新入社員研修の目的とは?目的設定のポイント4つと研修内容の例を解説

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新入社員研修をする前に、研修目的が明確となっているでしょうか。初めて新入社員研修をする担当者は、どこから手をつけたらいいか悩んでいるかもしれません。

新入社員研修の目的は大きく分けて3つあり、研修方法も講義形式やグループワークなどさまざまです。

この記事では研修を担当する人に対して、新入社員研修の目的とあわせて目的を決めるときのポイントや代表的な研修内容・費用について解説します。

新入社員研修の目的を整理した上で、自社はどこに重きを置いて研修を行うか検討してみてください。

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新入社員研修とは

新入社員研修とは

新入社員研修とは、新入社員に対し仕事をする際に必要となる心構えやビジネスマナー、スキル、知識などを指導・教育する研修のことです。実施時期は入社した直後が一般的ですが、入社前の3月からスタートする会社もあります。

研修形態は主に次の3つに分けられます。

講義
講師が前に出て話し、大勢の新入社員は座って聴くスタイルです。多くの人が一度にまとめて受講できる反面、参加者が積極的に発言などをしにくい点がデメリットになります。

グループワーク
少人数でグループを作り、課題に取り組む方法です。連帯感が生まれやすく、社員同士のチームワーク力強化が期待できます。グループワークのテーマ決めや当日の進行にやや手間がかかる点がデメリットです。

ロールプレイング
仕事で起こりうる場面を設定し、新入社員に役割を振り疑似体験をしてもらう形態で、実際の仕事現場で活用しやすく、ビジネスマナーも身につけられます。複数回同じメンバー、同じテーマでロールプレイングを行うと、緊張感が無くなり効果が薄れる場合もあります。

新入社員フォローアップ研修との違い

新入社員研修と似ているものに、新入社員フォローアップ研修があります。

新入社員フォローアップ研修は、新入社員研修が終了したあとに研修の振り返りを行い、新入社員研修で学んだ知識の定着を目指すための研修です。新入社員研修の問題点や改善点を洗い出して、理解が足りなかった部分を学び直し、より実践的な業務スキルを身につけます。

フォローアップ研修を繰り返しPDCAを回せば社員の成長を促し、業務の効率化につながります。

新入社員研修の目的

新入社員研修の目的

新入社員研修の目的は大きく分けて3つです。まずは学生からの社会人として働くための意識を変えること、次に業務に関する基礎知識とスキルの習得(インプットなど)、そして最後に業界や企業ならではのルールを理解することです。

新入社員は社会人として初めて仕事をするため、社会人の一般常識やビジネスの基礎知識を会得していません。新入社員研修を通してあらかじめベースを築き、業務に取り組んでいけるよう指導をしていきます。

次に、新入社員研修の目的を1つずつ確認していきましょう。

①社会人への意識改革

学生時代にアルバイトをしている人は多いですが、本格的にフルタイムで働くことは初めての人が大多数を占めます。そのため、入社した直後は学生と社会人の違いを明確に伝え、気持ちの切り替えを行うことが重要です。

社会人は学生のアルバイトよりも大きな責任を負います。業務や関わる人の好き嫌いにとらわれることなく、長く向き合っていかなくてはなりません。また業務遂行にあたってはスケジュール管理も自分で行うことになるでしょう。

社会人になってからも学生気分でいては、業務に支障をきたします。新入社員研修を実施することで、学生から社会人になったと自覚させ、意識の切り替えを円滑に進める効果が期待できます。

②ビジネスマナーや基本スキルの習得

新入社員研修の2つ目の目的は、基礎的な知識やスキルや社会人として知っておきたいマナー、採用された職種に特化した知識やスキルの習得です。

社会人として求められる一般的な知識・スキルに加え、職種に応じた知識とスキルを新入社員研修で指導し、自社の社員としてふさわしい人材の育成を目指します。ここでは基本的なマナーや職種によって異なるスキルについてまとめました。

ビジネスマナー

ビジネスマナーとして代表的なものは、座席に座る順番(席次)、名刺交換の仕方、電話の取り方、服装、挨拶、言葉遣いなどです。

座席はタクシーや食事の席など役職に応じて座る場所が決まっています。学生時代は、誰がどこに座るかなど気にする機会があまりないですが、社会人になると取引先や顧客と同席する機会が増えていきます。会食をする機会が多い職種人は必ず知っておかなければいけない最低限の知識です。上座・下座が決まっているので、シチュエーションに応じて座れるよう、研修で伝えましょう。

名刺交換や電話応対などは、ロールプレイング方式で行うのが有効です。ロールプレイングであれば自分や他の同期社員の改善点が見つけやすく、場数を踏むことができるため本番で活かしやすいメリットがあります。

ビジネス基礎スキル

ビジネスの基礎的なスキルとして、代表的なものを以下にまとめました。

  • 報連相スキル
  • コミュニケーションスキル
  • プレゼンスキル
  • OAスキル
  • ビジネス文書

業務はチームや周囲と連携して行うものです。通常の仕事だけでなくプロジェクトの遂行にあたり、報告・連絡・相談といった密なコミュニケーションが円滑に取る力は必要不可欠でしょう。また、ExcelやWordをはじめとしたMicrosoftのツールを使いこなすスキルや、メールの文書をマナーに沿って作成するスキルや文章力なども社員一人ひとりに求められます。学生の段階では身につける機会が少ないスキルを、新入社員研修で本格的に習得できるよう指導をします。

職種に必要なスキルや知識

職種によって身につけておくべき力や専門知識を教育するのも、新入社員研修の目的です。たとえばエンジニアであればシステム開発、ネットワークやWebサーバーの構築、セキュリティ対策といった基礎知識の教育を研修に取り入れます。また、営業職であれば、営業としてのテレアポや飛び込み研修など、土台となる知識やスキルを習得するカリキュラムを組み、実務の前に最低限のビジネススキルの習得を促します。

大学生の内に専門知識を学んでいない学生もいるでしょう。そのような学生でも実際の業務に問題なく遂行できるよう、新入社員研修で教育と育成をしていくことが大切です。

③企業ルールや社風の理解

新入社員研修の3つ目の目的は、業界や企業の成り立ちについて新入社員に知見を深めてもらうことです。4月から入社する企業については就活の段階で一定の情報を得ているかもしれません。しかし、業界や企業の歴史、事業内容の理解、コンプライアンスは実務に就くまではわかりにくいものです。新入社員研修で理解を深めるものとして、次に掲げる3つが一般的でしょう。

社内ルール

会社ごとに独自の社内ルールが存在します。たとえば経費精算の仕方、休みの日の連絡方法、有給休暇を取得する流れ、社内のポータルサイト(社内情報を共有しているサイト)の見方、社内システムの使用方法(タイムカードや業務連絡ツールなど)と多岐にわたります。

社内ルールはビジネスマナーとは異なり、事前に習得することができません。社内ルールを知らないと先輩や上司と密なコミュニケーションが取れず、新入社員が孤立してしまう恐れもあります。このような些細なズレは新入社員の精神的な負担になるでしょう。社内ルールを新入社員研修であらかじめ周知・指導することは、新入社員が入社してから順調なスタートを切る上で大切なポイントです。

社内風土や人

新入社員研修は会社の歴史、社内にどんな人が在籍しているかなど、人に慣れてもらうための研修でもあります。入社したばかりの頃は先輩社員や上司だけではなく、同期との人間関係を構築していかなければなりません。社員同士が強い結びつきを持ち、相談できる環境作りやフォローしあえる関係が築ければ、離職率を低下させることにつながるでしょう。

新入社員や先輩、上司とお互いが自己紹介をしあったり、先輩社員にインタビューしたり、グループワーク形式のものを研修カリキュラムに組み込むのがおすすめです。相互理解を深め、入社してすぐに交流の場を作ることで、業務上でもコミュニケーションが取りやすくなります。

コンプライアンス・就業規則など

業務と直接関係のないものではありますが、コンプライアンスやメンタルヘルスなども、働く上で押さえたい事項です。コンプライアンスとは「法令順守」を意味します。たとえば重要書類を添付したメールの送り先を間違えたり、LINEなどのSNSで決算に関する情報を漏らしたりといった行為は、コンプライアンスに違反します。

またハラスメント、メンタルヘルスケアや就業規則の内容を周知することも大切です。会社には大勢の人が集まり、守るべきルールが就業規則に定められています。ハラスメントについても、「これくらいは問題ない」と甘く考えていた結果、大きなトラブルに発展してしまうケースもあります。

学生から社会人になったばかりだからといって、知らなかったでは済まされません。コンプライアンスや就業規則を指導することで会社と社員の信用を守り、快適に従業員同士が働ける職場を形成するのです。

新入社員研修の目的を決めるポイント

新入社員研修の目的を決めるポイント

新入社員研修では大きく3つの目的を解説しました。目的を整理したら、今度は自社の新入社員研修を行う際の目的を選定します。新入社員研修は会社によって実施する目的が異なります。新入社員に求めるスキルや専門知識、社内の風土がそれぞれ異なるためです。

自社がなぜ新入社員研修を導入するのか、目的を決める際に意識して欲しい4つの視点を紹介します。

研修結果をどう振り返るのか

新入社員研修での目的を決めるときには、研修後にどのような方法で振り返るかについても、あわせて決定しましょう。

新入社員研修は、ただ実施するだけでは意味がありません。基礎的なスキルと知識を新入社員に身につけさせる、実践で活かせる状態になってもらうなどの目的を達成するためには、効果検証の手法も決めなくてはなりません。

研修の効果が出たのか、改善点の発見やフォローが必要な事柄について見直すのは新入社員研修を行う上で重要です。やりっぱなしではなく、PDCAを回して新入社員研修の精度を高め、社員のスキルが向上するようサポートしましょう。

販売や営業など、電話応対や名刺交換、挨拶の仕方などスコア表を作って採点し、数か月から半年、1年後のフォローアップ研修で確認するなど数字目標を立てると振り返りがしやすくなります。

研修後、新入社員にどうなってほしいか

新入社員研修の目的は、新入社員に研修後にどのような状態になってほしいのかを具体的にイメージしながら決めていきましょう。習得しておくべき知識・スキルのレベルはどれくらいか、そ習得のために必要な基礎知識は何か、どういった状態に対して「スキルが身に付いた」と言えるのかなど言語化していきましょう。

「新入社員にどうなって欲しいか?」という未来の姿から逆算することで、新入社員研修で実施すべきカリキュラムが明確になります。新入社員研修はあくまでも基礎を学ぶ場です。応用力を養うためには継続したフォローアップ研修をすることが前提となります。

数年後、自社で活躍できるように段階的に指導することを念頭に置き、最初の新入社員研修のプログラムを構築してください。

新入社員の「今」やるべき内容か

新入社員研修の目的を決める際は、そのカリキュラムは本当に「今」必要かどうかをしっかり見極めるように意識してください。中途社員と異なり、新卒採用の社員は社会人経験がないため、すべてを短期間で完璧に習得することは不可能です。早く成長して一人前になってほしいあまり、新入社員研修に内容を詰め込み過ぎては、研修効果が薄れてしまいます。

優先度の高いものを集中的に教え、それ以外のものは実務で少しずつ覚えてもらうな意識で、段階的に達成できる研修目的や目標を決めるようにしてください。

予算はどれくらい必要か

新入社員研修の目的を決めるときに意識したいポイントの4つ目は研修予算です。いくら研修を充実させたくても、極端に予算オーバーなカリキュラムを設定したり、研修目的に見合わない少額予算を設定したりするのは避けましょう。

外部の研修会社を利用する場合、一人あたりの費用はネオキャリアが20,000円、リクルートは32,000円から利用できます。※対象企業は大手や中小企業、ベンチャーで、多くの研修会社がオンラインも対応しています。月額制で受け放題のオンライン研修動画や、1回の座学研修ごとに発生するスタイルなど、研修会社によって金額はピンキリです。

また、研修予算は会社の施設を使うか、プロジェクターは自社のものか、研修期間やカリキュラムをどう設定するかで変動します。研修に要する費用を把握した上で、目的に応じたカリキュラムを組み、自社の新入社員研修を計画しましょう。

※執筆時点での価格です。詳しくは各研修会社の公式サイトでご確認ください。

一般的な新入社員研修のカリキュラム内容

一般的な新入社員研修のカリキュラム内容

新入社員研修の代表的な目的を3つご紹介しました。目的に応じた手法で新入社員研修を行うことで、効率よく高い成果が期待できます。

ここからは、研修目的にあわせた具体的な研修カリキュラムをご紹介します。費用がいくらかかるのか、またオンラインの有無についてもあわせて確認していきましょう。

①意識改革系の研修

学生から社会人としての意識を持たせるための研修は講義とグループワーク形式を併用して行うことが一般的です。オンライン、オフライン両方で行えます。

  • 社会人と学生の違いを知る、チームとして働くことについて理解する
  • コンプライアンスやSNSの使い方など社会のルールを学ぶ
  • 出退勤や外出時のポイント、社外でのマナーなど職場のルールを学び、考える
  • 社会人としての立ち居振る舞いといった基本動作を学ぶ
  • 正しい言葉遣いを習得する
  • 仕事の進め方や仕事の受け方
  • 報告の仕方

学生との違いや会社の一員にふさわしい行動は、基礎となるルールを理解していなければ身に付きません。意識改革を行うために、コンプライアンスや社内ルールなどをカリキュラムに盛り込みましょう。外部に依頼する場合は全体の参加人数によりますが、一人15,000円からとなっています。

②ビジネスマナーや基礎スキル系の研修

ビジネスマナーと必要最低限の基本的なスキルの研修内容について詳しくみていきましょう。基礎的なビジネスマナー研修には、名刺交換やメールの送り方、電話応対、来客への対応や、訪問時のマナーについての指導が含まれています。また、お茶出しのマナー研修をカリキュラムに組み込んでいる研修会社もあります。

カリキュラムの流れをご紹介します。

  • ビジネスマナーの基本
  • 言葉遣いについて
  • 話の聴き方
  • 席次と名刺交換
  • 来客応対、訪問の際のマナー
  • 電話応対

はじめに、講義形式で「なぜビジネスマナーが必要なのか?」という共通認識を持たせ、グループワークを体験するという流れが多いです。目標設定を自社で考えなくても研修会社が設定してくれ、研修は対面だけでなくオンラインによる開催もしています。料金は一人あたり15,000円~25,000円前後が相場です。

③業界や企業理解の研修

会社とは何か、企業活動について理解を深めるカリキュラムとして、以下のものが挙げられます。

  • 会社の目的、存在意義について考える
  • 社内の一員としての振る舞い方、コミュニケーションの取り方
  • 企業理念を正しく理解する
  • 会社組織の構造を知る
  • 企業活動の流れ
  • 仕入れや在庫管理の基本知識
  • 販売についての基本知識
  • 売上、コスト、利益について学ぶ
  • 財務諸表の基本知識

これらは講義形式がメインで、グループワークもあわせて実施します。

研修を通して同期が活発なコミュニケーションを取れるようになれば、社員のモチベーションが上がり、企業の発展にもつながります。新入社員研修はチームビルディングの形成期にあたるため、円滑なコミュニケーションが取れるようなカリキュラムを組みましょう。

費用の相場は一人15,000円~25,000円で、他の研修と同様です。

まとめ

新入社員研修の目的と目的を決めるときのポイント

新入社員研修は、社会人への意識改革、ビジネスマナーや基本スキルの習得、業界や企業の理解を目的としています。採用担当者は新入社員研修を通して社員に「何を習得してほしいのか」検討していくことが、研修を実のりあるものにするためのポイントです。

新入社員研修を実施するだけではなく、フォローアップ研修などの導入により、効果を測定してPDCAを回すことも新入社員を自社に定着させる上では必要となります。代表的な研修方法や費用なども考慮し、自社にとって最適な新入社員研修のカリキュラムを決めてみてはいかがでしょうか。

最後に、人事ZINEでは会社説明会スライドのテンプレート(PowerPoint)をご用意しています。こちらもダウンロードしてぜひご活用ください。

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人事ZINE 編集部

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