就活の面接において、短所の質問はよくある項目の1つです。ただ、短所を聞かれてどう回答すればいいのかわからない人も多いでしょう。中には、自分をアピールする場面で短所について聞かれることに戸惑う人もいるかもしれません。
短所に関する質問はネガティブなイメージがありますが、伝え方次第では自分の長所や強みをわかりやすく伝えられます。悪印象を与えないために、短所について自分で掘り下げ、自己PRをまとめておくことが大切です。
本記事では、自己PRで短所を聞かれる理由や適切な短所の選び方などについて解説します。具体的な例文と作成ポイントも紹介するので、自分の短所を効果的にアピールするためにぜひ参考にしてください。
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目次
自己PRで短所は書くべき?
結論から言うと、短所は自己PRに書くべきです。短所を書くことによって、自分のことを客観的に理解できている人と判断してもらえます。また、短所と長所は裏表一体であり、短所を言い換えることで自己PRに一貫性が生まれ、人柄の理解につながります。
自分にとっては短所であっても、伝え方を工夫することで高評価を得られる場合もあります。表現には配慮する必要があるものの、短所を上手にまとめて、企業が求める人物像に合った自己PRを作成できれば、効果的なアピールが可能です。
自己PRで短所を聞かれる理由
そもそも、採用面接においてなぜ短所を聞かれるのでしょうか。短所に関する質問には明確な理由があります。短所に関する質問を通して面接官が何を知りたがっているのか、質問の意図を理解することでわかりやすく伝えるために準備できるはずです。
本章では、自己PRで短所を聞かれる理由を4つ取り上げ、解説します。
自己分析できているか知りたい
採用担当者は、学生が自らを客観視して、良いところだけでなく悪いところも把握できているか確認するために短所を聞いています。短所を正しく認識できる人は、弱点や課題を乗り越える力があると判断できるからです。
問題が起きた際に原因や背景を把握し、解決策を導き出して自ら行動できる人材は、将来の成長や活躍をイメージしやすく、入社後の伸びしろが大きいとして好印象を持たれます。反対に、自分を客観視できず問題をまわりの人や環境のせいにする場合、人間関係や業務に影響を及ぼし兼ねません。
新卒採用は業務経験やスキルを重視する中途採用とは異なりポテンシャル採用をおこなう場合がほとんどですが、ポテンシャルの高い人材は客観的な自己分析が得意とも考えられます。そのため、自己分析を丁寧におこない、短所を自分で掘り下げておくことが大切です。
人となり・性格を知りたい
短所は、人となりや性格を知るためにも重要な要素です。学生の個性やキャラクターを理解するための質問でもあります。
自己PRでは、長所の方がアピールしやすいですが、良い点ばかり聞いていても、その人の本質の理解には及びにくいでしょう。特に、長所は自慢や誇張につながりやすく、表面的な印象を与えてしまう可能性もあります。
学生自身が「短所をどのように理解し、どんな人間だと把握しているか」を聞き出し、長所だけでは見えない人柄を知るために質問しています。
短所をどう克服しているか知りたい
短所を克服あるいは補うために何が必要なのかを考え、自ら動ける人材であると伝えられる質問でもあります。採用担当者は、仕事で問題や苦手なことに直面した際に、自ら改善策を見つけるために臨機応変に対応できるか、自分で行動して乗り越えられるかを見ています。
そのため、短所に対する自分の考えや改善策を伝えられるように準備することが大切です。「私の短所は~~です」と伝えて終わるだけでなく、短所や苦手なことにどう向き合っているか、改善に向けて試みていることは何か、という点までセットで伝えることが大切です。
また、短所をカバーできるようなほかの強みや魅力を伝える方法も効果的です。
求める人物像と合致しているか確認したい
求める学生の人物像や企業風土などにマッチしているかを見極めるためにも、短所の質問が役立ちます。短所や長所が企業の社風や業務内容と合っていないと、入社後に業務をこなすことが難しく、上司や先輩との関係がうまくいかないなどの理由で早期退職につながります。
例えば、心配性という短所がある人がスピード感が重要な業務についた場合、細かなことが気になって効率が下がってしまい、仕事についていけない可能性があります。長期にわたって企業で活躍してほしいと考えている企業側にとっては、短所は選考における判断基準の1つです。
自己PRに書く短所の見つけ方・選び方
短所なら何を伝えてもいい訳ではなく、自己PRとして適切な短所を見つけて掘り下げ、アピールポイントとしてまとめることが大切です。
ここでは、自分の短所を見つけ出し、自己PRに適した短所をどう選ぶのかについて解説します。
求人情報や求める人物像を理解する
自己PRに使う短所を選ぶ際には、企業の採用情報や求める人物像を理解しておく必要があります。
一方的にアピールしたいことや自分の伝えたいことを伝えても、企業とマッチしていないと採用される可能性は低いでしょう。
採用面接は、企業側が知りたいことを伝える場であり、相手目線での応対が前提です。まずは企業のホームページや採用サイト、求人票などを読み込み、どのような人材を求めているのかを理解して、自分の短所に通じているかを考えてみましょう。
長所・短所をセットで整理する
短所だけを考えるよりも、長所とセットで整理するとわかりやすいでしょう。
長所と短所は基本的に表裏一体であり、見方を変えるだけで短所は長所に、長所は短所になります。そのため、長所と短所両面から一貫性を持たせることを意識すると、説得力が増します。
長所と短所の一貫性やセットについてよくわからない場合は、後で詳しく紹介する短所と長所の言い換えや、自己分析ツールを活用することでスムーズに見つけられます。なお、先述した企業の求めている人物像に合う要素を選ぶことも忘れないようにしましょう。
自己分析・他己分析する
短所がなかなか見つからない場合は、「自己分析」や「他己分析」をおすすめします。自己分析とは、自分の長所や短所、価値観などを客観的に分析し、強みを見い出す作業です。
過去の具体的なエピソードや経験を振り返り、向き不向きや特徴を掘り出します。就活用の自己分析ツールを利用すれば、短時間で効率的に自己分析をおこなうことが可能です。
一方、他己分析とは、他人に自分について分析してもらう方法です。家族や友人など身近な人に「自分の短所や長所はどういったところか」と聞くことで、自分1人では気づけないような短所が見つかることもあります。率直な意見をもらうために、気を遣わない関係性のある人に依頼すると良いでしょう。
下記記事では、自己分析を通したほかの短所の探し方についても説明していますので、あわせて参考にしてください。
面接で「長所・短所」を聞かれた際の答え方|例文や言い換え一覧
自己PRの準備で使える!短所・長所の言い換え表現一覧
自己PRに使える短所・長所一覧を紹介します。セットとなる長所についてもあわせてまとめていますので、短所を盛り込んだ自己PRを作成する際にぜひ参考にしてください。
短所 | 長所 |
---|---|
優柔不断 | 慎重に判断ができる・思慮深い |
心配性 | 用意周到・責任感が強い |
理屈っぽい | 論理的 |
せっかち | スピード感を持って立ち回れる |
我が強い | 芯がある |
頑固 | こだわりが強い |
ミーハー | 新しい情報やものに敏感 |
マイペースすぎる | 周囲に流されない・おおらか |
面倒くさがり | 効率的 |
大ざっぱ | おおらか |
慎重すぎる | 気配りができる |
凝り性 | 妥協しない |
視野が狭い | 集中できる・深く掘り下げられる |
飽きっぽい | 好奇心旺盛 |
冷たい | 冷静 |
負けず嫌い | 向上心が高い |
プライドが高い | 成長意欲が高い・手を抜かない |
おとなしい | 相手を尊重できる |
いい加減 | 小さなことを気にしない |
流されやすい | 適応力が高い |
完璧主義 | 几帳面・細部までこだわる |
ことなかれ主義 | 協調性がある・客観的に最適な判断ができる |
神経質 | 感受性が強い |
傷つきやすい | 細かい変化に気づける |
鈍感 | 小さなことに動じにくい |
楽観的 | 失敗を恐れない・チャレンジ精神がある |
消極的 | 慎重 |
悲規的 | 大きな失敗をしづらい |
真面目すぎる | コツコツ取り組める |
自分に自信がない | 客観的に自分を見つめられる |
緊張しやすい | 周到な準備ができる |
注意力散漫 | 多方面を意識できる・マルチタスクが得意 |
考えすぎる | 突き詰めて考えられる |
すぐに決断できない | 慎重に考慮できる・石橋を叩いて渡る |
人見知り | 目の前のことに一生懸命・人をよく見ている |
他人を気にしすぎる | 細かいことに気がつく |
抱え込みやすい | 最後までやりきる |
目立ちたがり | 積極性がある |
でしゃばり | 物ごとに対して積極的 |
おせっかい焼き | 困った人を放っておけない |
不器用 | 誠実、実直 |
自分に甘い | 柔軟性が高い |
八方美人 | 協調性がある |
仕切りたがり | リーダーシップがある |
要領が悪い | 全力で取り組める |
没頭しすぎる | 集中力が高い |
自己主張が強い | 自分の考えや主体性がある |
ストレートな言い方 | 裏表がない |
他人に厳しい | 臨機応変な対応が可能・向上心がある |
忘れっぽい | ストレスを溜めない |
落ち着きがない | 行動力がある |
計画性がない | 臨機応変に対応できる |
すぐに人に頼る | 周囲を巻き込める |
ケアレスミスが多い | 行動が早い |
飲み込みが遅い | 努力を怠らない |
集中力がない | 好奇心旺盛 |
融通が効かない | 地道にやり遂げられる |
口下手 | 聞き上手 |
計画が苦手 | 柔軟に行動できる |
競争心が強い | 理想や目標に向かって努力できる |
考えるより即行動 | 失敗を恐れず挑戦できる |
見切りをつけるのが早い | 気持ちの切り替えが早い |
図々しい | 度胸がある |
臆病になりやすい | リスクヘッジが得意 |
諦めが悪い | 継続力がある・粘り強い |
短所を伝えるときの注意点
ここで、短所を伝える際に気をつけたい注意点について解説します。説得力のあるアピールにつながるとしても、採用面接において不利になりやすいものや、不適切なものもあるので、短所選びの際に押さえておきましょう。
社会人として非常識な短所は挙げない
社会人として非常識と思われやすい短所は避けるべきでしょう。短所に関する質問は率直に話すことが評価されますが、「時間にルーズである」「つい嘘をついてしまう」といった短所は、社会人としてのマナーや一般常識に欠けていてマイナスな印象を与えてしまいます。
「忘れ物をしやすい」「約束を忘れてしまう」などは、信用問題につながる致命的な項目であり、避けた方が無難です。
短所はないと答えるのはマイナス効果
短所が思いつかない場合に「短所がない」と断言することはおすすめできません。本気で自分の短所が見つからない、と思っていたとしても、「短所はありません」と言い切ってしまえば「きちんと自己分析ができていない」「欠点を認めたくないのでは」などと受け取られる可能性があります。
面接官は、誰しも短所を持っていることを前提に質問をしています。先述の通り、採用面接での短所の質問には、人物像の理解や適性の判断など明確な意図があり、人柄を知ってもらう絶好のチャンスでもあるので、短所と長所の裏返しを考えながらアピールポイントを見つけましょう。
身体的な特徴を挙げない
身体的な特徴を短所として挙げることも避けるべきでしょう。「背が低い」「容姿が悪い」「障害を持っている」といった身体的な要素や疾患は変えることが極めて難しく、短所として挙げるのは好ましくありません。
自己PRの短所は、原則として改善や克服が見込めるような、性格や行動の癖など内面的な項目を選ぶのが一般的です。また、業務に影響するような疾病や障害がある場合は、自己PRではなくあらかじめ企業に申告しておく必要があります。
克服できないものを挙げない
身体的な特徴に加えて、克服することが難しい項目も短所の回答として挙げないようにしましょう。ものすごく苦手であることや、克服するのに膨大な時間がかかることなど、どう頑張っても改善が見込めない特性はアピールにつながりません。
短所に対する姿勢や考え方を聞き出す質問への回答としては、努力次第で克服や改善が期待できるような項目を選ぶことが大切です。また、応募先の企業や業務に直接ネガティブな影響を与える短所も選ばない方が無難でしょう。
極端に自分を下げてネガティブに話さない
短所というとネガティブになりがちですが、自分を極端に否定する必要はありません。面接では謙虚さや素直さはある程度必要ですが、自分を卑下しすぎると「自信がなさすぎる」「卑屈そう」といった印象を与えてしまい、仕事を任せられないと思われる可能性があります。
短所は誰にでもあると受け止めた上で、前向きに取り組もうとする姿勢や、改善策を冷静に考えていると伝えることが大切です。短所だからこそ、ハキハキと答えるくらいの意識を持っても良いでしょう。
短所の伝え方
自己PRで取り上げる短所を選んだら、実際にどのように伝えるかを確認していきましょう。ここでは、短所をわかりやすく伝える4つのポイントについて解説します。
結論から話す
面接では、「私の短所は~〜です。」と結論から話すことを徹底しましょう。結論を最初に持ってくることで、話の流れが整理され、要点を明確に伝えられます。
ビジネスシーンでは、「PREP法」と呼ばれる「結論(Point)→根拠・理由(Reasons)→具体例・エピソード(Example)→まとめ(Point/結論を念押し)」という流れで話すのが鉄則です。結論を一番先に話す手法は、採用後の業務やプレゼンといった場面でも必須であるため、面接時から使えるようにしておきましょう。
短所に関するエピソードを話す
具体的なエピソードがあると、短所の裏付けや証拠となるため、説得力が増します。また、わかりやすく短所を伝えられ、面接官にバックグラウンドや人柄を伝えるためにも役立ちます。
例えば、「私の短所は心配性です」と最初に述べ、続けて「サークルでの発表で、細かい部分が気になりすぎ時間がかかりすぎてしまった」と伝えることで、人物像のイメージがつきやすくなります。
ただ、エピソードの中に他者への非難や、自分への言い訳といったニュアンスが入らないように注意する必要があります。
短所の克服法などポジティブに伝える
短所を事実ベースで素直に伝えたら、短所の克服法や改善策についてポジティブに伝えます。自分が短所とどう向き合っているのか、克服しようと取り組んでいるのか、ほかの長所でカバーしている、といったポジティブな話に転換すれば、成長意欲や向上心があることをアピールできます。
短所はどうしてもネガティブな言葉を使いがちですが、ポジティブな印象を与えられるよう表現や言い回しを工夫する必要があります。
仕事への影響や活かし方を伝える
短所の克服法とあわせて、仕事に短所をどのように活かせるかについても考えてみましょう。短所を認識した上で、仕事にどんな良い影響があるか、どう活かしていきたいか、といったところまで伝えられれば、努力や姿勢に対する評価を得られます。
よくある短所と例文
就活の面接でよくある短所と例文、作成のポイントについて紹介します。短所の質問に対する回答や、短所を用いたアピール文を考える際に参考にしてください。
例文1:諦めが悪い
御社に入社できた際には、粘り強さを活かして、困難な状況や課題を解消するために努力を尽くしたいと考えています。
例文のポイント
「諦めが悪い」という短所は、「粘り強い」「最後までやり抜く力がある」といった長所に言い換えられます。ノルマ達成が必要な営業職や、プロジェクトの期間内に高度な問題にも立ち向かいながら、プロジェクトを完成させる必要があるエンジニア職などの応募にも利用できるでしょう。
例文2:おせっかい
この短所は「思いやりがある」「相手に配慮した行動ができる」という長所でもあると考えています。御社の営業職として入社できた際には、「どうやってお客様にとって最善な提案ができるか」を常に考えて、御社に貢献したいと思います。
例文のポイント
「おせっかい」な点は短所でもありますが、「困った人を放っておけない」「気が利く」といった長所として伝えることが可能です。また、他人の役に立ちたいという思いが強いことは、「思いやりがある」と言い換えることもできます。
例文3:神経質
しかし、ミスのない状態で提出できたため、再提出を求められることはありませんでした。スピードを求められる場面では短所となりやすいですが、正確性が求められる業務では長所として活かすことができると考えています。入社後には、神経質になり過ぎないよう注意しながら、100%を目指す向上心を忘れずに業務に取り組もうと思っています。
例文のポイント
「神経質」という短所は、言い換えると「感受性が強い」「几帳面である」などといった長所としてアピールできます。細かなことに気づける特性が、業務内容に有利に働くことを具体的に伝えられるよう工夫しましょう。
まとめ
自己PRで短所を書くことは、自己分析がしっかりできていることの裏付けとなる上、長所の裏返しとして強みのアピールにもつながります。面接官は、短所の質問を通して学生の人となりを知ろうとしているので、企業が求める人物像や職種の特徴にマッチした項目を選んで回答できれば、好印象を与えられるでしょう。
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