※撮影時のみマスクを外し、その際の会話は一切控えていただきました。
「待ち」の採用で会えるのは必ずしもマッチ度の高い学生ばかりではない。数多くの面接・選考が大きな負担だった。
−−まずはじめに、OfferBox導入前の採用状況について教えてください。
a.新卒採用体制
総合職の新卒採用は、部門マネージャー1名とメンバー1名の合計2名で実施していました。
インターンなどは行っておらず、スケジュールとしては4ヶ月~半年ほどの日数をかけて採用活動を行っていました。
b.従来の採用フロー
HP経由で若干の自主応募はありましたが、基本的には人材紹介を活用していました。
弊社の業務内容に合わせて「人材派遣+営業職志望」の学生を中心に紹介していただき、説明選考会で接触、その後面接に来てもらうという流れです。
c.導入以前の採用ツール・サービス
人材紹介がメインで、例年10~20名を採用していました。
母集団の内訳として自主応募は1割いないくらいでした。また、実際に採用決定に至る学生はほとんど紹介経由の学生さんでした。
−−どういった採用課題があったのでしょうか。
一番大きかった課題は、弊社とカルチャーフィットしない学生さんとの接触が多かったことです。
「人材派遣+営業職志望」という点ではマッチしている学生でも、志望の度合いや営業職の適性、弊社とのマッチ度は人それぞれです。
そこを面接で見極めるとなると、たくさんの学生さんと面接でお会いして、詳しくお話をうかがっていくことがどうしても必要になります。また、面接はほぼ1名で行っていましたので、工数の多さも常に懸念でした。
自社の文化にフィットする学生に出会うため、「攻め」の採用に打って出た。
採用担当 加登さん
−−どのような理由でOfferBoxを導入されたのでしょうか。
人材紹介のみではどうしても「受け身」の採用になってしまいます。売り手市場という背景もあり、弊社にマッチした人材を獲得するには主体的に自分たちから動いていく必要があるのではないか、というのが導入の主な動機です。
弊社のことをまだ知らなくても、弊社の営業カルチャーに合う学生さんにオファーすることで良い採用活動ができるのではないか、ということが導入にあたって持っていたイメージです。
−−導入に際し、OfferBoxにどのようなことを期待されていましたか。
人材紹介では出会えない学生に会いたい、というのがポイントです。
中でも「対人関係力の高い」社員が活躍傾向にありましたので、そういったコミュニティで活躍されていた方を集めたり、適性検査を利用すればパーソナリティ面で相性がいい方を探せるのが特に活用したいポイントでした。
初年度ということもあり、当初は採用目標15名のうち、10名を人材紹介、5名をOfferBoxで採用する計画でスタートしました。
OfferBoxにはたくさんの学生さんが登録していますが、実際にオファーを出してリアクションが返ってくるのか、工数に見合った結果が出るのか、という点が少し不安ではありましたね。
−−OfferBoxの活用方法について教えてください。
a.Targeting:自社に合った採用ターゲットの設定
最初はざっくりと「人材サービス×営業職」志望で検索していました。その中でもプロフィールをしっかり書いている学生さんの文章をよく読んで、やりたいことや将来像と弊社の仕事がマッチしているか、を見極めてオファーする、という流れです。
また、運用していく中で、送信数や承認数などのKPIを都度チェックしながら、「人材サービス×営業職」の志望条件に加え、適性検査の項目などを見るとともに「体育会系」の学生にもターゲットを広げ、弊社での仕事にうまく適応してくれそうな学生さんを探していました。
b.Messaging:ターゲットに対して打ち出す内容の作成
まずは弊社を知っていただき、興味を持っていただかないことには始まりませんので、簡潔で要点が伝わりやすいメッセージの作成を心がけました。その中でも、弊社の強みである福利厚生やリモート勤務ができる点などのアピールポイントを目立つように記載しました。
さらに、学生さんがプロフィールに書いてある内容から興味深いポイントを見つけて、個別にコメントを書くなど、既定のオファー文章をベースにして、少しずつ調整しながら送りました。
メッセージの内容は、i-plugの営業担当と相談しながら、学生さんに弊社のイメージや長所などを掴んでもらえるように作成しました。
c.Processing:採用プロセスの設計
当社からオファーする以上、学生さんのことをよく知る・向き合うとともに当社のことをしっかりと理解いただくことが大事だと考え、以下の体制・プロセスを再構築して臨みました。
- OfferBox専任担当者1名設置。
- 既存採用システムとの連携による事務作業効率化。
- 従来面接官が対面で実施していた会社説明を動画化。(いつでも、どこでも視聴可)
- 面接枠・面接官を増やし、多くの学生と接触。(昨年度比で3~4倍)
- 週次ミーティングによる面接した学生の特徴共有と選考を進める学生の選定。
- 内定後には担当者からお祝いの電話や、メッセージ付記の記念品を送付したり、内定者の方々を集めたWeb懇親会を実施。
等、「受け身」から「攻め」の採用にすることで従来の採用プロセスが大きくブラッシュアップされました。
−−プロフィール情報で見ているポイントは?どんな学生にオファーを送りたいですか?
何より「自分のことをしっかり書いている」点を見ています。自身が今までやってきたことや、これから社会人としてやりたいことなどを整理し、文章として構成できているかどうか、を重視しています。
逆に、書き方や文体がきれいで整っているかどうかはそこまで重視していません。精緻に書いていなくても詳しいことは面接で訊けますので、骨組みがちゃんとしているかどうかが重要だと思っています。
−−学生とコミュニケーションをとる際に意識した点はありますか。
学生さんへの「敬意を持って接する」ということは常に心がけています。貴重な時間をいただき、弊社のことを知ってもらう上で忘れてはいけないことだと思っています。時には学生さんの意向に沿えないこともありますが、弊社としては採用選考をしながらも、学生さん自身の適性・適職を考えるお手伝いをさせていただくことで、お互いにとって良い機会になれば、と思っています。
もちろん、その結果として弊社との縁があれば何より嬉しいことです。
−−面談・面接で学生の何を見ていますか。
様々なことに挑戦できる人かどうか、様々な立場の人とコミュニケーションできる人かどうか、です。
会社が成長を目指す以上、社員個々人の成長も必要になってきます。自身の今までの経験も踏まえつつ、将来へのステップを見据えていることを自分の言葉で話せる学生さんは評価も高い傾向です。
業務上、顧客・エンジニア・社内の人間など、様々な立場の方と関わる機会がありますので、そういった多面的なコミュニケーション能力も重視しているポイントです。
−−実際にオファーした学生の印象はどうでしたか。
OfferBoxのプロフィールを書くことが内省・言語化のプロセスになっているからではないかと思うのですが、自分の経験に基づいて自分の言葉で話せる学生さんが多いな、という印象です。
自分の言葉でしっかり書いている学生さんは、面接でも重要なポイントをしっかり伝えられる方というイメージです。
人数・マッチ度ともに期待以上の成果。OfferBoxでの採用目標人数をさらに拡大することに。
採用担当 堤さん
−−OfferBoxの効果について教えてください。
当初はOfferBoxでは5名の採用目標だったのですが、最終的には13名の内定承諾で着地しました。
他のチャネルでは会えない多様な学生さん、会いたい学生さんへのアプローチ手法としては非常に効率的な媒体だと感じました。
オファーなど初期段階の運用工数はかかりましたが、その後の説明会や面接での工数を併せて考えると、イメージほど手間はかからなかったと思います。
−−OfferBoxを導入してみて、採用活動に変化はありましたか。
最初は、4~5月までOfferBoxを運用して5名ほどを採用し、その後6月以降に10人ほどを人材紹介で採用する計画で進めていました。
ただ、実際にOfferBoxを運用してみると予想以上に学生さんからの反応があり、さらに弊社とマッチ度の非常に高い学生さんとも多数お会いできたため、急遽OfferBox経由での採用人数を増やす方針に転換しました。
−−OfferBox導入前と現在で、印象に違いはありますか。
一番大きかったのは、サービスとして使いやすく、使いこなせるようになるまでが非常に早い、という点です。
まだ導入初年度ですが、少し複雑なイメージのあった、詳細な学生検索や適性検査機能なども使えるようになり、他サービスとの連携などもうまくいきました。
また学生からのリアクション率も非常によく、工数面も思ったほどかかりませんでした。
−−最後に、今後採用において力を入れていきたいポイントを教えてください。
来年の人員計画などはまだ正式には決まっていないのですが、採用人数やスケジュールなどは例年通り進めていくことになると思います。
OfferBoxでは出会える学生さんのマッチ度も人数も担保できることがわかったので、今後はOfferBoxをメイン媒体として計画を立てていくことになるかと思います。
また今後は、学生さんへの弊社の魅力づけにも力を入れ、説明会後の選考参加率などを高め、より良い採用活動ができるよう改善を続けていきます。