
「自己PRで傾聴力をアピールしたいけど、ありきたりで埋もれてしまわないかな?」と悩む就活生もいるのではないでしょうか?
傾聴力は多くの学生が就活中にアピールポイントでよく使う強みですが、伝え方を間違えると「受け身な人」という印象を与えかねません。
この記事では、採用担当者に響く自己PRの型や、経験別・職種別の例文を紹介します。ほかの就活生と差別化するポイントもわかりますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
自己PRで企業に評価される傾聴力とは?
傾聴力は自己PRにはなりますが、ただ話を聞けるだけでは評価されにくいのも事実です。
企業が評価するのは「相手の本音や潜在的なニーズを引き出し、課題解決につなげる傾聴力」です。
具体的には以下のような傾聴力を求めています。
- 顧客の隠れた不満を聞き出し、新商品を提案する
- チームメンバーの意見を調整し、プロジェクトを成功に導く
ビジネスの現場では、顧客やチームメンバーの話から課題のヒントを見つけ出し、それをもとに企画や提案を行う場面が多くあります。
そのため、「あなたがどのように考えて行動し、課題を解決して成果を出したのか」を傾聴力とセットで伝えることが大切です。
傾聴力のある学生を企業が求める3つの理由
採用担当者の視点を理解すれば、伝えるべき内容が理解でき、自己PRの説得力もアップします。企業が傾聴力のある学生を求める3つの理由を見ていきましょう。
- チームの成果を最大化できるから
- 信頼関係を構築しやすいから
- 相手のニーズを引き出せるから
理由1:チームの成果を最大化できるから
1つ目は、傾聴力のある学生はチームの成果を最大化につながる行動を起こせるためです。どのような業界・企業であれ、仕事を進めるうえでチームでの業務を避けては通れませんが、チームで成果を出すには他のメンバーとのコミュニケーションが欠かせません。
時には自分と異なる意見を丁寧に聞き、議論を活発化して質の高い仕事をしていく必要があるため、傾聴力のある学生が高く評価されるのです。人の話をしっかりと聞いて適切な企画や提案ができる学生であれば、入社後に活躍すると期待できます。
理由2:信頼関係を構築しやすいから
傾聴力のある学生であれば、社内や社外問わず関係者と信頼関係を構築しやすいという理由もあります。傾聴力のある人は取引先や社内の人から信頼を得やすいため、商社やコンサルティングファームのように、信頼が非常に重要となる業界でとくに重宝されるでしょう。
傾聴力の有無が信頼関係の構築に影響するのは、人間は自分の話を真摯に聞いてくれる人に信頼を寄せやすいためです。話を聞いているのかよくわからない人より、適度な相づちや質問を入れながら会話できる人のほうが、好印象をもたれやすいのは言うまでもありません。
理由3:相手のニーズを引き出せるから
傾聴力の高い人は、顧客から潜在的なニーズを引き出しやすいという強みがあります。傾聴力によって話しやすい雰囲気を作ることで、顧客がもつ「話をしたい欲求」を強くさせられるためです。
たとえば営業職では、顧客の潜在的なニーズを引き出せれば、競合他社との差別化点になるうえ、人として気に入られることで、継続的な関係を築きやすくなります。さらに、ニーズに対して最適な解決策を提示できれば、会社にとって欠かせない戦力となるでしょう。
傾聴力を自己PRで魅力的に伝える4ステップ
企業に評価される傾聴力を効果的にアピールするためには、伝え方の型を知ることが重要です。自己流で伝えてしまうと、意図が正しく伝わらない可能性があります。
ここでは、採用担当者に響く自己PRの伝え方を下記4ステップで紹介します。
- 結論|自分の傾聴力を一言で述べる
- エピソード|傾聴力を発揮した状況と課題を説明する
- 行動と成果|課題解決に向けた行動と結果を示す
- 入社後の貢献|企業でどう活かすかを語る
ステップ1:結論|自分の傾聴力を一言で述べる
自己PRの冒頭では、「私の強みは〇〇な傾聴力です」のように結論から述べましょう。先に結論を伝えることで採用担当者が話の要点をすぐに理解できるため、その後のエピソードに集中してもらいやすくなります。
自己PRの冒頭では、「私の強みは〇〇な傾聴力です」のように結論から述べましょう。先に結論を伝えることで採用担当者が話の要点をすぐに理解できるため、その後のエピソードに集中してもらいやすくなります。
加えて、単に「私の強みは傾聴力です」と始めるだけでは、多くの就活生に埋もれてしまい印象に残りません。以下のように、どのような傾聴力なのかを具体的に表現するのがポイントです。
- 「私の強みは、相手の意見の背景を深く汲み取り、信頼関係を築く傾聴力です」
- 「私は多様な意見を調整し、チームの合意形成を促す傾聴力に自信があります」
冒頭であなた独自の傾聴力を明確に定義すると、自己PR全体に一貫性が生まれ、採用担当者に魅力を印象づけられます。
ステップ2:エピソード|傾聴力を発揮した状況と課題を説明する
傾聴力が自分の強みであることを裏付けるには、具体的なエピソードが必要です。自己PRではいかに説得力をもたせられるかが重要となるため、「傾聴力が高い人間です」と伝えるだけでは企業に信用してもらえません。
5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ)を意識して、どのような状況で、どういった課題に直面したのかを明確にしましょう。以下がエピソードの一例です。
エピソードは、誰が聞いても状況がイメージできるように説明することがポイントです。
ステップ3:行動と成果|課題解決に向けた行動と結果を示す
直面した課題に対し、傾聴力を活かしてどのように行動し、成果を出したのかを具体的に示しましょう。企業はあなたが強みを活かして主体的に行動し、組織に貢献できる人材かを見極めたいと考えているからです。
下記のように、具体的な行動と数字で成果を示しましょう。
「ただ話を聞きました」で終わらせては、受け身で主体性がない印象を与えてしまいます。あなたの傾聴が対人関係や状況にどのような影響を与え、好転させたかを説明しましょう。
ステップ4:入社後の貢献|企業でどう活かすかを語る
自己PRの締めくくりとして、傾聴力を入社後にどのように活かし、企業に貢献したいかを具体的に述べましょう。
採用担当者は、あなたが自社で活躍してくれる姿を具体的にイメージしたいと考えています。企業の事業内容や求める人物像と結びつけることで、採用したいと思われる可能性が高まります。
以下が締めくくりの一例です。
入社後の明確なビジョンを示せば、熱意と企業理解度の高さをアピールし、自己PRを力強く締めくくれます。
なお、就活中は「入社後にしたいこと」を聞かれる場面が多くあります。下記の記事を参考にして、事前に回答を準備しておきましょう。
【ガクチカ別】傾聴力の自己PR例文5選
アルバイトやサークル活動など、ガクチカ別の例文を5つ紹介します。自分の経験と近い例文を参考にして、説得力のある自己PRを作りましょう。
- アルバイト
- サークル活動
- 部活動
- ゼミ
- ボランティア
例文1:アルバイト
【例文】
【ポイント】
生徒が抱える数学への強い苦手意識に対し、その根本原因を深く分析し、個人の興味に合わせたオーダーメイドの解決策を提示できている点が好感を持てます。実際の業務でも、マニュアルに沿った提案ではなく、顧客一人ひとりの潜在的な課題を見抜き、根本的な解決に繋がる質の高い提案をしてくれそうです。
例文2:サークル活動
【例文】
【ポイント】
傾聴力を折衝力と関連付けながらアピールした例文です。相反する意見をもつ相手と話し合い、うまく折り合いをつけていく必要がある営業職や、接客業において強みを活かしやすいでしょう。
例文3:部活動
【例文】
【ポイント】
傾聴力というと相手の話をじっくり聞くイメージがあると思いますが、自分から相手の悩みやニーズを引き出す能力も傾聴力の一種です。例文からは積極的な姿勢や、友達思いな性格が読み取れます。
例文4:ゼミ
【例文】
【ポイント】
チームワークはどのような業界・企業でも求められる能力です。反対の意見を受け入れる雰囲気をゼミに浸透させたエピソードから、傾聴力はもちろん、組織の中で調整役を担ってくれそうな人物像がうかがえます。
例文5:ボランティア
【例文】
その結果、子どもたちの信用を得られ、いろいろな話をしてもらえるようになったことが強く印象に残っています。
仕事で相手にするのはたいていの場合大人ですが、大人であっても感情を共有してくれる人には心を開きやすいはずです。好きなことの話にはこちらも楽しそうに付き合うなど、うまく感情を共有しながら人間関係を構築していきたいです。【ポイント】
傾聴力が対人にどのように影響しているのかが読み取りやすい例文です。児童館で子どもたちと遊ぶボランティアに参加したエピソードから、褒め上手で包容力のある性格がイメージできます。
【職種別】傾聴力の自己PR例文7選
傾聴力はどの職種でも役立ちますが、求められる活かし方はさまざまです。志望する職種に合わせたアピールで、採用担当者に響く自己PRを作りましょう。
ここでは、職種別の例文を7つ紹介します。
- 営業職
- コンサルタント職
- エンジニア・技術職
- 企画・マーケティング職
- デザイナー職
- 事務職
- 販売・サービス職
例文1:営業職
【例文】
【ポイント】
傾聴力でニーズを汲みとって提案につなげている点から、営業職に必要な課題発見力や提案力の高さがうかがえます。入社後の活躍をイメージしてもらいやすいでしょう。
営業職における志望動機の例文は、下記の記事でも紹介しています。
例文2:コンサルタント職
【例文】
【ポイント】
混沌とした状況を整理し、ゴールに導く過程が具体的に説明されています。多様な意見を傾聴・分析して本質的な課題を定義する力は、コンサルタントに求められる能力です。
例文3:エンジニア・技術職
【例文】
【ポイント】
抽象的な要望を具体的な仕様に落とし込む「要件定義能力」は、技術職に重要なスキルです。チーム開発を円滑に進める調整役として、活躍できるポテンシャルを感じさせます。
もしIT業界を志望しているなら、以下の記事もご覧ください。IT業界の現状や志望動機の例を紹介しています。
例文4:企画・マーケティング職
【例文】
【ポイント】
表面的なデータだけではなく、本質的なニーズを汲み取る力をアピールできています。「なぜ参加者が伸び悩んでいるのか」という課題に対し、傾聴を起点に仮説を立てて企画・実行し、成果を出した流れが具体的です。
企画職の仕事内容やスキルをあらためて押さえておきたい方は、下記の記事をご一読ください。
例文5:デザイナー職
【例文】
【ポイント】
デザイナー職に不可欠な「具体化する力」を、詳しく説明できている自己PRです。依頼者の曖昧なイメージを対話で言語化・視覚化するプロセスは、実際の仕事の流れそのものです。共感性と提案力の両方を採用担当者にアピールできるでしょう。
例文6:事務職
【例文】
【ポイント】
事務職=受け身というイメージを払拭し、主体的な業務改善能力がわかるエピソードです。周囲の声に耳を傾けて課題を発見し、解決策を考えて実行する力は、どのような組織でも重宝されるでしょう。
例文7:販売・サービス職
【例文】
【ポイント】
顧客の些細な一言を聞き逃さない観察力や、相手の心に寄り添う共感力もわかる自己PRです。マニュアルを超えたプラスアルファの気遣いができる人材は、顧客満足度を高め、企業のファンを作ってくれる存在として期待されるでしょう。
下記の記事では、ほかにも強みを活かす自己PRの例文を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
自己PRで傾聴力を差別化する3つのポイント
自己PRで人気のある傾聴力は、伝え方ひとつでほかの就活生と大きな差がつきます。ありきたりなアピールで終わらせないためにも、差別化につながる3つのポイントを見ていきましょう。
- 言い換え表現で「主体性」をアピールする
- 「傾聴力×〇〇」で独自の強みを作り出す
- 面接中の振る舞いと一貫性をもたせる
ポイント1:言い換え表現で「主体性」をアピールする
傾聴力をアピールする際は、具体的で主体性を感じさせる言葉への言い換えが重要です。「傾聴力」という言葉自体は抽象的なため、そのまま使うと企業に理解してもらいにくい場合があります。
具体的な言葉に言い換えることで、あなたの強みが明確になり、ほかの就活生との差別化を図れます。以下が、傾聴力を言い換えてアピールする一例です。
相手の話をうまく聞けるだけでは、傾聴力が高いとは言えません。いかに話を聞く能力を活かして、具体的な成果につなげられているかが重要です。
ポイント2:「傾聴力×〇〇」で独自の強みを作り出す
傾聴力をほかの強みとかけ合わせて、オリジナルの自己PRを作り出しましょう。傾聴力によって得た情報の活かし方が、より採用担当者に伝わりやすくなります。
たとえば、次のようなかけ合わせが一例です。
- 傾聴力×行動力:相手の課題を聞いて、すぐに行動に移せるフットワークの軽さ
- 傾聴力×分析力:聞いた情報を客観的に分析し、根本原因を特定できる論理的思考力
ビジネスの現場では、複数の能力を組み合わせて課題解決にあたります。このような視点でアピールできると、採用担当者から評価される可能性が高まるでしょう。
ポイント3:面接中の振る舞いと一貫性をもたせる
自己PRで傾聴力をアピールする場合、面接中の振る舞いと一貫性をもたせましょう。
面接官はあなたの話す内容だけではなく、対話の姿勢からも「聞く力」を判断しています。自己PRでどんなに素晴らしいエピソードを語っても、実際の言動が伴わなければ信じてもらえません。
以下がNGな振る舞いの一例です。
- 「傾聴力が強みです」とアピールしながら、面接官の話を遮る
- 質問の意図を汲みとれずに、見当違いな回答をする
面接の場そのものが、あなたの傾聴力を証明する絶好の機会です。まずは相手の目を見て頷き、最後まで話を聞く姿勢を心がけましょう。
面接官に好印象を与えるには、いくつかのコツを抑える必要があります。下記の記事で話し方のコツを紹介していますので、あわせてご覧ください。
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まとめ
本記事では、自己PRで傾聴力を武器にするための型や例文、差別化のポイントを解説しました。
大切なのは、あなたの傾聴力を課題解決につながる主体的な強みとして伝えることです。この記事の方法を実践すれば、あなたの魅力がより採用担当者に響きやすくなるでしょう。
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