戦略を持った採用活動の実施。創立101年目の挑戦とは。

株式会社ダイセル

採用課題

採用したい学生に出会えない

専門性が高い学生に出会えない

従業員数

1,000名以上

業種

メーカー

エリア

関西

設立

1919年

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  • 課題

    均一なリソース配分。濃淡をつけた対応ができていない。 もっと見る

  • 導入

    緊急事態宣言発令後は完全オンライン化のなかでの活用。 もっと見る

  • 効果

    母集団形成に苦戦していた専攻分野から3名の採用。非効率が採用に繋がった。 もっと見る

課題

均一なリソース配分。濃淡をつけた対応ができていない。

グローバルに活躍する日本有数の大手化学メーカーの株式会社ダイセル。一見、採用活動には大きな課題がないような大手企業が抱えていた悩みとは。OfferBoxの導入背景や、コロナ禍でのオンライン活用についてお話を伺いました。

--OfferBox導入前の新卒採用の課題について教えてください。

弊社は、新卒採用は主に4名で担当するという体制を取っており、必要に応じ、臨時で数名担当してもらうというような形で運営しています。その体制で、手が回らないということは起こりませんでした。しかし、全ての採用活動に均一のリソースの配分を行っていたため、メリハリがなく全体的にふわっとしていたと思います。

その影響からか弊社のことをイメージしやすい、化学系などの専攻分野の学生さんとイメージしにくい専攻分野にて、応募者数に差が出ていました。そのなかでも特に機械・電気・情報・土木・建築系の学生さんに関しては、ダイセルの持つ、大規模プラントの設計・管理や世界シェア2位のエアバッグ用ガス発生装置の製造というような、ダイナミックなフィールドをイメージしてもらうことが難しかったと思います。既存の手法での改善を考えましたが、なかなか難しくどうにかしなければというような状況でした。

写真1

採用担当 岡嶋 顕史さん

--OfferBox導入のきっかけについて教えてください。

課題から、抜本的に採用リソースの再分配が必要だと思いました。濃淡をつけた対応と言えば良いでしょうか。応募が集まりにくい専攻分野の学生さんに向けて、弊社の魅力的なフィールドをいかに認知していただくか、守りではなく、攻めの策を考えました。そこで行き着いたのが、OfferBoxでした。

今までの採用手法は『待ち』の採用だと思っていて、エントリーという玄関を開けておき興味を持った学生さんが入ってくるという状態。玄関に上がってきてもらってから弊社のことを伝えていくイメージです。それに対してOfferBoxは『攻め』の採用です。こちらから積極的に学生さんに向けて、自分から営業しにいくイメージです。この2つの手法をターゲットごとに使い分けることで、出会いの可能性が更に広がるのではと思いました。

導入

緊急事態宣言発令後は完全オンライン化のなかでの活用。

--実際利用してみてどうでしたか。

ターゲットとする学生さんに対して、検索が簡易で、何より一人一人のプロフィールが充実している点が良いなと感じました。

弊社では、自ら行動を起こせる人を求めていました。「自ら考え」「意見を持ち」「行動に起こす」この3つが弊社での働き方に求められるためです。機械・電気系の社員が多数活躍している、エアバッグ用ガス発生装置を製造している事業等でも、若手のころから、新しい商品の企画開発を任される風土があります。そのため、他責にならず、自ら引っ張っていける素養が必要でした。

また、弊社は創立101年目の会社で、現在、会社の変革期になります。こうなったらいいなではなく、こうしたいという考えがある人に会社を創っていってもらいたいと考えています。

そういった学生さんを探すために、プロフィールを読み込もうと考えました。OfferBoxでは写真や2,000文字ほどのプロフィール文が充実していたため、この子にオファーを送ろうという判断がしやすかったです。面白いことに、プロフィール内容が分かりやすいと感じた方は、実際にお会いしても魅力的な方が多い印象でした。

--今年度は、新型コロナウイルスの影響があったと思います。利用に関して困ったことはありましたか。

緊急事態宣言発令後には採用活動を完全にオンライン化にしましたが、OfferBoxはオンライン化しても特に困るようなことはありませんでした。むしろ活動している学生さんがWebサービス上で一覧的に把握できるため、マッチしていたと感じます。

今まで行っていた遠方の学内セミナーに参加する代わりに、オファーを送ることで「遠方の方への弊社の認知度向上」ができるようになり、その余分にできたリソースを、興味を持ってくれた学生さんへのフォローに割くといったことができました。

--採用のオンライン化に関して聞かせてください。

緊急事態宣言発令後からは、リアルで会っていたのを中止し、Web会議ツールを活用して、全ての学生さんとの接点をオンラインに切り替えました。

オンライン化での気づきは、対面での面接と比較しましても、「意外と判断することが出来た」というのが正直なところです。学生さんにとって普段慣れている場所(自宅等)から面接に参加するので、素でお話いただけるのかなと思います。そのため、学生さんの本質なところを面接会場でリアルにお会いしていた時よりも見えやすかったです。

また、会社の姿勢を見せるのにも良いチャンスだと捉えました。弊社ではハンドソープやシャンプーなどのなかに使われている粘り気を出す製品を工場で製造しています。例えば、新型コロナウイルスの感染者が弊社内の工場で出てしまいますと、どうしても工場の稼働を停止させなくてはならない可能性が懸念されます。もし、弊社の製造する製品が市中に出回らなくなると、この環境下での世の中のニーズにお応え出来ない可能性もございます。Webでの面接実施は、その社会的影響力があるからこその判断だと学生さんに伝え、弊社の事業インパクトを理解してもらいました。

写真2

--オンラインだからこそ、工夫された取り組みはありますか。

面接で会社の雰囲気を伝えられるように工夫しました。

さきほど、意外と学生さんのことはオンラインでも分かるとお伝えしましたが、オンラインでは会社の空気感が伝わりにくくなったのは事実だと思います。特に会社の雰囲気や文化については肌で感じる部分が多いと考えています。

弊社の技術系の面接では様々な部署で活躍する技術系社員と、人事が一緒に入るスタイルをとっています。その際に、社員間の関係性や雰囲気が分かるようなかけあいを意識して行っていました。質問タイムに質問が出た際に「この質問なら、経験がある面接官のBさんからお話してもらうといいんじゃないですか?」だったり、「もっとぶっちゃけて話してあげてみてくださいよ!」とかですね。

そのやりとりを見てもらい、イメージを掴んでもらうようにしました。実際に効果もあってオンラインでの採用なのに、弊社に就職先を決めた理由の大半が「会社の雰囲気」だったのは嬉しかったですね。

効果

母集団形成に苦戦していた専攻分野から3名の採用。非効率が採用に繋がった。

--採用結果について教えてください。

OfferBoxを通して、母集団形成に苦戦していた、機械・電気・情報・土木・建築系の学生を3名採用することができました。採用活動の振り返りミーティングでも、人事内でOfferBoxを入れてよかったという話をもらうこともできました。

今回の活用で感じましたが、あえて実践した、非効率な部分が成功に繋がったと思っています。OfferBoxでは学生さんのプロフィールを読み込み、オファー文では一人一人に合わせた個別メッセージを作成していました。

内定者に採用活動についてのアンケートを取得してみたところ、OfferBoxでの内定者は『自分自身のことを見て、オファーを送ってくれたことがダイセルに対して興味を持ち始めたきっかけになった』と回答してくれています。

世の中では、効率性を重視した様々なサービスや機能が溢れているからこそ、「あなただから」という個別のアプローチが、学生さんには納得度が高く特別感を感じてもらうことができるのかなと思います。

写真3

--では、最後に今後力を入れていきたいポイントについて教えてください。

まずOfferBoxの活用についてですが、来年も継続して活用しようと思います。そのなかでも今年度と同様に戦略的な使い方をしていきたいと思います。今年度の機械・電気・情報・土木・建築系の採用を参考に次年度の戦略に合わせて活用方法を変えたいと思います。まだ個人的な意見ですが、新規事業を起こすような、会社にインパクトを残せるような人材を採用したいです。採用がゴールではなくスタートとなるはずですから、入社後、社内で大いに活躍してくれる、前向きな変革を次々に起こしてくれることをゴールにした採用活動をより意識できたらなと思っています。

あと、一緒に採用活動で協力してもらう先輩社員をもっと増やしていきたいなと思っています。企業として母体が大きくなるとどうしても採用は「採用担当だけがやっているもの」となりがちです。そのような体制だと、薄い情報しか学生さんに伝えられず、せっかく優秀な学生さんが弊社に興味を持ってもらえたとしても、最終的に決めてもらうことができません。そういったことを無くすためにも、より多くの社員を巻き込んで、多くの学生さんに更に弊社のことをクリアに理解してもらい、入社後に活躍してくれる組織や人を増やしていきたいと思います。

--ありがとうございました。

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