採用コンサルタントの指導の下、6年前に始まった新卒採用。1〜3年目は好調だったものの、17年卒では母集団形成に苦戦。
匠工房 総務人事室 室長 嶌本香七さん
ー新卒採用についてどのような課題を抱えていましたか?
嶌本さん:
6年前に新卒採用を始めた当時は採用のノウハウがなかったので、はじめ3年間は採用コンサルタントの方にお手伝いいただきながら採用活動を行なっていました。ナビサイトを利用して母集団を集め、自社の単独説明会、4回の選考会を経て、最終面接という形をずっと続けてきて、1〜2年目は説明会が各回80名を超える反響がありました。ところが、5期生(17年卒)の時に法改正や学生の動きの激変などの影響もあり、同じやり方では母集団が集まらなくなってきていました。新たに大学回りに挑戦してみたこともありました。
ー16年卒〜17年卒は新卒採用のスケジュールが大きく変動した時期でしたね。OfferBoxとの出会いは何がきっかけですか?
嶌本さん:
このままではどうにもいかないな、と思っていた時に、たまたま参加したセミナーでi-plugさんのお話を聞き、感銘を受けたのがきっかけです。一度やってみようということで稟議にあげました。
学部は問わず、人との信頼関係を築くことができる学生を求めて厳選してオファーを送信。自ら学生を探しに行く仕組みにメリットを感じる。
ーOfferBoxはナビとは全く異なる仕組みですが、実際に使ってみて戸惑いはありませんでしたか?
嶌本さん:
始めはどう取り掛かればいいのか分からなかったので、営業担当の方に密に教えていただきながら進めていきました。今までのように、ナビに掲載してエントリーを待っているという受け身のスタンスとは逆の方法で、企業側から学生を探しに行くことができるという点にすごく優位性を感じましたね。
ーどのような学生を採用ターゲットとし、オファーを送りましたか?
嶌本さん:
学部は問わず、人と深い信頼関係が築くことができる学生を探していました。
ー内定者の特性を見ると、タフな学生やバイタリティのある学生が多いようですね。
嶌本さん:
そうですね。やはり心の強さは必然的に求められます。というのも、お客様は年齢、性別、家族形態も多種多様ですので、自分が思うようには動きませんし、良かれと思って動いたことが裏目に出ることもあります。場合によっては、お客様からお叱りをいただくこともあります。いいこともありますし、もちろんつらいこともあるのです。そういった時に、自分の成長の前にお客様のことを一番に考えられて、結果的に自分の成長に結びつくということをしっかり考えられる方でないと、なかなか長年勤めることは難しい業界です。
ーなるほど。人を相手にする仕事ゆえに、心の強さが求められるのですね。他にはどのような点を見られてますか?
嶌本さん:
当社の採用基準の中に、お客様と話している姿が目に浮かぶかどうかというものがあります。違和感があるとやはり採用することはできませんが、実際OfferBoxで内定を出した18年卒の学生は違和感がまったくなく、イメージが湧いてきましたので、大丈夫だなと思いました。
ー働いている姿をイメージできるかどうかも採用基準として設けていると。
嶌本さん:
そうですね。不動産は流通している情報なので、モノはどこの不動産屋に行っても同じなのです。誰から買うか?となると、自分自身を売り込んで、お客様から信頼を得なければ契約していただけませんから。
時間をかけてでも1人1人としっかり向き合い、個人面談、座談会、インターンシップと面接以外の選考ステップを様々設けてミスマッチを低減。最終的に44通のオファー送信から2名が内定を承諾。
匠工房の選考ステップ | ||
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オファー送信 | 44人 | |
オファー承認 | 29人 | ▼65.9% |
OfferBoxParty または 個人面談 + 座談会 | 10人 | ▼34.4% |
インターンシップ | 8人 | ▼80.0% |
選考 | 5人 | ▼62.5% |
内定候補 | 3人 | ▼60.0% |
内定承諾 | 2人 | ▼66.6% |
ーオファーの承認率や、面談や座談会からのインターンシップの参加率が高い数値ですね。
嶌本さん:
そうですね。私は新卒採用に限らず中途採用でも、私が会社の説明をする時間よりも話してもらう時間をしっかりとるように心がけています。もちろんホームページには書ききれない会社の考え方などはお伝えしています。しかし、それよりも話してもらうことに時間を割いて、その人の価値観や考え方、人となりをよく知り、匠工房と合っているのかを判断することが大切だと考えています。ミスマッチが小さく長く勤めてもらえる方なのか、既存のメンバーとの相性が良いのかを汲み取れるようにと思って挑んでいます。
ー今年の内定者で言うと、どれぐらいみっちり面談されたのでしょうか?
嶌本さん:
2~3時間ぐらいしゃべりましたね。(笑)
ーかなり時間をかけられていますね!個人面談のあとは、座談会、そしてインターンシップという流れですね。
嶌本さん:
インターンシップの前に座談会を実施しています。座談会からインターンシップに来たいと言ってくれた学生が9.5割ほどいました。楽しい座談会の次にインターンシップを体験してみると、現実が見えてきます。そこでお互いに合うか合わないかが分かってきますので、座談会後にインターンシップを実施するのはすごく良かったなと思いますね。
ー学生自身にインターンシップに参加するかを決断させるという形なのですね。選考のステップにインターンシップを実施すると、実際の現場を自分の目で確かめることができますね。
嶌本さん:
弊社は店舗ごとにメンバーも店長も違いますので、店舗によって雰囲気も違います。本当に店舗によって全然違いますので、一回学生にもそれを体験して欲しいなと思っていて。1人1人どの店舗に合っているのかを見たいということもあり、インターンシップを実施しています。
ー入社後の配属にも活用できますね。改めて、初めてのOfferBoxでの採用活動を振り返ってみるといかがでしたか?
嶌本さん:
今年度初めて使わせていただいて、本当に匠工房に合っているやり方だなというのを実感しました。これからも続けていきたいと考えていますが…良いものなので正直に言うと他社さんにあまり教えたくないです(苦笑)
ーライバルが増えますからね。(笑)
嶌本さん:
そうなんです。まだまだ滋賀県にはOfferBoxを活用できる企業がたくさんあると思います。私がそういった企業に行ってOfferBoxをご紹介をさせていただくなど、i-plugさんと一緒にお仕事ができたらいいなと。そう思えるくらい、良いサービスだと思っています。
OfferBoxは人事担当者のパッションがそのまま学生に届くツールでもあると思います。弊社も私一人で運用しているので時間に限りはありますが、その限られた時間の中でしっかりと人選して、お会いして、個人面談するという時間は大事にしています。ちゃんと一人一人に『会いたい思い』を届けるっていうことが大事だなと思っていますね。
龍谷大学 経済学部 原亮太さん(18年卒 匠工房内定者)
電話対応やメール対応も学生がかなり気にするポイントです。単純に返信の早さだけではなく、自動返信も個人的にはあまり好きではないですね。『ただ来てほしいだけなのかな?』と思ってしまいます。匠工房さんはちょっとした質問にも、すぐ、丁寧に返信を送ってくださいました。
また、集団面談を実施している企業も少なくないと思いますが、どうしても一人あたりの時間が少なくなりますよね。匠工房さんではじっくりと話すことができる個人面談を設けていただけたことが良かったです。学生に集団か個人かを選ばせても良いと思います。
学生の間では企業の噂がすぐに広まります。OfferBoxのようなオファー型の就活サービスが今増えてきていますが、あまり多くのオファーを送りすぎるべきではないと思います。そうすると学生の間で広まって、その企業の印象が悪くなることもあります。やはり、厳選して送っていただくのが良いと思いますね。
会社名 | 株式会社 匠工房 |
所在地 | 〒520-2423 滋賀県野洲市西河原1丁目2227 |
設立日 | 2003年2月 |
事業内容 | リフォーム事業、不動産事業、新築事業 |
ホームページ | http://www.takumikobo.ne.jp/ |