BtoB×地方企業で、学生から認知される導線がない。
−−まずはじめに、OfferBox導入前の採用状況について教えてください。
a.新卒採用体制
OfferBox導入前は、3名体制で採用を行っていました。
b.導入以前の採用ツール・サービス
メインは本社の地域に特化したローカルな採用媒体でした。そのほか、ナビサイトの導入や、毎年の学校の紹介が新卒採用の中心でした。
−−どういった採用課題があったのでしょうか。
学生への認知が一番の課題でした。BtoBかつ田舎の企業のため、学生に知ってもらう導線がありませんでした。
地域限定の採用媒体だと母集団の形成が上手くいきませんし、大手ナビサイトだと他の企業に埋もれてしまって、検索でもヒットしないためです。
学生一人ひとりに合ったコミュニケーションを形成。CSと採用動向の知見を深めることで、効果的なフローを実現できた。
−−どのような理由でOfferBoxを導入されたのでしょうか。
22卒の途中からOfferBoxの利用を開始しました。
約4年前にOfferBoxの名前を見かけた時は、現在ほどメジャーなツールではなかったと思います。当時の採用担当者に伺うと、あまりうまくいかなかったみたいです。
私が他の部署から採用担当として入ってきて、改めて新しい採用媒体を探しているときに、OfferBoxが候補に上がり、話を聞いてみようと思い至りました。
OfferBoxの強みは、今までにない採用媒体ということだと思っています。「学生が企業を選ぶ側ではなく、自分をPRする側になる」というのも、時代の流れにもマッチしていると考え、22卒の途中から導入検討をスタートしました。
−−導入に際し、OfferBoxにどのようなことを期待されていましたか。
「自社のPRができるまったく新しい環境・採用媒体を、どう活かせるか」に期待していました。
これまでの採用では、大抵が受け身でした。ブログや企業PRを載せることはできても、ダイレクトメールを送ったり、学生のプロフィールを見た上でアプローチしたりという能動的なアクションは起こせませんでした。
しかし、OfferBoxでは、受け身ではなく自発的に行動できます。その点に期待し、「これが上手くいったらいいな」と考え、導入を決めました。
また、成功報酬型の媒体と、価格を比較した上で決定しました。採用単価を考えても、成功すれば費用に見合った効果が出るのではないかと考えました。
−−OfferBoxの活用方法について教えてください。
a.Targeting:自社に合った採用ターゲットの設定
希望職種が自社の募集職種とマッチしていることを前提に、自発的に動けている、行動力の高い人をターゲットに設定しました。23卒に関しては、最初は技術職のみを募集しており、工学系の理系学生だけをターゲットにして動いていました。
b.Messaging:ターゲットに対して打ち出す内容の作成
「学生に自社の職種をどのように伝えるか」を工夫しました。
長すぎず、魅力を凝縮した形で、会社の歴史や仕事内容、どのような製品なのかを詳しく伝えられるように文面を作成しました。
弊社の製造している部品は、車の「重要保安部品」といって、生活には欠かせない製品です。それを1通のメールでどう伝えるか、試行錯誤を重ねました。OfferBoxのカスタマーサクセスの方と「ああでもない、こうでもない」とディスカッションを重ねながら、文章を練りました。
c.Processing:採用プロセスの設計
「正直」に、会社の良いところも悪いところも伝えることで、ミスマッチがないように意識しています。
その上で、「学生と直接会う」機会を大切にしていました。
オンラインが普及している状況でも、内定を出すまでに、必ず一度は工場見学に来てもらい、直接社内の人と会って話してもらうようにしています。工場案内など、学生ひとりに対して、かなりの時間を割いていると思います。
−−プロフィール情報で見ているポイントは?どんな学生にオファーを送りたいですか?
まずは写真の雰囲気を見ています。写真には、「その人らしさ」がよく出ると考えています。そして、志望する職種や業種、エリアなどの条件面にミスマッチがないかを確認しています。
その上で、その学生がどんな考え方をしているのか、就活にあたって大切にしたいことを知るために、自己PRを読むようにしています。
昨今、学生さんの自動車離れが進んでいます。なので「自動車に興味があります!」という学生さんには、「嬉しいです!」と積極的にオファーを送っています。志望業界が違う技術職希望の学生さんには、「ご希望の業界とは違いますが……」という形でオファーすることもあります。
−−学生とコミュニケーションをとる際に意識した点はありますか。
学生にとって「就職」は人生を決める大きなこと。学生の希望をヒアリングし、寄り添うことで、それに回答を与えられるように意識しています。「正直さ」を忘れず、学生と対等な立場で話すことを大切に、「フラットなコミュニケーション」を心がけています。
その点は採用担当以外の社員にも意識してもらっていますね。各部署のなかで、特に活発に挨拶やコミュニケーションができる社員に、学生に会ってもらい、リアルな情報を伝えてもらっています。
−−面談・面接で学生の何を見ていますか。
学生の本音や本質を聞きたい、と思っています。
会社としても「正直」を押し出しているからこそ、学生側にも自己開示をしてもらって、オープンなコミュニケーションの上で、その人らしさを見たい、ということですね。
−−実際にオファーした学生の印象はどうでしたか。
他の媒体と比較して、行動力が高い学生が多いという印象がありました。OfferBoxは、プロフィールを詳しく書けば書くほど、学生が魅力的になるという媒体の仕組みだからこそ、そういう傾向が強いのではないかと。
インターンシップに参加してくれた学生に、インターンシップ参加数など就活の進め方を聞き取りしたところ、圧倒的にOfferBox経由で来てくれた学生の方が行動量が多かったです。早期選考に前向きな学生さんも多かったですね。
−−カスタマーサクセスが行ったフォロー内容について教えてください。
採用市場の最新情報を掴めていないということが課題でした。
そこで、学生の動きや、全国の採用動向(内定率など)の最新情報を元に、どのように動くべきかを踏まえて、選考フローを一緒に考えてもらいました。全国や他社の状況を教えてもらったことは、自社の現状を把握するのに役立ちました。
他にも、オンラインで使用できるツールや、他社の事例を教えてもらいました。
OfferBox主催の、採用の情報収集ができる勉強会にも参加しました。自分自身、採用担当歴がまだ浅かったので、必死に採用の知識を得る機会が欲しかったんです。
オファー文面を手伝っていただけるのもありがたいですが、OfferBox担当者だけの作業にならずに、自分たち採用担当者も知見を深め、レベルアップできることが、採用成功につながったと思います。
これまで出会えていなかった遠方者の採用に成功。採用計画の変更にも対応できた。
−−OfferBoxの効果について教えてください。
計3名(技術職1名、管理系2名)の採用に成功しました。
それは、母集団の形成に成功できたからだと思っています。OfferBoxを導入したことで、従来なら出会えなかったはずの学生に自社をPRできました。
今回採用できたのは、全員遠方者。遠方者向けの社宅も用意しているのに、県外の人にアプローチできないことは、長年の課題でした。ナビサイトでは地域の壁があり、なかなか県外の学生にはマッチしなかったところ、OfferBoxを利用して、遠方者と出会うきっかけをつくることができました。
また、採用計画の変更に柔軟に対応できたこともOfferBoxを使ってよかったことです。元々技術職3名採用のためにOfferBoxを契約していたのですが、途中の採用計画の変更で、急遽管理系の部門も募集することになりました。
そんな時、条件を変えて柔軟に学生にアプローチしに行けるのはOfferBoxの強みだと思いました。
−−OfferBoxを導入してみて、採用活動に変化はありましたか。
学生個人にアプローチできるようになったという変化がありました。
これまでは一斉に募集して、同時にフォローを行っていましたが、OfferBoxを導入して、弊社への興味の度合いを見ながら個別にアプローチできるようになりました。
弊社に興味を持ってくれている学生さんには、信頼関係を築いて、どんどん志望度を高めていくことができました。
−−OfferBox導入前と現在で、印象に違いはありますか。
23卒では、導入前に期待していた以上の効果がありました。
正直、スカウト型採用がうまくいくのか未知数だったのですが、母集団形成も成功し、想像以上に学生からオファー承認をもらえたのは印象的でした。
−−最後に、今後採用において力を入れていきたいポイントを教えてください。
今後は会社のPRに力を入れていきたいです。最近は、地域貢献活動や、採用イベントへの参加、SNSの活用や、メディアへの外部露出などを積極的に行っています。BtoBの企業ではありますが、少しでも学生に知ってもらえるチャンスを掴んでいけたらと思います。
また、福利厚生にも力を入れていこうとしています。ここ2~3年で、全社的に従業員の満足度を上げる動きがあります。
そして引き続き、「正直に」を徹底して、会社の良いところも悪いところも伝えていきたいです。学生とのミスマッチをなくすためにも、より信頼できる企業を目指します。