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世間的に新卒に即戦力を求めるのはアリ?それともナシ?

上司から「即戦力となる新卒を採用してほしい」と指示を受けた採用担当者は、初の新卒採用に臨むにあたり「いったい、何からやればいいのか…」と頭を抱えてしまいました。果たして、即戦力としての新卒採用は有り得るのでしょうか。

そんな疑問を解決すべく、本稿では、新卒採用と中途採用における「採用」の定義から紐解き、新卒の「即戦力採用」をどのようにとらえたらよいかを解説します。
 

|新卒採用と中途採用の違いについて理解する

中途採用における「即戦力の採用」はごく一般的にいわれることなので違和感はありません。しかし、新卒で即戦力を採用するとなると違和感をもつ担当者もいらっしゃると思います。

本章では、原点に立ち返り、新卒採用・中途採用のそもそもの意味を解説します。
 

○そもそも「採用」とは

企業が人材を採用する目的は、次に挙げる4点に基づくものと考えられます。

  1. 人員補充:欠員や人員不足の穴を埋める採用
  2. 成長継続・事業継承:事業の成長維持、後継者の育成
  3. 新規事業展開:新たな発想を取り入れ新事業を展開する
  4. 現在の課題解決:現在起こっている課題を解決する

「採用」とは、企業の課題解決、目標達成、将来を担うため必要な人材に入社してもらうことであり、ある時点で不足している、または将来のある時点で必要になると予想される人材を確保することであると定義づけられます。
 

○新卒採用と中途採用の違い

 
①新卒採用
一般的に、終身雇用を前提に将来的に必要とされる人材を採用することが多いです。
社会人未経験の学生を4月に一括採用し、入社後に将来的な活躍を期すため教育・研修を行い、長い目で見て会社に貢献する人材を育てていきます。

また、企業の多くはジョブローテーションでさまざまな業務を経験させてゼネラリストを育成していきます。採用時には、価値観や社会適合(適応)性、主体性、行動力などの潜在的な能力を重視するポテンシャル採用が行われます。
 
②中途採用
現状の業務遂行に必要なスキルを持った人材を採用します。他社で経験した業務知識・知見や習得したスキルを採用後すぐに発揮し、会社に貢献できる人材を採用します。
採用時には、当然のことながら、いま会社に不足している技術・知識・資格などを持ち合わせていることが求められます。

新卒採用と中途採用との違いを目的から比較すると、「どの時点で活躍するか」という活躍を期待する時間軸の違いにあるといえます。
 

|人材要件から考える『即戦力となる人材』とは。

企業が求める「即戦力」となる人材とは、どのような人なのでしょうか。漢字をそのままの意味に分解すると、「即座に戦う力」となり、その力(スキル=知識・技術)を持つ人が即戦力となる人材だといえます。

つまり、業務に対する専門知識や技術、経験を持ち、特別な教育や研修をしなくても入社後すぐに現場で能力を発揮できる人材と言い換えることができます。

即戦力となる人材の要件をまとめると、次の4つが挙げられます。

  1. 専門的な分野におけるスキル(知識・技術)がある・資格を持っている
  2. 実務経験=実際にその業務を経験したことがある
  3. コミュニケーション力=基本的な人間力がある
  4. 適応・適合力=柔軟性を持つ

専門的なスキルを持ち、その分野の実務経験があることが必要最低限の要件といえます。さらに認定資格も持ち合わせていれば、現場での物理的な業務処理に何の問題もありません。

しかし、それだけでは即戦力としてパーフェクトとは言い難いところもあります。会社にはその会社特有の社風があり、以前から勤務している従業員もいます。さらに、中途採用の場合、同じ仕事でも前職で通してきた進め方と異なる作法で仕事を進めていることも考えられます。

そこで必要なのは、周りの従業員と連携し、スムーズに仕事を進められるコミュニケーション力をもつことです。また、社風や新たな仕事の進め方に適応・適合できる能力、基本的な人間力を持っていることも重要な要件となります。
 

|新卒採用で即戦力を求める3つのパターン

新卒に即戦力を求めるケースは、主に次の3つのパターンが考えられます。
 

1.専門性の高いスキルを新卒にも要求する場合

ITエンジニア、データアナリスト、デザイナーなど、職務を遂行するのに必要なスキルがあれば、新卒でも即戦力に成り得ます。情報処理系やデザイン系など専門学部・学科の卒業生、および大学院修了の学生なら、在学中に専門スキルを習得済みであり、入社後すぐに能力を発揮する可能性があります。

在学中から業務に関連したアルバイトをしていれば、実務も経験していることになります。職種別採用でスペシャリストとして採用している企業もあります。
 

2.一定水準の即戦力(性)を求めている場合

急成長中のベンチャー企業に見られるケースです。事業の拡大に人員数や教育体制などの仕組み構築が追い付かない状況にあり、新卒でもすぐにコアメンバーとしての活躍を期待します。

しかし、教育体制などが整っていない場合、新卒社員は放任(放置)状態で仕事を覚えたり、進めたりするほかありません。成長機会は多いものの、うまく流れに乗れなかった場合、早期退職の危険性もあります。

採用では、学生時代の起業経験やアルバイト、部活・サークルでの人間力・社会順応力形成、類似業務の経験の有無などがポイントとなります。
 

3.新卒も中途も分け隔てなく、即戦力を前提とした採用

外資系に見られるケースです。採用は人材投資であり、成果主義に基づき、いかに短期的に成果を上げられる人材を採用するかが目的となります。将来を見据えて新卒を採用する意識はなく、新卒でも中途でも即戦力とみなしています。

グローバルな事業展開を推進する企業ならば、バイリンガル・トライリンガルといった語学力に秀でた学生は新卒でも即戦力と成り得る可能性があります。

上記のように、新卒でも即戦力に成り得るのかは、企業が即戦力をどう定義しているかによるため、一概に成否で決めつけることはできません。企業の置かれた状況・環境、経営方針などで新卒を即戦力として活かせるかどうかが決まってくるといえます。
 

|まとめ

「即戦力としての新卒採用は有り得るのか」という論点で、本稿では、新卒採用と中途採用の違いや定義、即戦力の定義、即戦力としての新卒について述べてきました。

即戦力という意味で言えば、スキル(知識・技術)を持ち、実務経験のある人材を採用する中途採用が有利ですが、特殊な分野や職種なら新卒でも即戦力と成り得る場合もあるということがお分かりいただけたと思います。

新卒に即戦力を期待するかは、企業の置かれた状況・環境、経営者の考え方などでどちらにシフトしても間違いではありません。本稿をヒントに、会社の成長にアクセルを踏む即戦力人材が採用できることを願っています。


2021年3月8日公開