ガクチカで留学経験をアピール|書き方や例文、深堀り対策も

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「留学経験はガクチカでアピールできるだろうか」
「魅力的な伝え方がよく分からない」

面接の頻出質問であるガクチカを考えるなかで、このような悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。

ガクチカのエピソードとして伝えやすい留学経験ですが、それゆえに他の学生と差別化を図るのは簡単ではありません。留学エピソードを話す際のポイントをよく理解し、ありきたりではない自分ならではのガクチカを伝えることが大切です。

この記事では、ガクチカで面接官が評価しているポイントや、留学エピソードを話すメリットについて解説していきます。400字と200字それぞれのガクチカ例文も紹介するので、留学経験をアピールしようと考えている人はぜひ参考にしてください。

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目次

ガクチカで留学経験のアピールは効果的?

留学エピソードをガクチカで話すことはまったく問題ありません。直面した課題や自分なりの工夫を具体的に伝えられれば、魅力的なガクチカと評価してもらえるでしょう。

ただ、留学自体がアピールになるわけではない点に注意が必要です。ガクチカで評価されているのは経験そのものよりも、経験から得た学びや発揮した強みです。

そのため、留学のエピソードだから評価されるのではなく、留学経験から自分らしさ・魅力を伝えるための工夫を考えましょう。

ガクチカで面接官が評価しているポイント

ガクチカで面接官が評価している主なポイントは以下の3点です。

  • 経験の過程
  • 伝えたい事と経験の関連性
  • 文章力・言葉選び

ガクチカで特に評価されているのは「経験の過程」です。どんな状況にどう対応してきたのかという経験の過程から、学生の人柄や仕事に取り組む姿勢を確認しています。

そのほか、「伝えたい事と経験の関連性」「文章力・言葉選び」など、論理的思考能力やコミュニケーション力を図る要素が評価ポイントになっています。

一方で、「成果の大きさ」「経験の派手さ」などはあまり評価されていません。成果の大きさは運が大きく左右するケースがあるため、本人の仕事や能力には直接関連しないと考える面接官がほとんどです。

ガクチカで評価しているポイントについてより詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
人事の本音ランキング発表!ガクチカや自己PRの「エピソード」で見ているポイント

ガクチカで留学エピソードを話すメリット

留学エピソードのガクチカにはどんなメリットがあるのでしょうか。他のエピソードにはない、留学エピソードならではのメリットを知り、エピソード選びの参考にしましょう。

目的や困難がイメージしてもらいやすい

留学の目的や、留学先での困難を面接官にイメージしてもらいやすいメリットがあります。留学に行くと決める際には、何かしらのきっかけや目的があるケースがほとんどです。

目的が明確であれば行動の動機が分かり、そこから学生の人柄と価値観を読み取れます。さらに、日本とは環境・文化の異なる海外では困難な状況が多々あるため、直面した課題について面接官がイメージしやすいのも留学エピソードの特徴です。

コミュニケーション力や行動力をアピールしやすい

まったく知らない土地で生活する留学は、誰でも簡単にできる決断ではありません。自分なりの目的をもって留学を決めた勇気は、コミュニケーション力や行動力など、入社後に発揮できる能力のアピールにつながるでしょう。

ただ、コミュニケーション能力と行動力にはさまざまな意味があります。例えばコミュニケーション力には、自分の意見を伝える能力や、人の考えを汲み取る能力などが考えられます。

どんなコミュニケーション力なのか分からなければ、入社後の活躍を面接官がイメージしづらいため、抽象的な能力は具体的な表現に言い換えることが重要です。

【コミュニケーション力の言い換え例】

  • 複数の意見を調整する能力
  • 相手の視点に立って物事を考える能力
  • 自分の意見を論理的に説明する能力

【行動力の言い換え例】

  • 主体的に行動できる能力
  • 周りの状況に合わせて行動できる能力
  • 何事にも積極的に挑戦できる能力

価値観への影響が大きく志望動機や就活の軸と一貫性が出やすい

志望動機就活の軸と一貫性が出やすいのも、留学エピソードのメリットです。異なる価値観に触れたことで形成された自分の価値観を、他の質問項目での回答に紐づけられるでしょう。

例えば、留学を通じて海外で働きたい気持ちが強まったのであれば、「留学時に経験した◯◯から、海外を拠点として働きたい気持ちが強くなりました」と志望動機で語れます。

留学経験をもとに業界・企業を選び、就活を進めることで一貫性が生まれるため、面接での回答にも根拠を持たせられます。

留学エージェントが語る、オススメの留学ガクチカの伝え方

実際の先輩留学生は、留学体験を面接でどのようにアピールしたのでしょうか。また、実際にメリットはあったのでしょうか。
留学エージェント「スマ留」に聞いてみました。

これまでの留学生の声を聞くと、「ただ留学に行った、ということをアピールするのではなく、留学で何を学んだかを伝えることが大切」と言います。
留学に行ったという事実を話すだけでは相手に伝わらないので、留学を通して得た学びを志望理由と合わせて伝えることで、留学経験があることを効果的にアピールでき、自分自身の魅力も伝えることができたそうです。

 

また、特にグローバルな企業の選考を受ける場合は、ワーホリなどで他の国の異なる価値観を持った人たちと働いた経験は、企業に響きやすいそうです。

留学エージェント:スマ留(スマートな留学)

留学経験のガクチカでアピールする強みの例一覧

留学経験からアピールできる強みは語学力だけに限りません。先に紹介したコミュニケーション力や行動力も、留学経験を伝えるガクチカならではのアピールポイントです。

留学自体はアピールにならないため、留学先で得た強みや、伸びた長所を伝えることが重要になります。

【アピールできる強みの例】

  • コミュニケーション力
  • 積極性
  • 環境適応力
  • 課題解決力
  • 自己管理力

留学経験のガクチカ例文

実際のガクチカを見ないことにはイメージが湧きづらいと思うので、半年〜1年間と3ヶ月の期間別にガクチカ例文を紹介します。面接官が評価しているポイントをふまえ、自分ならではのガクチカを考えていきましょう。

半年〜1年間の留学経験の例文【400字以内】

私は半年間のアメリカ留学で、授業のグループ課題に力を入れました。留学を決意したのは、「実践的な語学力を身に着けたい」「異文化を直接肌で感じたい」という思いがあったからです。

 

先生との距離の近さや食文化など、日常の至るところに日本との違いがありましたが、特に文化の違いを感じたのは大学の授業でグループ課題に取り組んだときです。

私の担当業務について無理のある納期をメンバーに提案され、「I’ll see what I can do.(善処します)」と返答したところ、了承したと誤解された経験がありました。納期に間に合うか曖昧にしたつもりでしたが、相手は肯定的な意味に捉えてしまったようです。改めて可能な納期を明確に伝えたところ、理解してもらえました。

私はこの経験から、曖昧な表現は、時に誤解を招くことを知りました。入社後に交渉が必要な場面があれば、自分の意思をはっきりと伝えます。

【ポイント】
グループ課題に取り組んだメンバーとの出来事から、ぶつかった課題の内容がよく分かる例文です。その当時どんな行動を取ったのかまで言及すると、より状況をイメージしやすいガクチカになるでしょう。

3ヶ月の留学経験の例文【200字以内】

タイへの短期留学で、現地大学生と共同して、日本とタイの文化に関するプレゼン企画に注力しました。

 

準備を進めていると、自然と日本人同士、タイ人同士に分かれることが増えました。私は、チームが分裂しないよう、一緒に行う作業と分担して行う作業を決めることを提案しました。

その結果、それぞれの文化に深く迫ったプレゼンを効率的に準備できました。求める結果を出すためには、分業と協業のバランスが大切だと学びました。

【ポイント】
文字数が限られている200字のガクチカでは、伝えるべき内容に絞る必要があります。書き切れない情報は面接で付け加えるようにし、ES・履歴書では最も重要な情報だけを簡潔にまとめましょう。

留学経験のガクチカへの面接での深堀り質問例

面接では、ESや履歴書に記入したガクチカの深掘りが想定されます。ガクチカが完成したら、「自分だったらどんな質問をするか」と客観的に分析しながら、深掘り質問への回答を考えてみましょう。

【半年〜1年間の留学経験の例文で想定される深掘り質問】

  • なぜグループ課題に力を入れたのですか?
  • 課題に取り組むにあたってどんな目標を掲げたのですか?
  • メンバーに誤解された後、どんな行動を取りましたか?
  • 同じような誤解を招かないために工夫したことを教えてください
  • 学んだことが仕事でどう活きると思いますか?

深堀り質問への詳しい対策方法を知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
ガクチカの深堀りをされたときの答え方や対策方法を解説

留学経験のガクチカの書き方

同じ留学経験を伝えるガクチカでも、書き方によって相手に与える印象はガラッと変わります。自分の頑張りを面接官に読み取ってもらうためには、以下の順番で作成するのがおすすめです。

①結論:留学中に力を入れたこと

留学のなかでも、何に力を入れたのかを伝えましょう。ガクチカの内容を最初に端的に伝えることで、その後の話をイメージしてもらいやすくなります。

結論を伝えずいきなりエピソードを話し始めるのはNGです。結論ファーストでないガクチカはアピールポイントが分かりづらいうえ、相手の集中力が途切れてしまいます。

【例】

インドネシアへの留学で、異文化でも通用するコミュニケーションスキルの習得に力を入れました。

②動機:力を入れた理由

続いて、①に力を入れようと考えた理由やきっかけを話しましょう。入社後も高いモチベーションを維持して働けることをアピールするために、行動の動機を示す必要があります。

【例】

将来は多くの異文化に触れる仕事をしたいと考え、異文化コミュニケーションの促進を目的に留学を決意しました。そのためには、複数人で議論して結論を出すグループディスカッションが最も重要だと思いました。

③目標:掲げた目標

結論とその理由について伝えたら、目的を達成するためにどんな目標を立てたのかを伝えます。あまりにも大きすぎる目標や、漠然とした目標では計画性に疑問をもたれるため、実現可能かつ具体的な目標を伝えるのがポイントです。

【例】

いきなり自分の意見を積極的に伝えるのは難しかったため、まずは『今回は最低3回発言する』といった小さな目標から始めました。それがクリアできたら、『相手の意見に対して自分なりの見解を述べる』というように、自分の段階に合わせて目標を大きくしていきました。

④困難:直面した課題

ガクチカは「学生時代に頑張ったこと」ですから、何かしらの困難がなければ、面接官に自分の努力を理解してもらえません。掲げた目標を伝えたうえで、その目標の達成までにぶつかった課題を具体的に紹介しましょう。

【例】

グループディスカッションで苦労したのは、「相手の発言を拡大解釈しないこと」です。日本では、相手の発言の行間を読むことが多かったですが、インドネシアでは「そこまで言っていない」と指摘を受けることが多くありました。

⑤取り組み:課題に対しての行動と結果

直面した課題への対策・行動について紹介し、最終的に出た結果を伝えます。行動が成功につながったのか、それとも失敗につながったのかは重要ではありませんが、自分の行動がどんな結果をもたらしたのかは大切です。

【例】

そこで私は、自分が理解した内容で過不足ないか、相手に確認する回数を増やしました。確認することで、相手も話が伝わっていることを理解し、こちらの意見を聞いてくれるようになりました。

⑥学んだこと:今後に活かせる学び

ガクチカの締めくくりとして、一連のエピソードを通して学んだことを伝えましょう。経験からの学びを自分なりに分析できていれば、評価ポイントの1つである「学びを得る力」が備わっていると証明できます。

ガクチカの文字数に余裕があれば、今後にどう活かすかの展望まで触れられるとさらに好印象です。

【例】

私はこの経験から、意思疎通をする際は自分がどこまで理解したかを相手に伝える重要性を学びました。特に異文化間では確認作業をよりこまめにして、海外でも対等にコミュニケーションを取れる人材になりたいです。

ガクチカで留学エピソードを話す際のポイント

ガクチカとしてアピールしやすい留学エピソードですが、話し方によってはあまり評価してもらえない場合があります。明確な目的をもって努力を続けたことが伝わるように、以下の3つのポイントを心がけてください。

留学自体が目的でないことを伝える

冒頭でも説明したとおり、留学の経験自体はアピールになりません。その事実だけでは自分らしさは伝わらないため、あくまで留学の目的やそこでの行動を伝えましょう。

留学の目的が曖昧だったり、具体的な行動が見えなかったりすると、「面接でのネタを作るために留学したのではないか」「留学の話は嘘かもしれない」などと思われてしまう可能性もあります。

留学はあくまで手段として考え、留学することが目的化している印象を与えないように注意すれば、努力が読み取れるガクチカになります。

語学力ではなく発揮した強みや得た学びをアピールする

ガクチカでは、語学力のようなスキルではなく、自分自身の特徴や人柄、一連の経験から得た学び、性格から発揮できた強みなどをメインにアピールしましょう。

語学力は確かに素晴らしいスキルではありますが、語学力はTOEICやTOEFLの点数でもアピールできます。また、語学力を重視する企業であれば英語に関する試験を別途準備していることも多いです。そのため、ガクチカでわざわざアピールする必要はありません。

”価値観”の話題は具体的にする

「留学によって価値観が変わった」「多様な価値観への理解が進んだ」など、漠然としたアピールだけで終わるのは避けましょう。

面接官が知りたがっているのは、具体的にどんな変化があったのかという点です。「価値観が変わった」とアピールしたいのであれば、留学に行く前と後でどんな違いが生まれたのかを具体的に伝えてください。

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留学経験のガクチカに関するよくある質問

最後に、留学経験のガクチカに関するよくある質問にお答えします。自分の留学経験を最大限にアピールできるよう、疑問点はそのままにせずしっかりと解消してから面接に臨みましょう。

コロナで留学当初の目的を達成できなかった場合は?

新型コロナウイルスの影響を受けて当初の目的を達成できなかった人もいると思いますが、その場合は、新型コロナウイルスの影響での留学の変更・中止に直面したこと自体を困難として伝えてもよいでしょう。

例えば、新型コロナウイルスの影響で海外での活動がどう変わり、どんな行動を取ったのかを伝えれば、過程がよく分かるガクチカになるでしょう。そもそも留学自体が取りやめになったのなら、その代わりに国内でどんな行動を取ったのかもアピール材料になります。

目的を達成できていなければエピソードにできないように思うかもしれませんが、少し視点を変えてみると立派なガクチカとして伝えられます。活動の変更・中止を余儀なくされた場合は、それに伴う困難を具体的に例示しましょう。

留学前後のエピソードでも大丈夫?

留学に行く前や帰ってきた後でも問題ありません。留学経験といえば留学中の出来事をガクチカにする学生がほとんどですが、前後のエピソードもガクチカとして伝えられます。

具体的には、留学に向けて英語力アップに励んだエピソードや、留学を経験して以前より国際交流に力を入れるようになったエピソードなどが代表的です。留学前のエピソードなら本番に向けた準備、留学後のエピソードなら行く前との変化を伝えるとよいでしょう。

1ヶ月などの短期留学でもガクチカでアピールになる?

短期留学でもガクチカでアピールできます。長期留学の経験を伝えるときと同様に、留学中に力を入れたことや直面した課題などを詳しく伝えましょう。

ただし、学生時代に頑張ったことが2週間ほどの話で完結してしまうと、物足りなく感じる面接官もいます。あまりに期間が短すぎると頑張りが伝わりづらいため、留学期間が短い場合は、前述の質問のように留学前後のエピソードも含めて考えるのがおすすめです。

嘘で留学経験を作り上げたらバレる?バレない?

面接官は人間観察に慣れているため、ガクチカでの嘘は留学経験に限らず、どんなエピソードでも必ずといっていいほどバレます。バレれば評価が落ちるのはもちろん、入社後に発覚した場合は解雇事由になるケースもあるため、嘘をつくのは絶対にやめましょう。

面接官の印象に残る特別な経験がなければ、嘘をつきたくなってしまうものですが、ガクチカはエピソードのインパクトを競うものではありません。留学経験がないのであれば、学業や趣味など、ありふれた経験を魅力的なガクチカに変えていきましょう。

ガクチカで嘘をつきたくなってしまったときの対処法は、以下の記事を参考にしてください。
就活でつい「嘘」をつきたくなってしまった時の思考変換法

まとめ

以上、ガクチカで面接官が評価しているポイントや、留学経験を話すメリットについて解説しました。

留学経験には目的・困難をイメージしてもらいやすいメリットや、入社後に発揮できる能力をアピールしやすいメリットがありますが、留学の経験自体はアピールになりません。

留学自体が目的でないと面接官に分かってもらうために、力を入れた理由と経験から得た学びを詳しく伝えることが大切です。

新型コロナウイルスの影響で思うようにいかなかった人も多いと思いますが、留学当初の目的を達成できていなくてもガクチカとしてアピール可能です。留学の中止や活動の変更を経験した人は、それに伴う困難を中心に伝えましょう。