【2024年卒】新卒採用市場の動向・変化を考察

【2024年卒】新卒採用市場の動向・変化を考察
【無料ダウンロード】24卒の市場動向から学ぶZ世代×新卒採用のポイントを解説

新卒採用の成功に欠かせない戦略の立案や全体的なスケジュールの設計のためには、採用市場の動向を掴んでおくことが重要です。

しかし、絶えず変化する新卒採用市場の全体像をただしく捉えることは簡単ではありません。

採用担当者の皆さまの中には、

  • 他の企業はいつごろから採用活動をスタートさせているのだろう?
  • 学生側はオンライン就活に対して、実際どのように感じているんだろう?

といった疑問をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。

本記事では、弊社の独自調査や他社調査による最新データをもとに、2023年卒採用の市場動向を分析し、今後の変化予測をわかりやすく解説します。24卒採用に向けて参考にしていただけたら幸いです。

また、人事担当者の方向けに、「2024卒の採用市場から学ぶ!Z世代×新卒採用」という資料をご用意しました。ぜひダウンロードして、これからの自社の新卒採用戦略の策定にご活用ください。

2024卒の採用市場から学ぶ!Z世代×新卒採用
2024卒の採用市場から学ぶ!Z世代×新卒採用
2024年卒の採用市場を分析した上で、Z世代の新卒採用を成功させる上で重要な観点3つを紹介します。

さらに、弊社が運営するYouTubeチャンネルにおいても、2024年卒学生と企業向けに行なったアンケートの解説動画を公開しています。お時間のあるときに是非ご視聴ください。

【最新】動画で解説!24卒の採用市場動向
【最新】動画で解説!24卒の採用市場動向
本レポートは新卒採用の市場動向について、最新の調査結果をもとに考察しております。また、各章ごとに新卒採用に関する有識者の見解を交え、採用動向や変化の背景をわかりやすく解説しています。24年卒採用に向けた情報収集にお役立て頂けますと幸いです。

23卒採用から見る24卒の企業側の動きと、今後3か月以内の動向予測

2024年卒新卒採用動向のトレンドについて、企業側の動向と学生側の動向に分けて紹介します。

24卒への採用活動開始時期

24卒への採用活動開始時期
出典:株式会社 i-plug 2023年卒、2024年卒採⽤活動状況調査 〜2022年3⽉版〜

2023卒への接触開始時期を見ると、「変更しない」と答えた企業は37%、「23年卒より早くする」と答えた企業は36%でした。

2018年の経団連による就職ルールの廃止に加え、2022年4月には関係各庁会議において、インターンシップ(就業体験)で企業が得た学生の個人情報を採用に活用できるように合意した動きもあるため、採用活動の早期化へと拍車がかかっている可能性があります。

従業員数別採用動向アンケート

従業員数別採用動向アンケート
出典:株式会社 i-plug 2023年卒、2024年卒採⽤活動状況調査 〜2022年3⽉版〜

従業員規模別に2024年卒採用の活動開始(予定)時期を比較すると、2022年5月までに従業員数が300名未満の場合は約20%、300名以上になると約30%が採用活動を開始予定であることがわかります。

このことから6月以降、大手企業を中心とし、採用が早期化した状態で23卒の本選考と24卒のインターンシップが同時並行で動いていくと予測されます。

オンライン採用への企業側の対応

オンライン採用への企業側の対応
出典:株式会社 i-plug 2023年卒、2024年卒採⽤活動状況調査 〜2022年3⽉版〜

2023年卒において、採用活動をどこまでオンラインで行っているか調査した結果、最も多かった回答が「会社説明会~最終面接まではオンライン化し、最終面接は対面で行う(37.4%)」でした。また、全工程をオンライン化している企業は17.7%で、全行程を対面で行っている企業は11.4%、残りの約70%の企業はオンラインと対面のハイブリッド型で採用活動を進めていることが明らかになりました。

このように88.6%の企業が選考にオンラインを取り入れている状況を踏まえると、24卒もオンライン採用が継続していくと予測されます。

学生の就職活動量・就職活動開始時期

いつ頃から就職活動をはじめましたか
出典元:ウォンテッドリー株式会社
https://www.wantedly.com/companies/wantedly/post_articles/373096

就活開始時期について調査した結果、24卒の46%の学生が大学1年生、2年生の時点で就活を開始していることが分かりました。大学1年生から就活を開始した学生の比率に注目すると、22卒の4%に対し、23卒では10%、24卒では27%と年々増加傾向にあり、学生が早期から就職活動に着手している様子がうかがわれます。

学生側のオンライン就活への参加意欲

学生側のオンライン就活への参加意欲
出典:株式会社学情 2023年卒学生の就職意識調査(Webセミナー・Web面接) 2022年4月版
https://ferret-one.akamaized.net/files/6246b51d5462e3093162fc99/220404-navienq.pdf?utime=1648801053 
Webセミナー・Web面接を利用したい理由
出典:株式会社学情 2023年卒学生の就職意識調査(Webセミナー・Web面接) 2022年4月版
https://ferret-one.akamaized.net/files/6246b51d5462e3093162fc99/220404-navienq.pdf?utime=1648801053 

2023年卒の学生に「Webセミナー・Web面接に参加したいか」を調査した結果、9割以上が参加したいという前向きな回答をしていることが分かりました。その理由のトップ3は順に「大学など就職活動以外の予定と調整しやすい(63.7%)」、「移動時間を短縮できる(63.0%)」、「交通費を節約できる(55.0%)」という結果になっています。

オンラインのメリットである時間的・地理的制約が少ないことが、学生の就職活動以外の活動(学業・学業外)の両立を可能にし、このような理由がオンライン就活の肯定につながっていると考えられます。

コロナ禍を契機に始まったオンライン就活でしたが、2024卒採用においてもオンライン就活の定着が予測されます。

学生側のオンライン就活への参加状況

オンラインの就職活動についてどう思いますか?
株式会社 i-plug 【2023卒、2024卒対象】働き⽅に対する価値観、就職活動状況に関するアンケート
Webセミナー・Web面接で不安なこと
株式会社学情 2023年卒学生の就職意識調査(Webセミナー・Web面接) 2022年4月版
https://ferret-one.akamaized.net/files/6246b51d5462e3093162fc99/220404-navienq.pdf?utime=1648801053 

2023年卒の学生にオンラインの就職活動に対してどう思うか調査を行った結果、「全工程(会社説明会~最終面接まで)オンライン化しても良いと思う(43.4%)」という回答が最も多く、「全工程を対面で実施したい」と回答した学生は2.0%にとどまっています。

一方で、別の調査になりますが、オンラインで就職活動を行う際の不安点のトップ3は順に、「企業や社員の雰囲気が分かりにくい(49.9%)」、「入室や退室のタイミングなどのマナーが分からない(34.2%)」、「通信が途切れてしまったときの対応が分からない(34.0%)」という結果が出ています。

このことから、時間的・地理的制約が少ないオンライン上での就職活動は、様々な企業と接触できるため学生にとってプラスの影響が大きいものの、その特性は学生に不安を抱えていることが分かります。

実際に企業側の調査でも、全工程オンライン化している企業の割合は17.7%だったため、大きな乖離が見られている現状です。

特にオンラインの特性として、学生は社員の人柄や社風を確認し自分とのマッチングを行うことなどができず、志望度醸成が難しいことが挙げられます。

オンライン採用が定着した現在、2024年卒採用でもオンラインと対面のハイブリッド型で採用活動が行われると予測されるため、企業側としてはオンラインの特性と限界を加味して、学生の志望度醸成をいかに行うかが課題となると考えられます。

withコロナでの採用活動

このwithコロナの間に定着したこと、変わったこと

オンラインで採用活動するメリット
出典:株式会社学情 採用活動における『オンライン』の導入状況
https://ferret-one.akamaized.net/files/62175cb3c0834f16b9a194a9/220228-comenq.pdf?utime=1645698227

企業側にオンラインで採用活動をするメリットについて調査した結果、トップ3は順に、「遠方の学生のエントリーが増加した(74.3%)」、「総エントリー数が増加した(62.8%)」「採用に掛かる費用を削減できた(52.4%)」となりました。

一方で、「より採用計画数に近い数の学生を採用できた(19.3%)」、「学生の自社に対する理解を深めやすくなった(16.2%)」の項目については、あまりメリットとして感じていないことが分かりました。

このように企業側が遠方学生を含む学生の総エントリー数を増加させられた点で、今までよりも採用費をかけずに母集団拡大が可能になった様子がうかがわれます。

今後は、オンラインの特性を踏まえながら、母集団拡大に伴い、より多くの学生の中からマッチした学生を採用~入社までいかにフォローしていけるかが課題となると考えられます。

現在課題として挙がっていること

Web化(オンライン)対応における課題
出典:株式会社リクルート 就職みらい研究所 就職白書2022
https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2022/02/hakusho20220221_01-1.pdf

2022年卒において、オンライン採用をしていく中で挙げられた課題のトップ3は順に、「自社の魅力の伝達(57.3%)」、「ノウハウ(54.8%)」、「社内の環境・整備(51.9%)」という結果になりました。

また昨年と比較し、変化が大きかった項目は「学生の環境・設備(-12.8)」「面接での学生評価(-8.6)」「学生の動機付け(+5.5)」となっています。

オンライン面接では、非言語的コミュニケーションが減少し、自社の雰囲気や社員の人となりを伝えにくい側面はありますが、候補者が面接で話す言葉にフォーカスされ、見極めがしやすくなる側面もあります。

また現在採用のターゲットなる23・24卒の学生はZ世代と言われ、幼少期からインターネットに慣れ親みながら育っているため、オンライン採用に対しての抵抗感が少ない可能性があります。

したがって今後、企業側はオンラインの特性を活かし、効果的にオンラインコミュニケーションを行えるようにインターンシップの企画や選考内容を考えていく必要性がうかがえます。

今後考えられる課題とトレンド

企業の採用スケジュールの早期化と、時間・距離の制約が少ないオンライン採用により、今後も多くの24卒学生にアプローチできることが予測されます。

そのため、見極めを行いつつも、オンラインの特性と限界を加味して、学生の志望度醸成をいかに行えるかが課題になると考えられます。

そこでまずは、採用ターゲットとなるZ世代の特徴を理解し、学生の心に響くような企業の魅力は何かを考えること、学生にとってマッチしていると感じてもらえるような情報を伝えることが重要です。

具体的には、会社説明会を録画型ではなく双方向でコミュニケーションをとれる形にすること、社員との交流ができる企画を組むこと、SNSを通して会社の人・文化・働き方などに関する情報を発信することなどが考えられます。

結論 ~動向予測を踏まえた直近23卒採用活動への提言~

オンライン採用が定着し、コロナ禍が落ち着きつつある現在、24卒でもオンラインと対面のハイブリッド型を軸として選考が行われることが想定されます。

そのためオンラインの特性を理解した上で、インターンシップではより自社に魅力を感じてもらえるような企画を考えること、選考では自社にマッチする人材を見極め、学生の個別性を意識して動機形成することが重要になると考えられます。

また、人事担当者の方向けに、「2024卒の採用市場から学ぶ!Z世代×新卒採用」という資料をご用意しました。市場動向を押さえた上で、採用戦略に重要な3つの観点をくわしくご紹介しています。ぜひダウンロードして、これからの自社の新卒採用戦略の策定にご活用ください。

2024卒の採用市場から学ぶ!Z世代×新卒採用
2024卒の採用市場から学ぶ!Z世代×新卒採用
2024年卒の採用市場を分析した上で、Z世代の新卒採用を成功させる上で重要な観点3つを紹介します。
人事ZINE 編集部

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