新卒採用の課題・トレンドの採用手法を解説!【初めての担当者必見】

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新卒採用担当になったばかりの新任の人事の方も、採用の現状に直面しながらお悩みをお持ちだと思います。どのような段取りで業務を進めていけばよいのか、そもそも自分がどのようなスキルがあれば採用担当者として上手くいくのかなど、迷うことも多いのではないでしょうか。

今回は、新卒採用の基本的なフローや採用担当者に必要なスキル、資質、そして採用手法のトレンド、採用担当者が抱えることが多い悩みや課題とともに解説していきます。

採用担当者の仕事内容とは?

採用担当者の仕事内容とは?

まずは採用担当者の主な仕事内容について、フローに沿って見ていきましょう。段取りを押さえておくことで、後々ぶれが生じて慌てるということが少なくなります。

求める人物像の明確化

まず、採用担当者がすべきことは求める人物像の明確化です。どのような個性、スキル、ポテンシャルを持っている人材が欲しいのかを、上層部や現場の管理者・一般社員からヒアリングをします。そして、新たな社員の補充を必要としている部署ごとに、適した人物像を明確化するのです。

採用活動期間は長いため、欲しい人物像にぶれが出ないように、採用チーム内で定期的に意識の共有も行うようにします。

採用計画の立案

新たに人材を配置したい部署、欲しい人数、必要とされる人物像を明確にしたら、どのような手法とスケジュールで採用活動をしていくのか、全体の計画をまとめます。

採用方法の選定

採用計画を立案するなかでは、採用方法の選定も重要です。詳しくは後述しますが、求人広告を出して採用を行う従来のやり方とともに、最近はダイレクトリクルーティングやリファラル採用の導入なども広がっています。

どの方法が自社に合っているのか、過去の採用実績を振り返って検証しながら選定しましょう。

母集団形成

選定した採用方法を実施して、応募を募り、選考の母集団となる候補者を集めます。新卒採用であれば、例えばナビサイトで学生が検索した時に自社がヒットするように内容を充実させたり、合同説明会・単独説明会で学生に自社に興味を持ってもらうよう伝えたりするプロセスです。

母集団形成では、「学生の興味関心を獲得すること」「自社の魅力を正しく伝えること」の2つを意識しましょう。単純なことのようですが、前者を意識することで母集団の量の増加につながり、後者によって双方のミスマッチを減らし質を確保することにつながるのです。

選考

当初の採用計画をベースに選考を行っていき、欲しい人材の確保に努めます。

リクルートワークス研究所の「第38回ワークス大卒求人倍率調査」によると、大学生・大学院生の求人倍率はコロナ禍でやや落ち込みはあるものの、2022年3月卒の場合は1.5倍で売り手市場は続いています。

そのため、自社が求める人材を確保するためには、学生への連絡などを速やかに行い、優先的に自社を選んでもらえるような仕組みを作ることが大切です。

内定者のフォロー

内定者のフォローも人事担当者の重要な仕事です。内定から入社までの空いた期間を活用し、学生が入社への意欲を高められるようにしましょう。

内定者懇親会を開いたり、職場見学や現場担当者との面談の機会を設けたりする方法もよくとられます。また、メールやオンラインで定期的に連絡を取り合うのも有効です。

採用担当者に必要なスキル

採用担当者にもっとも必要なのはやはりコミュニケーション能力です。

採用担当者は度々、人事部門、現場の管理職、上層部、大学、就活イベントの担当者などと連絡をとって調整し、多くの学生とも連絡を取り合わなくてはなりません。忙しい管理職に面接官を引き受けてもらえるように依頼し、試験当日はサポートに入る社員の取りまとめをする必要もあります。積極的にコミュニケーションをとり、関わる人たちが円滑に動けるようにできるスキルが欲しいところです。

他にも以下のようなスキルが求められます。

  • 推進力
  • 臨機応変な対応力

採用プロジェクト全体を引っ張る推進力が必要です。一人で推し進めるのが難しい時はチーム内で速やかに協力を求めることも大切です。

また、学生個人に合わせた臨機応変な対応ができなくてはなりません。採用計画通りにいかない場合であっても、焦せることなく対応する力も必要になります。時代に合わせて自社の採用方針も採用トレンドも変わるものですが、新たな採用手法にも果敢にチャレンジする姿勢も大切です。

採用担当者に向いている人の特徴

採用担当者に向いている人の特徴としては以下のような点が挙げられます。

  • 責任感がある
  • チャレンジ精神がある
  • 人の本質を鋭く見極められる
  • 細やかな気配りができてフォローがうまい


採用は会社や学生個人の将来に大きく影響を与える仕事です。責任感を持って一つひとつの業務に取り組まなくてはなりません。


責任感を持って丁寧に業務にあたる一方で、慎重になりすぎず、上司にも同僚にも採用の手法やスケジュールについてのアイデアを積極的に提案し、積極的にチャレンジできるとなお好ましいでしょう。時には欲しいと思った人材にふられることがあるかもしれませんが、諦めずに採用活動を続けられるような前向きさがあると、なお採用担当者に向いています。

学生はエントリーシートや面接で、悪い面よりも良い面を強調することもあります。そこで、学生の話すエピソードに潜む本質をしっかりと見抜く目が必要です。もちろん、最初のうちは上司にフォローされることもあると思いますが、日ごろから人物観察が好きな人であれば、見抜けるようになる可能性があります。


人材採用は「人対人」の仕事です。人の気持ちを汲み取ることができ、フォローが得意な人は、採用の仕事で成果を出しやすいでしょう。

採用担当者に向いていない人の特徴

一方、採用担当者に向いていない人とはどのような人なのでしょうか。

  • 学生・社内など人とのやり取りに消極的な人
  • 同僚・他部署・上層部などとの調整が苦手な人
  • トレンドの把握や変化の対応に弱い

多くの人と接する採用担当者は、人とのやり取りに消極的で調整が苦手な人では務まりません。また、採用担当者は新たな採用手法や経済状況、学生の動向に敏感である必要があり、トレンドのキャッチ力がなく、変化を望まない人には難しい職種です。

新卒の採用ではトラブルや採用計画の変更に柔軟な対応が必要

採用担当者は臨機応変な対応が必要だとお伝えしましたが、実際にさまざまなトラブルに直面することがあります。採用担当者はむしろ「予定通りに進められれば運が良かった」と思うくらいの心構えが大切ですが、かといってただトラブルを待つだけでなく、あらかじめトラブルを想定し準備しておくことでスムーズな対応が可能です。ここではトラブルの例を紹介します。

悪天候による予定変更

例えば、説明会当日の天候不良で出席者が半分になるという事態もよくあります。100人来場してもらう予定が、当日になって半分の50人になってしまうと、その後の選考フローを当初の予定通りに進めるわけにはいきません。

説明会は自社を知り興味を持ってもらい母集団形成につなげる大事な入り口です。天候が悪く参加人数が少ない場合には以降の採用計画全体にも影響が出てしまいます。そこで慌てることがないよう、他の日に再び説明会を行うなど、柔軟に対応してください。


基本的にはすんなりとスケジュール通りに進むとは思わず、何か起きても慌てないくらいの姿勢を持っておきたいところです。「想定外の事態が起こること」は想定内とし、最初に立てた採用計画はベースとしつつも、いくらでも変更がきくようにオプションを考えておくことがポイントと言えます。

急な辞退者の発生

採用スケジュール終盤でありながら「急に辞退が出てまだ〇人足りない!」というようなことがあります。その場合、予定では終わっているはずの採用活動を続けなくてはなりません。「あと何人必要……でも時期的に難しいのでは……」と焦りも出てきます。しかし、そこで諦めない粘り強さも必要です。


なお、「採用予定人数を必ず達成すべきかどうか」については、企業によって考え方に違いはありますが、最初にしっかりと計画した上で導き出した人数なので、採用担当者としては基本的には目標を達成すべきだと考えておきましょう。各部署でも新たな人材が来ることを見越して、業務計画を立てている可能性もあります。

 一方、「今年はかなり優秀な人材が来てくれたし、人数は当初の予定を下回ったものの、これで良しとしよう」という場合もあり、現場と情報をすり合わせながら判断していきます。

場合によっては多少採用基準を緩めてでも人数の確保を優先することもあります。緩める際にもすべてを妥協するのではなく、今後の育成システムを考慮しながら、「入社時点でどの程度のスキルや知識があれば内定を出してもよいか」を総合的に判断し、調整していきます。

採用担当者ならではの学生とのエピソード

ところで、採用担当者は多くの学生と接するなかで緊張することや意外に感じることも多いようです。そのようなエピソードを採用現場の声から紹介します。

信頼関係を築けていたはずの学生に辞退されてショック

もっとも採用担当者が緊張するのが、内定を伝え返事を聞く時だと言います。以下は実際に採用担当者になった人のコメントです。

「今は営業担当をやっていますが、『対話に対話を重ねて自社サービスの良さを説明して、商談を繰り返して、最後の最後で受注するかしないか』という場面の緊張感と通じ合うものがあります。

今までずっと話を聞いてくれていて、一緒にがんばって選考を進めてきた学生が『他の会社が決まったのでそっちに行きます』というのを聞くと、まずはショックを受けます。

ショックを受けつつ一旦受け止めて、「なぜ選んでもらえなかったか」「どういうところが気になって辞退するのか」をお聞きして、内容によっては『そういうことならうちでも解決できるよ!!』と引き留めることもありました」

テンプレートによる受け答え

学生が辞退する理由はさまざまなようですが、よくあるのがまったく連絡のないままになることや、テンプレートの丸読みがあります。

「なかなか電話をもらえず、それきりとなることもあります。また、『急に親がダメと言っています』や『急に実家に帰ることになりました』など、不自然な理由が出てくることもあり、就業経験のない学生ならではの振る舞いに、驚きよりもむしろ新鮮さを感じることがあります。

電話越しで話し方が急に棒読みになり『御社を選ばなかった理由としましては……では失礼いたします』と、無難なテンプレートを読んでいると分かることもあります。その時は、これまで顔も合わせてあんなに一緒にしゃべっていたのにと、ショックを受けることもあります」

しかし、そこにこだわっていると他の人材獲得が間に合わなくなるため、切り替えが必要です。

新卒採用での重要課題は「上層部も含めた社内での情報共有」

現場と上層部で採用基準がずれることによる問題

上層部や各部署との管理職とは採用したい人物像についてすり合わせを行ってはいるものの、いざとなるとずれが生じるのはよくあることです。最終面接になってから「上司の採用基準と自分の基準が違っていた」という事態もあります。

入社への意欲も高く、説明会から選考まで見守ってきた学生が、最終面接でスパッと不合格になるとやはりショックです。その上司に「なぜですか?」と聞きに行き「この学生にはこういった側面もありますし、うちで活躍できる要素があります!」と再考をお願いをしても、検討し直してもらえることもあれば、ダメな理由を聞いて納得せざるを得ないケースも出てきます。

上司と自分との間に認識のかい離があると、最終面接で大量の不合格者が出たり、採用予定人数に達せず採用活動が長引いたりするなど、非効率な結果になりかねません。

採用において認識のかり離が起こる原因と対処法

このような「認識のかい離」が起きる原因は、やはり「社内で採用基準がしっかりと共有されていない」ところにあると考えられます。「採用基準が具体的でない」または「求める人物像を明確化しているつもりでも、各々の担当者が異なる人物像を描いている」ことも考えられるでしょう。

採用チームの人数が多い時は特に注意しなくてはなりません。採用設計の際に「一義的な表現で採用基準を言語化できているか」をチェック・徹底することが課題となり、選考の後には曖昧な表現や抽象的な言葉を使っていなかったのか、振り返りが大切です。

また、社内共有に関しては、「採用担当の一部では共有できているけれども、上層部には伝わっていない」というケースもよくあるパターンとして挙げられます。

特に中小規模の会社に多いパターンとしては、採用チームの人数が少なく、一貫して関わる上司がいないために、後から入ってきた上司が当初の採用計画をまったく理解していないということがあります。なかには若手社員に任せっきりで採用活動にあまり関わらず、最終選考にしか出てこないという上司や上層部もいるため注意が必要です。

人事部長や役員クラスの上層部が、採用計画から実施段階まで密接にコミットしてくれるかどうかで、採用活動の成否は大きく変わります。採用担当者は、上層部をしっかりと巻き込むと同時に、採用活動を行うのに適した人数を会社の規模に合わせて編成することも重要な課題なのです。

辞退を避けるために学生一人ひとりへのメッセージを大切に

内定辞退率を下げるという課題に取り組む際は、まず、他社情報をよく調べておくことが大切です。成功例などを知り、どのような手法をとったのかを分析していきます。また、自社の新卒採用に関するデータを蓄積・分析してノウハウや成功パターンを整理し、新たな採用計画に生かすことも必要です。

そして何より採用担当者として重要なことは「学生一人ひとりへのメッセージ」を大切にすることです。社会人としてスタート地点に立つ新卒学生にとっては、最初の企業選びは慎重になるもの。採用担当者は、ただ自社の良さを伝えるのではなく、しっかりとコミュニケーションをとって相互理解を深め「ここでこういう人たちと働いていくのだ」というイメージを描きやすくしてあげてください。

採用担当者になったばかりの頃は、内定辞退者が出たり、学生とのコミュニケーションが上手くいかなかったりするなど落ち込むこともあるかと思います。実際の採用現場では外から見えない苦労や悩み、時にはもどかしさを感じることもあるでしょう。しかし、そのような経験や「あの時こうすべきだった」という気づきは、自らの採用ノウハウを成熟させ、また採用チームや組織全体の成長にもつながっていきます。

採用担当が知っておきたいトレンドの採用手法とは?

採用活動を行うにあたって、どのようなトレンドがあるのでしょうか。ここからは今話題の採用手法に関して、メリット・デメリットや費用について簡単に解説します。

リファラル採用

社員が友人知人を紹介するという手法がリファラル採用です。社員が紹介する場合は、社風や仕事内容を熟知しているため、より適した人材を紹介してくれるというメリットがあります。

デメリットとしては、採用に至らない場合に紹介してくれた社員の立場がなくなりやすいという点です。紹介してくれた社員には早めに合否を通知しておくなどのフォローが必要です。

コストは紹介してくれた社員に対して10万円前後のお祝い金を支払うのが一般的で、ナビサイトや求人広告に比べて圧倒的に安く済みます。

ダイレクトリクルーティング

学生のデータベースを検索して、直接オファーをする手法です。待ちの姿勢であるナビサイトや企業説明会などの採用活動と異なり、自ら欲しい人材を探してアプローチするという能動的な手法なのが特徴と言えます。

メリットは欲しい人材にピンポイントでオファーができるという点です。ただし、確実に学生から反応をもらえるとは限らず、何度も連絡を取り合うことから、慣れないうちは採用担当者の業務が増えるというデメリットもあります。

有料のサービスを活用した場合にかかる費用は、数万円〜の月額利用料または数十万円の成果報酬です。

採用ミートアップ

気軽に参加してもらい会社のことを知ってもうための会合が採用ミートアップです。

印象に残るイベントを開催できれば会社のPRにつながり、参加した学生の応募率が上がるだけでなく、口コミで評判が広がり他の学生が興味関心を持ってくれるかもしれません。ただし、必ずしも応募数が増えるとは限らない点には注意が必要です。

オンラインでなく実会場でイベントを開催する場合は、会場利用料がかかるため、説明会と同程度の費用がかかると考えておきましょう。

ソーシャルリクルーティング

ダイレクトリクルーティングに近い手法ですが、学生を見つける媒体としてFacebookやTwitterなどのSNSを活用するという特徴があります。メリットとデメリットはダイレクトリクルーティングとほぼ同様です。

上記のSNSであれば企業アカウントであっても無料で利用できます。広告を出稿する場合は費用がかかりますが、コンテンツ投稿やメッセージといった基本機能だけの利用であれば無料です。

最後に:『人事ZINE』は会社の未来を創る新卒採用担当者さんを応援しています

新卒採用担当者の役割は、大学を卒業してこれから会社の未来を一緒に築き上げていく人材を見つけ出し、採用に導くことです。

採用を成功に導くためには、求める人物像の明確化や採用計画の立案などを段階的に行っていくことが大切です。自社が求める人物像については、社内で十分に調整やすり合わせを行い、共通認識の浸透を徹底しましょう。

採用担当者になったばかりの頃は、実際の採用現場では外から見えない苦労や悩み、時にはもどかしさを感じることもあるかと思います。しかしながら、そのような経験や「あの時こうすべきだった」という気づきがあれば、次の課題が明確になり、自らの採用ノウハウが成熟することで採用チームや組織全体の成長にもつながっていきます。

最近はダイレクトリクルーティングやリファラル採用など、新しい採用手法が次々と普及しています。自社の採用課題や求める人物像と照らし合わせながら、取り入れるかどうか積極的に検討することがおすすめです。

【サンプル】採用基準策定のための現場ヒアリングシート(記入例付き)
【サンプル】採用基準策定のための現場ヒアリングシート(記入例付き)
採用基準策定のための現場ヒアリングシートで、仕事で成果を上げるために必要な能力(スキル)、性格(パーソナリティ)、志向・価値観(モチベーション)等は何であるかを現場社員へヒアリングし、採用時の求める人物像を抽出しましょう。
人事ZINE 編集部

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