「ボランティア経験をどう伝えるべきかよく分からない」
「短期間のボランティアでもガクチカとして話せる?」
面接の頻出質問であるガクチカを考えるなかで、このような悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。
努力の過程が採用担当に伝わりやすいボランティア経験ですが、ガクチカのエピソードに選ぶ学生が多いだけに、そのまま伝えたのではアピールになりません。ボランティア経験を話す際のポイントをよく理解し、他の学生と差別化を図りながら伝えることが重要です。
この記事では、ガクチカでボランティアのエピソードを選ぶメリットや、伝え方のポイントを解説していきます。文字数別のガクチカ例文も紹介するので、ボランティア経験をアピールしようと考えている人はぜひ参考にしてください。
OfferBoxは、就活生の約24万人(※1)に利用されている新卒逆求人サービスです。
OfferBoxに登録するプロフィールや自己PRがES(エントリーシート)の代わりになるため、効率的に就活を進めることができます。
また、登録企業数は約19,242社(※2)で、大手から中小・ベンチャー企業まで幅広い企業に登録されていることも特徴です。
効率的に就活を進めたい方は、ぜひ活用してみてください。
目次
ガクチカでボランティアのエピソードを選ぶメリット
他のエピソードと比較して、ボランティアのガクチカにはどんなメリットがあるのでしょうか。ガクチカのエピソードに悩んでいる人は、ボランティアならではのメリットを知り、エピソード選びの参考にしてください。
主体性や継続力をアピールしやすい
ボランティアは始めたきっかけや動機が明確なため、主体性をアピールしやすいメリットがあります。周りの人に誘われたのがきっかけだったとしても、
ボランティア活動には明確な目的があり、少なからずそこに共感や興味があったからこそ、参加しているはずです。自分なりの考えがあった上で、行動したことをアピールできるでしょう。
また、強制ではないボランティアを続けるのは継続力が必要になります。所属すると参加が必須であるゼミ活動や部活動のエピソードではアピールが難しい、「自らの意思で始め、努力を続けた過程」をアピールできるのが特徴です。
様々な学びが得られることが多い
主体的に目的をもって取り組むボランティアは、経験から学びを得やすいメリットもあります。「◯◯という目的を達成するため◯◯に力を入れた」と論理的にガクチカを組み立てられるでしょう。
部活動やサークルでも学びは得られますが、ボランティアは、誰かの困りごとを解決するのがそもそもの目的です。わかりやすい課題や困難に直面するケースが増えるため、それらを解決する過程でも様々な学びが得られます。
ガクチカでボランティアのエピソードを選ぶ際のポイント
多くのメリットがあるボランティアのガクチカですが、工夫をしないまま伝えても大きなアピールには繋がりません。ありきたりなガクチカで採用担当をガッカリさせないためには、以下の3つのポイントを押さえることが大切です。
ボランティア経験自体はアピールにならない
まず、ボランティア経験自体はアピールにならない点に注意が必要です。ガクチカでは経験そのものより、そこから得た学びや発揮した強みがアピールポイントになります。
経験を売りにしてもオリジナリティは出せないため、ボランティア経験自体が目的のガクチカにならないようにしましょう。ボランティアはあくまで手段として考え、そのなかで経験した出来事の部分を重点的に伝えるのがポイントです。
仕事に繋がる学びを伝える
企業にアピールするのがガクチカの目的ですから、単なるボランティアの感想で終わっては評価されません。企業が求める人材を理解したうえで、ボランティアで得た学びを仕事に結び付けてアピールしましょう。
伝える学びは、直接仕事に活かせる専門知識・スキルでなくても問題ありません。例えば、コミュニケーション力のような抽象的な強みでも、それがどんな強みで仕事にどう活かせるかまで伝えれば評価してもらえます。
自分が工夫したことを盛り込む
ボランティアの説明だけでは主体性を読み取れないため、自分が工夫したことを盛り込む必要があります。活動に励む中でどんな目標を掲げ、自分なりに何を工夫したのかを詳しく伝えましょう。
採用担当は「何のボランティアに参加したか」「どんな活動をしたのか」よりも、その学生の「物事への取り組み方」を知りたがっています。そのためボランティアのガクチカでは、自分なりに考えて行った行動を盛り込むことが大切です。
ボランティア活動のガクチカ例文
ここからは400字以内と200字以内の文字数別に、ガクチカ例文を紹介します。ボランティアのガクチカを伝える際のポイントをふまえ、自分ならではのガクチカを考えていきましょう。
国内の被災地復興のボランティア活動【400字以内】
参加するにあたって特に注意したのが、被災地のニーズをよく考えることです。「ボランティア過剰で現場が大混乱している」というニュースを見かけたため、急に参加することはかえって迷惑になるのではないかと心配していました。
ニーズにそぐわない行動を避けるため、私がとったのはSNSを使って手助けが必要な人を探す方法です。結果、「畑のがれき撤去を手伝ってほしい人」や「倒木の片付けを手伝ってほしい人」などが見つかり、本当に助けが必要な人に協力できるようになりました。
この経験から、人の役に立つには相手のニーズを正しく理解する大切さを学びました。入社後も、相手が何を必要としているのかを考えてから行動に移したいと思います。
【ポイント】
「SNSを使って手助けが必要な被災者を探した」というエピソードから、相手の事情を考慮した工夫が読み取れます。活動を続けた期間や回数についても言及すると、継続して努力したことが伝わるガクチカになるでしょう。
海外の子どもの学習支援のボランティアサークル活動【200字以内】
子どもたち全員が日本語に興味をもっているわけではなかったため、初めはあまり話を聞いてくれませんでした。
そこで、フィリピンでも人気の日本アニメのイラストを使って授業を進めたところ、話に興味をもってくれる子が増えました。
この経験から、自分に意識を向けるには、相手に合わせた提案をすることが大切だと学びました。
【ポイント】
文字数の限られた200字では、ガクチカの概要しか伝えられません。ボランティア参加の動機や活動中の目標など、書き切れない情報は面接で詳しく伝えましょう。
200字はガクチカのなかでも短めの文字数指定です。うまくまとめる方法は、以下の記事を参考にしてください。
200字のガクチカの書き方|例文や注意点
ボランティアのガクチカへの面接での深堀り質問例
面接では、ESや履歴書に記入したガクチカをさらに深掘りされます。「自分だったらどんな質問をするか」と自問自答しながら、深掘り質問への回答を準備しておきましょう。
【国内の被災地復興のボランティア活動で想定される深掘り質問
- どれくらいの期間ボランティアに参加したのですか?
- 被災者を手助けするなかでどんなことが大変でしたか?
- なぜ人のために頑張れたと思いますか?
- そのほかの学びがあれば教えてください
- ボランティア経験を業務にどう活かせると思いますか?
深堀り質問への詳しい対策方法を知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
ガクチカの深堀りをされたときの答え方や対策方法を解説
ボランティアのガクチカの書き方
ガクチカの書き方によって、相手に与える印象は大きく変わります。アピールポイントが明確なガクチカにするためには、以下の順番で話を構成していくのがおすすめです。
①結論:ボランティア活動の中で力を入れたこと
ボランティアのなかでも、何に力を入れたのかを伝えましょう。最初に端的にガクチカの内容を伝えることで、その後の話を採用担当にイメージしてもらいやすくなります。
「ボランティア活動自体に力を入れた」でも悪くはありませんが、それでは取り組みの範囲が広がりすぎてしまいます。背景を理解してもらうためには、「ボランティア活動のどんな点に注力したのか」を具体的に紹介したほうが良いでしょう。
【例】
②動機:始めたきっかけと力を入れた理由
結論を端的に述べた後は、それを裏付けるエピソードが必要です。ボランティアを始めたきっかけや、①に力を入れようと考えた理由を話しましょう。
動機を詳しく伝えるのは、ボランティアへの参加が主体的な行動であると証明するためです。大学のイベントの一環で仕方なく参加したボランティアより、自主的に参加したボランティアのほうが評価されやすいのは言うまでもありません。
【例】
③目標:掲げた目標
ボランティアの目的を達成するために、どのような目標を立てたのかを伝えましょう。特に目標がないまま活動を続けた人と、自分なりの目標を立てて活動を続けた人では、後者のほうが評価は高くなります。
【例】
このケースでは、目標という言葉は使っていませんが、被災地のニーズを汲み取って必要なボランティア活動をすることを目標としたことが、続く内容と併せて伝わります。
④困難:直面した課題
ボランティアでの頑張りを評価してもらうためには、直面した課題をエピソードに盛り込む必要があります。どんな課題なのかという事実に加え、なぜその課題を困難に感じたのかまで伝えると、採用担当は当時の状況をイメージしやすくなります。
【例】
⑤取り組み:課題に対しての行動と結果
直面した課題に対して自分が取った行動を伝えます。誰かの発案による取り組みでは「自分が頑張ったこと」にはならないため、あくまでも自ら率先して取った行動を伝えるのがポイントです。
取った行動を話した後は、合わせて行動の結果まで伝えましょう。周りに好影響を及ぼしたエピソードは、入社後も周りを巻き込みながら働ける人材である証明になります。
【例】
結果、「畑のがれき撤去を手伝ってほしい人」や「倒木の片付けを手伝ってほしい人」などが見つかり、本当に助けが必要な人に協力できるようになりました。
⑥学んだこと:今後に活かせる学び
一連のエピソードを通して学んだことと、今後にどう活かすかの展望を最後に伝えましょう。ボランティアでの苦労話を伝えるだけでは、単なる体験談で終わってしまいます。
ガクチカから「自社にとって有益な人材」だと評価してもらうには、今後の展望と結び付けることが大切です。
【例】
ガクチカでボランティアのエピソードを選ぶ場合の注意点
分かりやすい構成でボランティア経験を伝えても、内容によってはマイナスの印象につながる場合があります。自分が頑張ったことを伝えるつもりがかえって評価を落としてしまわないよう、以下の点に注意してください。
他人や団体の言葉ではなく自分の言葉で話す
ボランティアの動機や目標を語る際に、ボランティア団体の言葉をそのまま使うのはやめましょう。
例えば、「世界中の子どもが不自由なく暮らせる環境を作るボランティアに力を入れました」と伝えても抽象的で内容が分からず、自分が何に問題意識を持ち、どのように行動したのかが伝わりづらいです。
団体で使っている抽象的な言葉を使用すると、採用担当は学生本人の真意を読み取れなくなるため、動機や目標は自分の言葉で話してください。自分の言葉で話すことで、ありきたりではないオリジナリティのあるガクチカになります。
1回きりのボランティアはガクチカとしては不適当
1回きりのボランティアを「学生時代に力を入れたこと」として語るのは違和感があるため避けましょう。継続して努力した過程を読み取れず人柄が見えないため、ガクチカのエピソードとして不適当と考えられます。
他にエピソードが見つからない人は、今からでも目標を設定して取り組んでみてください。例えば、何となく続けている特技や趣味があるなら、目標を設定してみるとガクチカとして語れるようになるケースもあります。
ガクチカのエピソードが見つからない人は、以下の記事を参考にして探してみましょう。
ガクチカがない…。学生時代に頑張ったことがない人向けのガクチカの書き方
ボランティアのガクチカに関するよくある質問
最後に、ボランティアのガクチカに関するよくある質問にお答えします。ボランティアでの努力を評価してもらえるように、疑問点は曖昧のままにせず、しっかりと解消してから面接に臨んでください。
ボランティアの期間はどれくらいからアピールできる?
これ以上の期間が必要という基準はありません。
ただ、1回きりのボランティアは不適当だと伝えたとおり、目的をもってボランティアに力を入れた経験となると、ある程度の期間が必要と考える採用担当が多いと思われます。
「継続して努力した」と言えないほどの短い期間だと、自分の人柄があまりアピールできないことが多いです。その場合は、無理にボランティア経験をガクチカにするより、他に力を入れて取り組んだことを伝えるほうが効果的です。
ボランティアをしたと嘘をついたらバレる?バレない?
ボランティアに限らず、嘘で作ったガクチカは必ずといっていいほどバレます。自分の実体験を語るガクチカとは異なり、少し深掘り質問をされただけで回答に詰まってしまうためです。
バレれば評価が落ちるのはもちろん、入社後に発覚した場合は解雇事由になるケースもあるため、嘘をつくのは絶対にやめましょう。ボランティア経験がないのであれば、別のエピソードを探したり、これから作ったりするなど、他の方法をとるべきです。
ガクチカで嘘をつきたくなってしまったときの対処法は、以下の記事を参考にしてください。
就活でつい「嘘」をつきたくなってしまった時の思考変換法
まとめ
以上、ガクチカでボランティアのエピソードを選ぶメリットや、伝え方のポイントを解説しました。
ボランティアには主体性・継続力をアピールしやすいメリットや、学びを得やすいメリットがありますが、経験自体はアピールになりません。話のネタ作り目的で参加したわけではないと証明するには、動機や目標、直面した課題を伝えることが重要です。
また、評価を上げようとして、参加してもいないボランティア経験を作り上げるのはやめましょう。ガクチカはエピソードの印象度を競うものではないため、ありきたりなエピソードでも伝え方によっては大きなアピールに繋がります。