アルムナイ制度で退職者を戦力化!メリットと導入ポイント

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「アルムナイ制度を使って元同僚とやり取りをしていたので、復職してからスムーズに仕事を再開できました」
「今でも退職した会社に愛着があるのは、アルムナイ制度の影響があるかもしれません」

こんな会話で「アルムナイ」という言葉を知った方も多いのではないでしょうか。

新しい人材開発手法のひとつとして注目されている「アルムナイ制度」についての基本知識から活用事例までくわしくご紹介します。

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退職者を再雇用!アルムナイとは?

退職者を再雇用!アルムナイとは?

まずは人事・採用・人材開発関連用語としての「アルムナイ」基礎知識を確認しましょう。

アルムナイの語源

アルムナイとは、「卒業生・同窓生・校友」といった意味を持つ英語「alumnus」の複数形「alumni」が語源です。和製英語の「OB/OG」という言葉に近いニュアンスになります。

アルムナイ制度とは

退職者を「会社を卒業した同窓生」のようにとらえ、退職後もゆるやかなつながりを持てる仕組みが「アルムナイ制度」です。「アラムナイ」と表記することもあります。

アルムナイ制度はもともと、欧米企業で長く活用されてきた仕組みです。例えば、世界4大監査法人の一角であるKPMGのコーポレートサイトには、TOPページに「Contact Alumni」というアルムナイ専用ページがリンクされていて、現役構成員・卒業生双方がアクセスできるようになっています。

欧米の就業者の多くは日本と異なり、終身雇用を前提とした働き方ではなく、キャリア構築を求めて仕事を移ります。その中で再び同じ会社に戻ることも珍しいことではありません

また、欧米では、大学オリジナルアイテムを身に付けて卒業後も出身大学を自身のアイデンティティーとして誇る文化があります。「同じ組織に属していたことをアイデンティティーとして誇り、そのつながりを大切にする」という文化が背景にあると考えてもよいでしょう。

ジョブ・リターン制度との違い

アルムナイ制度に似た日本の人事制度に「ジョブ・リターン制度」があります。一度退職した人を対象にした再雇用の仕組みがあるという点は共通していますが、大きな違いがあるのです。

それは「ジョブ・リターン制度」は出産・転勤・介護など、就業を続けることが困難なライフイベントのために退職を選んだ元社員を対象にしているという点です。

一方、アルムナイ制度は必ずしも「再雇用」だけを目的にしているものではなく、またその制度を利用する理由も問いません。

アルムナイ制度が注目されている理由

今、日本企業がアルムナイ制度に注目している理由は大きく分けると3つあります。

  • 「終身雇用制度の崩壊」によって転職することが一般的となり、キャリアアップの機会を求めて職場を変えることをプラスにとらえる見方が浸透してきた
  • 「人材不足の切り札」として、これまで目を向けてこなかった「転職マーケット」として注目されている
  • 「会社・業務を良く知っている」という本当の意味での即戦力であることを期待している

外資系などの転職経験者が増え、一度退職した会社に再び入社することへの抵抗感が低い人が増えてきたという転職者側の環境変化も後押ししていることもあり、アルムナイ制度は、採用活動・人材活用の課題解決策として期待されています。

アルムナイ制度のメリット

採用活動・人材活用の課題解決策として期待されているアルムナイ制度を実際に導入している企業が評価するメリットを5つご紹介します。

しかも、これらのメリットは企業規模や業界・職種を問わずどのような組織でも効果を期待できるものばかりです。

採用チャネルとして高い有効性

経験や知識を必要とする中途採用の場合、どれだけたくさんの数が集まっても、募集要件を満たさない経歴の応募者では採用に至りません。退職者であれば、当然自社の業務経験があり、要件を満たす方が多い母集団が形成されています。

自社での業務経験に加えて、新しい業界経験や転職先で早くから経験できたマネジメント経験など、新卒一括採用者だけでは得られない経験・知識に期待ができます。

現社員のモチベーションアップ

将来のキャリアステップにさまざまな選択肢があること、それを会社がバックアップする体制を整えていることは、現社員にとってのモチベーションアップにつながります。

転職だけでなく、独立・起業といった選択肢を選び、それぞれの道で活躍している卒業生の「キャリアの選択肢」を参考にできる貴重な機会となるからです。

キャリアパスの提示の一手法であるともいえるでしょう。

企業ブランド力アップ

アルムナイ制度は、日本企業の中ではまだまだ取り入れている企業が少ない制度です。先進的な取り組みをしていること自体が企業ブランド力アップに貢献します。

特に「社員の挑戦を後押しする会社」「その組織の一員であることに誇りを持てる会社」として、新卒採用広報によい影響が期待できるでしょう。

採用コストの削減

不特定多数に情報提供が必要な採用広報媒体の利用、高額な成功報酬が必要な人材紹介の利用などと異なり、アルムナイ制度は採用コストを抑えることができます。

過去の退職者同士、また現社員との個人的なつながりで地道な口コミが期待できること、いったん運用をはじめれば、在職時・離職時ともに情報提供の機会があること、膨大な件数のデータ管理の必要がないため、管理システム構築も比較的安価であることも理由のひとつです。

人的ネットワークの構築、経営資源としての活用

退職者とつながりを持ち、交流の機会を設けることで、各方面でキャリアを築く卒業生たちとの情報交換ができます。

自社の事業と卒業者の関わる事業とのマッチングなど、単なる情報収集以上の成果につながるケースもあります。自社のサービスを良く知る、いわば「社外営業担当」としての役割です。

他にも、自社商品やサービスに、外部の目線と内部の目線両方を兼ね備えた参考意見を求めるといった活用、自社への転職希望者を紹介してもらうといった活用も期待できるでしょう。

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アルムナイ制度導入のポイント

アルムナイ制度導入のポイント

メリットがたくさんあるアルムナイ制度ですが、導入にあたって気を付けるべきポイントが2つあります。

  • アルムナイの受け入れ体制の整備
  • キャリアの出口戦略(イグジットマネジメント)

それぞれのポイントについてくわしく見ていきましょう。

アルムナイの受け入れ体制の整備

「終身雇用」を前提として入社した社員の中には、会社が終身雇用を前提としない制度設計をすることやアルムナイで受け入れる元社員に心象が良くない人が出る可能性があります。

「卒業生に向けた施策だから」と現社員に周知しないまま制度をはじめることはおすすめできません。まずは現社員へ丁寧な事前周知、場合によっては個別に面談などを行い、導入前の対話を心がけましょう。

キャリアの出口戦略(イグジットマネジメント)

卒業者の中には、会社に対してよい印象を持てずに退職する方が出る可能性があります。当然のことながら、退職にあたって会社に少しでもよい印象を持っていないと、再度戻ってくることはありません。それだけでなく、アルムナイとしてのメンバー登録や交流も期待できません。

また「退職者は会社を裏切った人」という意識で接することがあれば、在職中に円満に勤務していても、その後の印象が悪くなってしまいます。

社員が辞めるときには、キャリアステップの選択を応援し、快く送り出すことが、大切です。自社で無理やり抱え込もうとするよりも、将来的なリターンが期待できるでしょう。

実例紹介!アルムナイ制度を活用している企業

最後に、日本国内でアルムナイ制度をいち早く導入している企業の実例をご紹介します。

未登録の卒業者へ呼びかけるメッセージや、退職後に発信するコンテンツ例は、アルムナイ制度設計の参考になります。

アクセンチュア株式会社

世界最大規模を誇る経営コンサルティングファームの日本法人、アクセンチュア株式会社には「アクセンチュア・アルムナイ・ネットワーク」というタイトルのアルムナイサイトがあります。

このアルムナイネットワークは、日本法人だけでなく世界のアクセンチュア、25万人以上のアルムナイが在籍しています。世界50か国・年間150以上のイベントが催されるなど、大きなネットワークです。

サイトトップにあるメッセージをご紹介します。「仲間」という、アルムナイとしての一体感を強く感じる言葉で呼びかけているのが印象的です。

ひとときでもアクセンチュアの“仲間”だった人は、いつまでも仲間であり続けます。それがアクセンチュアの思想です。 たとえ新天地へ出発したとしても、アクセンチュアはその元社員とのつながりを大切にし、新しい関係性の中で社会に届けうる価値を見つけ、共に築いています。

https://www.accenture.com/jp-ja/careers/explore-careers/area-of-interest/alumni-careers

先ほどご紹介したとおり、アルムナイは欧米の企業からはじまった制度です。外資系企業日本法人では多数のケースを見つけることができます。

株式会社電通

会社主導の公式アルムナイ制度以前に、退職した社員が自主的に組織したアルムナイグループからはじまった事例もあります。

電通が会社としてアルムナイを運用しはじめたのは2019年10月31日~ですが、会社が把握しているケースで2014年ごろから、まだ日本に「アルムナイ」という仕組みがほとんど知られていなかった環境で「ex-dentsu」という名前の退職者ネットワークが自主的に構築され、OBが口コミで参加してきたという経緯があります。

公式としては運用がはじまったばかりであり、卒業者向けページも企業公式ホームページにはリンクされていませんが、メンバー登録サイトが用意されています

参考:「電通アルムナイメンバー登録ページ」

株式会社スープストックトーキョー

アルムナイは正社員だけを対象にしたものではありません。社員184名・アルバイト約1,529名(2018年3月時点)が働く株式会社スープストックトーキョーでは、アルムナイという言葉こそ使っていませんが、全メンバーを対象にした同様の仕組みを作っています。

それが「バーチャル社員証」の提供です。この社員証を持つことで、退職された方も働いているメンバーと同じ各種社員割引が適用され、さらに、「ウェルカムバック権」として、ライフステージが変化した際に再び入社できる制度も用意されています。

アルムナイ制度で優秀な即戦力の雇用が可能に

アルムナイ制度で優秀な即戦力の雇用が可能に

アルムナイ制度は、業務を良く知る優秀な即戦力を、コストを抑えつつ採用できる手段のひとつです。採用チャネルに取り入れていくことで、人材採用により厚みを増すことができます。

単に「応募の窓口をひとつ増やす」という意識ではなく、アルムナイのさまざまなメリットである「企業ブランド力アップ」「従業員満足度の向上」「ビジネスでの貴重な情報収集」に貢献する制度として、アルムナイ制度を捉えてみてはいかがでしょうか。

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人事ZINE 編集部

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人事・採用担当者の悩みに寄り添うメディア「人事ZINE」の編集部です。 新卒採用オファー型サイト「OfferBox(オファーボックス)」を提供する株式会社i-plugが運営しています。