就活の書類選考で提出するエントリーシートは、履歴書とどのような違いがあるかご存知でしょうか。エントリーシートと履歴書はどちらも重要な書類ですが、目的が異なるため、違いを理解した上で作成することが大切です。
そこで今回は、エントリーシートと履歴書の違いや、エントリーシートの書き方について解説します。エントリーシートでよくある質問の回答例や、作成する上で知っておきたいポイントについてもまとめましたので、作成する際の参考にしてみてください。
目次
就活でのエントリーシート(ES)とは?
エントリーシートとは、選考で企業にエントリーする際に提出する書類の一つです。書類選考や、面接で質問をするときの参考資料に使用されます。
記入項目には志望動機や自己PR、学生時代に頑張ったことなどがあり、企業によってフォーマットや文字数が異なるのが特徴です。
実際に面接官と初めて対面するのは本番の面接時ですが、エントリーシートも第一印象に大きな影響を与える重要な書類です。
エントリーシートと履歴書の違い
エントリーシートと履歴書は、それぞれ以下のような目的の違いがあります。
- エントリーシート:自分をアピールするための書類
- 履歴書:個人情報や経歴を伝えるための書類
エントリーシートは自己PRや志望動機などの質問項目があり、あなたの人柄や応募先企業への熱意をアピールするための書類です。フォーマットや質問項目は企業によって異なります。
履歴書は氏名や住所などの個人情報、学歴や資格などの経歴を書く書類です。企業がフォーマットを指定するケースもありますが、指定がない場合は市販のものを使用して問題ありません。
エントリーシートと履歴書は、両方提出が求められることもありますし、片方のみの提出が求められることもあります。
OpenES(web)とは
志望する企業それぞれにエントリーシートを用意するのが面倒に感じている人は多いと思いますが、実はエントリーシートの中には一斉にエントリーできるタイプのものもあります。
例えば、リクルート社が提供する「OpenES」は、複数企業に一斉エントリーできるツールです。
必ずしも提出する企業によって毎回エントリーシートの内容を変える必要がなく、志望動機のように企業に合わせるべき内容だけを部分的に変えて提出する、という使い方ができます。
なお、さらに便利なサービスが、逆求人サービス「OfferBox」です。
こちらは、プロフィールを入力しておくと、企業からオファーが届くサービスです。エントリーしなくても、企業側から声がかかるため、登録して損はありません。
企業がエントリーシートで確認しているポイント
エントリーシートは、応募してきたあなたを企業が判断する最初の書類です。
あなたが求めている人物像に合っているか、応募の前段階で自己分析はできているかなど、企業があなたについて理解し面接まで進めたいと思うかどうかは、ほとんどがエントリーシートにかかっていると言っても過言ではありません。
企業によっては、エントリーシートで一次選考をする場合もあります。まず、企業はエントリーシートで何を確認しているのかについて解説します。
自己分析がしっかりできているか
自己分析とは、あなたが自分自身のことを正しく理解することです。
どんな職種にも適性があります。自分の長所や短所、強みや弱み、性格、適性、なりたい将来像などを正しく分析し理解し、そのうえで応募することが必要です。それらができてはじめて、選考や入社後のキャリア形成に活かすことができます。
自己分析をしっかりした上で、自分の適性を知り、企業が求人している職種に合っていることを把握していないと、内定をもらえるはずがありません。
就活を成功させるための第一歩は、しっかりと自己分析を行い、自分の軸をしっかり見定めることが大切です。そうすれば、想定外の質問にもうろたえることなく回答できるでしょう。
業界研究・企業研究ができているか
業界研究・企業研究とは、自分が応募する業界や企業をさまざまな角度から知り、理解を深めることです。同時に、自分の適性や志向に合う業界や企業であるかどうか見極めることです。これらを行うことで自分が目指す方向が見えてきます。
また「志望動機」はエントリーシートのなかで最も重要な項目のひとつですが、企業研究などをしっかり行わないことには、採用担当者を納得させる志望動機は書けないでしょう。
つまり、
「業界や貴社についてこれだけ理解しました。そして私の希望や考えはこうです。私は入社後にこのようにしていきたいです。貴社ならそれができると思い、志望いたしました」
というストーリーがきちんと書けていることが大切です。
企業の求める人物像に合っているか
企業が求める人物像の具体例としては、抜粋になりますが、
「未知のものにチャレンジする気概に満ちた人」
「目標に向かって一緒に挑戦する仲間」
「高い志を持ち、自ら考え、主体的にやり抜く人材」
などがあります。
こう並べてみると、自分は求められる人物に合っていないのではないかと不安に思う方もいるかもしれません。しかしこれらの根底にあるのは、「人柄」や「熱意」です。企業が求めているのは、「自分で考え、積極的に行動する」ことのできる人物です。
ガクチカにおいて、過去に自分が行ってきたことへの熱い思いや積極性がアピールできれば、自信をもっていいのです。そうした実績があれば、多くの企業が求める人物像から乖離することはありません。
文章作成・構成能力があるか
「文は人なり」とも言われます。
文章のリズム、言葉づかい、1文あたりの長さ、句読点の使い方、文末のバリエーションなどにははっきりと知性が表われます。
それはエントリーシートでも同じことで、例えば志望動機は、なぜこの企業を志望したか、自分の考えや希望を企業活動と結びつける論理的思考力をもって言葉に「翻訳」し、他者に正確に伝えなければなりません。
自己分析も同様で、しっかり分析ができていても、それをエントリーシート上で言葉として正しく伝えることができなければ、分析ができていないのと同じことです。
つまりエントリーシートでは、志望動機をはじめとして、自分の考えや希望、将来ビジョンなどを分かりやすく正しい言葉で記載しなければなりません。
全体の文脈にも注意が必要です。一度書いてみて、文章力のある方に見てもらうことをおすすめします。
就活で記載すべきエントリーシートの内容
エントリーシートは基本情報に加え、あなたの人柄や応募先企業への熱意を伝えられる質問が用意されています。フォーマットは企業によって異なりますが、以下のような質問をされることが多いです。
- 自己PR
- ガクチカ(学生時代に頑張ったこと)
- 志望動機
- 性格・価値観
質問を通して、企業は「自社で能力を発揮できる人物か」「自社の社風にマッチしている人物か」を見極めます。よくある質問や回答例は、次章で詳しく説明します。
よくある質問の書き方を見る前に、基本情報の書き方を押さえておきましょう。
基本情報の書き方
基本情報はあなたの情報を書けばOKですが、正しい書き方を押さえておくことが大切です。各項目の書き方を紹介します。
日付
日付は提出日を記入しましょう。西暦表記でも和暦表記でも問題ありませんが、エントリーシート全体で表記を統一してください。
氏名
氏名は戸籍上の正式な漢字で苗字と名前の間にスペースを空けて記入します。普段略字を使っている場合は注意しましょう。パソコンで作成する場合で、正式な漢字が入力できない場合は、備考欄にその旨を記載します。
ふりがなはは氏名の欄に「ふりがな」とあれば平仮名、「フリガナ」であればカタカナで記入してください。
写真
身だしなみを整え、清潔感のある写真を用意しましょう。企業から指定がない場合を除いて、縦4センチ×横3センチのフォーマットが一般的です。3ヶ月以内に撮影したものを使います。書面で提出する場合は、写真の裏側に学校名・学部名・氏名を書いておきましょう。
エントリーシートや履歴書の証明写真の撮り方のポイントは、こちらの記事で詳しく解説しています。参考にして、好印象を与えられる証明写真を撮りましょう。
【写真サイズは?】エントリーシート・履歴書の証明写真の撮り方 | 服装,髪型も
生年月日・年齢
生年月日は日付と西暦表記もしくは和暦表記を統一します。年齢は、提出日時点の年齢を記入してください。
住所・連絡先
住所は現住所を都道府県から書き、町名や番地、マンション名などを略さず書きます。◯番地としても、ハイフンを使用しても問題ありません。住所が長くなる場合はバランスを考え、必要であれば二行にして書きます。住所にもふりがながありますが、数字にふりがなを振る必要はありません。
連絡先の電話番号は、携帯番号だけでOKです。留守番電話設定をしているか確認しておきましょう。メールアドレスは、迷惑メール拒否設定をしていないか確認してください。普段使っているメールアドレスでも構いませんが、就活用のメールアドレスを用意しておくと尚いいです。
印鑑
押印欄がある場合は、朱肉をつけるタイプの認印で押印します。認印は役所や銀行などに届けていない印鑑です。シャチハタはインクが劣化しやすく、濡れると滲んでしまうため、エントリーシートにはふさわしくありません。
最初に押印し、乾かしてからエントリーシートを記入すれば、滲み・かすれを防げます。
学歴
エントリーシートでも学歴を書く欄が用意されているフォーマットもあります。西暦・和暦は全体と統一し、学校名・学部名は正式名称で書きましょう。一般的には、中学卒業から大学卒業見込みまで書きます。
職歴
アルバイトは職歴に含めないため、社会人経験がないのであれば職歴は「なし」と記載します。
その他記入欄
「その他記入欄」には何を書くか悩むところですが、空白にせず、必ず記入します。ここに印象的なことを書けば、採用担当者の印象に残る可能性があるからです。
ちょっとした特技、最近始めた自己啓発、入社後の自己イメージ、仕事に生かせる長所など、他者と差別化をはかり「会ってみたい」と思わせることができれば、しめたものです。
就活でもエントリーシートの質問と回答例
エントリーシートは、その企業が学生に聞きたい内容が求められるため、各企業毎に聞かれる項目が異なります。
企業独自のトリッキーな質問があるケースもありますが、一般的に聞かれることが多いものを紹介します。
1. 自己PR
質問のされ方
- 自己PRをしてください
- 自己紹介してください
企業がこの質問から知りたいこと
- 学生の性格
- 学生の強み
- 簡潔にわかりやすく説明する力
自己PRからは、学生のアピールポイント自体を知る以外に、「初めての相手にわかりやすく伝える」説明力も、企業は見定めようとしています。
自己PRの考え方については、こちらの記事も参考にしてみてください。
就活の自己PRに悩んだら|強みのアピール方法や書き方を例文で紹介!
回答例
目標を達成できたことで、自分の自信につながり、継続することの大切さを実感しています。貴社に入社後も、苦手なことでも根気強く続ける力を活かして、大きな成果を出せるよう努力したいです。
2. ガクチカ(学生時代に頑張ったこと)
質問のされ方
- 学生時代に頑張ったことを教えてください
- 学生時代に最も力を入れたことを教えてください
企業がこの質問から知りたいこと
- 学生の人柄・大切にしていること
- 学生の物事への取り組み方
- 論理的に考える力
- 目標達成力
いわゆる「ガクチカ」を問う質問です。成長するために、何をどのように考え、どう動いたかを知ることで、その学生が仕事において、どんな動きをしそうか、イメージを膨らませたいと、企業は考えています。
ガクチカの考え方については、こちらの記事も参考にしてみてください。
「学生時代に最も打ち込んだこと(ガクチカ)」の就活面接・ESでの回答方法【50例から探そう・ない場合も】
回答例
個人経営のカフェで、周囲にチェーン店もあったため、働き始めた頃は顧客を確保することに苦戦していました。店長・アルバイトで話し合った結果、SNSでのアピールが重要だと考え、お店のSNSアカウントを開設し、アカウント管理を担当しました。
お店の特徴が感じられる写真やストーリーを頻繁に投稿し、半年でフォロワーが2000人を突破、お店の売り上げも1.5倍まで伸ばすことができました。この経験を活かし、課題に対して最適な解決策を考え、実行することを心がけたいと考えています。
3. 志望動機
質問のされ方
- 志望動機を教えてください
- 弊社のどこに魅力を感じていますか
- この業界を志望する理由を教えてください
企業がこの質問から知りたいこと
- 自社への興味関心度の強さ
- 情報を読み解く力
- 学生の就活の軸
志望動機は、企業がエントリーシートで最も知りたい情報といっても過言ではありません。
志望動機の内容から、自社への入社意欲を判断したいと思っています。また、魅力を感じているポイントから、実際の企業イメージとのギャップがないか等も判断しています。
志望動機の考え方については、こちらの記事も参考にしてみてください。
回答例
私はこの地域出身ではありませんが、学生時代に地域のボランティアに参加するなどの経験を経て、この地域に大きな愛着を持っています。貴社は長年この地で事業を行い、地域の生活をより良くするサービスを提供していること、地域の方々との信頼関係を築いていることを知りました。
仕事を通して第二の故郷であるこの地域に貢献したいと思い、貴社を志望いたします。
こちらのページでは、エントリーシートの志望動機の書き方を深掘りしています。参考にして、企業への熱意が伝わる志望動機を考えてみてください。
エントリーシートの志望動機の書き方|業界・職種・魅力別の例文付
4. インターンシップ
企業からの質問
- 弊社のインターンシップに参加したことはありますか?
- あなたはインターンシップで何を学びましたか?
- そのインターンシップを選んだ理由は何ですか?
企業がこの質問から知りたいこと
- 自社へどれぐらい関心をもっているか
- インターンシップから何を学んだか、感受性の高さ
- 今後へどう結びつけたいと思っているか
回答例
大学3年生のとき1年間、お菓子問屋で営業のインターンシップを経験しました。
1年の間に、何千もの新しいお菓子が販売され、同時に同じぐらいのお菓子が廃番になっていくことを知りました。
私にとって驚きだったのは、想像をはるかに超える商品の目まぐるしい変化です。しかしもっと驚いたのは、新商品が持つ特性だけではなく、それをどうアピールするか、売り場ディスプレイをどう魅力的にレイアウトするかによって売上が大きく左右されることでした。
私は貴社において営業職を希望していますが、お客様のニーズを先取りし、お客様の潜在的な意識を上手に引き出せるよう、多角的にアンテナを張りめぐらして情報収集に務めたいと考えています。
5. 長所・短所
企業からの質問
- あなたの長所と短所を教えてください
- 自分はどのような性格だと思いますか?
- あなたはその短所をどう克服してきましたか、あるいはどう克服していきたいですか?
企業がこの質問から知りたいこと
- 自己分析ができているか
- 仕事で活躍するイメージが描けているか
- 応募者がどんな人であるか
回答例
私の長所は、コミュニケーション力があることです。中学生時代から大学に至るまで、周りの人の話を聞き、グループを上手にまとめることを得意としてきました。
忘れがたいのは、中学から高校の部活動で所属したフットサル部でのできごとです。あるとき練習の方法において部内で対立が起き、解散の危機を迎えたことがありました。しかし私が対立する双方の代表の話を聞いたところ、対立する原因には勘違いや意思疎通がうまく行っていないことがあることに気づき、お互いを説得して事なきを得ました。
ただし、ややもすると「おせっかい」や「干渉しすぎる」と言われることは自覚しています。そうした雰囲気にも気をつけるように十分心がけています。
6. 性格・価値観
質問のされ方
- あなたが働く上で大切にしたいことを教えてください
- あなたの強み・弱みは何ですか
- ●●の時、あなたはどうしますか?
企業がこの質問から知りたいこと
-
- 学生の価値観
- 学生の強み・弱み
- 学生の性格と自社との相性
性格や価値観を問う質問は、自社とその学生の相性を見極めるのが目的です。ここで無理に自分を曲げると、入社後のギャップに繋がる可能性もあるため、正直に答えるのがポイントです。
考えるのが難しい短所・弱みについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
短所一覧と就活面接での回答例文|長所からの言い換え方や書き方も紹介
回答例
大学でサークルの部長を務めているのですが、最初はメンバーそれぞれが自分の好きなように活動したいという思いが強く、まとまりがありませんでした。しかし、一人ひとりと向き合い、意見や思いを聞く機会を作ることで、徐々に信頼関係が生まれ、サークル全体としても皆で一つの目標を持って活動することができるようになりました。
この経験から、社会人になってからも上司や同僚、顧客としっかりコミュニケーションを取り、信頼関係を構築することを大切にしたいと考えています。
就活でのエントリーシートの書き方のポイント
書き始める前に注意すること
いよいよエントリーシートを書く段階に入りますが、書く前に注意すべきことがあります。
まず、エントリーシートや履歴書の「自己PR」「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」「志望動機」などは同じ内容を記載します。共通した項目に一貫性がないと、軸足がぶれていると疑われてしまいます。
また、伝えたいポイントはひとつに絞ります。百花繚乱では採用担当者の印象に残らないからです。心に響くエピソードをひとつに絞ってみましょう。
誤字脱字ややたら長い文章にも注意します。エントリーシートを書くにあたり、まず気をつけるべきことを次に解説します。
共通項目の主張を一貫させる
エントリーシート・履歴書を書く時のポイント1つ目は、「共通項目の主張を一貫させる」です。
エントリーシートと履歴書には、「自己PR」「学生時代に力を入れたこと」「志望動機」などの項目が共通している場合があります。
共通項目の主張に一貫性を持たせることで、内容の信憑性が高くなり、人事も納得しやすくなります。
例えば、エントリーシートの自己PRで「協調性」が強みだと書いた場合は、履歴書の自己PRにも「協調性」が強みだと書きましょう。
伝えるポイントは絞る
エントリーシートでは、伝えるポイントは絞ってなるべく簡潔にまとめることが大切です。すべてを伝えようと長々と書いてしまうと、最も主張したい部分が伝わりづらくなってしまいます。
ポイントを絞るコツとしては、エピソードを盛り込みすぎないことです。志望動機や自己PRでは根拠となるエピソードを書く必要がありますが、エントリーシートではどんな出来事だったのかが相手に伝われば十分です。
当時の自分の感情や行動、工夫したこと、経験から学んだことなどの細かな話は面接で詳しく語るようにしましょう。
結論ファーストで書く
エントリーシートを書くときも、面接での受け答えと同様に「PREP法」を守り、結論ファーストで書くのが基本です。PREP法とはPoint(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)の頭文字をとった言葉で、文章を組み立てるフレームワークのことを指します。
最初に一番アピールしたいポイント(結論)を伝えてから、その理由や根拠となるエピソードを伝えることで、読み手に話の内容を理解してもらいやすくなりメリットがあります。
余白や文字数を過度に残さない
話を簡潔にまとめることが大切とはいっても、余白や文字数の残しすぎには注意が必要です。基本的には、必要な量の余白や文字数を設定しているケースが多いので、大幅に不足している場合は、必要な情報を網羅できていない可能性があります。
また、全体像を見渡した時にスペースがかなり残っているようなエントリーシートは、手を抜いて作成したように見えます。
大きすぎず小さすぎない文字のサイズを心がけ、できる限り余白や文字数を残さないようにしましょう。志望動機の文字数が400字なら、その8割にあたる320文字が最低限記入すべき文字数の目安になります。
手書きの場合も、記入スペースの8割程度を埋めるよう心がけましょう。
読みやすくなる一工夫をする
エントリーシートは自分の思いや熱意を伝えるものですが、相手にとって読みやすくなければ、思いや熱意が採用担当者に伝わりません。誰が見ても読みやすい文章になるよう工夫しましょう。
具体的には、以下のような工夫があります。
-
- 適切に句読点を打つ
- 記号を活用する
- 専門用語・略称を使用しない
書いた後に声に出して読んでみたり、友人や家族に呼んでもらったりして、読みやすい文章になっているか見直してみてください。
エピソードは具体的に書く
エントリーシートに書くエピソードは具体的な事例をおすすめします。それも、単なるハッピーエンドや面白い話ではなく、あなたの強みを発揮したエピソードが望ましいです。
例をあげれば、
「私の長所は、忍耐強くひとつのことに集中できることです。大学時代にアルバイトしていたスーパーでは、特定の条件がそろうとシステムがエラーを起こし、在庫が合わなくなってしまう事態が発生していました。しかし、誰もその根本原因には辿りつけていなかったのです。
私はその原因追究に取り組み、半年後、【毎月20日で金曜日】という条件のときにエラーが起きることを突き止めました。長年会社を苦しめてきたシステムエラーの根源に気づいたことは、自分の性格がなければできないことだと自負しています」
エントリーシート提出前のチェックポイント
これら5つの注意点を踏まえて書けば、ビジネスマナーに沿ったエントリーシートと履歴書を書くことができます。
-
- 話し言葉や絵文字、記号を使わない
- 矛盾した内容を書かない
- 嘘をつかない
- 誤字脱字をなくす
- 手書きの場合は消せるボールペンを使用しない
それでは、エントリーシート・履歴書を書く時の注意点をそれぞれ解説していきます。
話し言葉や絵文字、記号を使わない
友だちや家族とのやりとりの中で無意識に使っている話し言葉を、エントリーシートでは使わないよう注意してください。ビジネス文章にはこうした表現方法は適していません。話し言葉以外に、絵文字や「!」などの記号の使用も避けるのが無難です。
ついつい使いがちな話し言葉
-
- どっち→どちら
- ちゃんと→きちんと
- でも/だけど→しかし
- やっぱり→やはり
- とっても/すごく→非常に
矛盾した内容を書かない
エントリーシート・履歴書を書く時の注意点1つ目は、「矛盾した内容を書かない」です。
共通項目の内容が矛盾している場合、本当の内容なのかわからず、人事に不信感を与えてしまいます。
例えば、エントリーシートには「協調性がある」と書いているにも関わらず、履歴書には「チームワークが苦手」と書いた場合、内容に矛盾が生じてしまいます。
エントリーシートと履歴書を両方提出する際には、内容が矛盾しないよう気をつけましょう。
嘘をつかない
エントリーシート・履歴書を書く時の注意点2つ目は、「嘘をつかない」です。
当たり前のことですが、エントリーシートや履歴書を書く際に、嘘の出来事を書いてはいけません。
嘘の出来事を書いたとしても、面接などで話しているうちに矛盾が生じ、バレる可能性が高いです。
また先述した通り、履歴書に虚偽の内容を記載することは犯罪にあたり、最悪の場合は不採用や解雇の原因となり兼ねません。
エントリーシートや履歴書を書く時には、ありのままの自分を記載するように心がけましょう。
万が一、嘘をつきたくなってしまった時は、こちらの記事を読んでみてください。
就活でつい「嘘」をつきたくなってしまった時の思考変換法
誤字脱字をなくす
エントリーシート・履歴書を書く時の注意点3つ目は、「誤字脱字をなくす」です。
誤字や脱字をしてしまうと、間違った意味で捉えられてしまったり、不注意な人と思われてしまったりする可能性があります。
しかし、どれだけ気をつけてエントリーシートや履歴書を書いても、案外誤字や脱字をしてしまうものです。
エントリーシートや履歴書を書いた後は、少なくとも3回は自分でチェックして、誤字脱字をなくしましょう。
さらに余裕のある人は、友達や先輩にも見てもらい、誤字脱字だけでなく文法も確認してもらうとより良くなりますよ。
手書きの場合は消せるボールペンを使用しない
手書きで作成する場合、消せるボールペンの使用はNGです。消せるボールペンのインクは熱に弱く摩擦熱で消えてしまう可能性があるため、エントリーシートのようなビジネス文書には適していません。
これはエントリーシートに限らず、あらゆるビジネス文書に同じことがいえます。他の人に書き換えられるリスクや、簡単に文字が消えてしまうリスクのあるものは、ビジネスの場では信頼性がない文書と捉えられることを覚えておきましょう。
読みやすさに気をつける
読みやすさとは、すなわち文章のリズムであり、ここには書き手のセンスがはっきり表われます。
おおむね文章は短いほうが読みやすいですが、主題が1つの短文ばかり続くと辟易としてきます。主題が2つ以上ある長文が続いても同じことで、これらを上手に織り交ぜて書くとリズムのとれた文章となります。
例えば、
「私は学生時代、材料工学に力を入れてきました」「私は貴社のハイテク製品に感銘を受けました」
これらの主題はそれぞれ1つです。
連結し、「私は学生時代に材料工学に取り組んできましたので、貴社が昨年販売したハイテク製品○○に非常に感銘を受けました」
と変えると、時系列や前後の関係がよく分かるようになります。
「○○です」「□□です」という短文と、「○○だから、□□です」という長文を織り交ぜて読みやすい文章を心がけてください。
就活でエントリーシートを郵送する場合の送り方
エントリーシートの郵送は普通郵便で送るのが基本です。居住地域や投函時間によって誤差はありますが、通常であれば2〜3日で届きます。期限ギリギリにならないよう、余裕をもって郵送することが大切です。
エントリーシートがきちんと相手のもとに届いたか不安な場合は、特定記録郵便を利用しましょう。これは引受け時間と配達状況を記録してくれるサービスで、大切な郵便物を差し出した記録を残しておきたいときによく使われます。
似たようなサービスとして簡易書留もありますが、こちらは受取人の受領印が必要になります。わざわざ受領印を押す必要がある簡易書留は、採用担当に負担をかけてしまうため、普通郵便もしくは特定記録郵便を使うのがおすすめです。
郵送時の封筒や、同封する送付状の書き方については以下の記事を参考にしてください。
【例文あり】エントリーシートの送付状の書き方 | 郵送時のポイント,注意点も
就活でのエントリーシートと履歴書に関するよくある質問
最後に、エントリーシートと履歴書に関するよくある質問を簡単に紹介します。
-
- エントリーシートと履歴書の内容は重複していいですか?
- 履歴書のみ提出する場合の注意点はありますか?
- エントリーシートと履歴書は両方提出すべきですか?
- エントリーシートと履歴書は手書きで書くべきですか?
- エントリーシートと履歴書に修正ペンは使っても良いですか?
- エントリーシート・履歴書はどこで入手できますか?
それでは、エントリーシートと履歴書に関するよくある質問をそれぞれ解説していきます。
Q. エントリーシートと履歴書の内容は重複していいですか?
「エントリーシートと履歴書を両方提出する際に、内容は重複しても良いのだろうか?」と悩む就活生は多いです。
結論から言うと、エントリーシートと履歴書の内容は重複しても大丈夫です。
先述した通り、エントリーシートは面接の際に用いる資料、履歴書は従業員データの保管用に用いる資料で、それぞれ見ている項目が違います。
エントリーシートと履歴書の内容が重複しているからと言って、それだけで減点をされるようなことはありません。
しかし一言一句同じ文言を書いていては、内容を使い回していてやる気がないと見なされてしまう可能性もあります。
エントリーシートと履歴書の内容は、適宜言葉を言い換えながら書くのが良いでしょう。
Q. 履歴書のみ提出する場合の注意点はありますか?
履歴書のみ提出の企業の場合は、履歴書の内容が書類選考や面接での質問に影響します。
履歴書がエントリーシートの代わりだと思って、志望動機や自己PRなどの内容を充実させましょう。
また、エントリーシートは企業から配布されることがほとんどですが、履歴書は自分で用意しなければならないケースがあります。
フォーマットにはさまざまなものがあるので、「志望動機欄のスペースが大きいタイプ」など、自分のアピールポイントを伝えやすい履歴書フォーマットを選ぶのがおすすめです。
Q. エントリーシートと履歴書は両方提出すべきですか?
エントリーシートと履歴書は、基本的にはどちらか片方を提出すれば良いです。企業から求められた書類を提出しましょう。
ただし、エントリーシートと履歴書を両方提出を求められる場合もあるので気をつけましょう。
Q. エントリーシートと履歴書は手書きで書くべきですか?
エントリーシートや履歴書の提出方法は、企業によって異なります。
手書きの指定をされた場合は、エントリーシートや履歴書を手書きで記入しましょう。
また、オンラインでの提出を求められた場合は、手書きでなくても構いません。
Q. エントリーシートと履歴書に修正ペンは使っても良いですか?
エントリーシートや履歴書を書く際、修正ペンは使わないようにしましょう。
修正ペンを使うと、不注意な印象を与えてしまうのに加えて、見た目が汚くなってしまいます。
もしエントリーシートや履歴書を書き間違えてしまった場合は、修正ペンを使うのではなく、新しい紙に書き直すようにしましょう。
Q. エントリーシート・履歴書はどこで入手できますか?
エントリーシートは、各企業の採用HPでダウンロードできるケースが一般的です。
基本的にパソコン仕様になっているため、スマートフォンではなく、パソコンからダウンロードしましょう。
履歴書は、無料でフォーマットをダウンロードすることも可能ですが、項目内容が心配な場合は市販のものを購入するのが良いでしょう。文房具店や書店で購入できます。
趣味・特技欄には何を書いたらいいですか?
趣味や特技欄は、自分をアピールするもうひとつのチャンスです。自信をもって書ける内容であれば、志望する企業や業種で変える必要はありません。
そこでおすすめなのは、「意外性」、面接における「アイスブレイクのきっかけ」になる趣味や特技です。
例えば男性なら「料理」、女性なら「バイクツーリング」などです。もちろんこれらは一例であり、採用担当者が思わず興味を惹かれる趣味や特技であったり、質問したくなる内容であったりすればなおいいでしょう。
そして趣味や特技が、あなたの人柄に一層の深味を与えることができれば、言うことありません。
エントリーシートができたら就活サービスOfferBoxに登録しよう
履歴書が個人情報や経歴を伝えるための書類であるのに対し、エントリーシートは自己アピールをするための書類です。あなたの思いや企業への熱意を伝えるためには、エントリーシートの質問の意図を把握し、ポイントを押さえて、わかりやすい内容に仕上げる必要があります。
履歴書と重複する部分もありますが、言い換え表現を使うなどの工夫をし、内容に矛盾がないようにしてください。
エントリーシートが作成できたら、就活サービス「OfferBox」に登録してみましょう。OfferBoxは登録した内容を元に、企業から直接オファーがもらえる就活サービスです。
OfferBoxの入力項目は、エントリーシートの頻出項目となっています。
エントリーシートの内容をもとに自己PRやガクチカ、仕事への価値観を入力することで、企業にあなたの魅力を伝えられ、待っているだけで企業からオファーを受けることができます。
自己分析ツールも利用できるので、エントリーシート作成がうまくいかない方も、まず登録してみてください。