導入前の手法では、応募が少なく「欲しい人材を選ぶ」なんて夢の話でした
−−まずはじめに、OfferBox導入前の採用状況について教えてください。
a.新卒採用体制
人事1名体制です。
b.導入以前の採用ツール・サービス
大手ナビサイトを利用していました。

−−どのような採用課題があったのでしょうか。
当時は広報解禁日に求人広告を出してもエントリーは数十名ほど。応募者が少ないうえ、ようやく内定を出せた学生から辞退されることもあり、「もう当社に来たいと思ってくれる学生はいないのではないか?」と考えてしまうほどでした。
また、過去に「とにかく来てくれた方を採用しよう」と7名を採用した年もありましたが、そのうち5名が短期離職してしまい、ミスマッチが当社の大きな課題でした。
求める学生像と学生に届けるメッセージを丁寧に作り込んで、「学生目線の採用活動」へ
−−どのような理由でOfferBoxを導入されたのでしょうか。
広告を出すのではなく、逆求人型で学生にアプローチできる手法という点に魅力を感じました。「これなら当社のことを学生に知ってもらえるのでは?」と思い、OfferBoxを導入しました。
また、自社が求める学生にも直接アプローチできるため、ミスマッチの改善にもつながるのではないかと期待していました。
−−OfferBoxを知ったきっかけはなんでしょうか?
採用コンサルティングを依頼していた会社からの紹介です。 当社の魅力や求める人物像を深くヒアリングしてくださり、「学生に知ってもらいさえすれば、応募してもらえる会社ですよ!」と背中を押していただき、導入に至りました。
−−導入に際し、OfferBoxにどのようなことを期待されていましたか。
まずは学生にアプローチでき、自社を知ってもらえること。そして、豊富な検索軸や学生の適性検査結果が利用できると聞き、「ただ会うだけでなく、欲しい人材にアプローチできるのでは」という期待がありました。
−−OfferBoxの活用方法について教えてください。
a.Targeting:自社に合った採用ターゲットの設定
採用職種は「営業職」と「CADオペレーター」でした。
それぞれの人物像を改めて整理するため、経営層、人事、現場社員へのインタビューを行い、明確化しました。
その結果、学部や学科などには特にこだわりがないとわかり、適性検査を自社なりにカスタマイズして複数の検索軸を作成しました。
たとえば営業職であれば「人と深い関係を築く力」を重視するなど、いくつか基準を作り、反応の違いを比較しました。
b.Messaging:ターゲットに対して打ち出す内容の作成
設定した検索軸からヒットした学生のプロフィールをじっくり読み、どんな自社の魅力を伝えれば興味を持ってもらえるかを考えながら文章を作成しました。
営業職向けのメッセージでは、「お客様と深い関係を築くことができる」「社員同士のつながりが深い」というエピソードを盛り込んでいます。
CADオペレーター向けには、また別のオファー文章を用意しました。

c.Processing:採用プロセスの設計
これまでは初回接点をオンラインの「会社説明会」にしていましたが、プロフィールを拝見してオファーしていることもあり、思い切って対面のランチ面談を企画しました(※希望に応じてオンライン面談も対応)。
営業社員の時間やコストはかかりますが、参加した学生からは「気軽に話せて嬉しい!」という声が多く、盛り上がって2時間話し続けたこともあります。
そこで会社に興味を持ってもらえたら、一次面接で社長に会ってもらうというプロセスに変更しました。
−−どんな学生さんを採用したいですか?
入社後、しっかりとした研修があるため、経験やスキルは基本的に問いません。素直で勤勉で、人に好かれるような方に来てほしいと思っています。
−−プロフィール情報で見ているポイントは?どんな学生にオファーを送りたいですか?
何か一つのことに一生懸命打ち込んだ経験や、グループの中で生活してきた経験があるかに注目しています。適性検査も自社の社員の結果と比較しながら、社外のお客様や社内の人と上手にやっていけそうかを判断しています。
−−オファー承認〜内定までのフローはどのような流れですか。
オファー承認→ランチ・カフェ面談(オンラインも可)→一次面接(社長)→最終面接(役員・採用部署の部長クラス)→内定
です。
オファー時点で、自信をもって求める学生に声をかけていますので、初回接点ではカジュアルにお話ししつつ学生さんの意向度を高めてもらうよう心がけています。
今の学生さんは選択肢が多いため、一次面接から社長が出席し、合否判断を早めに行っています。もちろん、学生さんに不安がある場合は面談を挟むなど、柔軟に対応しています。
−−学生とコミュニケーションをとる際に意識した点はありますか。
スピードと丁寧さを大切にしています。とにかく早くレスポンスを返し、「これでもか!」というくらい丁寧にメッセージを送るようにしています。
オファー時点で「良い学生さんに出会えた!」と感じているので、未来の同僚になるイメージで丁寧な対応を心がけています。
−−面談・面接で学生の何を見ていますか。
人に対して真摯に向き合えるか、一生に一度の家づくりに関わる仕事にふさわしい誠実な性格かを重視しています。
とはいえ、評価するというよりは、会話の中で自然に出る素の部分を引き出すように心がけています。
−−オファーから面接までを通して、学生さんからどのようなリアクション・コメントがありましたか?
「ランチ面談が気軽で参加しやすい」「人を大切にする社風に惹かれた」「メッセージのやりとりが丁寧で嬉しかった」と言っていただくことが多いです。
オンラインでの接点が増えている時代だからこそ、対面で会えた際にそう言ってもらえると非常に嬉しいですね。
−−実際にオファーした学生の印象はどうでしたか。
求めていた通りの学生に出会えていると感じています。面談や面接ではOfferBoxのプロフィールや適性検査結果を見ながら話を進めていますが、会話に困ることはありません。適性検査(eF-1G)の精度も非常に高いと感じています。
最初は「受け身の学生が多いのかな?」と思っていましたが、実際は自分の経験を自信をもって話してくれる学生さんが多いと感じました。
−−採用支援におけるフォロー内容について教えてください。
月に1回、定期的に打ち合わせの時間を設けていただき、OfferBoxの使用方法や採用に関する悩みをリアルタイムで相談させてもらいました。
初めてのツールでしたが、適性検査なども含めて効果的に活用できたと思います。
新卒採用市場は毎月のように変化するので、学生の動きを踏まえた文章のアドバイスをいただけたのは大変ありがたかったですね。

たった2名の面談から1名が内定承諾 面接官全員が口を揃えて「欲しい!」人材が採用に
−−OfferBoxの効果について教えてください。
早期導入した初年度にもかかわらず、早速1名の採用が決定しました。OfferBoxの運用を始めて2ヶ月、オファー承認8名の段階でのことです。面談を行ったのはたったの2名です。
この早い時期に採用が決まったのは当社の歴史でも初めてで、社長をはじめ面談に関わった全員が「絶対に欲しい!」と口を揃えるほどの学生でした。
また、接点を持った学生数自体はナビサイト利用時よりも少なかったので、「大量に集客しなくてもいいんだ」と気が楽になりました。本当に導入して良かったなと思います。
−−OfferBoxを導入してみて、採用活動に変化はありましたか。
それまでは広告を出して待つだけでしたが、OfferBox導入後は自分たちから学生さんにスカウトを送るようになり、より一層学生さんのことを考えるようになりました。
「どうしたら参加を楽しみにしてもらえるか」「どうすれば当社を選んでくれるか」「どんな対応が嬉しいか」などを毎日考えています。
さらに、人事の人数を1名から3名に増やし、採用体制を強化しました。人事全員が毎日のようにOfferBoxにアクセスし、学生のプロフィールを見ながらオファー文章を作るプロセスを楽しんでいます。社内全体の採用意識が高まったのは大きな変化です。
−−OfferBox導入前と現在で、印象に違いはありますか。
正直、導入前は「オファーしても当社に興味を持ってくれる学生はいないのでは」と思っていました。
しかし、実際はターゲットを明確に設定し、文章をしっかり作り込めば、学生さんも当社のような企業に興味を持ってくれるんだと実感しています。
まだまだやれることはあると思いますし、採用活動へのモチベーションがぐっと上がりました。
−−採用担当として意識されていることはありますか?
学生さんに徹底的に寄り添うことを意識しています。今取り組んでいることが本当に正解なのか、もっと喜んでもらえることはないか、常に自問自答しています。
とにかく学生さんの立場に立って考えることが重要だと感じています。
−−学生さんに伝えたいことはありますか?
当社は大企業ではありませんが、その分、一人ひとりの学生さんと深く向き合い、入社までの不安を徹底的に取り除く採用活動を行っています。
最初は不安が大きいかもしれませんが、「これでもか!」というくらい丁寧に対応しますので、ぜひ気軽にお話ししましょう!
−−最後に、今後採用において力を入れていきたいポイントを教えてください。
今回得られた採用活動の成功体験を、毎年再現できるようにしていきたいと思っています。そのためにも、毎年採用活動を振り返り、学生さん目線で改善していく必要があると感じています。
常に「今やっていることは本当にベストなのか?」と問い直しながら、学生さんに最も寄り添える会社を目指していきたいですね。

