母集団を確保できても「本当に重要なターゲットに工数をかけられているのか?」という不安が。効率的な母集団形成の方法がわからない。
株式会社エイチームは、日常生活に密着したWebサービスやゲームコンテンツの企画開発、ECサイトの企画・開発・運営を行う東証一部上場企業です。
新卒採用においては、事業の成長と共に採用目標数が拡大。多くの採用チャネルを利用することで母集団は形成できていたものの、さらに効率化できると感じていた同社。よりターゲットを絞った効率的な母集団形成の手法を模索する中でOfferBoxのプレミアム検索を利用開始しました。導入の効果や採用活動をどう効率化していったのか、お話を伺います。
ーー新卒採用の課題を教えてください。
株式会社エイチーム
社長室 人材開発グループ
齋藤 美咲さん
一番の課題は母集団の作り方でした。
様々な集客手法にチャレンジしていたので十分な母集団形成はできていたのですが、数を確保できたとしても、いい学生に本当にアプローチできているのか、効率的なのかがわからなかったのです。
弊社にマッチする学生はどこにいるのか、最適な集客チャネルはどこなのか見えない状態で、たくさんイベントに参加したり、媒体を使ったりしていました。
ーー当時の母集団は、ターゲットではない層も多く含まれていたということでしょうか?
もちろんターゲットに合う人もいましたが、志望度が高くても能力や資質がマッチしていない学生もいました。
また、弊社は名古屋にありますが、以前は東京・大阪・名古屋と全体的に集客していました。でも、東京など名古屋から離れているエリアだとわざわざ名古屋に来るメリットが薄く、結局内定を辞退されてしまうこともあり…。
「母集団だけ増えて、結果的に採用したいターゲットの学生にアプローチできていないのでは?工数をかけるべきところにかけられていないのでは?」という不安がありました。
特に2018年卒から2019年卒にかけては採用目標数をかなり増やしたので、母集団形成の活動を抑えて効率化する必要がありました。
ーー採用目標数はどの程度増やしたのでしょうか?
採用目標数と実際の採用数をお伝えすると、2018年卒は目標60名に対して実績46名、2019年卒は目標80~100名に対して実績94名でした。
ーー目標も、実際の採用数もほぼ倍ですね!
そうなんです。採用担当者の数は4名+学生インターン数名でほぼ変わらない中で、2倍近い採用数を追っていました。
現場の社員に協力してもらう回数を増やして全社で採用活動に注力もしていましたが、採用活動自体を効率化しなければ達成できない数字だったかなと思います。
OfferBoxプレミアム検索で、活躍可能性の高い学生を絞り込み。
ほかの採用チャネルでは出会えない学生に、効率的にアプローチ! 説明会Web動画の導入や全社を巻き込んだ面接官登用・育成で選考フローも見直しを実施。
ーーOfferBoxは2017年卒のときからご利用いただいていますが、なぜ導入に至ったのでしょうか?
当時は、母集団を作るために可能性がある採用チャネルは何でもやってみようという段階でした。OfferBoxはその中の一つです。質の高い学生にアプローチできるんじゃないかという仮説はあったので、2年くらいやってみよう、と。
ーー実際に利用してみた感想を教えてください。
ほかの採用チャネルで接触しにくい層にもアプローチできるのがメリットですよね。OfferBoxならイベントなどで接触しなくても学生と出会えるので、「あえてここは行かないだろう」という地域や大学をメインにオファー。新しい母集団にアプローチしています。
ーー今年はプレミアム検索(※)をご利用いただいていましたが、いかがでしたか?
かなり使いやすかったです。元々OfferBoxは学生のプロフィール情報が充実していますし、さまざまな条件で絞り込めます。
でも、プレミアム検索では自社のハイパフォーマーの検査結果を選定基準として使えるので、さらに深く絞り込めます。活躍の可能性が高い学生にピンポイントでアプローチして母集団形成ができるのは魅力です。
※プレミアム検索とは
プレミアム検索は、学生と自社内のハイパフォーマー(高評価者)の適性検査結果を元に、アプローチ対象者を絞り込めるオプション機能。OfferBoxを利用する学生が受検する適性診断「適性検査eF-1G®(エフワンジー)」を利用企業のハイパフォーマーも受検し、その結果から「自社で活躍してくれる人材像」を明確化。同様の資質を持った学生にオファーができる。2019年3月以降は標準搭載され全ユーザーに提供される。
ーー採用実績も2017年卒と2018年卒がそれぞれ2名、1名だったところ、19年卒は5名まで伸びていますね。プレミアム検索の利用やオファー方法の改善のほかになにか取り組みはされたのでしょうか?
学生がオファーを承認してからの選考フローはそのほかの採用チャネルと変えてはいません。でも、OfferBox上のプロフィールを面接官に伝えるなど、情報を活かす工夫はしていました。
あとこれもOfferBoxに限らずですが、1次面接後にはリクルーターをアサインし、こまめにフォローできるようにしていました。
ーーOfferBox経由で内定された学生の中には、御社のリクルーターに魅力を感じたという方もいらっしゃいました。リクルーターはどのように選定されているのでしょうか?
学生と歳が近い新卒1~5年目の社員から、会社の魅力を語れて進路やキャリアのアドバイスまでできそうな人を選定しています。今年は全体で20~30名ほど、各職種の社員に協力してもらいました。
ーー先ほど社員の皆さんも選考などに協力してもらい、「全社的に採用活動をした」とおっしゃっていましたが、社内向けの研修・トレーニングはなにかされていますか?
リクルーターや面接官をする人には、毎年必ず研修を受けてもらっています。
面接が始まる前の11月末ごろに全社向けに面接官研修をしたのと、その年に初めて面接官をする人に対しては「新任面接官トレーニング」という形で、実際に学生を呼んで半日かけて模擬面接を実施しました。
ーー研修の効果は出ていますか?
全体向け研修でいうと、採用要件の必須事項などを改めてすり合わせるいい機会になりました。
新任面接官トレーニングでは、やはり学生への質問が出てこない人も多いですし、逆に聞いてはいけないこともわからないので、事前にそういったことをお伝えできたのはよかったなと思います。
ーーほかに、御社独自の選考フローや工夫している点はありますか?
会社説明会を廃止してWeb上での動画閲覧に切り替えることで、東名阪以外での母集団形成ができるようになり、人事の工数も削減することができました。
2017年卒の頃は「会社説明会はやらなくてはいけないもの」という固定概念があったので開催していましたが、関西圏やその他の地方都市を強化していると、各所での会社説明会はかなり負担になってしまいます。限られた日程だと参加できない方もいるので、学生の間で情報格差も出てきてしまう。
それならWeb上の会社説明動画に一本化して、みんながエイチームのことを同程度に理解してくれている状態で選考を進めたほうがいいのではということになりました。
学生には15分の会社説明動画を見た上で、選考を受けるかどうかを判断してもらっています。
データ分析とノウハウ蓄積で採用の効率化を実感。「本当にアプローチするべき学生にアプローチできる」体制へ。
ーー母集団形成の効率化という課題に対して、OfferBox導入の効果はいかがでしたか?
まだまだ全体の採用数に対するOfferBox経由の採用の割合は少ないですが、いい学生に出会えているという実感はあります。
使い始めたばかりのときは比較的まんべんなくオファーしていましたが、志望業界や地域、さらに適性検査の結果を見て絞り込むことで、弊社にマッチする学生に出会いやすくなりました。
ーーOfferBoxを利用する上で意識しているポイントなどはありますか?
データをしっかりと分析し、自社ならではのノウハウとして蓄積していくことでしょうか。弊社では、頻度を決めてOfferBoxのデータ分析のためのMTGを実施してPDCAを回しています。
結果として「どのように絞り込んだ場合どれくらいの反応があるのか」「目標の採用数を達成するためにはどの適性を持った人にどんなオファーをどれくらい送ればいいのか」といったノウハウをかなり蓄積できました。
実際、オファーを承認してくださった学生の半分以上が、採用選考に進むための会社説明動画を見てくださっています。この反応率は、しっかりとデータを分析して改善していった結果かなと。
2019年3月以降はOfferBox側の分析機能も充実するとのことなので、とても期待しています。今年同様かそれ以上の採用数を目指したいので、プレミアム検索も含めて上手に活用して、アプローチするべき学生にアプローチできたらと思います。
ーー2020年卒に向けて、目標を教えてください。
2019年卒でも、OfferBoxの利用だけでなく出展するイベントを厳選したり、媒体もデータを見て絞ったりという取り組みを実施し、全体的に効率化を実現できました。
採用目標数は2020年卒引き続き採用を強化していくので、より効率的に、目標を達成したいと思っています。