自分に合う企業を絞り込むため
- 面接やESなどの選考対策をするため
- 志望動機を明確にするため
- 自分の将来像・キャリアを明確にするため
それぞれ詳しく紹介します。
自分に合う企業を絞り込むため
企業研究は、自分が行くべき企業を絞り込むために欠かせません。
就活を進める際に、仮に業界を絞れたとしても、業界内のすべての企業の選考を受けることはスケジュール上できないことが多いです。そのため、選考を受ける前に自分にどのような企業が合っているか考え、絞り込む必要があります。
その際に、企業分析をすることで、自分が選考を受けるべき企業が見えてきます。
また、就職活動の目的は内定獲得ではなく、入社後にいきいきと働ける、自分に合った企業を選ぶことです。
企業の風土や制度、事業内容、経営理念などへの理解を含めて、多面的に企業を見る目を培うことで選考の継続・辞退の判断、志望順位決めができるようになります。
面接やESなどの選考対策をするため
面接やESなどの選考を通過するためには、いかに自分がその企業にマッチしていて、活躍できる人間か、採用担当に対してアピールする必要があります。
しかし、企業のことを全く知らない状態だと、アピール内容がただの「自分語り」になってしまい、「どのようにその企業で活躍できるのか」の根拠を伝えることができません。
加えて、企業研究をしていない学生は、採用担当にすぐ見抜かれてしまいます。企業研究をしている学生の方が、準備をしたり、主体的に動いたりする力があると判断されます。また、自社への志望度が高いと判断されます。
そのため、面接やESなどの選考を通過するために、企業研究は欠かせません。
志望動機を明確にするため
志望動機を明確にするためにも企業研究は必要です。企業研究をすれば、自分の強みや特性と企業との接点が見つかるので、同じ業界の別の企業ではなく、その企業で働きたい理由が見つかります。
企業は優秀な学生であれば誰でも採用するわけではありません。どれだけ優秀な学生でも、内定を出したあとに辞退されたり、入社後すぐに辞めてしまったりしては採用にかけた時間と労力が無駄になってしまうからです。
そうならないために企業は志望動機を聞いて、就活生が自社でどれだけ働きたいと思っているかや、自社の社風にあう人物なのかを判断します。
同じ業界のなかで、なぜ他社ではなくその企業で働きたいのかが明確な就活生であれば、入社後に活躍してくれる姿を想像しやすくなります。
自分の将来像・キャリアを明確にするため
就職活動中だけでなく、自分の将来像やキャリアを明確にすることは、入社後の活躍のためにも重要です。
前述の通り、企業に入ることはゴールではありません。社会人人生のスタートです。自分の理想とする暮らしや人生が実現できるか、入社前からよく考える必要があります。
そのためには、入社後のキャリアステップやスキルの習得スピード、昇進スピードなども理解し、自分がどのようなキャリアを歩めるのかまで踏まえて意思決定することが求められます。
就活の段階で、自分の将来像やキャリアを決めて、その目標に向けて努力することで、入社後も活躍しやすくなるでしょう。
企業研究で集めるべき企業情報
企業研究の目的を達成するために、例えばどのような情報が必要なのかを整理しておきましょう。
人によって、就職活動で重要視している項目が異なるので、必ずしもこれが全てではありませんが、こちらが知っておくと良い企業情報一覧です。
【企業研究で集めるべき情報】
- 事業内容
- 業界内での立ち位置
- 強み、競合他社との違い
- 経理理念・事業理念
- 今後の事業方針・事業展開
- 社風・福利厚生などの制度面
- 実際の社員と会ってみての所感
上記が網羅できていれば、面接でも志望理由をしっかりと伝えられるだけでなく、自分の中での志望順位も明確になるでしょう。
企業研究の7つのやり方
企業研究をしたくても「企業の情報はどこから集めればいいかわからない」という方も多いはずです。
ここでは、企業研究のやり方・具体的な情報の集め方を紹介していきます。
企業のコーポレートサイトを見る
ほとんどの企業は自社の事業や理念を多くの方に知ってもらうために、コーポレートサイトを作成しています。
コーポレートサイトには、就活生にとって役に立つ情報がたくさん載っています。その中でも押さえておきたい情報は、以下です。
【コーポレートサイトで押さえておきたい情報】
- 企業概要
企業の名前はもちろん、資本金や従業員数、企業の理念や目的までしっかりと押さえておきましょう。 - 事業内容
その企業がどのような事業展開をしているか、競合他社と違う事業があるのかを把握しておきます。 - プレスリリース
報道機関に向けた情報を提供する項目です。企業の動向や、今後の事業展開など重要な情報を理解するためにも、しっかりと確認しておきましょう。 - 採用情報
そもそも今年は新卒採用をしているのか?非公開の企業もありますが、採用人数は何名を予定しているかはチェックしましょう。
募集職種や、選考のフロー、応募時や選考時の提出書類、諸々の期限やスケジュールなど、重要な情報ですので必ず確認しましょう。
給与面が気になる方は、初任給も必ず確認しましょう。給与に関してはこちらの記事も参考にしてみてください。
基本情報
企業のコーポレートサイトを見ると「設立年度」「資本金」「本社・事業所の所在地」「従業員数」といった、企業の基本的な情報がわかります。
企業理念
企業理念とはその企業が何のために事業を行っているのかや、企業の存在意義、あり方を示したものです。
企業がどのような価値観や考え方を重要視しているかを明文化することで、従業員の業務に対する取り組み方を統一し、何かを決定する際の指針となる役割があります。
そのため、企業理念が自分の価値観や特性と合わないと感じた場合は他の企業を探すことを検討する方がよいかもしれません。
また、企業理念に関する共感を志望動機に取り入れると好印象を与えやすくなります。
事業内容
事業内容とは、企業が扱う商品・サービスの詳しい内容と、その商品・サービスの対象者にどのような方法で提供しているかを理解することです。
また、売上・営業利益の基盤となる商品・サービスや、競合他社との違いを把握することで企業の強みを理解できます。
プレスリリース
報道機関に向けた情報を提供する項目で、企業の事業の現状や方針の変化、商品・サービスのリリースに関する情報、取り組んでいる社会課題などがわかります。
プレスリリースはただ情報を知るだけではなく、企業が力を入れている商品や取り組んでいる課題を理解し、具体的な志望動機を考えることに役立てるようにしましょう。
採用情報
採用情報には、今年は新卒採用があるのかや、採用予定人数、求める人材像、採用の対象となる条件、就業場所、勤務時間、休日、休暇、初任給、諸手当、賞与、仕事内容、福利厚生などが載っています。
募集職種、選考フロー、応募受付期間は選考を受けるうえで重要な情報ですので、必ず確認しましょう。
給与に関して気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
初任給の平均は? 手取り額とは? 就活生必見の新卒の給与支給について
会社説明会に参加する
企業説明会は、その企業について理解を深めるチャンスです。
企業についての知識はもちろん、実際に働いている人に会って「企業の雰囲気」も知ることができます。実際に働いている人の意見は企業選びの大きな要素となりますので、積極的に質問し些細なこともメモをとることが重要です。
会社の事業方針
新卒採用は入社が1〜2年後になるケースが多いため、必然的に未来の話が多く含まれます。他では聞けない未来の方針の話も聞けるので、必ずメモしておきましょう。
また、企業のコーポレートサイトを見ればわかる情報は理解している前提で説明会が進められる可能性があるため、参加する前にサイトをしっかり見てから参加することをおすすめします。
<h4>今年度の採用コンセプト(求める人物像)</h4>
採用コンセプトとは、企業が採用活動を行う際に自社のビジョンを具体化したメッセージや戦略のことで、多くの企業で1年ごとに変わります。
採用コンセプトは、企業の強みや、求める人材像、採用方針が読み取れますので、自分の強みや価値観とマッチしているかを確認しましょう。
キャリアステップ
キャリアステップや昇進の仕組みについて会社説明会で説明されることがあります。キャリアステップとは、キャリアアップのための道筋のことです。
実際の従業員の例や、具体的な経験年数を聞けるので、自分の理想のキャリアを築ける企業かどうかを確認しましょう。
人事制度
人事制度とは、企業が従業員を管理するためのルールや仕組みのことです。人事制度には研修や教育制度、異動、昇進、給与・賞与に関するルールが含まれているため、キャリア形成や働き方に大きく関係します。
自分が希望するキャリアや働き方ができる人事制度かどうかを確認しておきましょう。
福利厚生などの制度
福利厚生は休暇制度や、手当、働き方の選択肢、健康維持や病気になったときのサポート体制などがあり、企業によって内容が異なります。
自分が長く企業で勤めることを前提に、どのような福利厚生があるのかをしっかり確認しましょう。
企業の強み・弱み
企業の強みとは、同業他社と差別化できる部分のことで、製品やサービスのように対外的に優位な部分だけでなく、従業員に向けた制度なども含まれます。
企業の強みがわかれば、業界内での立ち位置が明確になるため、選考を受けるかを決めるのに役に立ちます。また、志望動機にも活用できるため、複数の強みを見つけておきましょう。
企業の弱みとは、その企業が抱える課題や弱点のことです。企業の弱みは会社説明会のなかで公表されることはほぼないため、社員への質疑応答の際に今後の課題や強化すべきポイントは何かといった聞き方で確認するとよいでしょう。
インターンシップに参加する
もっと企業についての理解を深めたいのであれば、インターンシップにも参加しましょう。
インターンシップでは、その企業の雰囲気やオフィスでの働き方などを肌で感じることができます。社員の方と親しくなれば、説明会では聞きづらいことが聞けるようになるのも大きなポイントです。
【インターンシップで押さえておきたい情報】
- 業務適性
インターンシップは実務を経験できるものが多いので、自分が業務適性があるかと見極めるのに非常に有効です。 - 業務フロー
どのような流れで業務が進んでいくかを理解することで、仕事を通してどのような人と関わりがあるか、自分が企業にどのような形で貢献していけるかが見えやすくなります。 - 競合優位性
インターンシップでは、業務に加えて座学やフィードバックを通して、その企業ならではの特徴・競合と比較した際の優位性を知ることができます。
インターンシップは参加人数が限られているため、他の人が得られない情報を手にするチャンスでもあります。事前に知りたいこと・目標を決めて、積極的に行動して有意義な機会にしてください。
業務適性
インターンシップは実務を経験できるものが多いので、自分に業務適性があるかを見極めるのに非常に有効です。
また、実際に働いている社員の話を聞けるので、業務に必要なスキルや資格なども聞いておくとよいでしょう。
業務フロー
インターンシップに参加すれば実際の業務がどのような流れで進んでいくかを理解できます。
仕事を通してどのような人と関わりがあるかを知り、自分の特性や強みが活かせるか、企業に貢献できることは何かを確認しましょう。
社内の雰囲気
職場で社員と一緒に働くことで、社内の人間関係や雰囲気を実際に体験できます。社内の雰囲気がわかれば、自分にとって働きやすいかどうかがわかるため、入社後のミスマッチが防げます。
また、説明会やOB・OG訪問よりも社員と長時間過ごせるため、休憩時間や業務終了後など迷惑にならないタイミングで気になることを質問するようにしましょう。
経営者の取材記事や書籍を読む
大きな企業になっても、経営者が作り上げた企業理念や社風は根強く残るものです。もし、経営者が取材に応じていたり、書籍を出版したりしている場合は、読んでみましょう。
特に、創業者の書いた書籍は、企業理念の元となるエピソードなどが書かれているケースが多いため、深く理解したい方にはおすすめです。
【経営者の取材記事や書籍で押さえておきたい情報】
- 創業の背景
創業の背景には、会社の根幹となる想いや大事にしている価値観がある場合が多いです。 - 会社の歴史
会社の歴史からは企業の風土が培われた過程をみることができます。大変なときをどう乗り越えたかなど経緯を知っていると、会社がどのように変化してきたのかを理解できます。 - 今後の展望
事業の展望などは、書籍や取材でしか答えていない内容が多くあります。読んで知っているだけでも好印象が得られることもあります。
社風を重要視している、自分に合った文化がある会社に入りたいという方は必ずチェックしておきましょう。
創業の背景
創業の背景を知ると、その会社がなぜ生まれて、どんな思いで創られたのかがわかります。企業理念がつくられるきっかけになるエピソードを読めば、企業の根幹となる想いや大切にしている価値観を知ることができます。
会社の歴史
会社の歴史を知ると、企業の風土が培われた過程が理解できます。どんなサービスや商品からスタートしたのか、途中でどう変化したのか、困難が起こったときにどう乗り越えたのかなどターニングポイントになる出来事を把握しておくとよいでしょう。
今後の展望
今後の展望などは、書籍や取材でしか答えていない内容もあるため、読んで知っていることを選考でアピールすると好印象です。
今後の展望を知っていれば、それに対して自分が貢献できることがあればアピールできますし、自分が入社してからのキャリアも想像しやすくなります。
社員座談会に参加する
現場の社員の話を聞きたい場合は、企業が開催する社員座談会に参加することをおすすめします。
【社員座談会で押さえておきたい情報】
- 実際の具体的な業務
直接現場の社員に質問ができるため、詳細な仕事内容を聞くことができます。 - 1日のスケジュール
出社時間や退社時間、ミーティングの多さなど、1日の働き方を聞くことで、具体的な仕事のイメージができる様になります。 - キャリアパス
先輩社員が、入社後どんな仕事を任されたかや、昇進のタイミングを聞くことで、入社後に自分がどんなキャリアを歩むのかイメージしやすくなります。
社員座談会では、現場社員が具体的な仕事の進め方やチーム・部署の雰囲気をざっくばらんに話してくれます。質疑応答の時間も設けられていることが多いため、質問したいことがある場合も参加してみると良いでしょう。
詳細の業務内容
社員の座談会に参加すれば、現場で働く社員に質問ができます。説明会や面接に比べるとカジュアルに話ができるので、業務内容について詳しく聞いておくとよいでしょう。
1日のスケジュール
仕事の1日のスケジュールも座談会で聞いておくとよいでしょう。ただし、残業に関する質問は直接的に聞いてしまうと働く意欲が低いと思われる可能性があります。「繁忙期のスケジュールを教えてください」「ワークライフバランスを保つための取り組みはありますか」などのように質問を工夫するようにしましょう。
OB・OG訪問で生の情報を収集する
社員座談会に参加できなかった場合や、より深く質問して社員のリアルな声を聞きたい場合は、OB・OG訪問もおすすめです。
実際の社員の生の声が聞けますし、また、こちらから申し込むことによって、志望意欲の高さもアピールすることができます。
【OB・OG訪問で押さえておきたい情報】
- 会社の実状
OB・OG訪問は比較的近い距離で会社のリアルを知るチャンスです。会社の実状がどうなっているのか詳しく聞きましょう。 - 企業内の暗黙の了解
出世のスピードやジョブローテーションの仕組みなど、制度化されていない暗黙の了解が企業にはあるケースが多いです。実際に働いている人に確認してみましょう。 - 入社前後のギャップ
すでに入社している人に入社前後のギャップを聞くのは有効です。ポジティブなギャップ、ネガティブなギャップの両方を聞くようにしましょう。
OB・OG訪問では、サイトや説明会では聞けないような、現場の仕事や働き方などのリアルな情報を詳しく聞くようにしましょう。
競合他社と比較する
これまで挙げた情報で、その企業についての情報はおおよそ集めることができます。
一方で、その企業の業界での立ち位置や、競合他社との違い・優位点に関しては、別の方法で調べる必要があります。
おすすめは以下の方法です。
業界地図
業界研究の際にもとても便利な業界地図ですが、企業研究の視点で見てみると、自分が調べている企業が業界でどんな立ち位置にいるのかを把握できます。
業界地図の使い方に関しては、こちらの記事も参考にしてみてください。
四季報
四季報は、競合他社との比較を効率的に行う上でおすすめです。1社1社のコーポレートサイトを見に行くよりも、項目別にデータがまとまっていて見やすいです。
また、四季報には一般的な「会社四季報」の他、就活生におすすめの「就職四季報」があります。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
業界新聞
特定の業界に絞って就活をしている場合は、業界新聞もおすすめです。業界地図や四季報よりも、タイムリーな情報が掲載されているので、どの企業が今どんな取り組みをしているかを知ることができます。
インターネットで記事を閲覧できるものもありますので、業界名と「業界新聞」で検索してみると良いでしょう。
さらに詳しく知りたい時は、情報サイトや書籍も活用しよう
第一志望の会社など、企業研究をやりきりたい場合は、さらに以下のような企業情報の集め方があります。
市場の統計情報サイト
各種省庁や、各業界の協会などが、統計情報を出していることがあります。業界全体の動向などを知りたい場合や、志望動機や入社後にやりたいことの根拠を見つけにいく場合などの参考にしてみてください。
就職情報サイト
ナビサイトや口コミサイトなど、様々な種類のサイトがあります。情報量は圧倒的にありますが、中には正確でない情報があるケースもありますので、注意が必要です。
特に、転職者向けのサイトで過去にその企業に勤めていた人のコメントは、結果的にその企業が合わずに退職した方のコメントですので、基本的に厳しめの内容が書かれています。あまり鵜呑みにしないようにしましょう。
企業研究の効率的な進め方・ポイント
ここまで、企業研究のやり方・情報の集め方についてお伝えしました。
これだけたくさんの方法がありますし、1社ずつ企業を深く研究していくのは、正直とても大変です。
ここでは、効率の良い企業研究のやり方・進め方、ポイントを紹介していきます。
1. 企業研究ノートを作り、集めた情報をまとめる
まず、企業のコーポレートサイト、説明会、インターンシップなどで情報を集めたら、それをノートにまとめましょう。
せっかく得た情報をそのまま放置していると、ESを書く段階で企業の魅力や志望動機などを上手く整理することができず、採用情報の見直しに時間を取られることになります。
どんなに有用な情報も、活用できなければ意味がありません。企業研究の結果をESや面接に活かせるように、その企業がいいと思った理由や魅力などを気持ちが冷めないうちにしっかりまとめておきましょう。
企業研究ノートの作り方はこちらの記事で詳しく解説しています。
【ポイント】企業研究結果と自己分析結果を結びつけよう
企業研究ができたら、その結果と自己分析の結果を結びつけて、自分と企業の相性を判断しましょう。
例えば、自分が「直接の声援を受けることで、パワーを発揮できるタイプ」なのであれば、「実際の顧客の声を受け取り、仕事に反映している企業」との相性が良いはずです。
自己分析ができていない場合や、できていてもうまくできているかわからない場合は、OfferBoxの無料で使える自己分析ツールAnalyzeU+を使うのがおすすめです。
AnalyzeU+は累計100万人の診断結果に基づく適性診断で、28項目の診断結果で自分を分析でき、入社後に活かせる自分の強みもわかります。
診断結果を企業研究の結果と結びつけて、自分の強みが活かせる企業かどうかや、特性と合っているかなど判断しましょう。
2. 企業研究ノートから志望動機を作成する
企業研究ノートを作成したら、まとめた情報から「なぜその企業で働きたいのか」を考えましょう。
説得力のある志望動機を作るためには、十分な材料が必要です。 面接の準備では、競合他社との違いや、その会社が持つ理念を理解しておかなければなりません。
筆者がそうであったように、「給料が良いから」「ネームバリューがあるから」などの短絡的な志望動機はすぐに見抜かれます。
しっかりと企業研究をし、志望する企業においてどのような働き方をしたいのか、その企業にとって将来どういった利益を生み出すことができるのかといったことを考え、その理由を明確にしましょう。それらがすぐに出てこない場合は、もう一度企業研究をやり直しましょう。
【ポイント】「競合他社ではなく御社が良い」志望動機を明確にする
企業研究では、競合他社との違い・優位性を調べることは欠かせません。他社との違いを認識しておけば、その企業に特化した志望動機を作成できるからです。
他社との違いを認識できていないと「その志望理由であれば、競合他社でも叶えるられる」と企業側に思われてしまい、自社への志望度が低い学生だと判断されかねません。
競合他社としっかり比較し、業界内での強みや、その企業ならでは魅力を把握して「競合他社ではなく御社が良い」と思っていることを企業側に明確に伝えられる志望動機を作成しましょう。
3. 志望動機を内定者や先輩、友人に話して磨く
志望動機ができたら、内定者や先輩、友人に話してみましょう。
いきなり面接やOB・OG訪問で社員の方と話すのはハードルが高いと感じる人も多いはずです。まずは、先輩や友人、内定者に志望動機を話して磨けるところまで内容を磨きましょう。
志望動機が浅く、「それは他の企業でもいいのでは?」と聞かれているうちは、もう少し深堀りができます。他の企業にないユニークな点を見つけるまで情報収集しましょう。
4. 志望動機をOB・OG訪問で話して磨く
先輩や友人、内定者と話して、志望動機が十分に磨けたら、OB・OG訪問、面談などで実際に働いている社員の方に話してみましょう。
OB・OG訪問は基本的に質問をする場ですが、比較的若い年次の方であれば、志望動機の添削に協力してくれるケースも多いです。OB・OG訪問参加前に送るなどして、添削をお願いしてみましょう。自分が知らなかったユニークな点があれば、その場で教えてもらえる可能性もあります。
ただ、志望動機の添削をOB・OG訪問の主目的に置くのは避けてくださいね。
企業研究を行う際の注意点
正しい情報で、効率的に企業研究を行うためには、いくつか注意しなければならないことがあります。主に以下の点に気をつけて、企業研究を行ってください。
企業研究では信用性の高い情報・新しい情報を収集しよう
前の章でも述べましたが、インターネットのサイトの中には、企業について「間違った情報」を載せているサイトもあります。
間違った情報を得てしまうと、自分に合っている企業であっても「自分にはマッチしない」と思い込んでエントリーを避けてしまう事態になりかねません。また、面接などで間違った情報をもとに答えてしまうと、面接官の印象も悪くなってしまいます。
企業研究では信用性の高い情報や、新しい情報を収集するように心がけましょう。
知っている情報と知らない情報を明確にしておこう
企業の採用サイトが充実している場合など、それだけを見て「この企業については十分企業研究ができた」と思ってしまう場合があります。
しかし、いざノートにまとめてみると、一部の項目の情報が不足していたり、全くないということもあります。そうした場合は、別の情報源から、必要な企業情報を集めに行く必要があります。
企業情報は多ければいいというわけではありません。知っておくべき情報を、網羅的に知ることが重要なのです。
そのためにも、今どの情報が手元にあり、どの情報がないのかは、明確にしておきましょう。
就活ノートにあらかじめ必要な項目欄を書いておいて、それを埋めていくことで、手元にない情報を知ることができるでしょう。
まとめ
企業研究はインターンシップが始まる卒業年次前年の6月頃から開始し、卒業年次の2月頃までには終わらせておくと、就活の選考対策が効率よく進められます。
就活を効率よく進めたい人には、学生が受けたい企業を探してエントリーする就活とは逆に企業側からオファーが届くスカウト型の就活サービスOfferBoxの登録もおすすめです。
OfferBoxはプロフィールを登録すれば興味を持った企業からあなたにオファーが届く可能性があります。
大手からベンチャーまで18782社以上の企業が登録しているので、自分の知らなかった優良企業と出会えるかもしれません。
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