新卒採用サイト作成のポイントは?載せるべきコンテンツ例9選
毎年様々なデザインや工夫を凝らした新卒の採用サイトがオープンされています。採用サイトは応募数を稼ぐことだけが目的ではなく、企業認知度のアップやブランディングなどにも活かすことができます。
今回は、自社のイメージを学生に伝えるために盛り込むべきコンテンツや、採用サイト周りのトレンドをご紹介します。失敗しない新卒採用サイト制作のために、しっかりリサーチをしていきましょう。
また、人事担当者の方向けに、「2024卒の採用市場から学ぶ!Z世代×新卒採用」という資料をご用意しました。ぜひダウンロードして、採用サイトコンテンツのプランニングの際にご活用ください。
目次
失敗しない新卒採用サイトのために最初に決めること
企業研究や応募するかの判断材料として、企業の採用サイトは学生の重要な情報源です。
採用サイトは企業が載せたいものを載せるのではなく、採用ターゲットである学生が見たい・知りたいものを適切に掲載しなければなりません。採用サイト作りに失敗しないために、最初に決めるべき3つの項目について解説します。
採用サイトを作る目的
始めに、採用サイトで何を達成したいのか、採用サイトの目的を設定しましょう。目的として次の項目が挙げられます。
- 自社の認知度を高める
- 企業理念をアピールする
- ○○な学生からエントリーをもらう
- 自社サイトからの応募率を~%アップする
制作の目的を決めることで採用サイトの方向性が定まり、デザインやコンテンツなどもイメージしやすくなります。
集めたいターゲット
次に自社の採用ターゲットが誰なのかを明確にしましょう。「誰でもいいから人が欲しい」「すべての学生に気に入ってもらいたい・アプローチしたい」と考えるのはおすすめできません。ターゲットが「誰でもいい」では、誰の心にも刺さりませんし、すべての人に好感を持ってもらうサイトを作ることも現実的に不可能です。
特に見て欲しい学生を絞り込んで、ターゲット層を明確化し、そのターゲットがどのようなコンテンツやデザインを好むのかを意識して採用サイトを作ることが大切です。
伝えたいメッセージ
採用サイトを作る目的とターゲット層を決めたら、「何を伝えるか」メッセージを決めましょう。企業理念やビジョンなどを伝えるのか、働きやすさや社風をメインメッセージとして伝えるか、相手に1番届けたい内容は何か決めていきます。伝えたいメッセージは文章ではなく、キーワードやキャッチフレーズで決めるのも良いでしょう。
採用サイトを作っていくと、どうしても「これも載せたい」「こんなメッセージも詰め込みたい」と後から増えていくものです。「何を伝えるか」を事前に定めておくことで、採用サイト作りの軸がぶれにくくなるでしょう。
迷ったらコレ!絶対に入れるべき新卒採用サイトの基本コンテンツ
株式会社リクルートキャリアが実施した「就職白書2018」の調査で、就活生が知りたい情報としてランクインしたものが下記の項目です。
就活生が知りたいと思っていたもの
- 経営方針・事業戦略 56.9%
- 勤務地 49.8%
- 具体的な仕事内容 48%
- 社風・企業文化 47%
- 初任給 47%
この調査から就活生は会社の基本情報や、会社の雰囲気など実際に働くときのイメージがつかめるコンテンツに興味を持っていることがわかります。新卒採用サイトのコンテンツに入れておくべき情報とポイントをご紹介します。
会社概要
会社概要は企業の最も基本的な情報です。会社概要ページでは、事業内容や拠点など基本情報を端的に伝え、会社の全体像をつかめるような作りにすることが大切です。会社概要ページに載せておきたい項目を紹介します。
- 社名(振り仮名・英語表記付)
- 代表者名(代表挨拶を載せても良い)
- 本社所在地、各拠点の住所
- 創業年度
- 企業の沿革(歴史の長い企業は別ページに記載すると良い)
- 資本金
- 事業内容(詳細は別ページにて紹介)
- 主要取引先
- 従業員数
面接地や勤務地となるオフィスへのアクセス情報は、Googleマップとリンクさせたり、駅からの道順を載せると親切でしょう。
ミッション・ビジョン・バリュー
企業ミッションやビジョン、バリューは、企業が存続している理由や大切にしているものを指す言葉です。クレドや行動指針、事業方針といった名前で掲げている場合もあります。企業の価値観や理念に共感してくれる人材を採用するために、主要コンテンツとして掲載をしましょう。
なお、応募先の経営方針や事業戦略を知りたいと考える学生は非常に多いため、ミッションやビジョンとともに、事業の方針などを合わせて掲載するのも効果的です。
職種ごとの募集要項
複数の職種を募集している企業は、それぞれの募集要項を掲載しましょう。載せるべき情報は次の項目です。
- 募集をしている職種の業務内容
- 社内での役割など
- 給与
- 職種ごとの社員同士の雰囲気
職種ごとにページを独立させて制作することで、検索エンジンからの評価も上がりやすくなります。また、学生が知りたい情報の第5位は「初任給」となっているため、職種ごとの基本給や手当など、給与詳細は必ず載せるようにしましょう。また、仕事の1日の流れを載せると、働くイメージが湧きやすいのでおすすめです。
社員紹介
社員インタビューや、社員紹介のコンテンツを載せることで、働くイメージを具体的に届けることができます。写真や動画を活用して社員の表情や雰囲気が伝わりやすくなるよう工夫しましょう。
社員紹介のコンテンツを作るときは、次のような切り口で話を引き出すことをおすすめします。
- 社員同士をで紹介しあう
- 社員の意見や仕事への考え方を話してもらう
- 仕事のやりがいや大変な面を語ってもらう
- 他の会社ではなく自社を選んだ理由を深掘りする
学生が知りたい情報ランキングの第4位に「社風・企業文化」がランクインしています。社員紹介の中で、「社風や企業文化」を色濃く伝えるよう意識していきましょう。
選考の流れ
選考の流れは就活を進める上で就活生が把握しておきたい情報の1つです。
- 選考フロー(オンラインかオフラインか)
- ESの締切
- 詳細な応募方法
スマートフォンやタブレットを日常的に使いこなす世代に対して、選考書類を郵送させる手法はあまりおすすめできません。選考フローの中で、Webで完結できるものはなるべくWebで実施すると良いでしょう。
また、募集要項まとまっているのに応募ボタンがなかったり、応募後の流れを書いていない採用サイトが意外と多いです。せっかく応募意欲が高まっていても、選考の案内が不十分だったり、応募ボタンが分かりづらかったりするせいで離脱されるリスクもあるため注意が必要です。
一目置かれるために入れたいコンテンツ
新卒の採用サイトに入れるべき基本項目についてご紹介しました。ここからは、更に魅力的な採用サイトを作るため、プラスアルファで掲載したいコンテンツについて解説します。
プラスアルファで盛り込みたいコンテンツ例
- メッセージ
- 社員紹介
- キャリアパス
- 研修・福利厚生
- よくある質問
- SNS
- インフォグラフィック
- 動画
企業からのメッセージや社員の声、研修内容などを掲載する企業は多いでしょう。より他社との差別化を図りたいのであれば、動画やインフォグラフィック、SNSの活用にも力を入れていくことがポイントです。「他社とは違うな」と学生に印象付けられるコンテンツを説明します。
SNSや動画
新型コロナウイルスの影響でオンラインでの採用活動が活発化する中で、多くの企業がSNSアカウントを立ち上げています。また、5G(第5世代移動通信システム)の到来で通信速度が高速化し、高解像度な動画がスマートフォンで手軽に視聴できるようになりました。これらの背景から、今後もSNSを駆使したオンラインコミュニケーションや、動画を用いた採用コンテンツが必要不可欠となるでしょう。
SNS運用や動画制作には専門知識が必要となります。無理に自社で対応せずに、SNSやデジタルマーケティングを得意とする会社、動画コンテンツの制作会社などを頼るとスムーズでしょう。
評価制度・キャリアパス
入社後のキャリアパスや、評価制度について関心を持つ学生は多いです。どのような評価をもらえばいくら給与が上がるのかなど、金銭的な情報を公開することで、オープンで信頼できる社風をアピールできます。複数のキャリアパスをあらかじめ示すことで、入社後どのような道すじで成長していけるのかイメージを持ってもらいやすくなります。
研修制度
新入社員向けの研修制度や、新卒フォローアップ研修、既存社員に対する研修制度などの情報を載せることも重要です。いたって普通の研修内容だとしても、研修制度があると伝えることに意味があります。入社した後も放置せず、継続的に学べる環境がある点をアピールすると良いでしょう。
福利厚生
就活生が企業を選ぶときの参考にしているものの1つが福利厚生です。とくに最近では、テレワークに対する支援や子育て・介護世帯への福利厚生に力を入れる企業が目立ちます。会社独自の福利厚生制度を伝えて、ブランディング強化につなげていきましょう。
- 働き方を支援する福利厚生はあるか
- 昨今注目度が高い、副業やテレワーク、育児中の社員に対する福利厚生はあるか
- 会社独自の福利厚生制度やあるか(満足度の高いものかなど)
また、福利厚生制度を列挙するだけでなく、実際の取得率を記載すると、より信憑性が高まります。有給の消化率や育児休業の取得者数などのデータを入れておくと良いでしょう。
新卒採用サイトのトレンドとは?
先ほどご紹介した、動画やSNSは採用サイトのトレンドの1つです。採用サイトのデザイン面でのトレンドとしては、スクロールエフェクトやファーストビューデザインが挙げられます。
スクロールエフェクト
スクロールするとページ内のコンテンツが変わり、サイトを見ているユーザーの興味を引くことができます。スクロールによって背景のみが動く仕様にすれば、テキストを読み疲れてしまう採用サイトの印象を変えることが可能です。
コンテンツファーストビュー
コンテンツがすぐ視界に入るようにデザインして画面内に収めることで、サイトの訪問者が情報を取りこぼすのを防ぐ手法です。サイトのデザイン次第では会社のオリジナリティを大胆にアピールできるでしょう。
その他にも、インフォグラフィックや数字を使って、視覚的にメッセージを伝える手法もトレンドとなっています。例えば産休・育休の数や業績、社員数などをインフォグラフィックで表現する企業が多いです。
新卒採用サイトの制作ポイント
新卒の採用サイトを制作するときは、①伝えたいことよりも相手が読みたい情報を意識すること、②応募ボタンをわかりやすいデザインにすること、③画像や動画の質にこだわることの3つが大きなポイントとなります。
企業が伝えたいことではなく、学生の「知りたい」を解決するのが採用サイトの役割という視点を忘れず、制作を進めていきましょう。
伝えたいことよりも相手が読みたい情報
新卒向けの採用サイトで「このメッセージを伝えたい!」「こんな理念をアピールしたい」と企業目線で一方的にアピールしてしまわないよう注意が必要です。繰り返しになりますが、採用サイトの目的は、採用ターゲットに適したメッセージを届けることや、狙ったターゲットからの応募を集めることにあります。読み手目線を忘れず、制作目的からずれないよう意識してください。
応募ボタンはわかりやすいデザインで
応募ボタンはすぐに見つけられる場所に配置し、クリックしやすいデザインを意識して制作しましょう。せっかく採用サイトで学生の動機づけができても、応募ボタンがわかりづらい位置にあったり、目立たなかったりするのは勿体ないです。応募ボタンを探しているわずかな時間でモチベーションが下がり、採用サイトから離脱される可能性もあります。
応募者を取りこぼしてしまわないように、応募フローは見やすく、応募ボタンはわかりやすいデザインにするよう心掛けましょう。
画像や動画の質にこだわる
Instagram、TikTok、ライブ配信アプリ、YouTubeなど、クリエイティブなコンテンツに触れている世代を意識して、良質なコンテンツ制作を意識してください。画質の悪い画像や、スマートフォンで見づらい動画を載せてしまうと、ITリテラシーの低さを疑われてしまう場合もあるでしょう。「デジタルネイティブである就活性世代」の視点を持ち、画像や動画のクオリティにこだわることが重要です。
まとめ
新卒の採用サイトを作るときは、事前に採用サイトの目的やターゲットを決めましょう。トレンドに左右されすぎたり、自分たちのメッセージの押し付けになったりするなど、読み手を意識していない採用サイトは期待した効果が得られません。
また、すべての学生に好かれようと採用ターゲットを広げ過ぎないことも重要なポイントです。採用サイトの基本的なコンテンツや制作のポイントを踏まえ、新卒の採用活動を進めましょう。
最後に、人事担当者の方向けに「2024卒の採用市場から学ぶ!Z世代×新卒採用」という資料をご用意しました。市場動向を押さえた上で、採用戦略に重要な3つの観点をくわしくご紹介しています。ぜひダウンロードして、採用サイトのコンテンツ設計にご活用ください。