金融業界の業界研究|今後の動向・課題や働く魅力・志望動機など紹介

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「銀行や証券以外の業種がよく分からない」
「金融業界ではどんな能力が求められる?」

金融業界に興味をもって就職活動を進めている人のなかには、このような悩みを抱えている人が多いのではないでしょうか。私たちの生活と密接な関係にある金融業界ですが、複雑な業界なだけに、どんな業種や職種があるのか分かりづらいですよね。

そこでこの記事では、金融業界がどんな業界なのかというところから、業界研究企業研究に役立つ情報まで詳しく解説していきます。就職活動でやっておきたいことや、おすすめの資格も紹介するので、金融業界に興味のある人はぜひ参考にしてください。

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目次

金融業界とは

金融とは、お金に余裕のある人が足りない人に対し、利息の支払いを条件にお金を融通することを指します。

そうした金融をはじめ、保険の販売や資産運用など、お金に関する様々な事業を手がけているのが金融業界です。まずは業界の仕組みについて詳しく見ていきましょう。

直接金融と間接金融

金融には、直接金融と間接金融があります。直接金融はお金を必要とする相手に、直接お金を出資することです。例えば、株式や債券などの金融商品を購入し、企業や国にお金を出資するケースが挙げられます。

一方の間接金融は、預金者のお金を、お金が必要な人に貸し出すことです。最もイメージしやすい銀行預金を例に挙げると、銀行は私たちが預けたお金を別の人や企業に貸し出し、利ザヤ(貸出金利と調達金利の差)を手にすることで利益を生み出しています。

【直接金融に該当する業種】

  • 銀行・信金
  • 証券
  • 信販

【間接金融に該当する業種】

  • 銀行・信金
  • 保険

各業種の詳細については後ほど解説します。

市場規模と業界シェア

銀行業界の業種別市場規模では、依然として銀行と生命保険の規模が大きいことには変わりませんが、近年はやや苦戦気味です。

その要因の1つに挙げられているのが、低金利政策の長期化です。低金利は資金調達がしやすいメリットがある半面、低利の融資にせざるを得ないデメリットがあり、銀行の収益に下押し圧力がかかっています。

また、地方での人口減少と高齢化、新型コロナウイルスの感染拡大なども、銀行と生命保険が苦戦している要因です。

反対に、市場規模拡大の傾向が見られるのが証券とクレジットカードです。特にクレジットカードはタッチ決済の需要増加が大きく影響し、堅調な伸びを見せています。

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金融業界の今後の課題

安定しているイメージが強い金融業界ですが、今後対応していくべき課題も少なくありません。入社後のキャリアプランを立てるために、金融業界の今後の課題から将来性や、これから変わっていきそうな点を知っておきましょう。

収益シフトの遅れ

課題の1つに、新たな収益源確保の遅れがあります。企業向けを中心とした貸出業務が伸び悩むなか、貸出業務以外の業務で安定した収益を得られるかが今後の課題です。

その対策として、海外では収益源をリテール業務(個人や中小企業を対象とする小口業務)へシフトし、顧客数、資産、店舗数などの拡大を通じてシェアを確保する動きがあります。

日本でも同じような動きは見られますが、世界上位の欧米金融機関と比較するとリテール利益に約5倍の差が生じているなど、対応が少し遅れ気味です。

新たなイノベーションの必要性

アメリカの経営学誌「ハーバードビジネスレビュー」では、新たなイノベーションを起こせない場合、世界の既存銀行の92%が10年以内に消滅すると予想しています。

ブラジルの電気通信会社がクレジットカードシステムを通じて、銀行口座を持たない顧客に融資するサービスを始めたように、金融業界も他の業界と同様にテクノロジーの脅威にさらされているためです。

テクノロジーによって従来の業務が消滅する可能性があるため、新たなイノベーションによって別の収益源を作ることが求められています。

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金融業界の動向・トレンド

金融業界への理解を深めるためには、直近の動向・トレンドを把握する必要があります。選考で金融業界についての知識を深掘りされたときにしっかりと答えられるよう、常に最新の情報を頭に入れておきましょう。

Fintech・Insurtech

FinTech(フィンテック)は、Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた言葉です。先に述べた新たなイノベーションを創出するため、決済サービスやブロックチェーン、AIなどを活用したサービスがトレンドになっています。

もう一つのInsurtech(インシュアテック)は、Insurance(保険)とTechnology(技術)を組み合わせた言葉です。ウェアラブルデバイスやAI、ビッグデータなどを活用するサービスが登場し始めています。

FinTechの例としてはクレジットカードやQRコードを用いたタッチ決済、Insurtechの例としてはドライバーの特徴から保険料を算定する自動車保険が代表的です。

AIとオートメーション化

金融業界ではAIが業務に組み込まれた事例があり、業務のオートメーション化が進められています。現状では既存業務を効率化するために活用するケースがほとんどですが、今後AIに仕事を奪われる可能性があると理解しておきましょう。

代表的な事例としては、三菱UFJ銀行が紙書類の電子化のために、ロボット・AIを導入したことが挙げられます。そのほか、サイバー攻撃の検知や、融資業務での審査でAIを活用する動きがあり、今後もこうした動きが増えていきそうです。

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金融業界の業種

金融業界にある業種は銀行だけではありません。銀行以外にも証券や保険、信販など様々な業種があるため、それぞれの特徴と違いを正しく理解しましょう。

【金融業界の業種】

  • 銀行・信金
  • 証券
  • 保険
  • 信販
  • リース
  • アセットマネジメント
  • クレジット
  • 政策金融機関
  • 不動産金融
  • ベンチャーキャピタル

銀行・信金

銀行は、預金業務・融資業務・為替業務の3つの業務をメインにしている業種です。メガバンク、都市銀行、地方銀行、信託銀行、ネット銀行などに分類され、それぞれ取引先や地域、業務内容が異なっています。

銀行によく似た金融機関に信用金庫と信用組合がありますが、この2つは仕事や住む地域が同じ人たちが、相互扶助を目的につくった協同組織金融機関です。

あらゆる企業と人を対象に利益を追求する銀行に対し、信用金庫と信用組合は、中小企業や個人を主な取引先にして会員の利益を優先しています。

証券

証券は、投資家が企業の株式や投資信託を購入する際の仲介役を担う業種です。主な業務に、ブローカー業務、ディーラー業務、アンダーライティング業務、セリング業務の4つがあります。

【証券会社の主な業務】

  • ブローカー業務:投資家の注文を証券取引所に伝える仕事
  • ディーラー業務:利益確保を目的に、証券会社自らが有価証券を売買する仕事
  • アンダーライティング業務:国や企業から有価証券を買い取って投資家に売る仕事
  • セリング業務:国や企業から委託を受けて、有価証券を投資家に売る仕事

保険

保険は加入者から保険料を集め、事故や病気などの際にかかる費用を代わりに負担するサービスです。生命保険や死亡保険、医療・入院保険、がん保険、学資保険、自動車保険、火災保険など多種多様な保険商品を取り扱っています。

加入者から集めた保険料は長期性資産として運用されており、保険会社は莫大な資金を使って資産運用する機関投資家の側面も持っています。

【代表的な保険会社】

  • 日本郵政
  • ソニーグループ
  • 第一生命ホールディングス
  • 東京海上ホールディングス
  • MS&ADインシュアランスグループホールディングス

信販

信販は商品の代金立て替えをはじめ、クレジットカードやローンなどにおいて信用供与をおこなう業種です。消費者の購入代金を立て替えることで加盟店から手数料をもらったり、クレジットカードの利用者から年会費や手数料をもらったりして収益を挙げています。

信販会社の代表的なサービスが、クレジットカードの分割払いです。分割払いでは、信販会社が購入代金を一時的に立て替え、消費者が選んだ金額を毎月請求しています。

リース

リースは顧客に対して器具や設備などの物件を長期的に貸し出す業種です。レンタルサービスに比べて貸し出し期間が長い傾向にあり、長期におよぶ契約を結ぶことでリース会社は継続的な利益を得ています。

リース取引には、ファイナンスリースとオペレーティングリースの2種類の方法があります。簡単に言うとファイナンスリースは「中途解約ができない」「リース料額が現物購入価格以上」という特徴を持つ取引で、それ以外の取引がオペレーティングリースです。

器具や設備などを一括で購入するのが難しく、銀行での融資申請や固定資産税の申告などの手続きを避けたい企業のために、ファイナンスリースが存在します。

アセットマネジメント

アセットマネジメントは投資信託や投資顧問サービスを提供し、資産の管理・運用を代行する業種です。顧客は個人や機関投資家で、投資信託の購入手数料、助言の対価としてもらう成功報酬などによって利益を生み出しています。

資産運用に関わる業種という意味では証券会社とよく似ていますが、証券会社は投資信託の販売が目的なのに対し、アセットマネジメントは投資信託の開発と運用をメイン業務としています。

クレジット

クレジットは、カード利用者が払う年会費や利息、カード加盟店が払う手数料などを収益源とする業種です。クレジットカード会社は、国際ブランド、クレジットカード発行会(イシュアー)、加盟店管理会社(アクワイアラー)の3種類に分けられます。

国際ブランドであれば、VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubなどが有名です。このようにクレジットカード業界には様々な役割を持つ会社が存在し、その仕組みは非常に複雑なものになっています。

政策金融機関

政策金融機関は法律によって制定された特殊法人です。政府が出資して設立される銀行であり、国内の経済発展や中小企業の経済活動への支援を目的にしています。

ビジネスモデルや業務内容は一般の銀行とほとんど変わりませんが、中小企業と地域の企業を主な顧客としているのが政策金融機関ならではの特徴です。

【代表的な政策金融機関】

  • 日本政策金融公庫
  • 日本政策投資銀行
  • 国際協力銀行
  • 商工組合中央金庫

不動産金融

不動産金融は、土地や建物を担保として資金を貸し出す業種です。不動産分野と金融分野が融合した業種と捉えるとイメージしやすいでしょう。

不動産金融の専門分野は、不動産証券化や不動産投資、ノンリコースローン(キャッシュフローのみを返済原資とするローン)などです。土地や建物を有価証券に換えたり、不動産を保有・売却したりして利益を得ています。

ベンチャーキャピタル

主にスタートアップ企業やベンチャー企業など、高い成長率が見込まれる未上場企業へ出資する業種です。買収した企業の株式や事業を再び売却し、利益を得ることを基本的なビジネスモデルとしています。

ベンチャーキャピタルの投資形態は、自己資金投資とファンド投資に大きく分けられます。自社が保有している資金を使って投資をする形態が自己資金投資、金融機関や機関投資家などから集めた資金を1つにまとめて投資をする形態がファンド投資です。

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金融業界の職種と働く魅力

金融業界の業種について理解を深めたところで、次は職種を見ていきましょう。それぞれの特徴と働く魅力を参考にして、自分に合いそうな職種を探してみてください。

【金融業界の職種】

  • リテール(個人営業職)
  • ホールセール(法人営業職)
  • ファイナンシャルプランナー
  • 保険外交員
  • プライベートバンカー
  • ディーラー
  • トレーダー
  • ファンドマネージャー
  • 証券アナリスト
  • エコノミスト
  • アクチュアリー
  • 金融事務

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リテール(個人営業職)

リテールは個人や中小企業などの小口顧客を対象に、金融業務全般に関わっていく仕事です。「窓口対応」「支店営業」などとも呼ばれ、主に銀行や証券会社で小口顧客の資産運用・管理をサポートしています。

金融業界の職種のなかで特に顧客と近い立場にあるため、お金に関する1人1人の悩みを直接解決していけるのがリテールのやりがいです。人の相談に乗るのが好きな人や、悩みを解決することにやりがいを感じる人に向いています。

ホールセール(法人営業職)

小口顧客を相手にするリテールに対し、国や自治体、大企業などの大口顧客を相手にするのがホールセールです。同じく銀行や証券会社で、預金・貸し付け業務、未上場企業を上場に繋げる業務などを担当しています。

金融業務全般に関わるという点ではリテールと似ていますが、ホールセールの扱うビジネスのほうが規模が大きい傾向にあります。大規模なビジネスや、長期的なビジネスに携われるのがホールセールならではの魅力です。

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーは主に個人を対象とし、資産運用に関する相談・助言をする仕事です。業務内容は年金、保険、金融、税金、不動産、住宅ローン、生命保険など多岐にわたります。

ファイナンシャルプランナーのやりがいは、顧客の長期的な人生設計に携われる点です。お金という他人が踏み込みづらい悩みをテーマに、人生設計を多角的な視点から分析・サポートできるのが他の仕事にはない魅力といえます。

保険外交員

保険外交員は保険契約の勧誘や手続き代理、契約後のサポートなどを担当する仕事です。主に、保険会社や保険代理店を活躍フィールドとしています。

保険会社の顔ともいえる仕事で、女性が多い傾向にあり、通称・生保レディと呼ばれて尊敬を集めています。保険外交員は歩合制を採り入れている企業が多いため、実力次第では平均以上に稼げる可能性があるのが特徴です。

プライベートバンカー

プライベートバンカーは富裕層の専属コンサルタントして、資産運用・管理をトータルサポートする仕事です。一般的に預入資産1億円以上を条件としており、場合によっては一生にわたる長い付き合いをしていきます。

プライベートバンカーの魅力は、1人の顧客と深い信頼関係を築ける点です。顧客に自分の実力を認められ、デリケートな悩みを相談されたときには、他の仕事では得られない大きな充実感を得られるでしょう。

ディーラー

ディーラーはディーリング業務を専門的におこなう仕事です。金融機関が自社の資金を元手に為替や債券、株式などを売買して利益を生み出すことをディーリングと言い、そのディーリングを担当する人をディーラーと言います。

ディーラーのやりがいは、個人では目にする機会がないような巨額の資金を動かせることです。心身ともに大きなプレッシャーにさらされる点は大変なところですが、自分やチームの力で会社に利益をもたらしたときには何事にも代えがたい達成感を得られます。

トレーダー

トレーダーは顧客の注文を受けて株や債券などの売買取引を執行したり、ディーラーとの仲介役を果たしたりする仕事です。自分の意思で売買するディーラーに対し、トレーダーは顧客の売買を代わりにおこなうという違いがあります。

巨額の資金を動かせる点でディーラーとよく似ていますが、顧客である投資家が喜ぶ姿を間近で見られるのがトレーダーならではのやりがいです。人と信頼関係を構築することに喜びを感じる人や、自分の仕事が人の役に立っていることを実感したい人に向いています。

ファンドマネージャー

ファンドマネージャーは、投資信託(ファンド)の運用方針を立てたり、ポートフォリオを組み換えたりする業務を指揮する仕事です。主に、投資信託会社や投資顧問会社を活躍フィールドとしています。

ファンドマネージャーのやりがいは、個別の企業情報から経済の動きまで幅広い情報収集が必要になる点です。

例えば、景気の影響が少ない銘柄を選ぶためには、社会情勢や為替の値動きを把握する必要があるなど、仕事を通じて広く深い知識を身につけていけるのが面白さといえます。

証券アナリスト

証券アナリストは業界や企業を対象として、経済状況の調査・分析をする仕事です。主に、証券会社や運用会社などの金融機関で活躍しています。

証券アナリストのやりがいは、財務状況や業績状況などのデータをもとに、業界や企業について深く分析していける点です。必ずしも自分の予測が当たるとは限りませんが、緻密な分析をもとに導き出した予測どおりに、市場が動いたときに大きな喜びを感じられます。

エコノミスト

エコノミストは、国内外の景気や金融業界の動向といった経済状況を調査・分析する仕事です。金融機関をはじめ、官公庁やシンクタンク、大学などを活躍フィールドとしています。

経済状況の調査・分析という点では証券アナリストと共通していますが、エコノミストの調査対象は規模が大きいのが特徴です。金融市場全体の動向のような大規模な経済状況を見ていくため、マクロな視点で分析してみたい人に向いています。

アクチュアリー

アクチュアリーは確率や統計の知識を活かし、保険料率・支払保険金額の算定、保険商品開発などの業務にあたる仕事です。活動分野には、生命保険事業や損害保険事業、年金事業、リスクマネジメントなどがあります。

アクチュアリーのやりがいは、数学の知識を活かして人の役に立てる点です。物事の確率を計算するのが好きな人や、様々な数値データから情報を読み取ることが好きな人に向いています。

金融事務

金融事務は、金融業務に関わる事務仕事を広く担当する仕事です。専門職以外で働く人全般を指し、窓口業務から顧客対応、書類作成まで幅広い業務を担当しています。

事務職といえども、金融業界の事務職の場合はお金に関する知識が欠かせません。顧客に金融商品を紹介するときや、文書・データを作成する際に効率的に業務を進めるため、ある程度の金融知識を備えておく必要があります。

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金融業界への就職におすすめの資格

ここからは、金融業界への就職におすすめの資格を紹介していきます。自分が関わりたい仕事に必要になる資格を逆算して考え、時間に余裕があるうちにぜひ資格取得にチャレンジしてみてください。

証券外務員

【試験概要】

  • 主催団体:日本証券業協会
  • 資格種類:公的資格
  • 受験資格:なし
  • 試験日:土日祝日以外ほぼ毎日
  • 試験形式:〇✕方式及び五肢選択方式(ネット試験)
  • 試験種類:一種、二種

証券外務員は、金融商品の勧誘の仕事に直結する資格です。金融商品を顧客に紹介して販売可能になる、業務独占資格のような一面を持っています。

試験種類は一種と二種に分けられ、等級によってできる仕事の範囲が変わります。二種外務員資格は現物株式などの外務員職務しかできませんが、一種外務員資格では信用取引やデリバティブ取引などのリスクの高い商品も取り扱い可能です。

日商簿記検定

【試験概要】

  • 主催団体:日本商工会議所
  • 資格種類:公的資格
  • 受験資格:なし
  • 試験日:年3回(2月、6月、11月)
  • 試験形式:筆記試験、ネット試験
  • 試験種類:1級、2級、3級、簿記初級、原価計算初級

日商簿記は、貸借対照表や損益計算書などの帳簿に関する資格です。金融に関する基礎がまとまっているため、資格を所有していれば経理・財務について一定の知識を持っている証明になります。

金融業界で働く人の多くが持ち合わせており、金融業界以外でも有用な資格です。金融業界を目指す人はもちろん、「一般事務職を志望しているけど、どこの業界を選ぶかまだ迷っている」という状況の人も持っていて損はありません。

ファイナンシャルプランナー

【試験概要】

  • 主催団体:日本FP協会
  • 資格種類:国家資格
  • 受験資格:3級はなし、1級・2級は要件を満たす必要あり
  • 試験日:1級は年1回(9月)、2・3級は年3回(1月、5月、9月)
  • 試験形式:学科および実技試験
  • 試験種類:1級、2級、3級

ファイナンシャルプランナーは、金融や税金、不動産、住宅ローン、生命保険など、お金に関する様々な知識を証明する資格です。資格を所有していれば、保険・銀行・証券などの幅広いフィールドで活用できます。

FP技能検定の試験種類は1級〜3級に分けられ、それぞれに学科試験と実技試験が設けられています(一部合格には試験免除制度あり)。3級はファイナンシャルプランナーの登竜門に位置しているため、初めて学ぶ人はまず3級の取得を目指すのがおすすめです。

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金融業界に向いている人・求められる能力

ここでは、金融業界に向いている人・求められる能力を紹介します。当てはまらないと絶対に活躍できないというわけではありませんが、金融業界との相性を確かめる1つの判断材料にはなります。

金融業界で強みや能力を活かせるか不安な人は、以下の内容と自分の特徴を照らし合わせてみてください。

向上心・努力家

職種によっては資格取得が必要になるため、積極的に学ぶ姿勢や入社後の努力が求められます。自分の現状に満足することなく、新しい知識・スキルを身につけようとしたり、主体的な行動をとったりできる人が活躍しやすいでしょう。

特に、金融業界はお金をテーマにしていることから、他の業界以上に変化が激しい傾向にあります。例えば、証券会社でコンサルティング営業をするのであれば、国内外の経済状況や企業の業績など、金融業界の最新動向のリサーチが必須です。

数字に強い・論理的思考力がある

金融業界では必ず数字に触れることになるため、数値データから物事を論理的に思考する能力が求められます。数字を見るのが嫌いでないか、嫌いな場合は克服するための努力ができるかが重要です。

なかでも論理的思考力が求められるのは、資産運用に関わる職種や、経済に関する情報を調査・分析する職種です。得られた数値データが持つ意味と、活用方法を筋道立てて考える必要があります。

誠実さと責任感

どの業界にも共通して言えることですが、金融業界は特に誠実さと責任感が重要になります。顧客の大切な資産を預かったり、その資産を運用したりする仕事だからです。

例えば銀行員は、いついかなるときでも正確かつすばやい対応が求められます。お金を取り扱う業務ではちょっとしたミスが大きな問題に繋がってしまうため、ミスのリスクを可能な限り減らせるよう責任をもって業務にあたる心がけが大切です。

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金融業界の志望動機の例文

金融業界の志望動機を考えるときのポイントは、どの業種のどんな職種に興味があるのかを明確にし、何を成し遂げたいのかまで言及することです。

例えば、運用会社の証券アナリストに興味があるなら、証券アナリストとして関わりたい業務や実現したいことを具体的に伝えましょう。

銀行・メガバンクの志望動機の例文

企業の経営を支える仕事をしたいと思い、金融業界のなかで銀行を志望しました。

私のモチベーションの源泉は、誰かの助けになったり、人に喜んだりしてもらうことにあります。企業にとって身近な存在である銀行のホールセールであれば、やりがいを感じながら働けると思い志望しました。

数ある銀行の中で御行を選んだのは、カンパニー制の早期導入に象徴されるように、変化する金融業界のビジネスモデルへの対応が最も早いと感じたためです。

変化に柔軟に対応している御行であれば、会社の将来に大きな不安を抱えることなく、自分の仕事と役割に集中できると考えています。

保険会社の志望動機の例文

顧客のライフステージにあわせて長く関わっていく働き方に魅力を感じ、生命保険会社を志望しました。

法人職域ファイナンシャルコーディネーターを志望するのは、2年間の営業を経験したのちに、複数のキャリアプランが用意されている点に魅力を感じたためです。

マネジメント職務や営業職務など様々な職務があるなかで、まだ働き始めてもない段階で将来をイメージするのが難しかったため、今後の考えに応じて道を選べる職種を志望しました。

生命保険会社の中で特に御社を志望するのは、御社の商品が顧客に選ばれる理由に興味があったからです。トップクラスのシェアを誇る御社の商品が選ばれる理由を知れば、自分の営業スキルのアップに繋がると考えています。

証券会社の志望動機の例文

人が生きていくための大切な要素である、お金に関わる仕事をしたいと思い御社を志望しました。

同じくお金を扱う仕事として銀行とどちらを志望するか悩んだのですが、証券会社は企業や個人のお金をいかに増やすか考えている、というところに銀行との違いがあります。顧客のために働く側面が強い点に惹かれ、銀行ではなく証券会社を志望しました。

多くの証券会社の中から御社を選んだ最終的な決め手は、変化や挑戦を恐れない社風をインターンで実感したためです。そんな社風が、伝統や固定観念に縛られたくない私の性格にマッチすると考えています。

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金融業界の就職活動でやっておきたいこと

最後に、金融業界の就職活動でやっておきたいことを紹介します。

基本的には他の業界の就職活動と進め方は変わりませんが、金融業界ならではの注意点もあります。以下の内容を参考にしながら、早めの準備を心がけましょう。

説明会・インターンシップへの参加

業界と企業への理解を深めるために、ぜひ参加しておきたいのが説明会・インターンシップです。業界の仕組みや動向、企業の特徴といった概要についての知識を得られるほか、企業とのつながりを持つきっかけになります。

特にインターンシップは、会社の雰囲気や細かな業務内容など、説明会では得られないリアルな情報を得られます。インターンシップでの経験はガクチカのエピソードとしても使えるうえ、入社後のイメージもできるのでぜひ参加してみましょう。

幅広い情報を集められる説明会も重要ではありますが、インターンシップや特別講義のように、直接現場の人とコミュニケーションができる場のほうがより有用です。

インターンシップの種類や探し方については以下の記事を参考にしてください。
就活インターンシップ大全|2024卒2025卒の選考時期など紹介

OG・OB訪問

リアルな情報を得る方法として、OG・OB訪問も効果的です。職業体験の側面が強いインターンシップでは踏み込んだ質問をしづらい一方で、1対1で落ち着いて会話できるOG・OB訪問は、内部の人にしか分からない実状を質問しやすいメリットがあります。

【OG・OB訪問で聞いておきたいこと】

  • 就活の進め方
  • 自己分析の方法
  • 細かな業務内容
  • 業界・企業の事情
  • キャリア・人生設計
  • 仕事への不満点
  • 私生活に関する話題

OG・OB訪問で話を聞ける時間は限られています。時間を無駄にしないためにも、自分で調べれば分かる情報は事前に集めておき、それでも分からないことを質問するようにしましょう。

OB・OG訪問の探し方や流れは以下の記事を参考にしてください。
OB・OG訪問の探し方や流れを徹底解説

適性検査やエントリーシート・面接の早期対策

市場規模が大きい金融業界は人気の業界なため、倍率が高くなりやすい傾向にあります。それに加えて外資系の金融機関は選考開始が早いこともあり、他の業界の就職活動以上に早期対策が必要です。

何から手をつければいいのかよく分からない人は、まず自己分析から始めることをおすすめします。自分の価値観や強みを明らかにする自己分析は、企業探しやエントリーシート・面接対策などあらゆる場面で役立つ、就職活動の基本中の基本です。

以下の記事を参考に、適性検査やエントリーシート・面接の対策を進めましょう。
適性検査・Webテスト
適性検査対策|いつから始めるべき?落ちる理由と合格のコツを紹介

エントリーシート
【エントリーシートとは?履歴書の違いは?】書く時のポイント3つ

面接
就活面接の質問集|対策・コツをマナーから回答例まで解説

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まとめ

以上、金融業界の仕組みや今後の動向、働く魅力などを紹介しました。

金融業界といえば銀行や証券会社、保険会社をイメージする人が多いと思いますが、それら以外にも数多くの業種があります。業種によって携われる仕事と働く魅力は異なるため、今回紹介した内容を参考に、ぜひ自分に合いそうなフィールドを探してみてください。

また、金融業界は志望先として人気が高いことから、選考での倍率が高くなりやすい傾向にあります。なかには、選考開始時期が一般的な企業よりも早い企業があるため、早めの対策を心がけることが大切です。

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