業界研究ノートの作り方|テンプレートや作成例を元に紹介

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就職活動を行う上で欠かせない業界研究をスムーズに進めるためには、「業界研究ノート」の作成がおすすめです。

業界研究ノートとは、自分が気になった業界や入社を志望する業界の情報を見やすくまとめたもののことで、志望する業界を受ける時のエントリーシートの作成や面接時にも役立ちます。

とはいえ、いざ業界研究ノートを作成しようと思っても、どのように書けば良いかわからない方も多いでしょう。

今回は、これから業界研究ノートを作成したい就活生の方向けに、業界研究ノートの作成方法や作成する目的、書き方のコツをテンプレートに沿ってご紹介します。本記事を参考にしながら、ぜひ自分だけの業界研究ノートを作成してみてください。

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業界研究ノートとは

業界研究ノートとは、就職活動の中で気になった業界や、入社を志望する業界の情報を整理して見やすくまとめたノートのことです。

基本的に特定の企業へ提出することはなく、自分自身の情報整理ツールとして使用するものなので、まとめ方にはこれといった決まりはありません。記載する内容も業界の特徴や魅力、課題、将来性など、自分が押さえておきたい情報を自由な形式で記入します。

業界研究ノートを作る目的・メリット

業界研究ノートを作る目的やメリットは以下の通りです。

  • 入社後ミスマッチを防ぐ
  • 興味のある業界を広げる/絞る
  • 面接やエントリーシートの志望動機対策をする

それぞれについて、詳しくご紹介します。

入社後ミスマッチを防ぐ

業界研究ノートは、入社後ミスマッチを防ぐことに役立ちます。

業界研究ノートを作成して気になる業界の情報を整理することで、その業界の現状や特徴、働き方や求められる人材などについて正しい理解を得られます。

まとめた情報と自分の強みや理想とする働き方に乖離がある場合は、入社できてもミスマッチが起こってしまったり、そもそも受かりづらかったりするリスクが高くなります。

自分に合った業界・企業に入社するためにも、業界研究ノートの作成は重要です。

興味のある業界を広げる/絞る

業界研究ノートは、興味のある業界を広げたり絞ったりする際に利用できます。

業界研究ノートにまとめたさまざまな業界の情報を比較してみることで、興味のある業界とそうでない業界の区別がつきやすくなります。その中で、特に魅力を感じた業界については関連する業界を調べることで視野を広げたり、理解を深めたりできるでしょう。

一方で、あまり興味のない業界は選考を受けるのをやめておく等、業界を絞る時の判断にも役立ちます。

面接やエントリーシートの志望動機対策をする

実際の選考では、志望動機は重要項目のひとつとして頻出し、深掘りされます。その際、企業のサイトやパンフレットに書いてある情報を読み上げただけでは、誰でもいえる内容で説得力がありません。

業界研究ノートには、自分の考えも交えながら業界全体の情報を記載するので、面接前やエントリーシートの作成時に見返すことで、「そもそもなぜその業界を志望するのか」という深い部分から、志望動機を答えられるようになります。

より詳しく知りたい方は、志望動機についての記事も参考にしてみてください。

業界研究ノート作成は紙とPCどちらがおすすめ?

業界研究ノートを作成する際は、できればPCでエクセルを利用するのがおすすめです。

エクセルを使えばスペースを気にせず書き足し・削除ができるだけでなく、参照URLを残しておけば、すぐに企業ページに飛ぶことも可能です。

PCではなく手書きで業界研究ノートを作成する場合は、情報を書き足しやすいルーズリーフの使用がおすすめです。用紙が一枚ずつ独立しているルーズリーフであれば途中で順序の変更ができるだけでなく、情報の追記も簡単に行えて便利です。最近ではさまざまな種類のルーズリーフが販売されているので、自分に合ったものを探してみると良いでしょう。

なお、紙とPCどちらを使用する場合も、まとめる情報の項目については変える必要はありません。

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業界研究ノートのテンプレート【エクセルフォーマット】

ここまで、業界研究ノートを作成する目的やメリットについてご紹介しました。しかし、いざ業界研究ノートを作成しようと思っても、どのように書き進めたら良いかわからない方も多いでしょう。

そこで、これから業界研究ノートを作成したい方向けに、すぐに活用できる業界研究ノートのテンプレートをご用意しました。
業界研究ノートのテンプレート【エクセルフォーマット】をダウンロード

【業界研究シートの記入例】 【業界比較表の記入例】

ここからは、本テンプレートをベースにノートの作り方やまとめ方、記載すべき項目について詳しく解説していきます。ぜひ下記リンクからダウンロードいただき、本記事を参考に自分オリジナルの業界研究ノートを作成してみてください。

なお、PCではなく紙を使用する場合も同様の項目・手順で進めることが可能ですので、紙で業界研究ノートを作成しようとしている方も、参考にしてみてください。

業界研究ノートの作り方

業界研究ノートの作り方は以下の通りです。

  • ステップ①興味のある業界の基礎情報を書き出す
  • ステップ②興味のある他の業界と比較する
  • ステップ③新しい情報が入ったら更新する

それぞれについて、詳しく解説します。

ステップ①興味のある業界の基礎情報を書き出す

テンプレートをダウンロードしたら、まずは「☆☆業界(サンプル)」のシートを複製してください。そして、シートの名前を研究対象(興味のある業界)の業界名に変更します。

続いて「基本情報」「業界詳細」「業界の沿革・動向」の各項目に、わかる範囲で基礎情報を記入していきます。必要な項目の詳細や書き方は後述するので、参考にしてみてください。

なお、埋まらない箇所は、「業界地図」や「業界地図デジタル」などを利用して、調べながら作成するのがおすすめです。

さらなる詳細は、業界研究の調査におすすめの本の記事で紹介しています。

ステップ②興味のある他の業界と比較する

ノートに情報を書き溜めていくと、徐々に志望度の高い業界とそうでない業界にわかれてくるかと思います。そこで、興味のある業界を1つの表にまとめて比較していきます。

まず、「業界比較表(サンプル)」のシートをコピーしてください。

そしてコピーして作成したシートに、研究済みの業界の中から、特に志望度の高い業界をピックアップして「業界比較表」にまとめてください。続いて、その業界ならではの魅力や、逆に気になること・懸念点などを整理していきます。

1つの表に一覧化して比較することにより、就活の軸の優先度を考えたり、深堀りしたりするきっかけになります。

なお、ここで記入した「他の業界と比較して魅力的な点」は、そのまま業界の志望動機を考える際に利用できます。「他の業界と比較して気になる点」は、その点を解消するためのネクストアクションを考えるきっかけになるので、ぜひ活用してみてください。

ステップ③新しい情報が入ったら更新する

まとめた情報は新しい情報が入るたびに更新しましょう。再度調べたり、OB/OG訪問などで人と会ったりして新しい情報が入った場合は適宜最新情報に書き換えます。

追記情報はそのまま書き足す形で問題ありませんが、古い情報が上書きされる場合は、前の記録も残しておくことをおすすめします。更新前の情報を残したままにしておくことで比較したり、参考にしたりできるのでできるだけ消さないようにしましょう。

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業界研究ノートにまとめるべき項目

ここからは、業界研究ノートに記入する項目について詳しく解説していきます。

  • ①業界名・企業群・企業名
  • ②興味を持ったきっかけ・志望理由
  • ③業界の市場規模(業界内の領域別も)
  • ④ビジネスモデル(誰に・何を・どのように)
  • ⑤商流・関連する業界
  • ⑥業界の歴史・最近のニュース/トレンド
  • ⑦業界の将来性・課題
  • ⑧求められる人物像
  • ⑨他の志望業界との比較
  • ⑩その他のメモ

それぞれについて見ていきましょう。

①業界名・企業群・企業名

まずは業界名と領域ごとの企業群、各企業群に該当する企業名を記載しましょう。

テンプレートを使用する場合は、まずは基本情報の欄に更新日と業界名を記載します。次に、該当の業界に所属している企業名を所属する領域ごとに分けて、企業群ごとに記載していきましょう。

②業界の市場規模(業界内の領域別の市場規模も)

業界の市場規模も重要なデータです。業界内でもいくつかの領域に分かれていることがあるので、その場合は領域ごとの市場規模も記載していきましょう。

テンプレートを使用する場合は、「☆☆業界(サンプル)」シートの中にある「業界詳細」内の「市場規模」の欄を活用してみてください。

【市場規模の例】

 

  • ◯◯領域:10兆円
  • △△領域:2兆4000億円
  • □□領域:7兆8000億円

③ビジネスモデル(誰に・何を・どのように)

研究する業界の業務内容やビジネスモデルも書き込みましょう。ビジネスモデルを考える際は、だれに何を提供し、どのように収益が発生しているのかを調べてまとめていきます。

ビジネスモデルを理解することで、業界に将来性があるかどうかがわかります。

テンプレートを使用する場合は、「☆☆業界(サンプル)」シートの中にある「業界詳細」内の「ビジネスモデル」の欄を活用してみてください。こちらも、領域ごとに分けて記載するのがおすすめです。

【ビジネスモデルの例:食品業界(食品メーカー領域)】
食品卸業者・小売店に対して、加工した食品を提供する。
近年では、消費者に対して直接オンライン販売するケースも(D2C)

④商流・関連業界

研究する業界の商流や、関連する業界も書き込みます。商流や関連する業界を把握することで、研究する業界がどのような役割を果たしているのかや、他の業界との関わりを理解できます。

テンプレートを使用する場合は、「☆☆業界(サンプル)」シートの中にある「業界詳細」内の「商流・関連する業界」の欄を活用してみてください。

【商流・関連する業界の例:食品業界】
農林水産業界→食品卸領域→食品メーカー領域→食品卸領域→小売店→消費者

⑤業界の歴史・最近のニュース/トレンド

業界の歴史や最近のニュース、トレンドも押さえておきましょう。

テンプレートを使用する場合は、「☆☆業界(サンプル)」シートの中にある「業界の沿革・動向・求められる人物像」内の各項目を活用してみてください。

【業界の歴史の例:食品業界】
明治時代になり美味しさや文化として味わう楽しみが注目されるようになった。近代化に伴い、殖産興業のひとつとして食品産業も発展を遂げる。明治15年以降になると工場が現れるようになり、さらに食品産業の普及が広まった。その後も、食品品質の向上のための研究が進められてきた。また、近年では、スマートフォンの普及に伴い、直接消費者にメーカーが食品を提供するD2C(Direct to Consumer)のビジネスモデルが台頭するなど、食品サプライチェーンの効率化のための取り組みも積極的に行われている。

 

【最近のニュース/トレンドの例:食品業界】
コロナ禍により巣ごもり需要が起こっていたが、2021〜2022年にはやや落ち着きを見せ、経済回復に伴い業務用食品の需要が巻き返されている。また、共働き世帯や単身世帯が増えていることから、家庭料理を食べる機会が減り、食品需要全体が低下している傾向にある。

⑥業界の将来性・課題

業界の将来性や課題も重要です。業界を絞り込む判断のひとつとして役立つため、しっかり記入しておきましょう。

テンプレートを使用する場合は、「☆☆業界(サンプル)」シートの中にある「業界の沿革・動向・求められる人物像」内の「業界の将来性・課題」の欄を活用してみてください。

【業界の将来性・課題の例:食品業界】
日本の人口減少による国内市場の縮小が懸念される(長期的な課題)。一方で、昨今では海外市場の開拓が行われており、グローバル化による利益拡大の可能性が期待できる。

⑦求められる人物像

業界全体が求めている人物像を記載することで、自分との相性を把握できます。業界の動向や将来性から、必要とされる素養や人柄について記載します。先に記述した「業界の将来性・課題」の欄を参考にしながら書き出してみると良いでしょう。

テンプレートを使用する場合は、「☆☆業界(サンプル)」シートの中にある「業界の沿革・動向・求められる人物像」内の「求められる人物像」の欄を活用してみてください。

【求められる人物像の例:食品業界】
・食品やそれによって届けられる幸福・健康に興味がある
・サプライチェーンの前後の企業と関係構築するスキルがある
・海外の人とも対等に話せる語学力・交渉力がある

⑧他の志望業界との比較

各項目を書き終えたら、他の志望業界との比較を行いましょう。研究した業界の魅力的な点や懸念点を記載していきます。

テンプレートを使用する場合は「業界比較表(サンプル)」のシートを活用してみてください。

【他業界と比較して魅力的な点の例:食品業界】
・人々の生活に欠かせない分野である
・グローバルに働ける可能性が高い
・自分の強み(語学力)が活かせる

 

【他業界と比較して気になる点の例:食品業界】
・日本国内での需要が縮小する可能性がある
・配属によっては希望の食品領域に携われない

⑨志望理由・興味を持ったきっかけ

データや情報だけでなく、志望理由や興味を持ったきっかけなど自分の感じたことや考えも交えて記入します。

テンプレートを使用する場合は、「☆☆業界(サンプル)」シートの中の「その他・感じたこと」の項目や、業界比較表の中の「他業界と比較して魅力的な点」や「業界の志望理由」の欄に書き込んでいきましょう。

どのようなことを書けばよいのかわからない場合は、以下の例文も参考にしてみてください。

【興味を持ったきっかけ・志望理由の例:食品業界】
興味を持ったきっかけ:食べることが好きだったため食品を扱う業界に興味が沸いた
志望理由:人々の生活に欠かせない食品づくりに携われるため。日本ならではの食品を海外展開することに魅力を感じている。

⑩その他のメモ

先に紹介した項目以外で書きたいことが出てくる可能性もあるため、「その他のメモ」欄も用意しておくと便利です。

テンプレートを使用する場合は、「☆☆業界(サンプル)」シートの中にある「その他・感じたこと・他人の意見」の欄を活用してみてください。

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業界研究ノートを作るときのポイント

続いて、業界研究ノートを作るときのポイントをご紹介します。

  • 事実と意見を分けて記載する
  • 懸念点に関しては情報収集して解消する
  • OB/OGや先輩の意見も聞いてみる

それぞれ見ていきましょう。

事実と意見を分けて記載する

業界研究をする上で、自分の考えや意見を交えて記載するのは大切ですが、事実と意見を同じ場所に記載するのは、混同してしまう可能性があるためあまり良くありません。

見返した時にひと目でわかるように、事実と意見は分けた状態に整理して記載するようにしましょう。紹介したテンプレートでは、「その他感じたこと・他人の意見」の欄に意見を記載し、その他の欄には事実情報を記載するようにしています。

また、事実情報には、参照元を記載しておくのもおすすめです。

懸念点に関しては情報収集して解消する

業界研究を進めていくと、志望する業界であっても、自分の理想とする働き方との乖離や、今後の展望についての不安など、懸念点が現れることがあるかもしれません。

懸念点を見つけた場合は、新たに情報収集をして解消できるかどうかを調べてみることが重要です。「懸念点が払拭できないことがわかる」ことも前進している証拠なので、目的を決めて業界への理解を深めていきましょう。

OB/OGや先輩の意見も聞いてみる

OB・OG訪問も機会があれば積極的に活用しましょう。研究したい業界で働くOB/OGの方や就活が終わった先輩の意見を聞くことで実体験に基づいた情報を得られます。

ゼミやサークル、大学のキャリアセンターなどを通じて興味のある業界で働いている人を探してもらったり、OB・OG訪問ができるアプリを利用してみたりすると良いでしょう。

OB・OG訪問については、こちらの記事で解説しています。気になる方は参考にしてみてください。

業界を絞れたら企業研究ノートも作成しよう

業界研究ノートを活用して志望業界をある程度絞ったら、その業界や領域に属する企業ごとの情報収集も始めてみましょう。企業一社一社について深掘りするには、必要な情報を洗い出して比較できる「企業研究ノート」の作成がおすすめです。

企業研究ノートの作成方法についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

今回は、これから業界研究を行いたい就活生の方向けに、業界研究ノートの作成方法や作成する目的、書き方のコツをテンプレートに沿ってご紹介しました。

業界研究ノートを作成することで、自分が気になった業界や入社を志望する業界の情報を洗い出し、比較できるメリットがあります。また、エントリーシートの作成や面接時の振り返りにも役立つほか、入社後のミスマッチも防げます。

いくつかの業界を研究したら、特に志望する業界をピックアップして業界ごとの魅力や気になる点を比較してみましょう。

就職活動を行う上で欠かせない業界研究をスムーズに進めるために、ぜひ本記事を参考に、自分だけの業界研究ノートを作成してみてください。

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