【2019年卒市場動向】「採用の個別最適化」のために人事ができることとは?
【市場動向予測5】「採用の個別最適化」のためにできることとは?
前回の市場動向予測4では、大学や学生の変化とミレニアル世代の特徴から、企業は、『学生一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションをとることが重要だ』ということがわかった。市場動向予測5では、さらに学生の働き方に関する意識という点から、個別に最適化されたコミュニケーションの重要性を考えていきたい。
学生の働き方に関する意識とは?
下記の「どのような企業に魅力を感じるか」で、1〜4位は「社内の雰囲気が良い」(85.6%)、「成長できる環境がある」(70.7%)、「将来性がある」(55.2%)、「給与が高い」(55.0%)で、半数以上の学生が魅力を感じると回答している。
また「多様な働き方の制度が整っている」という項目では、4割を超える学生が魅力を感じると回答している。
【出典】
株式会社i-plug『18卒対象 就活生の「働き方」に関する意識調査アンケート』2017年1月実施「どのような企業に魅力を感じるか」
「多様な働き方の制度が整っている」が「知名度」や「商品やサービスに交換が持てる」よりも上位にあることに注目したい。
働き方改革の取り組みが学生の志向にも影響を与えており、入社後の働き方に対する関心をより高めていると考えられる。
「多様な働き方」を求める求職者に対し企業側が合わせる動きとして、テレワーク制度の導入などを実施している企業もある。しかし、社内制度の改革を実施できる企業ばかりではなく、仮に新しい制度を導入できたとしても、その働き方が必ずしも、すべての学生が魅力に感じるとも限らない。
データからも分かるように、学生の考える魅力とは、「場所」や「給与」、フレックス制度のような「時間」など多様であるが、そもそもそういった制度ではなく社員同士の仲の良さなど「社内の雰囲気」への関心も高い。
では、新卒採用担当者としてどう動くべきか?
重要なのは、「自分らしく働きたい」といった、多様化する働き方の価値観に寄り添うことだといえる。
例えば、社内の雰囲気を重視する学生には、実際に一緒に働くことになるであろう若手~中堅の各先輩社員との面談を選考過程に実施するというのもひとつの解決策だ。また、2019年卒は一層増えると予測されているインターンシップでは、同じプログラムを提供するのではなく、学生が魅力を感じるポイントを加味した設計をすることも今後は求められる。
実際、学生も選考の段階から企業に自分の関心に合わせた情報の提供を求めるようになってきた。弊社が提供する新卒採用サービス「OfferBox」の利用ユーザーの中にも「自ら希望して工場見学を願い出た」という学生もいる。
このように学生の働き方に関する意識からみても、今後、企業は『個別性のある採用』を考えていく必要がある。
そのためには、学生を個人として見ること、その個人をよく知るためのコミュニケーションが重要だといえる。
※本記事は「【市場レポート】どうなる? 2019年新卒採用の動向・変化予測 ー秋冬・本選考対策編ー」の一部を抜粋したものです。