数学科におすすめの就職先を紹介|業界や職種、就活対策を解説

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「数学科は就職に不利?」
「数学科の就職先がよく分からない」

就職活動を控える数学科生のなかには、このような不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。

数学科で学んでいることが仕事に結び付けづらいと感じている人は少なくなく、就職先をイメージできないのも無理はありません。しかし、ほかの学部と比較して明確に就職に不利なわけではなく、数学科生が活躍できる業界と職種は数多く存在します。

この記事では、就職先のことで悩む数学科生に向けて、業界や職種、おすすめの就職対策を紹介します。記事の内容を参考にしながら志望業界を絞り込み、効率的に就職活動を進めていきましょう。

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数学科が就活で不利になることはない

まず、数学科であるということで就活で不利になることはありません。専門職の場合、大学時代の専攻内容が重視されることもありますが、それ以上に入社後に学ぶことは多く、人柄や会社との相性のほうが重視されている事が多いです。

また、入社後まもなくは学科によって業務内容の理解のしやすさに差があるかもしれませんが、長く活躍できるかはその人の性格や努力次第です。

なお、数学科も属する「理系学部では論理的思考力が身につきやすい」と考える採用担当もいます。身につけた知識が直接仕事に繋がらない場合でも、学業を通して身につけた能力はアピールポイントになります。

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数学科生に人気の就職先一覧〜業界〜

一見、数学科とあまり関係がなさそうな業界でも、職種によっては数学科生が活躍しているところもあります。ここでは、数学科生に人気の7つの業界を紹介するので、自分が得た知識や能力を活かせそうな業界を探す参考にしてみてください。

①保険業界

「保険業界は保険商品を売る仕事」というイメージが強い人も多いかもしれませんが、実は数学科の学びと関連性の高い仕事があります。

詳しくは後述しますが、例えば、確率論や統計学などを用いて様々なデータから適切な条件を導き出す「アクチュアリー」や、市場の動き及び企業業績の予測や分析を行い、最適な保険商品を開発する仕事「クオンツ」があります。

保険業界ではただ保険商品を売っているわけではなく、自社の利益や顧客のニーズなど、さまざまな要素を考慮して提供しています。自社と顧客双方にメリットのある保険商品を開発するには、数学的な分析が欠かせないため、専門知識を持つ数学科生が活躍しています。

②銀行・証券業界

数学科の就職先として最もイメージしやすいのが銀行・証券業界ではないでしょうか。どんな職種であっても常に数字を扱う銀行・証券業界は、数学科で高い人気を誇っています。

銀行や協同組織金融機関、証券会社など、働く企業によって業務内容に細かな違いはありますが、いずれの企業で働くにしても数字に強いことが重要です。その点、数学科生は普段から数字を扱う機会が多いため、業務に適応しやすいでしょう。

また、銀行・証券業界でも「金融商品開発」の仕事は高度な数学の知識が必要で、数学科出身者が活躍しやすい領域のひとつです。

保険業界も含め金融業界については、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

③IT業界

情報系学科出身の学生が多く活躍するIT業界ですが、数学科にも就職先として人気があります。

例えば、IT業界で注目が高まっているAIの分野では、統計学や機械学習など数理科学の知識を用います。自身がAIを開発しない場合でも仕組みを理解していると、AIを活用する際により高度な運用が可能になることもあります。

AIの分野以外でも、システムエンジニアやプログラマーのような技術職でも論理的思考力を活かせます。

IT業界については、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

④ゲーム業界

ゲーム業界のゲームプログラマーやゲームプランナーなどの仕事も、数学科で人気の職種のひとつです。

アクションゲームやシューティングゲームでは、緻密なベクトル計算や微積分などの結果、なめらかな動きや違和感のない挙動が実現できています。これらを設計する際に、数学科で学んだ数学知識が活きます。

直接的に数学知識を使わない場合も、ゲームプログラマーやゲームプランナーの仕事では、高い論理的思考力が求められます。このように、数学科の学業を通して身につけてきた能力を活かしやすいことも人気の理由です。

ゲーム業界については、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

⑤教育業界

塾講師や教材制作など、数学の知識を活かしやすい教育業界も人気の業界です。苦手意識のある人も多い数学の教育について考えるやりがいがあります。教員を志す人も多く、教員試験と併願する人も少なくありません。

教育業界については、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

教員試験と併願する場合、民間企業の就職活動と少し勝手の異なる点には注意が必要です。スケジュールを確認して、早めに就職活動を進めることを推奨します。
就職活動のスケジュールやいつから始めるべきかは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

⑥コンサルティング業界

高い論理的思考力を求められるコンサルティング業界も数学科に人気の就職先です。クライアントの課題解決を業務とするコンサルティング業界では、最適な解決方法を提案する論理的思考力が必要です。

また、近年課題解決だけでなく課題発見の重要性が高まっており、定量データを読み解いて成長のポイントを見つける力が問われています。その際に、指標間の関連性や相関を見る際に数学的な思考が必要となり、数学科で身につけた能力を活かすこともできるでしょう。

⑦メーカー業界

文系理系問わず幅広い学科に人気のあるメーカー業界は、数学科にも人気があります。自動車メーカーや電機・機械メーカー、化学メーカー、医薬品メーカー、医療機器メーカーなどが代表的な就職先です。

メーカーによって取り扱う製品は異なりますが、製品開発の段階で高度な数学知識が必要になることもあり、数学科が必要とされています。また、研究職・技術職以外にも、専門知識を身につけた技術営業も近年需要が高まっており、理系出身者が多く活躍しています。

メーカーの業界研究については、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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数学科に人気の就職先一覧〜職種〜

自分に合いそうな業界がいくつか見えてきたら、次は職種についても考えてみましょう。数学科生はさまざまな職種で活躍できますが、特に人気が集まっているのは以下の7つの職種です。

①アクチュアリー

確率論や統計論などを用い、最適な掛け金を計算したり、ときには保険商品の開発をしたりする仕事がアクチュアリーです。数学科での学びをそのまま仕事に活かしやすいことから、就職先として人気があります。

自分の提案や導き出した数字が、会社の業績に大きな影響を及ぼす点は大変なところですが、責任の重さはやりがいにもなります。会社への貢献を実感しやすい点や、比較的早い段階から大きな仕事に携われる点がアクチュアリーの魅力です。

②クオンツ

クオンツは銀行・証券業界で活躍する職種です。数学の知識と手法を用いて市場の動きを分析したり、投資戦略・金融商品を分析したりする役割を担っています。

クオンツは数学科出身の人が多い職種ですが、就職の難度は非常に高めです。数学とプログラミングの知識があるのは大前提として、高度なプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力が必要となるでしょう。

③ITエンジニア

ITエンジニアは、情報技術に特化したシステムを提供する職種全般を指します。システムエンジニアやプログラマー、Webエンジニアなどの職種が代表的です。

ほとんどの職種は専門スキルが必要ですが、例えば数学の知識に加えてプログラミングの知識も持っていればさらに有利になります。職種が細分化されているITエンジニアは出身学科より経験や将来性が重視されるため、数学科におすすめの就職先です。

④AIエンジニア

AIエンジニアは、AI(人工知能)にデータを与えて学習をサポートする仕事です。お掃除ロボットや自動車の自動運転技術など、身近なところに使われている多様なAIの開発と学習を担当しています。

AIの活用にあたっては確率論や統計学などの知識を求められるうえ、需要の高まりから将来性にも期待できます。知識を活かしやすい、将来的に活躍の場を広げやすい、という2つの強みを持っている点が魅力的です。

⑤データサイエンティスト

データサイエンティストは膨大な蓄積データをもとに有益な知見を見出し、ビジネス上の課題解決と意思決定をサポートする仕事です。

例えば、過去のさまざまなデータから需給予測をすることで、在庫管理やプロモーション強化の意思決定などに役立ちます。

求められるスキルは、確率論や統計学、機械学習の知識などです。データ分析にあたっては数学の知識が必須となるため、数学科が活躍しやすい職種といえます。

⑥研究開発職

自分の知識を活かせるメーカー研究職を就職先に選ぶ数学科生が見られます。メーカーの研究職は、製品や新技術の研究・開発にあたる仕事です。

具体例をあげると、化学メーカーでコンピュータを活用して分子設計をする際などに、数学科で学んだ知識が活かせます。

実は数学科出身者が在学中の知識を活かして、研究職として活躍している企業も少なくありません。

⑦教員

教員も数学科で人気の職種です。特に中学校・高校の数学の先生を目指す数学科生は多いです。教員は身につけた数学知識を活かすことができるので、働くイメージが湧きやすいことも人気の理由でしょう。

自分に知識があっても他人に教えるのは難しく、生徒に伝わるように工夫する過程で成長を実感できる働きがいのある仕事でもあります。

前述の通り、教員採用試験は一般的な就職活動のスケジュールと異なるので、志望する場合は就職活動全体のスケジュールを早めに立てておきましょう。

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数学科生の就職活動で有利になる資格

資格の有無が合否に直結することは多くありませんが、専門的な資格を所持していると、一定の知識が身についていること、またそのための学習ができることが伝えられます。就職活動や学業、サークル活動などと資格勉強を並行するのは大変だと思いますが、活躍の場を広げるためにもぜひチャレンジしてみましょう。

①アクチュアリー

アクチュアリーは日本アクチュアリー会が実施している資格試験です。資格を所持していれば数理業務のプロフェッショナルであることの証明になり、保険会社や信託銀行、コンサルティング会社などの就職に役立ちます。

大学在学中に試験を受ける場合は、「4年制大学に休学期間を除き2年以上在学し、かつ62単位以上の単位を修得」という条件を満たす必要があります。

年に1度しか実施されないうえ、高度な知識を問われる難しい資格ですが、数学力に自信がある人はぜひ挑戦してみましょう。

②証券アナリスト

証券アナリストは、証券投資・企業評価のプロフェッショナルとも言うべき存在です。資格を所持していれば企業財務やマクロ・ミクロ経済、投資理論などの知識を有している証明になり、証券会社への就職で有利に働きます。

日本証券アナリスト協会が実施する試験は第1次と第2次の2段階のレベルに分けられており、試験を受けるには各講座の受講が必須です。

ややコストがかかる点はデメリットですが、保険業界や銀行・証券業界を目指す人であれば取っておいて損はないでしょう。

③統計検定

統計検定は、データの性質や不規則性を見出すために用いられる「統計学」に関わる検定です。

統計についての知識や、科学的に問題を解決する能力を証明できるため、データサイエンティストなどの職種で有利に働きます。

試験は1級~4級までの5段階に分かれており、大学基礎課程のレベルに該当するのは2級です。1級と準1級では応用的な統計学の知識を問われるため、まずは2級の取得を目指すとよいでしょう。

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数学科におすすめの就職対策

志望業界と職種をある程度絞り込めたら、いよいよ選考の準備段階に移行していきます。早めの準備を心がけ、数学科ならではの利点を活かして就職活動を進めましょう。特に意識すべきポイントは以下の3つです。

数学科で得られた知識を活用できる業界・職種を探してみる

就職先を選ぶ際に、自分の学部や学科に縛られる必要はありません。ただ、志望業界が見つからない人は、数学科で得た知識を活用できる業界・職種から探してみましょう。

確率論や統計学など、数学科で学んだことと関連性の高い業界・職種であれば、興味を持てるかもしれません。そこから視野を広げてみるのもよいでしょう。

学んだことと直接関係がある仕事が見つからない場合は、能力が活かせる業界・職種から探してみましょう。

志望度が高い企業・職種があれば学科推薦を使う

大学によっては企業への推薦枠を持っている場合があるので、志望度の高い企業への推薦枠がある場合は、就職活動にうまく活用しましょう。

自分で企業にエントリーする自由応募よりも、選考突破の確率が高いのが学科推薦の特徴です。「推薦に値する学生」として選考に臨むため、企業から高評価を得やすくなります。

ただ、「推薦枠があること」だけを理由に就職先を選ぶことはおすすめしません。あくまで、自分に合った仕事がなにか就職活動を通して考えた上で、就職先を選ぶことを推奨します。

数学科で得られた知識・経験を言語化できるようにする

数学科で学んだことを面接でうまく説明できるように準備しておきましょう。

専門的な内容を話す場合、専門用語ばかりでは相手に伝わらない恐れがあるため、理解しやすいよう、わかりやすい言葉に噛み砕く練習をしましょう。

また、直接的に学んだ知識をアピールすることができなくても、学ぶ過程で身につけた力はアピールポイントになります。入社後、どんな場面で具体的に活かせるのか、言語化してみましょう。

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まとめ

今回は数学科に人気の業界や職種、おすすめの就職対策を紹介しました。

数学科で学んでいることのなかには、仕事で活きるイメージがないものもあるかもしれませんが、実際には数学科で身につけたことを活かして活躍できる業界と職種は多く存在します。

理系の学生のなかには、学業優先で就職活動に思うように時間を割けていない方もいるでしょう。そういった方は、人気の就職先を参考にして、まずはいろいろな業界・企業を知ることから始めてみましょう。

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