就活を始めるにあたって、「何からすればいいのかわからない」という方も多いと思います。
初めての就活なので、わからないことはあって当然です。企業研究の進め方も、手探りで始める方がほとんどです。
そのため、どこから情報を集めたらいいのか、周りはどのように進めているのか、気になりますよね。
とはいえ、不安ばかりを数えても就活は前に進まないので、まずはできることから始めていきましょう。
今回は現在社会人として活躍する方に、企業研究とは何なのか、どのようなことを行えばいいのかなど、実体験をもとに語ってもらいました。
目次
企業研究とは?
企業研究とは、特定の企業を様々な角度から知ることで、理解を深めること、そして自分のやりたいことや、適性とマッチしている企業か判断することです。就職活動のなかでも、非常に重要なことだといえます。
実は、筆者は就職活動をする上でたくさんの企業の説明会に参加し、50社以上の企業にエントリーしました。
スタートダッシュを決めたつもりがなかなか内定に至らず、ようやく採用が決まったのは大学4年生の12月というかなり遅い時期でした。その時期までになぜ採用されなかったのかというと、たくさんの企業説明会に参加・エントリーすることで満足してしまい、企業研究を疎かにしていたからです。
OfferBox就活カルタには「冷めぬうち 企業の魅力を メモしとこう」という句があります。全くその通りで、就活には小さな気付きや情報整理がとても大切です。この記事では筆者の失敗を踏まえて、企業研究のやり方について説明していきたいと思います。
企業研究と業界研究の違い
企業研究はよく「業界研究」と混同されがちですが、業界研究は、「1つの業界」についての理解を深めることで、それに対し企業研究は「1つの企業」が対象となります。
一般的には、業界研究をして志望業界を絞ってから、企業研究をして志望業界内での志望順位をつけることが多いです。
企業研究すべき理由・目的
企業研究をしたほうがいいと、多くの先輩や友人に言われると思いますが、企業研究をしたほうがいい主な理由は以下の3つです。
- 自分に合う企業を絞り込むため
- 面接やESなどの選考対策をするため
- 自分の将来像・キャリアを明確にするため
それぞれ紹介します。
自分に合う企業を絞り込むため
企業研究は、自分が行くべき企業を絞り込むために欠かせません。
就活を進める際に、仮に業界を絞れたとしても、業界内のすべての企業の選考を受けることはスケジュール上できないことが多いです。そのため、選考を受ける前に自分にどのような企業が合っているか考え、絞り込む必要があります。
その際に、企業分析をすることで、自分が選考を受けるべき企業が見えてきます。
また、就職活動の目的は内定獲得ではなく、入社後にいきいきと働ける、自分に合った企業を選ぶことです。
企業の風土や制度、事業内容、経営理念などへの理解を含めて、多面的に企業を見る目を培うことで選考の継続・辞退の判断、志望順位決めができるようになります。
面接やESなどの選考対策をするため
面接やESなどの選考を通過するためには、いかに自分がその企業にマッチしていて、活躍できる人間か、採用担当に対してアピールする必要があります。
しかし、企業のことを全く知らない状態だと、アピール内容がただの「自分語り」になってしまい、「どのようにその企業で活躍できるのか」の根拠を伝えることができません。
加えて、企業研究をしていない学生は、採用担当にすぐ見抜かれてしまいます。企業研究をしている学生の方が、準備をしたり、主体的に動いたりする力があると判断されます。また、自社への志望度が高いと判断されます。
そのため、面接やESなどの選考を通過するために、企業研究は欠かせません。
自分の将来像・キャリアを明確にするため
就職活動中だけでなく、自分の将来像やキャリアを明確にすることは、入社後の活躍のためにも重要です。
前述の通り、企業に入ることはゴールではありません。社会人人生のスタートです。自分の理想とする暮らしや人生が実現できるか、入社前からよく考える必要があります。
そのためには、入社後のキャリアステップやスキルの習得スピード、昇進スピードなども理解し、自分がどのようなキャリアを歩めるのかまで踏まえて意思決定することが求められます。
就活の段階で、自分の将来像やキャリアを決めて、その目標に向けて努力することで、入社後も活躍しやすくなるでしょう。
企業研究で集めるべき企業情報
企業研究の目的を達成するために、例えばどのような情報が必要なのかを整理しておきましょう。
人によって、就職活動で重要視している項目が異なるので、必ずしもこれが全てではありませんが、こちらが知っておくと良い企業情報一覧です。
【企業研究で集めるべき情報】
- 事業内容
- 業界内での立ち位置
- 強み、競合他社との違い
- 経理理念・事業理念
- 今後の事業方針・事業展開
- 社風・福利厚生などの制度面
- 実際の社員と会ってみての所感
上記が網羅できていれば、面接でも志望理由をしっかりと伝えられるだけでなく、自分の中での志望順位も明確になるでしょう。
企業研究の7つのやり方
企業研究をしたくても「企業の情報はどこから集めればいいかわからない」という方も多いはずです。
ここでは、企業研究のやり方・具体的な情報の集め方を紹介していきます。
企業のコーポレートサイトを見る
ほとんどの企業は自社の事業や理念を多くの方に知ってもらうために、コーポレートサイトを作成しています。
コーポレートサイトには、就活生にとって役に立つ情報がたくさん載っています。その中でも押さえておきたい情報は、以下です。
【コーポレートサイトで押さえておきたい情報】
- 企業概要
企業の名前はもちろん、資本金や従業員数、企業の理念や目的までしっかりと押さえておきましょう。 - 事業内容
その企業がどのような事業展開をしているか、競合他社と違う事業があるのかを把握しておきます。 - プレスリリース
報道機関に向けた情報を提供する項目です。企業の動向や、今後の事業展開など重要な情報を理解するためにも、しっかりと確認しておきましょう。 - 採用情報
そもそも今年は新卒採用をしているのか?非公開の企業もありますが、採用人数は何名を予定しているかはチェックしましょう。
募集職種や、選考のフロー、応募時や選考時の提出書類、諸々の期限やスケジュールなど、重要な情報ですので必ず確認しましょう。
給与面が気になる方は、初任給も必ず確認しましょう。給与に関してはこちらの記事も参考にしてみてください。
初任給の平均は? 手取り額とは? 就活生必見の新卒の給与支給について
会社説明会に参加する
企業説明会は、その企業について理解を深めるチャンスです。
企業についての知識はもちろん、実際に働いている人に会って「企業の雰囲気」も知ることができます。実際に働いている人の意見は企業選びの大きな要素となりますので、積極的に質問し些細なこともメモをとることが重要です。
【会社説明会で押さえておきたい情報】
- 会社の事業方針
新卒採用は入社が1~2年後になるケースが多いため、必然的に未来の話が多く含まれます。他では聞けない未来の方針の話も聞けるので、必ずメモしておきましょう。 - 今年度の採用コンセプト
多くの企業で、1年単位で採用のコンセプトが変わります。その企業がなぜ採用するのか、どういった人材を採用したいと考えているのか、理解を深めておきましょう。 - キャリアステップ
入社後のキャリアステップも会社説明会で説明されることが多いです。自分の理想のキャリアを築けるかどうかに大きく関わるので、聞き逃しのないようにしてください。 - 制度
人事制度や教育制度、研修といった、入社後すぐに関わることから、休暇・休業制度、福利厚生など、働き方をイメージするために知っておきたい情報です。
筆者自身、多くの合同説明会に参加をしたことで、今まで知らなかった企業をたくさん知ることができ、就活の幅が広がりました。合同説明会では多くの企業からパンフレットなどを通して情報がもらえるため、企業理念や採用情報を知ることができます。
そのため、企業を絞り込めていない方や比較検討の材料が欲しい方は、たくさんの企業が参加する「合同説明会」に参加することをおすすめします。
ただし、「合同説明会」に参加した場合に注意しておかなければならないことがあります。パンフレットをもらった企業すべてにエントリーしてはいけないということです。応募企業を増やすための闇雲なエントリーが良い結果を導くことはありません。
「合同説明会」は、あくまでも企業を絞り込むための比較検討の材料として利用することを心掛けましょう。
インターンシップに参加する
もっと企業についての理解を深めたいのであれば、インターンシップにも参加しましょう。
インターンシップでは、その企業の雰囲気やオフィスでの働き方などを肌で感じることができます。社員の方と親しくなれば、説明会では聞きづらいことが聞けるようになるのも大きなポイントです。
【インターンシップで押さえておきたい情報】
- 業務適性
インターンシップは実務を経験できるものが多いので、自分が業務適性があるかと見極めるのに非常に有効です。 - 業務フロー
どのような流れで業務が進んでいくかを理解することで、仕事を通してどのような人と関わりがあるか、自分が企業にどのような形で貢献していけるかが見えやすくなります。 - 競合優位性
インターンシップでは、業務に加えて座学やフィードバックを通して、その企業ならではの特徴・競合と比較した際の優位性を知ることができます。
インターンシップは参加人数が限られているため、他の人が得られない情報を手にするチャンスでもあります。事前に知りたいこと・目標を決めて、積極的に行動して有意義な機会にしてください。
経営者の取材記事や書籍を読む
大きな企業になっても、経営者が作り上げた企業理念や社風は根強く残るものです。もし、経営者が取材に応じていたり、書籍を出版したりしている場合は、読んでみましょう。
特に、創業者の書いた書籍は、企業理念の元となるエピソードなどが書かれているケースが多いため、深く理解したい方にはおすすめです。
【経営者の取材記事や書籍で押さえておきたい情報】
- 創業の背景
創業の背景には、会社の根幹となる想いや大事にしている価値観がある場合が多いです。 - 会社の歴史
会社の歴史からは企業の風土が培われた過程をみることができます。大変なときをどう乗り越えたかなど経緯を知っていると、会社がどのように変化してきたのかを理解できます。 - 今後の展望
事業の展望などは、書籍や取材でしか答えていない内容が多くあります。読んで知っているだけでも好印象が得られることもあります。
社風を重要視している、自分に合った文化がある会社に入りたいという方は必ずチェックしておきましょう。
社員座談会に参加する
現場の社員の話を聞きたい場合は、企業が開催する社員座談会に参加することをおすすめします。
【社員座談会で押さえておきたい情報】
- 実際の具体的な業務
直接現場の社員に質問ができるため、詳細な仕事内容を聞くことができます。 - 1日のスケジュール
出社時間や退社時間、ミーティングの多さなど、1日の働き方を聞くことで、具体的な仕事のイメージができる様になります。 - キャリアパス
先輩社員が、入社後どんな仕事を任されたかや、昇進のタイミングを聞くことで、入社後に自分がどんなキャリアを歩むのかイメージしやすくなります。
社員座談会では、現場社員が具体的な仕事の進め方やチーム・部署の雰囲気をざっくばらんに話してくれます。質疑応答の時間も設けられていることが多いため、質問したいことがある場合も参加してみると良いでしょう。
OB・OG訪問で生の情報を収集する
社員座談会に参加できなかった場合や、より深く質問して社員のリアルな声を聞きたい場合は、OB・OG訪問もおすすめです。
実際の社員の生の声が聞けますし、また、こちらから申し込むことによって、志望意欲の高さもアピールすることができます。
【OB・OG訪問で押さえておきたい情報】
- 会社の実状
OB・OG訪問は比較的近い距離で会社のリアルを知るチャンスです。会社の実状がどうなっているのか詳しく聞きましょう。 - 企業内の暗黙の了解
出世のスピードやジョブローテーションの仕組みなど、制度化されていない暗黙の了解が企業にはあるケースが多いです。実際に働いている人に確認してみましょう。 - 入社前後のギャップ
すでに入社している人に入社前後のギャップを聞くのは有効です。ポジティブなギャップ、ネガティブなギャップの両方を聞くようにしましょう。
OB・OG訪問では、サイトや説明会では聞けないような、現場の仕事や働き方などのリアルな情報を詳しく聞くようにしましょう。
競合他社と比較する
これまで挙げた情報で、その企業についての情報はおおよそ集めることができます。
一方で、その企業の業界での立ち位置や、競合他社との違い・優位点に関しては、別の方法で調べる必要があります。
おすすめは以下の方法です。
業界地図
業界研究の際にもとても便利な業界地図ですが、企業研究の視点で見てみると、自分が調べている企業が業界でどんな立ち位置にいるのかを把握できます。
業界地図の使い方に関しては、こちらの記事も参考にしてみてください。
【就活成功へ導く!】業界研究本はどう選ぶ?どう使う?志望業界を見つけるヒントは
四季報
四季報は、競合他社との比較を効率的に行う上でおすすめです。1社1社のコーポレートサイトを見に行くよりも、項目別にデータがまとまっていて見やすいです。
また、四季報には一般的な「会社四季報」の他、就活生におすすめの「就職四季報」があります。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
「四季報」で就活を有利に!簡単&分かりやすい使い方【徹底的な企業研究で内定獲得】
業界新聞
特定の業界に絞って就活をしている場合は、業界新聞もおすすめです。業界地図や四季報よりも、タイムリーな情報が掲載されているので、どの企業が今どんな取り組みをしているかを知ることができます。
インターネットで記事を閲覧できるものもありますので、業界名と「業界新聞」で検索してみると良いでしょう。
さらに詳しく知りたい時は、情報サイトや書籍も活用しよう
第一志望の会社など、企業研究をやりきりたい場合は、さらに以下のような企業情報の集め方があります。
市場の統計情報サイト
各種省庁や、各業界の協会などが、統計情報を出していることがあります。業界全体の動向などを知りたい場合や、志望動機や入社後にやりたいことの根拠を見つけにいく場合などの参考にしてみてください。
就職情報サイト
ナビサイトや口コミサイトなど、様々な種類のサイトがあります。情報量は圧倒的にありますが、中には正確でない情報があるケースもありますので、注意が必要です。
特に、転職者向けのサイトで過去にその企業に勤めていた人のコメントは、結果的にその企業が合わずに退職した方のコメントですので、基本的に厳しめの内容が書かれています。あまり鵜呑みにしないようにしましょう。
企業研究の効率的な進め方・ポイント
ここまで、企業研究のやり方・情報の集め方についてお伝えしました。
これだけたくさんの方法がありますし、1社ずつ企業を深く研究していくのは、正直とても大変です。
ここでは、効率の良い企業研究のやり方・進め方、ポイントを紹介していきます。
1. 企業研究ノートを作り、集めた情報をまとめる
まず、企業のコーポレートサイト、説明会、インターンシップなどで情報を集めたら、それをノートにまとめましょう。
筆者に足りなかったのは、説明会やインターンシップに参加し、得た情報をまとめるという作業でした。せっかく得た情報をそのまま放置していたため、エントリーシートを書く段階で企業の魅力や志望動機などを上手く整理することができず、採用情報の見直しに時間を取られることになりました。
その結果、他の就活生と似たような深みのない志望動機となってしまい、採用担当者の印象に残らない当たり障りないエントリーシートを提出することに。
どんなに有用な情報も、活用できなければ意味がありません。効率の良い企業研究をするためにも、どうしてその企業がいいと思ったのか、その企業の魅力などを気持ちが冷めないうちにしっかりとまとめておきましょう。
関連記事:企業研究ノートの作り方|テンプレートや項目一覧、書き方まとめ方
2. 企業研究ノートから志望動機を作成する
企業研究ノートを作成したら、まとめた情報から「なぜその企業で働きたいのか」を考えましょう。
説得力のある志望動機を作るためには、十分な材料が必要です。 面接の準備では、競合他社との違いや、その会社が持つ理念を理解しておかなければなりません。
筆者がそうであったように、「給料が良いから」「ネームバリューがあるから」などの短絡的な志望動機はすぐに見抜かれます。
しっかりと企業研究をし、志望する企業においてどのような働き方をしたいのか、その企業にとって将来どういった利益を生み出すことができるのかといったことを考え、その理由を明確にしましょう。それらがすぐに出てこない場合は、もう一度企業研究をやり直しましょう。
3. 志望動機を内定者や先輩、友人に話して磨く
志望動機ができたら、内定者や先輩、友人に話してみましょう。
いきなり面接やOB・OG訪問で社員の方と話すのはハードルが高いと感じる人も多いはずです。まずは、先輩や友人、内定者に志望動機を話して磨けるところまで内容を磨きましょう。
志望動機が浅く、「それは他の企業でもいいのでは?」と聞かれているうちは、もう少し深堀りができます。他の企業にないユニークな点を見つけるまで情報収集しましょう。
4. 志望動機をOB・OG訪問で話して磨く
先輩や友人、内定者と話して、志望動機が十分に磨けたら、OB・OG訪問、面談などで実際に働いている社員の方に話してみましょう。
OB・OG訪問は基本的に質問をする場ですが、比較的若い年次の方であれば、志望動機の添削に協力してくれるケースも多いです。OB・OG訪問参加前に送るなどして、添削をお願いしてみましょう。自分が知らなかったユニークな点があれば、その場で教えてもらえる可能性もあります。
ただ、志望動機の添削をOB・OG訪問の主目的に置くのは避けてくださいね。
企業研究を行う際の注意点
正しい情報で、効率的に企業研究を行うためには、いくつか注意しなければならないことがあります。主に以下の点に気をつけて、企業研究を行ってください。
企業研究では信用性の高い情報・新しい情報を収集しよう
前の章でも述べましたが、インターネットのサイトの中には、企業について「間違った情報」を載せているサイトもあります。
間違った情報を得てしまうと、自分に合っている企業であっても「自分にはマッチしない」と思い込んでエントリーを避けてしまう事態になりかねません。また、面接などで間違った情報をもとに答えてしまうと、面接官の印象も悪くなってしまいます。
企業研究では信用性の高い情報や、新しい情報を収集するように心がけましょう。
知っている情報と知らない情報を明確にしておこう
企業の採用サイトが充実している場合など、それだけを見て「この企業については十分企業研究ができた」と思ってしまう場合があります。
しかし、いざノートにまとめてみると、一部の項目の情報が不足していたり、全くないということもあります。そうした場合は、別の情報源から、必要な企業情報を集めに行く必要があります。
企業情報は多ければいいというわけではありません。知っておくべき情報を、網羅的に知ることが重要なのです。
そのためにも、今どの情報が手元にあり、どの情報がないのかは、明確にしておきましょう。
就活ノートにあらかじめ必要な項目欄を書いておいて、それを埋めていくことで、手元にない情報を知ることができるでしょう。
企業研究のやり方に関するよくある質問
最後に、企業研究のやり方に関する、よくある質問と回答を紹介します。
企業研究はいつから始めるべき?
基本的には、業界研究をして、ある程度業界が絞れてから企業研究を始めましょう。
企業研究は早く始めるに越したことはありません。どんなに遅くとも、選考が本格化する2ヶ月前には企業研究を始めて、選考が始まる前に志望順位を決められるようにしましょう。
筆者の場合は、業界研究をおろそかにし、企業研究をしてエントリーしたので、エントリーした企業に一貫性がなく、志望動機も曖昧でした。そのことが、なかなか採用が決まらなかった原因でもあります。
なお、筆者は採用情報が出ていない企業に関して、「今年は採用があるかわからない」と企業研究をしませんでした。そのため、志望する企業と競合他社との比較や分析を行うことができませんでした。
また、志望動機作成の際に、企業間で比較しやすい給与面や福利厚生の部分ばかりに目がいってしまい、面接の質問に十分に答えられなかったことを覚えています。
そのような失敗から、志望する企業や業界の採用情報が出ていない場合でも、他の競合企業や業界の前年のデータをまとめておくことをおすすめします。早めに行動を起こすことで、志望する企業や業界の採用情報が出た際に、すぐに比較や分析を行うことができます。
企業研究はどこまでやるべき?
企業研究のゴールは「志望動機を明確に言えること」に置いて進めましょう。
企業は深く研究できているほどよいのですが、やり始めると「きりがない」と感じる方もいると思います。また、時間は有限なので、ある程度の基準までできたら他のことにも時間を充てたいですよね。
そんな時は、志望動機を明確に言えることを1つの区切りとしましょう。
情報が不十分だったり、偏っていたりすると、納得感のある志望理由を書こうとしても書くことができません。
よくありがちなのが、十分な企業研究を行わずに、ネームバリューだけで志望企業を決めてエントリーして、「付け焼刃の志望動機」を書いてしまうことです。
説得力のある志望動機をもとに入社意欲を伝えることができないと、たくさんの企業にエントリーしても採用されない可能性があります。
前述の通り、内定者や友人、OB・OGに協力してもらって、自分なりの志望動機を自信をもって話せる状態にしてください。
企業研究の成果を就職活動で活用するコツは?
しっかりと企業研究をしたなら、それを就職活動にフル活用しないともったいないですよね。
ここでは行った企業研究を、実際のエントリーシート提出や面接の場面で、どのように活かせるのかをご紹介します。
企業研究結果と自己分析結果を結びつける
そもそも企業研究は、
- 自分に合う企業を絞り込むため
- 面接やESなどの選考対策をするため
- 自分の将来像・キャリアを明確にするため
に行うものです。
企業研究と自己分析を同時並行に行っていれば、自分自身がどんな会社であれば活躍できるのかがわかります。
例えば、自分が「直接の声援を受けることで、パワーを発揮できるタイプ」なのであれば、「実際の顧客の声を受け取り、仕事に反映している企業」との相性が良いはずです。
自己分析と結びつけることによって、集めた企業情報の中でも、どの企業が自分と相性が良いのか、判断することができます。
「競合他社ではなく御社が良い」志望動機を明確にする
企業研究では、競合他社との違い・優位性を調べていきます。
ここでしっかりと、他社との違いを認識していれば、面接で志望理由を聞かれた際に、よりその企業に特化した志望理由を伝えることができます。
企業研究が甘いと「その志望理由でしたら、競合他社でもかなえることができますよね?」と突っ込まれた場合、反論することができない可能性があります。
しかし、しっかりと他社との違いを理解していれば、「業界の中でも御社はここが強く、そこに魅力を感じている」と、明確な理由を伝えることができます。
まとめ
筆者のように就活に失敗しないためにも、しっかりと企業研究をし、効率よく就活を進めましょう。
志望する企業の理念や事業内容をしっかりと把握することは、自分と企業の「ミスマッチ」を防ぐためにも重要となります。
志望動機に説得力を持たせるためにも、積極的に説明会やインターンシップに参加して企業の情報を集めてみてください。
そして、それらの情報をノートにまとめることにより、明確な志望動機が見えてきて、効率よく企業研究することができると思います。