ガクチカは志望動機や自己PRと並ぶ頻出質問ですが、自分の努力を人に説明するのは意外と難しいですよね。ガクチカで書きたいテーマは見つかったものの、上手な伝え方が分からずに悩んでいる人は少なくないはずです。
この記事では、伝わりやすいガクチカの書き方と構成を解説します。具体的な例文とポイントも紹介するので、ガクチカをうまく書けずに悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
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目次
ガクチカとは?
ガクチカとは「学生時代に力を入れた取り組み」です。志望動機や自己PRと同様に、企業が学生の人柄を把握するために問われます。
ガクチカと言われると、学業での取り組みをイメージする人が多いかもしれませんが、選ぶテーマに決まりはありません。学業・部活動・サークルといった学校生活のほか、アルバイト・日常生活での取り組みもテーマにできます。
ガクチカの概要はこちらの記事でも解説しています。
自己PRとの違い
ガクチカは「力を入れた取り組み」、自己PRは「強み」を聞くのが質問の目的です。そのため、ガクチカでは取り組んだ過程を、自己PRでは強みそのものが重視される傾向にあります。
自己PRにも強みを裏付けるエピソードが必要となるので混同しがちですが、ガクチカのほうがより過程が大切です。ガクチカでは取った行動や考え、自己PRでは強みの説明や発揮した場面に重きを置いて伝えることをお勧めします。
企業がESや面接でガクチカを聞く理由
企業がガクチカを聞くのは、学生の人柄を把握して自社との相性を確認するためです。特に、企業は次の3点をガクチカから見極めようとしています。
- 学生時代の過ごし方
- モチベーションの源泉
- 経験からの学び
学生時代の過ごし方からは、人柄と物事に取り組む姿勢が分かります。両者を実際の業務に照らし合わせ、入社後の活躍をイメージするのが狙いです。
また、何にモチベーションを感じるのか、経験から学べる人なのかを知り、入社後も継続して力を発揮できるか確認する意図があります。
ガクチカを書き出す前の準備
いきなりガクチカを書き始めてしまうとうまくまとまらず、何を伝えたいのか分からない文章になる恐れがあります。論理的で読みやすい文章にするため、次の3点をまとめてから書き始めましょう。
ガクチカでアピールしたい強み
ガクチカも自己PRと同様に、最終的には自分の強みのアピールにつなげるのが目的です。取り組みの内容を伝えるだけのガクチカにならないよう、アピールしたい強みを1つ選んでおきましょう。
ここで大切なのは、強みは必ず1つに絞ることです。誰にでも強みは複数あると思いますが、ガクチカの中で2つ以上アピールしようとすると、話しが分かりづらくなってしまいます。
それぞれの強みの説得力が弱まってしまうので、1つに絞ってアピールするのがおすすめです。
強みを表すエピソード
アピールしたい強みを裏付けるには具体的なエピソードが必要です。強みを発揮してうまくいったエピソードや、強みを自覚したエピソードを付け加えてガクチカに説得力をもたせましょう。
エピソードは伝わりやすさが重要で、派手さや成果の大きさを気にしすぎる必要はありません。例えば、コンペティションでの入賞エピソードには派手さがありますが、実績だけで良いガクチカだと言い切ることはできません。
日常生活の小さなエピソードでも、強みの裏付けと過程の説明がしっかりとしていれば、内容を評価してもらえる可能性が高まります。
こちらの記事でガクチカや自己PRの「エピソード」で見ているポイントを解説しています。
企業でその強みをどう活かせるか
採用したいと企業に思ってもらうには、強みを活かしてどう活躍していきたいか述べる必要があります。入社後の活躍をイメージしてもらうため、募集要項や仕事内容から逆算して強みの活かし方を考えておきましょう。
もしうまく考えられないようなら、企業の方向性に合っていない、または仕事にあまり活かせない強みをアピールしようとしている可能性があります。
魅力的な強みでも企業とマッチしていないと大きな評価にはつながらない可能性があるため、その場合は別の強みを検討してみましょう。
ガクチカの書き方・基本的な構成
ガクチカは以下の6段階で構成すると、論理的で分かりやすい文章になります。うまく書けずに悩んでいる人は、構成に沿ってまとめてみてください。
- 結論
- 動機
- 目標や課題
- 取り組み
- 結果
- 学び
各段階のポイントと注意点を詳しく紹介していきます。
ガクチカの書き方(1):結論
文章は結論から書き始めると内容が伝わりやすくなります。例えば「私は〇〇の活動に力を入れました」のように、学生時代に何に力を入れたのかを最初に伝えましょう。
結論ファーストの心がけは、志望動機や自己PRなどのほかの質問項目を書くときにも役立ちます。いきなり本論に入ってしまうと何の話かが分からず、読み手は文章を行ったり来たりしながら理解しないといけなくなるので、まずは結論を伝えてから本論に入りましょう。
ガクチカの書き方(2):動機
人柄やモチベーションの源泉を知ってもらうには、力を入れた動機を説明する必要があります。物事を始めたきっかけでも良いですし「努力を続けた理由」をアピールしても良いでしょう。
例えばサークルでの活動をテーマにするなら、サークルに入ったきっかけでも良いですし、活動に力を入れた理由を伝えても良いです。興味を持ったきっかけや、努力を続けた理由が分かれば、何にモチベーションを感じるのかを企業に理解してもらえます。
ガクチカの書き方(3):目標や課題
目標や課題のないエピソードでは、初対面の相手に、どのくらい頑張ったかを伝えるのはなかなか困難です。努力の過程をイメージしてもらいやすいように、自分なりに設定した目標や、直面した課題を書きましょう。
目標と課題を伝えるときは、ただ状況を羅列するのではなく、当時の状況を具体的に説明するのがポイントです。どんな理由からその目標が適切だと考えたのか、その課題を解決する難しさなどを説明すると、状況をイメージしてもらいやすくなります。
ガクチカの書き方(4):取り組み
物事への取り組み方には自分の人柄が特に表れます。当時の状況や課題にどんな考えを持ち、どのような行動を取ったのかを書きましょう。
取り組みを伝えるときは、自分なりの工夫を具体的に説明するのがポイントです。「〇〇できるように努力しました」のような抽象的な表現ではなく、工夫の内容と、なぜその工夫が効果的だと考えたのかを説明しましょう。
ガクチカの書き方(5):結果
自分が取った行動の結果を説明しましょう。話をまとめるには、結果の説明が必要です。
店の売上アップや大会での優勝のような大きな成果でなくても問題ないので、行動がどんな結果につながったのかを書きましょう。
結果はあくまでも、努力を伝えるための補足情報にすぎません。大きな成果が伴わないエピソードでも、努力の過程を適切に伝えれば、企業から評価を得ることができます。
ガクチカの書き方(6):学び
ガクチカの締めくくりとして、経験から得た学びを書きましょう。経験を通じて身に付いたスキル、変化した価値観を説明すると、「経験から得た学びを次に活かす能力」が備わっているとアピールできます。
学びは企業での活かし方と結びつけて伝えると好印象です。例えば、取り組みを通じて継続力が身に付いたのであれば、継続力が入社後のどんな場面で活きると思うのか、自分の考えを述べましょう。
ガクチカの書き方・例文
ここからは、テーマ別にガクチカの例文を5つ紹介していきます。企業がガクチカを聞く理由と書き方のポイントをふまえ、自分ならではのガクチカを書いてみましょう。
ガクチカには400文字・200文字などさまざまなタイプがありますが、ここでは250文字を想定して紹介します。
200字のガクチカの書き方はこちらの記事を参考にしてください。
学業
英語を使う仕事に興味があり、日本と海外の架け橋になりたいため、大学生のうちに身に付けたいと思い勉強を頑張りました。
中でも力を入れたのはスピーキングです。授業で学んだことをアウトプットするために、外国の友達をたくさん作り、積極的に英語で会話しました。結果、相手の言っていることを理解し、自分の言いたいこともしっかり伝えられるようになりました。
勉強を通して学んだのは実践の大切さです。入社後も新たに身に付けた知識やスキルを実践し、確実に定着させたいと考えています。
部活・サークル
マーケティングの仕事に興味があり、学生のうちに経験を積みたいと思ったのが力を入れた理由です。
主にイベントの広報を担当した私が心がけたのは、利用デバイスを考慮した広告の作成です。同じSNSで情報発信する場合でもスマホとPCでは見え方が異なるので、どちらの利用者にも見えやすく、気を引くような広告を心がけました。
その結果、例年以上に広告の効果があったらしく、来場者数を通年で前年比20%増やせました。入社後の業務でも、見る人や読む人の視点を大切にしたいです。
部活・サークルのガクチカの書き方はこちらの記事を参考にしてください。
アルバイト
美味しい料理やお酒の知識を身に付けたく、お店の経営にも興味があったため、、個人経営のアットホームな居酒屋をアルバイト先に選びました。
特に印象に残っているのは、巣ごもり需要が高まった影響で客足が遠のいた時期です。店長と相談するなかで弁当の販売と配達を思いつき、提案したところ、普段の売上以外の収益源を確保できました。
アルバイトで培った問題解決力を活かし、入社後の業務で問題が発生した際には、あらゆる角度から解決策を考えて実行したいと考えています。
アルバイトのガクチカの書き方はこちらの記事を参考にしてください。
趣味
時間のある学生のうちにいろいろな場所を見て見識を広めようと思い、47都道府県制覇を目標にしました。
旅行中は予期せぬ出来事に多く見舞われましたが、何度も経験するにつれてトラブルに冷静に対処する力が身に付きました。現在は37まで制覇したところなので在学中の目標達成は難しそうですが、今後も定期的に旅行したいと考えています。
趣味の旅行で身に付いた対応力と、幅広い土地の知識は、2~3年ごとに全国転勤がある貴社の事務職でも大いに活かせると思います。
趣味のガクチカの書き方はこちらの記事を参考にしてください。
日常生活
一人暮らしをきっかけに自炊を始め、続けるうちにいつしか習慣になりました。
始めは毎日おかずを3品作っていたのですが、疲れているときに料理をする気力はなく、適当に済ませる日が増えていきました。そこで私は毎日料理をするのをやめ、5日分くらいのおかずをまとめて作るようにしました。
作り置きを習慣にしたところ、料理にかける時間が格段に減り、毎日ちゃんとした食事ができるようになりました。
自炊を通じて身に付けた段取り力を仕事にも活かし、時間を上手に使って効率的に動きたいと思います。
先輩が書いたガクチカを参考にする場合
例文を見ても自分のガクチカがイメージできない場合は、OfferBox Storyで先輩のガクチカを参考にしてみましょう。同じ学部やアルバイトなど、自分と似た経験をしている人のガクチカを見てみるとヒントになるかもしれません。
もちろん、良い文章が思いつかないからといって、人のガクチカをそのまま真似するのはNGです。ガクチカは自分の言葉で書かないと自分らしさが伝わらないため、あくまで参考にする程度にとどめてください。
ガクチカを書くときのポイント
最後に、ガクチカを書くときのポイントを3つ紹介します。企業に不信感をもたれるガクチカや、内容を理解しづらいガクチカにならないよう以下の点に注意しましょう。
嘘は書かない
印象を良くしようとして嘘を書いたり、必要以上に話を誇張したりするのはやめましょう。エントリーシートの内容は面接の資料に使われるため、いざ面接で深掘りされると嘘が発覚し、評価を落とす可能性があります。
仮に面接では嘘が発覚しなくても、自分を偽ったまま入社すると採用のミスマッチが生まれやすくなります。採用のミスマッチは自分にとっても企業にとっても不利益となるので、ガクチカに限らず、就活で嘘をつくのはやめましょう。
具体的に書く
抽象的な内容では、せっかく頑張った経験が企業に十分に伝わりません。人柄や物事に取り組む姿勢も伝わりづらくなるので、ガクチカの内容は具体的に書くよう心がけましょう。
書きたいテーマが決まったら、当時の状況を思い出しながら「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」と整理してみてください。背景や行動の理由を詳しく説明すると、自分の経験を分かりやすく伝えられます。
また、取り組みの期間や試験の点数のように具体的な数字がある場合は、エピソードに盛り込むとよりイメージしてもらいやすくなります。
ガクチカのエピソードがないときは
ガクチカのエピソードがないと感じている人には、「輝かしい実績がないから」「就活向けに言えそうなエピソードがないから」などの勘違いがよく見られます。
派手なエピソードにはインパクトがありますが、ガクチカで大切なのは派手さではなく努力の過程です。派手さがなくても過程さえ詳しく説明できれば評価してもらえるので、広い視点でエピソードを探してみましょう。
例えば、長く続けている趣味や一人暮らしの経験のように、一見就活で使えそうにないエピソードでも伝え方によってはガクチカにできます。
こちらの記事で、ガクチカが見つからない人向けの書き方を紹介しています。
まとめ:ガクチカの書き方をマスターしてOfferBoxに登録しよう
内容が伝わりやすいガクチカを書くには下準備が大切です。いきなり書き始めるのは難しいので、アピールしたい強みや根拠となるエピソード、企業での活かし方を先に考えてから取りかかることをお勧めします。
今回紹介した内容を参考にガクチカが書けたら、ぜひOfferBoxに登録しましょう。OfferBoxでは文章を入力するだけでなく、自分を象徴するような動画や写真と一緒にガクチカをアピールできます。
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