「自社に元々興味がなかった学生に入社していただいた」三菱自動車が語る、新卒ダイレクトリクルーティングの可能性
三菱自動車工業様~楠田祐の人事セントラル・ステーション~
事業を取り巻く環境変化が早い現代、「自社のブランドや製品、事業に興味がある人材」だけではなく、まったく異なる分野に興味を持つ人材を採用したいというニーズが高まっています。人材の多様性を確保しなければ、変わり続ける市場に対応できなくなってしまうからです。しかし、いわゆる就活人気企業と言われる大手企業や、事業のイメージが定着している老舗企業にとって、自分たちに興味がない学生を集めるのは意外と難しいもの。今回登場する三菱自動車工業様も、「自動車に興味がある人や、ゆかりがある人からしか応募がこない」という課題を抱えていました。
本記事では、新卒採用担当者向けPodcast番組『人事セントラル・ステーション』のvol.9「100年に一度の変革期。自動車産業における、攻めの採用とは?」の一部を抜粋・編集してお届けします。
『楠田祐の人事セントラル・ステーション~最新の人事情報プラットフォーム番組〜』について
vol.9「100年に一度の変革期。自動車産業における、攻めの採用とは?」ゲスト紹介
有吉晋作氏
三菱自動車工業株式会社 人事本部人事労政部マネージャー(新卒採用担当)
同志社大学心理学部卒業。幼少期よりラグビーと共に育ち、1996年に三菱自動車へ入社。購買部門でエンジン部品のバイヤー、生産部門で生産計画担当を経験した後、2012年より人事の京都地区研修担当へ。 2016年より採用担当マネージャーとして本社勤務。変革の最中にある自動車業界において、自ら変革を起こすイノベーション人材の採用に従事。
直木英訓
株式会社i-plug 取締役COO
2004年大学卒業後、株式会社インテリジェンスに入社。営業、企画、マネジメント業務や、新規事業の責任者を経験。i-plugでは主に営業領域を中心に、顧客への提供価値向上に務める。2016年グロービス経営大学院大学経営研究科経営専攻修了(MBA)
業界が大変革を迎える今、採用する人材も変化が求められていた
「今までだと、自動車業界に元から興味がある人、もしくは家族が自動車関連の仕事についているなど、何らかのゆかりがある人から応募が来るのを待って採用していました。いわゆる受け身の採用です。もちろん自動車が好きな方は、会社で活躍されている方が多いことも事実です。一方で、そうではない人、つまり自動車業界にまったく興味がないような人を、この変革期においては探す必要がありました。」(有吉さん)
業界が変化しているということは、今までの自動車の常識に縛られない人材が必要になるということ。自動車が好きな人や自動車関連の仕事が身近だった人ももちろん大切にしている人材ですが、同時に今までは自社に入社するはずがなかったような人にアプローチし、獲得していく重要性が高まっていました。そこで有吉さんは、以下の2つ施策に取り組みました。
1つ目は、「企業の採用ブランドを高めて、今まで自動車業界や三菱自動車にまったく興味が無かった人からも認知を獲得する施策」。そして2つ目は、「自動車業界に現時点は興味がない人に対する「攻めの採用」手法の実践です」。
新たな層にアプローチするために。「学生との接点を増やす」2つの施策
まず1つ目は「就活市場における企業の採用ブランドを高める」施策です。
「就活生からの人気を上げるためには、業界や企業ではなくまず『人』を見てもらうのがいいのではないかと。その先に、その人が働いている会社を見てもらおうと。私はずっと現場(製作所勤務)の社員でしたから、自社の人の温かみという部分はアピールできるポイントだと考えていました。そこで、学生と社員の接点を作る施策を強化して、人を通して企業を見てもらうようにしたんです」(有吉さん)
有吉さんが最初に取り組んだのは、リクルーターへの呼びかけと自社の魅力の整理、そして学生とつながる機会を増やすことでした。
まずリクルーターに対しては「自社の営業マンとして、会社の魅力を学生に伝える協力者になってほしい」と改めて伝えました。同時に、リクルーターに武器を渡すために、アピールするべき自社の魅力を整理。どの社員に聞いても「三菱自動車の魅力は○○です」というのがすぐに出てくるように、研修などで情報を伝えました。その上で出身大学、研究室への訪問機会を増やしたり、会社説明会や見学会・セミナーなどでも積極的に社員に前に出ていただいたり、対前年度比で約3倍、社員と学生の接点を増やしました。こうして「当社で働く人の魅力」を学生のみなさんに伝えていったのです。
2つ目の「自動車業界に興味がない人への攻めのアプローチ」については、ダイレクトリクルーティング型サービスを導入しました。
「採用のやり方を変えなければいけないと思っていろいろ勉強する中で出会ったのが『OfferBox』でした。このツールを使えば、今までアプローチできなかった層や、人気企業に流れていた層にもアプローチできるのではないか、と可能性を感じたんです」(有吉さん)
OfferBoxは、企業から学生にオファーを送る、新しい形の新卒採用サービスです。三菱自動車ではこういったサービスを利用した経験は無かったそうですが、有吉さんは「まずは3人採用してみよう」ということで、導入を決めたのです。
ダイレクトリクルーティングで、出会うはずが無かった学生にアプローチ
有吉さんが注目したのは、学生の「志望業界」です。希望業界の中に自動車業界が入っていない理系学生に狙いを定め、オファーを送りました。
「お会いした学生さんみんなに、『なぜ私にオファーしてくださったのですか?』と聞かれました(笑)それくらい、本来であれば当社と出会うはずが無かった方にアプローチできたということです。
お会いした学生さんには直接、『なぜあなたが必要なのか?』『具体的にどんなことができるのか?』を伝えました。その上で、より視点が近いリクルーターにつないで人の魅力をアピール。採用へつなげていきました」(有吉さん)
人の魅力と「攻めのアプローチ」で2019年卒の採用目標を達成!ダイレクトリクルーティングでこれまで17名を採用
結果として就任した年度には未達となっていた採用目標を次年度(2018年卒)では達成。特に「自動車業界に現時点興味を持っていない人へのダイレクトリクルーティング」の施策に関しては、初めてOfferBoxを導入した2018年卒から3名の採用に成功という結果に。2019年卒ではその数がさらに増加し、17名の採用に至りました。
「OfferBox経由で初めて採用した学生がすでに今入社してくれているのですが、『未だに私がこの会社に入っていることが不思議。こんな就職先は想像できませんでした』って言うんです。こういう人たちが、当社で自動車業界の変革の最前線に立って活躍してくれるのがすごく楽しみです」(有吉さん)
目標採用数を達成しただけでなく、必ずしも元から自動車に興味がない人、新たな視点で自動車の未来を描ける人を採用できたのは、大きな成果と言えるでしょう。
番組のホストである聞き手・楠田さんも、三菱自動車様のダイレクトリクルーティングに関する取り組みについて以下のように語りました。
「ダイレクトリクルーティングでこの会社に来るはずじゃなかった人材が入社して、イノベーションを起こす可能性っていうのは十分にある。学生さんが全部の企業や業界を知るなんて無理なわけだから、こんなふうに企業からアプローチをして学生さんに出会うのは面白いよね」(楠田さん)
番組の続きはこちらから聞くことができます。
<番組で聞けること>
・記事でご紹介した三菱自動車工業株式会社の採用課題、施策、成果の詳細
・今後の採用活動に向けたメッセージ
三菱自動車工業様が導入したダイレクトリクルーティングサービスの資料はこちらからダウンロードできます。
新卒採用向けダイレクトリクルーティング「OfferBox」資料ダウンロード
<資料でわかること>
・OfferBoxの仕組み
・利用企業、登録学生データ
・画面イメージ
・導入事例 等