【セミナーレポート】ダイレクトリクルーティングは新卒採用を変えるのか!?②

今後新卒採用市場において、ダイレクトリクルーティングがどうなっていくのか。OfferBox導入企業3社が予見する、新卒採用の将来。

日本の人事部 HRカンファレンス2015 ― 春 ―

【3年間の実績から検証】ダイレクトリクルーティングは新卒採用を変えるのか!?②

 

i-plug 中野:

それでは続きまして、今後新卒採用でダイレクトリクルーティングがどうなっていくと思われるかお教えいただけますか。

 

 

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株式会社システムサポート 武士垣外様:

ひとつの方法として、有りかと思います。これまでナビサイトしかなかった状況でしたが、いろんな採用手法が出てきていますので、いろいろ試してみて、その中でいいと思うものにチャレンジしていく必要があると思います。OfferBoxで弊社が採用したいような学生を多く採用していくのもそうですし、なかなか出会えないような学生を一本釣りするのも必要でしょう。二軸で考えていく必要があると思います。

 

マスの採用というのは、今後難しいと思います。ひとりひとりの学生の状況を把握して、ひとりひとりに合わせた採用をしていかないと厳しいと思いますね。学生がどんな志向を持っていて、他社の選考状況はどうなのか。そういうことを把握した上で、適切なアプローチをしていかなければなりません。手間は確かにかかりますが、それが本来の筋だと思います。

 

私の場合、オファーを送信して承認があった後、学生に一対一で説明をしています。じっくり話をすると、その人の思いや将来やりたいことなどもわかります。弊社の思いも伝えられますし、さらに弊社への志望意欲も高まると思います。

 

弊社の2016卒の東京採用は20名目標ですが、すでに内定が決まっているうち7~8名はダイレクトリクルーティングのサービスでの内定です。なくてはならない存在になってきていますね。

 

i-plug 中野:

半数弱がダイレクトリクルーティングでの決定者なのですね。
それでは、小林さんにお願いします。

 

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キングソフト株式会社 小林様:

企業が学生に求める資質は非常に高いものになってきていると思います。私が新卒採用をしていたのは10年以上前ですが、その時は極端に言うと体育会系で元気が良ければOK、くらいのものでしたが、最近はそうではないですよね。ほとんどの企業が海外展開等をしていく中で、スキルとして英語が出来るのが当たり前とか、行動力や論理的思考力があるのが当たり前、というような基準になってきています。高い資質を持った少ない学生のパイを、企業が採りあうという形です。そうなるとナビサイトのような受け身の方法では来てもらえないので、今後ダイレクトリクルーティングという手法は当たり前になっていくと思います。

 

それに伴って、学生と接する人事側のスキルも今まで以上に求められてくると思います。ダイレクトリクルーティングを使うことによって、学生の質は高まります。学生の質が高いと企業を見定めるようになります。何によって見定めるかというと、直接的に接点のある人事担当者を見ますよね。人事担当者の伝える力、考える力がこれまで以上に求められてくると思います。

 

 

i-plug 中野:

人事のノウハウ、スキルをもっと磨いていくというところがキーになってくるんですね。それでは、大島さん、お願いします。

 

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コクヨ株式会社 大島様:

弊社なりの考えですが、大学生はどんどん幼稚化していっているのではないかという話を、社内でよくします。本来であれば高校レベルで身につけておいてほしい社会性や、壁を乗り越える力が備わっていない。それが大学、大学院生に波及して、社会に出てきて企業が担うべき育成の役割が非常に大きくなっていると思います。

 

学生のメディアリテラシーがどんどん弱くなっていくんだろうなと思います。特に売り手市場なので、企業側から甘い言葉をかけられる機会が多くなっていきますよね。そして安易に就職先を決めてしまう方が増えると、3年以内の早期退職が今3割くらいですが、もっと割合が増えていきます。そうなると本人も、お金をかけて育成する企業側も、かなりのダメージです。

 

そのため、新卒採用担当としてはあまり甘い言葉をつぶやかないようにしようと思っています。そういった意味でダイレクトリクルーティングは有効です。マス向けの広報ですと、企業のイメージや全体多数に対して知ってもらいたいことを伝えるしかないのですが、一対一、もしくはダイレクトに伝えることで、自社でできることできないことを伝えることができます。そのあと、人事以外の社員と会ってもらって「働く」ということを考えてもらう。そのきっかけを提供する人間として、採用担当の役割は高まってくると思います。

 

― 人事の仕事は多様化し、そしてこれまで以上にその役割は重要になっていくことが考えられます。コクヨ 大島様、キングソフト 小林様、システムサポート 武士垣外様、ありがとうございました。

 End.

パネリスト

■大島 広 様
コクヨ株式会社 経営管理本部 人事総務部
採用育成グループ

国際教養大学卒業後、コクヨに入社。1年目から新卒採用に携わり、現在は新卒採用の全体企画担当として採用戦略の立案を担う。従来の「ナビ頼み」の新卒採用手法に疑問を感じ、4年前から様々な手法を模索。

15卒よりOfferBoxのサービスに共感し、導入。同サービス経由で営業職の追加採用に成功したことで、16卒より本格導入。

■小林 慎太郎 様
キングソフト株式会社 管理部部長

立教大学卒業。キングソフトにおいて、管理部門の責任者として、人事をはじめとするバックオフィス部門を牽引。

事業拡大に伴い新卒採用の重要性も増し、採用人数、採用する人材の質、ともに向上をはかる必要性が出てきたことから、16卒より採用戦略を見直す。そんな中、OfferBoxを知り、より必要とする人材をより効率的に獲得するべく、積極的に活用中。

■武士垣外 寛之 様
株式会社システムサポート
人事部 マネージャ

IT業界2社を経て、2007年システムサポートに入社。現在は新卒採用全体の責任者を担当すると共に、グローバル採用・障がい者採用などにも従事する。

数年前から新たな採用手法を模索していた中、OfferBoxに出会い、14年卒から利用を開始。IT経験者の採用・同社初の営業職採用などを始めとして、毎年内定承諾者を出している。

ファシリテーター

中野 智哉
株式会社i-plug 代表取締役社長

グロービス経営大学院大学卒(2012年3月)。インテリジェンスで法人営業を経験、上記経営大学院卒業後、同期3名で株式会社i-plugを創業し、同年10月に新卒に特化したダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox」をリリース。

 


2015年6月23日公開