合同企業説明会では学生の興味度合いが測りづらい。
部門別・職種別採用を実施しているためそれぞれの職種に合う方を探す必要があった。
−−はじめに、OfferBox導入前の採用状況について教えてください。
a.新卒採用体制
新卒採用担当は私1名です。
b.導入以前の採用ツール・サービス
ナビサイトの利用と合同企業説明会への参加の2つで母集団形成を行っていました。
−−どのような採用課題がありましたか?
合同企業説明会への参加の場合、持ち時間が20〜30分と限られています。そのためブースに来た学生に対して、一方的な説明をするだけになってしまう状況でした。互いを知るためのコミュニケーションを取ることができないため、学生が選考に参加するまで、互いの相性がわからない状況を改善したかったのです。
また、当社が総合職採用(メンバーシップ型雇用)から部門別・職種別採用に変更したため、それぞれの職種に合う方を探す必要がありました。従来の手法で母集団を集めるのではなく、ターゲティングを行ったうえで、効率的に良い人材にアプローチできる方法を検討していました。
検索機能をフル活用。プロフィール内容を読み込み、ターゲット学生にアプローチ。
−−どのような理由でOfferBoxを導入されたのでしょうか。
採用課題を解決する施策を検討した際に「スカウト型」が候補に上がりました。さまざまなスカウト型サービスがあるなかで、特にOfferBoxは学生登録数が多く、操作がわかりやすいと感じました。また、カスタマーサクセスのサポートもあり、何かあれば相談に乗っていただける心強さもあります。
OfferBoxは料金プランが「早期型プラン」と「成功報酬型プラン」の2種類あり、初期費用0円の「成功報酬型プラン」からOfferBoxの利用が可能なことも魅力でした。スカウト型は初めての採用施策だったため、効果が見えないなかで初期費用がかかることを懸念に感じていました。初期費用0円の「成功報酬型プラン」を利用したことで、「OfferBoxであれば安心して使える」と思えたことが、利用の大きな決め手になりました。
−−OfferBoxの活用方法について教えてください。
a.Targeting:自社に合った採用ターゲットの設定
当社は勤務地を「沖縄県」に限定しています。そのため、まず初めに志望勤務地が「沖縄県」もしくは「こだわらない」を選択している学生に絞り込みます。
また、部門別・職種別採用なので、先ほど絞り込みした条件に加えて、学生のプロフィールの「スキル」や「経験」を見たうえでオファーしています。例えば、グローバル展開にも力を入れているので「語学」や「留学経験」を軸にした検索や、生産部門での採用においては「学部・学科」で絞っています。OfferBoxにはフリーワード検索の機能があるので、「微生物」や「酵母」など、研究内容での絞り込みも取り入れました。
b.Messaging:ターゲットに対して打ち出す内容の作成
プロフィールを読んで、魅力に感じた点は必ず記載していました。
またオファー文章を読んでもらい、「成長性のある企業」と知ってもらいたかったので、学生に魅力を感じてもらえるようなポイントも書いています。例えば働く環境として、フレックスタイム制度や在宅勤務制度を導入していること、人材開発や能力開発の制度があることなど。オファー承認後は「個別面談」を予定しているので「他に知りたいことがあれば面談でお話しましょう」という流れでオファー文章を作成していました。
c.Processing:採用プロセスの設計
オファー送信→個別面談→インターンシップ、面接(最終面接も含む合計3回)という流れです。
個別面談は30分程度行います。相互理解の場にしたいので、まずはOfferBoxのプロフィールを見ながら学生に質問をします。その後会社紹介を行い、学生からの質問に答えながらお話したうえで、最後に今後の進め方を伝えています。
インターンシップは「沖縄県」という場所の関係で参加することができない学生もいるので、場合によって面談を再度実施したり、インターンシップと別の時期に会社訪問に来てもらったりしていました。その後、OfferBox経由で個別面談を実施した学生は、本選考で書類選考を免除しているので、1次面接から参加してもらう形式です。一次面接と二次面接はオンライン形式、最終面接は対面形式なので、沖縄県の本社で実施します。
−−OfferBoxのプロフィール情報で見ているポイントを教えてください。
「新しいことに積極的にチャレンジした経験があるか」を見ていました。部活やサークル・ボランティア・資格取得などどんなことでも良いです。経験のなかで、自ら掲げた目標を達成するために、どのような行動をして成功したのかといったエピソードを知りたいです。また、当社はチーム単位で仕事を行う機会が多いため「周りを巻き込みながら成し遂げることが得意な人か」という点も見ていました。
他にも「私の将来像」の項目を見ることもあります。「何がしたいのか」が明確であれば、「入社してからどう成長したいのか」が学生も描きやすいはずですし、入社後のミスマッチを減らすことができると思います。きれいな文章でなくても良いので、少しでも書いてあると面談で話しを広げるきっかけになるので、参考にしていました。
−−学生とコミュニケーションをとる際に意識した点はありますか。
個別面談からかなり緊張している状態の学生もいるので、私と話すことで緊張がほぐれるような楽しい雰囲気になるように意識していました。個別面談の冒頭では必ず「面接ではないので気軽にお話しましょう!」と伝えてから始めていました。
−−オファーから面接までを通して、学生さんからどのようなリアクションやコメントがありましたか?
今まで志望業界ではなかった学生が、会社の成長性や方向性の話を個別面談で知ったことで「興味を持った」と言ってくれたり、その学生が選考に進んでくれたり、OfferBoxを通して新しい出会いが生まれました。また選考に進み、当社の社員と話す機会が増えることで、楽しそうに働く姿ややりがいを持って働く姿に魅力を感じ、入社理由となったエピソードを耳にすることもありました。
−−実際にオファーした学生の印象はどうでしたか。
就活の軸を持っている学生が多いと思いました。特にプロフィールをしっかり書いている学生は、自己分析を行ったうえでやりたいことを見つけていると感じました。また、個別面談で積極的に質問してくれる学生も多かったです。オファーを承認した時は当社に興味がなくても、事前に当社のことを調べてくれたことが伝わってきました。OfferBoxの検索機能で絞り込んでいるからこそ、会いたい学生に会えていると思います。
−−弊社のカスタマーサクセスが行ったフォロー内容について教えてください。
毎月定例でミーティングを実施いただき、OfferBoxでの活動分析やターゲット学生の承認率などを共有してもらっています。また、OfferBoxでの採用活動の目標も立てているので、進捗状況の確認と各月の目標も都度確認しています。当社の採用活動は毎年同じ動きではなく、状況に合わせて毎年変更があるので、当社の採用時期に合わせたアドバイスを丁寧にもらえることも大変ありがたいと思っています。
OfferBox経由で初年度から採用成功。合同企業説明会の出展回数も減少し、採用の効率化にもつながる結果に。
−−OfferBoxの効果について教えてください。
OfferBox経由で毎年1名ずつ採用できています。一見少なく見えるかもしれないですが、当社は採用目標人数が多くないので、十分採用できていると認識しています。
従来のナビサイトでの採用決定率は毎年下がっている状況でした。エントリーをしてもらっても、その後書類を提出する学生はそのうち15%ほど。さらに選考辞退があるため、母集団は減ってしまいます。OfferBoxでの採用活動の場合、オファーする学生を限定していたので、当社のオファー承認率は比較的高い数値です。10名の学生にオファーを承認いただいたら、1名採用が決定しているので、OfferBoxの費用対効果は高いと感じています。
−−OfferBoxを導入してみて、採用活動に変化はありましたか?
当社が沖縄県の企業なので、県外在住の学生に直接お会いする場合、双方どちらかに必ず工数がかかってしまい、Uターン・Iターンの積極的な接触が難しいという課題がありました。しかしOfferBoxを導入してから、ターゲット学生に効率的にアプローチができるようになり、採用効率が高まっています。5〜6年前は合同企業説明会に毎年20回以上出展していましたが、現在は大学内の合同企業説明会や理系限定の合同企業説明会など、ターゲットが定まっているイベントのみ出展しています。
−−OfferBox導入前と現在で、印象に違いはありますか。
今まで、ナビサイトと合同企業説明会という型通りな手法で採用活動を行ってきたので、OfferBoxの利用前はハードルが高い印象もありました。OfferBoxの導入後は、カスタマーサクセスのサポートが手厚く、どなたでも使いやすいツールだと思いました。
−−採用担当として意識されていることはありますか?
学生が最初に会う当社の社員が自分なので、自分で会社の印象が決まると思っています。当社が「沖縄から、人を、場を、世界を、笑顔に。」をミッションに掲げているので、ミッションを感じてもらえるようなコミュニケーションを取れるように意識しています。
−−学生さんに伝えたいことはありますか?
就活を進めるうえで業界や職種を絞る学生は多いと思いますが、興味の幅を広げて動いてみると、新たな出会いが待っているかもしれません。新卒で入社する企業は、今後の長いキャリアのなかでとても大切だと思います。「身近な商品を作っている会社に入社したい」という選択ではなく「入社後にどう成長できるか」「社風は自分と合っているのか」など、さまざまな角度から会社を見て欲しいです。
−−今後採用において力を入れていきたいポイントを教えてください。
インターンシップ経由からの採用を強化したいです。例年、ほとんどの内定者がインターンシップに参加しており、当社の採用活動においては欠かせないコンテンツの一つだと認識しています。現在、インターンシップに参加する学生の多くは沖縄県内在住です。インターンシップを通じて、会社を好きになってもらうことが多いので、今後は多くの地域から参加したいと思ってもらえるように、打ち出し方を工夫していきたいと思っています。