
「参加のメリットをいまいち理解できない」
大学の夏季休暇に合わせてサマーインターンシップの参加を考えている人や、これから就職活動を始めようとしている人の中には、このような悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。
サマーインターンシップは業界や企業への理解を深めるのに役立つイベントですが、参加目的が曖昧なままでは経験をうまく就職活動に活かせません。経験を最大限に活かすためには、まずはサマーインターンシップの特徴や参加のメリットを理解することが大切です。
この記事では、サマーインターンシップの概要から参加のメリット、必要な準備、注意点まで解説していきます。具体的な探し方も紹介するので、サマーインターンシップに興味をもっている方はぜひ参考にしてください。
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サマーインターンシップとは
サマーインターンシップとは、おおむね8~9月に開催されるインターンシップのことです。大学の夏季休暇中で学生がスケジュールを調整しやすいため、多くの企業はこの時期にインターンシップを開催しています。
サマーインターンシップの形式は、1〜3時間程度で終わるものや、1週間から長くて1ヶ月程度で終わるものなど、短期のインターンシップが中心です。開催企業数が多く、期間も短いものが多いため、複数のインターンシップに参加しやすいのが魅力と言えます。
25卒から採用直結型インターンシップが公認に
25卒から、一定の条件を満たせば、企業がインターンシップで得た学生情報を、採用活動開始後に活用できるようになりました。「採用直結型インターンシップが公認になった」ということを留意しておきましょう。
採用直結型インターンシップが公認になったことで、インターンシップが本選考に与える影響は大きくなりました。
サマーインターンシップのスケジュール
サマーインターンシップが開催されるのは8~9月頃ですが、参加者の募集や選考はそれより数ヶ月前から始まります。「参加しようと思ったら募集が締め切られていた…」という失敗を避けるため、早めの準備を心がけましょう。
スケジュールは企業によってさまざまですが、おおむね以下のような流れで進んでいきます。
【サマーインターンシップのスケジュール)】
- 2023年4~5月:サマーインターンシップの情報が公開。早い企業では募集開始・エントリーシート提出
- 2023年6月:本格的にインターンシップの募集開始・エントリーシート提出
- 2023年7月:参加選考
- 2023年8~9月:インターンシップ開催
サマーインターンシップ以外にも、秋・冬にもインターンシップが開催されます。サマーインターンシップ同様に、25卒から採用に直結していくので、積極的に参加することをおすすめします。
秋・冬インターンシップのスケジュールについてはこちらの記事を確認してください。
就活インターンシップ大全|2025卒2026卒の選考時期など紹介
サマーインターンシップに参加するメリット
サマーインターンシップには、業界や企業の情報を集められること以外にも、多くの参加メリットがあります。参加の意義をいまいち見出せない方は、以下に紹介する3つの利点を参考に、サマーインターンシップへの参加を考えてみてください。
早めに就活の準備ができる
1つは、早めに就職活動の準備ができることです。サマーインターンシップは3月の情報解禁の半年以上前に開催されるため、そこでの経験が本選考に活かせます。
例えば、サマーインターンシップを通じた就業体験は、自分の適性の確認や業界研究の深掘りに繋がります。また、サマーインターンシップ参加に向けて、エントリーシートの作成や、面接の練習をした経験は本選考にも大いに役立つでしょう。
このように、選考対策の練習をできるのがサマーインターンシップに参加するメリットです。
選考で有利になる
短期インターンシップが中心のサマーインターンシップですが、本選考に直接影響するものも少なからず存在します。サマーインターンシップに参加することで、本選考を有利に進められるのがメリットです。
先ほどもお伝えしたとおり、条件を満たせば、25卒からインターンシップで取得した個人情報を本選考で利用できるようになり、より本選考とインターンシップの結びつきは強くなりました。早めに内定を貰いたい人や、志望企業が明確な人にとっては、特に大きなメリットがあります。
25卒のインターンシップの開催時期や、最新の活動状況についてはこちらの記事を参考にしてください。
25卒のインターンシップ|開催時期や最新の活動状況・探し方
多くの企業と接触できる
多くの企業と接触できるのも、サマーインターンシップに参加するメリットです。なるべく多くの企業のインターンシップに参加することで志望先の選択肢を増やせるほか、本選考を有利に進められる企業と繋がりを作れます。
特にサマーインターンシップは、秋・冬インターンシップと比べて開催企業が多く、夏期休暇中は常にどこかの企業が開催しているのが特徴です。志望先がまだ明確でない場合、短期間で直接企業から情報を集めるには最適な手段と言えます。
サマーインターンシップの種類

セミナー型(短期)
セミナー型は会社説明を中心に実施する形式です。企業についての理解を深めてもらうことを目的にしているため、期間は短く、ほとんどが1~3時間程度で終了します。
気軽に短時間で参加できるのがメリットですが、自己PRの機会をあまり得られないのがデメリットです。選考に直結するケースは少ないため、企業へのアピールには向いておらず、どちらかというと業界・企業の特徴を把握するのに向いています。
プロジェクト型(短期~中期)
プロジェクト型は複数人でグループを作り、ディスカッションや商品企画などをおこなう形式です。セミナー型より期間は長く、複数日から1~2週間ほど継続して課題に取り組むインターンシップも見られます。
参加のメリットは、実際の業務に関連する課題を体験できることです。チームメンバーと関係性を築く方法や資料の作成方法、プレゼンテーションの方法など、プロジェクトの基本的な進め方について学べます。
実務型(短期~長期)
実務型は、実際に企業の職場で就業体験する形式です。期間は1日で実施するものから、長いものであれば1ヶ月以上継続して参加するケースもあります。
特に、長期インターンシップとなると有給で実施されるものが多いうえ、入社後に携わることになる業務について深く理解できます。期間が長い分、参加できる企業は限られていますが、実際の業務を経験できるのが大きなメリットです。
また、長期インターンシップに参加した学生を採用する意向が強い企業は元々多くありましたが、25卒で採用直結型インターンシップが解禁されたことから、さらにその傾向は強くなると考えられます。実務型の長期インターンシップに参加できる機会があれば、積極的に挑戦してみましょう。
サマーインターンシップに参加するまでの流れ
サマーインターンシップに参加するまでの流れは、大きく4つのステップに分けられます。「参加してみたいけど何から手をつけるべきか分からない」という方は、以下のステップで準備を進めていきましょう。
①興味のある業界・企業を探す
まずは、自分の興味のある業界や企業を洗い出してみましょう。この段階では、実際に本選考に進むかを考える必要はなく、「もしかしたら自分に合っているかも」「何となく楽しそう」といった基準で探してOKです。
長期インターンシップとなると参加のハードルは高くなりますが、短期インターンシップであれば気軽に参加しやすいでしょう。仮にイメージと違ったとしても、それはそれで志望先を絞ることに繋がるため、まずは視野を広げて業界・企業を探していきましょう。
②インターンシップを探す
興味のある業界・企業を洗い出せたら、自分の興味関心に合うインターンシップを探していきます。インターンシップの具体的な探し方については、後述の内容を参考にしてください。
インターンシップは業界や職種で選ぶ方法のほか、形式で選ぶ方法も効果的です。例えば、業界の基本情報を集めたいならセミナー型、他の学生と交流を図りたいならプロジェクト型といったように、自分の目的に合わせて探してみましょう。
③インターンシップの選考を受ける
インターンシップによっては、書類審査や適性検査、面接などの選考があります。参加できる人数は限られているため、事前選考のあるインターンシップに参加するには選考対策が不可欠です。
サマーインターンシップの場合、早い企業では4~5月に必要書類を提出しなければなりません。直前に準備を始めてはESや面接の対策が間に合わないため、2023年4月以前から少しずつ準備を進めておきましょう。
④インターンシップに参加する
インターンシップ応募後、選考がある場合は選考通過後に当日の詳細が連絡されるので、当日は忘れ物や遅刻することなく参加しましょう。前述の通り、25卒からは採用直結型インターンシップが解禁されるため、既に本選考はスタートしているものと考え、選考本番と同じ気持ちで臨みましょう。
特に、長期インターンシップは、自分の第一印象を決定する重要な顔合わせの機会です。参加中の言動に注意するのはもちろん、服装や髪型など、細かな点までしっかりと気を配りましょう。
サマーインターンシップの探し方
ここからは、実際にサマーインターンシップを探す方法を4つ紹介します。自分の目的に合ったサマーインターンシップを効率的に見つけるため、複数の方法をうまく組み合わせて探していくのがおすすめです。
それぞれの方法の詳細はこちらの記事を参考にしてください。
インターンシップの選び方|参加目的に合ったプログラムに応募しよう
①新卒オファー型就活サイト
就職活動にまだ慣れていない方には、新卒オファー型就活サイトで探す方法がおすすめです。自分の興味関心がよく分からない状態でも、オファー型のサイトであれば、声をかけてもらった企業の中から最適なサマーインターンシップを見つけられます。
例えばOfferBoxでは、大手からベンチャーまで幅広い企業からオファーをもらえます。オファーからインターンシップの参加や本選考に繋がっていく可能性もあります。
就職活動にまだ慣れていない方も、OfferBoxのプロフィールを埋められるように自己PRやガクチカを作ることから就職活動を始めてみるのもおすすめです。ぜひ活用してみてください。
OfferBox(オファーボックス)|オファーが届く求人型就活サイト
②就活ナビサイト
サマーインターンシップに関する情報をまとめて得るには、就活ナビサイトが効果的です。多くの情報が掲載されている就活ナビサイトであれば、短期から長期まであらゆるサマーインターンシップの情報を集められます。
受動的に情報収集できる新卒オファー型就活サイトに対し、就活ナビサイトは自分で情報を集める必要があります。膨大な情報の中から必要な情報を探し出す難しさがあるため、新卒オファー型就活サイトとセットで利用するとよいでしょう。
②企業のホームページ
気になる企業がある場合は、その企業のホームページからサマーインターンシップを探す方法がおすすめです。直接募集をかけている企業であれば、効率的に情報を集められます。
企業のホームページから直接探す方法の利点は、インターンシップや企業の魅力をより詳細に知ることができる点です。様々な企業のインターンシップ情報が掲載されているサイトでは、掲載できる項目や形式が決まっています。
個別企業のホームページでは、より詳細な内容やコンセプトが掲載されていることがあるため、インターンシップの目的や魅力を知りたい方は、企業のホームページを見てみることをおすすめします。
③合同説明会やWeb説明会
合同説明会やWeb説明会で、企業のインターンシップを案内している場合があります。合同説明会やWeb説明会では、各企業の社員の方から企業紹介を聞くことができるため、企業の空気感も知ることができます。また、質疑応答の時間が設けられていることも多く、ネット上に掲載されていないことも聞ける可能性があることもメリットです。
ただ、企業説明を目的としていることも多く、参加する際はまとまった時間が必要なため、インターンシップの情報を効率的に収集したい人にはあまり向いていません。
これまで興味関心のなかった業界・企業にも視野を広げて志望先を考えたい方はぜひ参加してみてください。
サマーインターンシップ参加前の準備
サマーインターンシップの参加にあたっては、しっかりとした準備が必要です。特に、インターンシップ参加の目的は必ず明確にしておきましょう。
インターンシップ参加の目的が曖昧なままだと、得られるものも得られなくなってしまいます。そのため、まずは業界研究や企業研究、自己分析をしたうえで、参加の目的を明確にしてインターンシップに臨みましょう。
また、ここでは参加時に留意すべきマナーについても紹介しますので、参考にしてください。
業界研究・企業研究
インターンシップに参加するからには、最低限の業界・企業知識を身につけておく必要があります。業界の役割や企業の事業内容などの基本情報はもちろん、主力サービス・商品、直近の動向についても目を通しておきましょう。
業界研究・企業研究をするのには、インターンシップの経験を最大限就職活動に活かす目的があります。事前に調べておけば分かることをインターンシップでわざわざ質問するのは非常にもったいないため、自分で集められる情報はきちんと集めてから臨みましょう。
こちらの記事を参考に、業界研究・企業研究をしてみましょう。
就活における企業研究のやり方を徹底解説!まずは何から始めるべき?
【就活の業界研究の目的ややり方】よくある質問にも回答
自己分析
インターンシップには、自己分析をして、強みや弱みを明確にしたうえで参加しましょう。
インターンシップ参加の際は、「自分のこんな強みを発揮しよう」「この弱みを改善できるように取り組もう」などとテーマを決めることで、インターンシップから得られる学びが多くなります。自分なりのテーマや目標をインターンシップごとに設定しましょう。
自己分析を進める際は、自己分析ツールを使って客観的な視点を取り入れるのがおすすめです。例えば、無料で利用できるOfferBoxの適性診断「AnalyzeU+」では、詳細な診断結果をもとに強みと弱みを明らかにできます。
自己PRやガクチカで伝えるアピールポイント探しにも役立つため、自分の強みがよく分からない方はぜひ活用してみてください。
無料の自己分析ツール、適性診断AnalyzeU+で、企業も納得の自己PRをつくる方法
ビジネスマナーを知る
企業と直接交流できるインターンシップは、いち社会人として参加するイベントとも言えます。学生同士のコミュニケーションと同じ感覚で臨んでは失礼にあたるため、あらかじめビジネスマナーを勉強しておきましょう。
ビジネスマナーに関しては、書籍を購入する方法もありますが、Web上に掲載されている情報だけでも十分にポイントを押さえることができます。服装のマナーについては、予め準備しておくべきものもあるので、早めに確認しましょう。
就活のメールや服装、面接時のマナーについてはこちらの記事を参考にしてください。
就活メールの送り方|マナーや例文・テンプレを紹介
新卒の就活面接マナー|入退室から服装や持ち物、言葉遣いまで紹介
インターンシップの服装|パターン別に着こなし方を解説
サマーインターンシップに関する注意点

目的が曖昧なまま参加しない
就職活動において目的意識は非常に大切です。他の学生が参加しているからと、何となく参加するのではなく、明確な目的をもってサマーインターンシップに参加しましょう。
まず、インターンシップの選考段階で目的が曖昧なままだと、不合格になってしまう可能性が高いです。参加前に「なぜその企業のサマーインターンシップに参加するのか」を明確にしておきましょう。
仮に目的が曖昧なまま参加できたとしても、インターンシップで十分な学びが得られなくなります。また、選考直結型インターンシップの場合、「なんとなく」で参加した学生に企業は魅力を感じず、ネガティブな印象を与えてしまう可能性もあります。。
目的が明確であれば、ESや面接で伝える参加理由に説得力が生まれ、選考突破の可能性が高まります。
インターンシップの参加目的については、こちらの記事で解説しています。
インターンシップの目的とは?目的の決め方や重要性を解説
参加後のお礼メールを忘れない
インターンシップ参加後は、忘れずにお礼メールを送りましょう。
ただお礼を伝えるのではなく、インターンシップを通したことで学んだことを盛り込むことがポイントです。目的はあくまで感謝を伝えることですが、自分自身がインターンシップの学びを言語化する機会になりますし、場合によっては経験から学びを得る力をアピールできるかもしれません。
ただし、多数の学生に向けて短時間で開催される「セミナー型」のインターンシップでは、基本的にお礼メールは不要です。お礼メールを送った結果、かえって相手に負担をかけてしまうケースがあるため、インターンシップの種類に応じて柔軟に対処しましょう。
インターンシップ関連のメールの書き方とマナーは、こちらの記事を参考にしてください。
【例文付き】インターン参加前後に送るお礼メールの書き方とマナー
予定を詰めすぎない
張り切って日程を詰める学生が稀に見られますが、日程を詰めすぎると、各インターンシップの内容の振り返りをする余裕がなくなってしまいます。振り返りができないと、その後の就職活動にインターンシップでの経験を生かせず、「ただ参加しただけ」になってしまいがちです。
また、単純に忙しさで疲れてしまい、志望度の高い企業のインターンシップで全力を尽せなくなってしまうこともあります。。
事前選考のあるインターンシップの場合は、予定が詰まっていることで、面接日程を調整できない恐れもあります。
振り返りや、他の予定をいれるゆとりを持ちつつ、スケジュールを調整しましょう。
サマーインターンシップに関してよくある質問
最後に、サマーインターンシップに関するよくある質問にお答えします。参加社数の目安や給料の有無など、疑問に感じる点をしっかりと解消してから参加しましょう。
サマーインターンシップは参加するべき?
スケジュール上どうしても参加できないなら仕方ありませんが、そうでないなら基本的に参加しましょう。参加しないメリットよりも、参加するメリットのほうが遥かに多いためです。
特にサマーインターンシップは、選考に直結するものが多いインターンシップです。本選考を有利に進めるためにも、特別な事情がない限りは参加するようにしましょう。
サマーインターンシップは何社ぐらい参加すればいい?
理想は5~8社程度です。1つの企業に参加するだけでは情報の比較をできないため、なるべく多くの企業と接触し、魅力に感じた点や不満に感じた点を比べながら業界・企業研究を進めていくことをおすすめします。
ただし、多すぎて予定を詰めすぎないように注意してください。例えば、5社の長期インターンシップに参加するのはスケジュール的に厳しいため、長期インターンシップ1社、短期インターンシップ4社というようにバランスよく参加するのが大切です。
サマーインターンシップは給料が出るの?
セミナー型やプロジェクト型のような短期インターンシップは企業理解を目的にしているため、基本的に給料は出ません。ただし、実務型の長期インターンシップとなると、有給で実施されるケースが見られます。
より実際の業務に近い感覚で臨める、報酬ありのサマーインターンシップに参加したいのであれば、求人情報サイトで「報酬あり」「有給インターン」などと検索してみましょう。
ただ、報酬の有無でインターンシップを選ぶことはあまりおすすめしません。今得られる報酬よりも、インターンシップを通して得られる学びや成長のほうが将来的に価値が高くなることもあります。自分がインターンシップに参加する目的と照らし合わせてインターンシップを選びましょう。
まとめ
以上、サマーインターンシップの概要や参加のメリットを紹介しました。
多くの参加メリットがあるサマーインターンシップですが、目的が曖昧なまま参加しては、経験をうまく就職活動に活かせません。選考突破も難しくなるため、参加する場合は、その企業のサマーインターンシップを選んだ理由を明確にしておきましょう。
開催は大学3年生の8~9月頃ですが、情報公開や募集開始はその数ヶ月前の4~5月頃からスタートします。重要な情報を見落とさないために、サマーインターンシップに向けた準備は後回しにせず、早めに取りかかりましょう。