「忍耐力ってどんな印象をもたれるのだろう」
「忍耐力をアピールするエピソードが思い浮かばない」
自己PRで忍耐力をアピールしようとしている人のなかには、このような悩みを抱える人が多いのではないでしょうか。
忍耐力は魅力的な強みですが、自己PRのテーマに選ばれやすい強みでもあります。ありきたりな内容にならないよう差別化を図りながら、オリジナリティのある自己PRに仕上げていくことが大切です。
この記事では、自己PRで忍耐力をアピールする際の注意点や、企業が評価するポイントを紹介します。他の表現に言い換えてアピールする例文も紹介するので、自己PRがうまく作れず悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
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目次
自己PRで「忍耐力」をアピールするのは高評価につながる?
魅力的な自己PRを作るためには、まずは忍耐力という強みが企業にどう評価されるのかを理解する必要があります。選考でアピールするときのコツについても合わせて確認しましょう。自己PRの書き方について詳しく知りたいときはこちらの記事もチェックです。
悪い印象を抱く採用担当は少ない
忍耐力を自己PRでアピールする学生に対し、悪い印象を抱く採用担当は少ないでしょう。例えば、忍耐力には「大変な状況でも乗り越える力」という意味があります。
どんな業界・企業でも大変な状況は少なからず存在するので、そんなときでも粘り強く乗り越えていける学生は重宝されるでしょう。あらゆる環境で役立つ忍耐力は、実際の業務とも関連付けてアピールしやすい強みといえます。
耐えることよりも工夫・努力を伝える
ただ耐えるだけの忍耐力では、ストレス耐性に疑問をもたれたり、自分の意見を言えない性格だと判断されたりするリスクがあります。そのため、忍耐力をアピールする際は、耐えることよりも工夫・努力を伝えるほうが良いでしょう。
「嫌な仕事を与えられても文句を言わずに遂行します」というように我慢強さをアピールするのではなく、嫌な仕事をこなすためにどんな工夫や努力をしたのかを伝えることが重要です。
「忍耐力」の自己PRで企業が評価するポイント
では、企業は忍耐力の自己PRからどんなポイントを評価しているのでしょうか。評価ポイントを正しく理解したうえで、質問意図に沿った自己PRを作成していきましょう。
本当に最後まで投げ出さずに努力ができるか
どのレベルの困難に対して、最後まで投げ出さずに努力ができたのかをチェックしています。忍耐力といっても、「大学の講義を途中で投げ出さずにやり遂げた」といった当たり前のことでは、その学生ならではの強みとして評価できません。
実際の業務で役立つような忍耐力でなければ強みになりえないため、企業は自己PRのエピソードから、学生の言う忍耐力がどんなものなのかを見ています。
何を原動力に努力する人なのか
忍耐力のエピソードから、何を原動力に努力する人なのかも評価されています。困難に打ち克った経験があるということは、何らかの動機や、力の元があることの裏付けです。
活動の源が分かれば入社後の職場での役割や活躍をイメージしやすいため、何を目標・原動力に努力したのかを忍耐力のエピソードから見極めています。
具体的には、自分のために動くのか、それとも他人のために動く人なのか、といった点が評価のポイントです。「どちらの方が良い」というわけではなく、あくまでタイプを見ています。
状況を切り開くための創意工夫ができるか
状況に対してどのように考え、創意工夫をしたのかも評価ポイントの1つです。忍耐力は困難から逃げずに努力を続けた証明ですから、「成果が出るまで工夫できる」というイメージにもつながります。
企業は受動的な学生より能動的な学生を採用したがっているので、自己PRにおいても、工夫や努力を評価しているのです。忍耐力を発揮して創意工夫してきた学生であれば、入社後も成果を出すために、効果的な方法を工夫しながら働いてくれると評価できます。
自己PRでの「忍耐力」の言い換え例
「私の強みは忍耐力です」と伝えるだけでは強みをイメージしづらいため、自己PRの際は別の言葉に言い換えてアピールするのがおすすめです。以下の言い換え例を参考に、自分の特徴に最も近い「忍耐力」をアピールしましょう。
- あきらめない性格
- 継続力がある
- 何事も途中で投げ出さない
- 意志が強い
- 困難な状況でも前向きに考えられる
- ストレス耐性が高い
- 慣れない環境にすばやく適応できる
- 工夫しながら困難に立ち向かえる
- 立ち直りが早い
- 常に目標を持って取り組む
忍耐力の自己PR例文集【履歴書・面接で使える】
ここからは、部活動やゼミなど、忍耐力をアピールする自己PR例文を5つ紹介します。実際の例文を見てみないとイメージしづらい点もあるため、以下の例文を参考にしながら自分ならではの自己PRを考えてみてください。
部活動・サークルで大変なことに取り組んだエピソードの例文
大学時代に所属していたテニスサークルでは、コート整備や後片付け、合宿の手配・準備など誰もやりたがらない仕事を率先してやりました。
また、練習時間前に到着してテニスコートの整備に自発的に取り組んでいたところ、部長から「気持ちよく練習できて助かるよ」と言ってもらえ、地味なことでも周りに評価してもらえることを実感しました。
結果、それらの仕事は当番制になり、私の取り組みがサークルの変化につながった経験が強く印象に残っています。
仕事においても泥臭い仕事を率先しておこない、少しでもチームの役に立ちたいと考えています。
【ポイント】
人の嫌がる仕事を進んでやる忍耐力をアピールした例文ですが、無理矢理ではなく、自発的に取り組んだ様子がうかがえます。自分の行動がサークル全体に影響を及ぼしている点も好印象です。
ガクチカで部活動やサークル活動を活用する場合は、下記の記事をご参照ください。
ゼミ・研究室で粘り強く結果を出したエピソードの例文
大学で所属していたゼミでは、食生活と免疫力の関係について研究しました。研究過程では思うように結果が得られないケースが多々ありましたが、自分なりに工夫しながら失敗をうまく次に活かしていきました。
具体的には、失敗のデータをグラフと表にまとめ、原因を分析したり比較検討に利用したりする方法です。その結果、バランスの悪い食事は内臓機能を低下させ、免疫力の低下につながると実証できました。
仕事を進めるうえでは時に失敗もあると思いますが、失敗の原因をきちんと分析して次に活かしていきたいと思います。
【ポイント】
失敗経験をうまく活用したエピソードから、何事も前向きに考えられる人物像をイメージできます。忍耐力以外に、向上心や分析力などのアピールにもつながりそうです。
ガクチカでゼミ活動を活用する場合は、下記の記事をご参照ください。
インターンシップで高い数字目標を追いかけたエピソードの例文
大学2年時から、営業のインターンシップをしており、インサイドセールスとして新規獲得の電話営業をしています。
そこでは、行動目標が1日当たり100件で設定されていました。当初は、電話でアポイントを取れるイメージがなく、電話を掛けるのがはばかられていました。
しかし、まずは行動目標を達成することで見えてくるものもあると考え、出勤した日は必ず行動目標を達成するよう行動しました。その結果、自社の商材に魅力を持ってもらえるポイントやトークの進め方の理解が進み、アポイントが取れるようになりました。
社会に出てからも、うまくできるイメージがないこともあるかと思いますが、「まずはやってみる」気持ちでパフォーマンスを高めて行きます。
【ポイント】
この例文では高い行動目標達成に向けた工夫や努力が読み取れます。自己PRでは成果だけでなく、それまでの過程を詳しく述べることが大切です。
勉強(資格など)でコツコツ継続したエピソードの例文
将来はプラント業界で働きたいと考え、できる仕事の幅を広げるために第1種放射線取扱主任者の資格を取得しました。学業やアルバイトをこなしながら試験勉強を続けるためにした工夫が、1日の目標を設定する方法です。
「2時間勉強する」というような漠然とした目標ではなく、「今日は問題を10問解く」というように小さな目標を設定しました。それをクリアできたら少し難しい目標を設定するなど、無理のない範囲で勉強を続けた結果、大学3年生のときにこの資格を取得できました。
モチベーションを保つには、無理のない目標を少しずつ達成していくことが大切だと学んだため、日々の業務でも小さな目標をうまく設定しながら取り組みたいと思います。
【ポイント】
困難を乗り越えるためにした工夫が明確な例文です。入社後も、自分なりの目標を設定しながら業務に励んでくれそうな期待感がもてます。
アルバイトで責任感をもってやり遂げたエピソードの例文
アルバイト先の居酒屋では、仕込み作業を担当したときに、日付と自分の名前を紙に記載するルールがありました。ミスを減らすために設けられたルールなのですが、手間がかかるという理由や、忙しいという理由で省略する従業員が少なからず存在しました。
そんな状況でも周りに影響することなく、欠かさず日付と自分の名前を紙に記載した結果、大きなミスをせずに3年間のアルバイトをやり遂げることができました。
ちょっとした手抜きが時に大きなトラブルに発展するケースがあると思うので、今後も細かいことこそ手を抜かずきっちりやり遂げたいと考えています。
【ポイント】
細部まで妥協しない性格を読み取れる例文です。手を抜く同僚を見かけたときに、どんな行動をとるのかまで言及できると、さらに人柄が伝わる自己PRになるでしょう。
ガクチカでアルバイト活動を活用する場合は、下記の記事をご参照ください。
自己PRで忍耐力をアピールするポイント
同じ忍耐力をテーマにした自己PRでも、ちょっとしたテクニックを意識することで他の学生に差をつけられます。ここで紹介する3つのポイントを参考にして、忍耐力という強みがより企業に伝わる自己PRに仕上げていきましょう。
状況を想像できるよう具体的に説明する
忍耐力を発揮したときの状況を想像できるよう、できる限り具体的に説明しましょう。強みが忍耐力だとアピールしても、他に情報がなければ、採用担当はそれが本当なのかを見極められません。
根拠となるエピソードを伝えてこそ強みを裏付けられるため、当時の状況や自分の行動を詳しく説明するのがポイントです。
例えば、勉強に励んだ継続力をアピールするなら、「2年間資格勉強を続けました」だけで終わらず、何の目的でどんな工夫をしながら勉強を続けたのかを語る必要があります。
どんな点が困難だと感じたか端的に伝える
状況について説明するときは、どんな点が困難だと感じたかを伝えましょう。苦労話を含めることでエピソードの信憑性が増し、自分がどんな性格の人間なのかを企業に理解してもらえます。
企業が選考で自己PRを質問するのには、学生の人柄を知る目的があります。そのため、忍耐力をアピールする際は、困難に感じた点を合わせて伝えることが重要です。何を困難と感じるかを説明すれば、人柄を読み取ってもらえます。
何を目的に努力できたのか伝える
どんな目標・目的のために努力したのかを伝えるのもポイントです。忍耐力を発揮した際に設定した目標や、掲げた目標を詳しく伝えましょう。
目標・目的について伝えることが重要なのは、仕事を進めるうえでもこうした能力が求められるためです。適切な目標・目的が定められていれば、やるべきことが明確になり、効率的に業務を遂行できるようになります。
自己PRで忍耐力をアピールする際の注意点
高評価につながる忍耐力ですが、アピールの仕方によってはマイナスの印象になる場合があります。自分の強みをアピールするはずが、むしろ弱みだと捉えられないよう以下の点に注意してください。
「受け身でやらされた」印象を与えない
忍耐力という言葉を使う場合、受け身でやらされた印象が出ないように注意しましょう。やらされた印象を与えてしまうと、嫌でもはっきりノーと言えない性格、自分から行動を起こせない人などと評価される恐れがあります。
具体的には、アルバイトや部活動で、人が嫌がる仕事をこなしたとアピールする自己PRが例に挙げられます。この場合は、嫌な仕事を押し付けられてこなしたと伝えるのではなく、あくまでも自ら率先して取り組んだと伝えることが大切です。
なるべく別の言葉に言い換える
忍耐力には、やりたくないことを耐え忍んだというニュアンスが少なからず含まれるため、できる限り別の言葉に言い換えるのがおすすめです。
先に紹介した「あきらめない性格」や「何事も途中で投げ出さない」など、自分の特徴に最も近い言葉に言い換えてみてください。
また、言い換えることで、どんな忍耐力をもっているのかイメージしやすくなるメリットもあります。採用担当に強みを理解してもらいやすくする意味でも、言い換えは非常に効果的です。
愚痴や悪口を含まないようにする
言うまでもありませんが、自己PRに愚痴や悪口を含まないようにしましょう。環境や周囲の人のせいにしても、自分の印象が悪くなってしまうだけです。
例えば、人が嫌がる仕事をこなしたとアピールする場合、「他の人がやらないから仕方なくやった」というニュアンスで伝えると愚痴や悪口のように聞こえます。この場合は、チームのため、組織のために行動したと伝えるほうが高評価につながりやすいでしょう。
忍耐力の自己PRに関するよくある質問
最後に、忍耐力の自己PRに関するよくある質問にお答えします。企業の質問意図に合わない的外れな回答をしないためにも、疑問点はそのままにせず、しっかりと解消してから選考に臨みましょう。
「体力」としての忍耐力をアピールするのはあり?
土木作業員や消防士のように体力が必要になる仕事では大きなアピールになりますが、直接的な業務遂行につながらない場合はあまりアピールにはなりません。体力よりも、他のことをアピールするほうが効果的です。
体力に自信があるということは何かしらの要因があるはずなので、それを続ける原動力となったものを自己PRの材料にできます。例えば、部活動やランニングなど、体力向上につながるような「努力を継続した経験」をアピールするのがおすすめです。
「大学入試」をエピソードにするのはあり?
本当に大学入試が一番のエピソードだと確信しているのであれば問題ありません。大学入試に取り組むにあたって何が苦しかったのか、どんな工夫をしたのかを伝えましょう。
ただし、大学入試の目的はあくまで「志望校への合格」であり、耐え忍ぶものではありません。本当に忍耐力をアピールするのに適切なエピソードなのか、よく検討してみましょう。大学入試をエピソードにしたいのであれば、他の強みに言い換えたり、他の観点を探したりするのもよいでしょう。
まとめ
以上、自己PRで忍耐力をアピールする際の注意点や、企業が評価するポイントを紹介しました。
忍耐力をアピールするときに大切なのは、その根拠となるエピソードを具体的に説明することです。本当に忍耐力が強みなのだと採用担当に理解してもらうため、当時の状況や困難に感じたこと、どんな工夫をしたのかを伝えてください。
また、忍耐力は伝え方によってマイナスの印象につながる場合があります。受け身でやらされた印象を与えないように、自ら率先して取り組んだと伝えることもポイントの1つです。
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