15卒は、一括エントリーの割合が増加。興味がある、ないに関わらず大量に人を集めて選考するナビのやり方が非効率であり、企業と学生、双方の為にならないと感じていた。
「16卒から、ナビをやめることにしました。15卒の採用活動のとき、ナビサイトの“エントリー煽り”が問題になりましたが、前年まで1割程度だった一括エントリーの割合が5割くらいまで増えてしまいました。でもエントリー総数としては少し増えただけ。大量に人を集めてその中から選考するというのは、非効率だし、学生と企業、お互いにとってよい採用じゃないと思ったんです」(シナジーマーケティング株式会社 深田さん/以下、深田さん)
ナビサイトを使わないで済む仕組みが作れるのではないか、ということを15卒の採用から試していたという。
「イベントにも積極的に出ています。早期から活動している学生に接点を持っておき、その学生たちがいいイメージを持ってくれれば、口コミを広げてくれるんです。ただ採用するだけではなく、大きな目的を持っています」(深田さん)
手間暇はかかるが、最終的に良い学生を採用するためには、ブランディングも大切と考えているのだそうだ。
OfferBoxのサービスが始まった当初(2014年卒採用)から利用をスタート。一人ひとりのプロフィールが確認できる、また学生からの返信率が高いことから継続的に利用中。
「最初は“利用してみませんか?”とお声掛けいただいたのがきっかけでしたね。現在も利用を継続しているのは、プロフィールを詳しく確認できるというのもありますが、返信率が高いというのが大きなポイントです。オファーを送ったら、少なからず全員が開封して、オファーを承認するか辞退するか、必ずアクションを起こしてくれる。100%です。これはすごいなと思いますね」(深田さん)
シナジーマーケティングでは、学生ひとりひとりに対して送るメールの内容にとてもこだわっている。一斉メールではなく、それぞれの学生に合わせた内容でやり取りしているので、学生からきちんと反応があるということは、大切な指標だ。
16卒は、現時点でオファー45名、承認36名(承認率80%)。
「まだ16卒は途中ですが、オファー承認率80%くらいです。OfferBoxは、学生とのやり取りが非常にやりやすいですね。他のサービスだとサイト上で学生とやり取りして、その後は自分のメーラーに切り替えてメッセージのやり取りをしていたんですが、OfferBoxの仕組みならOfferBox内で完結するので便利です」(深田さん)
シナジーマーケティングには、OfferBox主催のイベントにも参加しているため、イベント参加者を中心にオファーを送っている。イベントで学生に印象付け、そこからさらにオファーを送ることにより、距離感はかなり近いのだろう。
「数というよりも、一人一人とどこまで向き合えるかを大事にしています。毎年面接のテーマは相手のことをより深く知るために変えていますが、今年は某テレビ番組みたいなことをやっています。ここはお楽しみですね。(笑)面接って、お互い想定していることを話す場ではなくて、お互いがお互いのことをよりよく知る場だと思うので、学生も私たちも、本来はありのままで向き合うべきなんです。」(シナジーマーケティング 脇山さん)
企業も学生の本質を知りたいと思っている。学生もその企業の本質を知りたいと思っている。双方の本質を知りたいという欲求は、本来マッチしている。アンテナの高い企業が、その部分に本気で目を向け始めた。
「あとは、内定者に同期の採用をしてもらおうと思っています。自分が採用担当になると、会社のことをよりよく知れるはず。会社の一員としての目線で物事が考えられるし、自分のどんな部分が評価されたのか、期待されて内定になったのかもわかるようになります」(深田さん)
就活後ろ倒しにより、早期内定者をフォローしなければならない時間も長くなる。何をすべきか、どんなことで繋ぎ止めるかということを悩んでいる人事担当者も多い。この方法は、シナジーマーケティングらしい、企業と内定者がともに歩みを進めることができるプロジェクトになりそうだ。
会社名 | シナジーマーケティング株式会社 |
所在地 | 【本社】大阪市北区堂島1-6-20 堂島アバンザ21F |
設立日 | 2005年6月 |
事業内容 | CRM関連製品ならびにサービスの企画・ソフト開発・提供 |
ホームページ | https://www.synergy-marketing.co.jp/ |