東京ガスのDX人材向けインターンシップ「超実践型のプログラム」実施の背景とは?

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昨今ではデジタル技術に精通したDX人材が注目を集めています。DX人材が求められている背景としては、AIやIoTのような情報テクノロジーの発展や、それに伴うサービスの高度化・複雑化が挙げられます。

また、DX人材の確保は、キャリア採用だけではなく新卒採用の市場においても主流になりつつあります。

本記事では、東京ガスで2022年からスタートした「超実践型」のDX/データアナリスト人材向けのインターンシップについて紹介します。

実際に採用担当者の方に実施の背景や想いを伺ってきました。さらに、学生にもインタビューを行い、参加してみてのリアルの声を紹介します。

「DX人材×新卒採用」にご興味のある企業の採用担当者の方の参考になれば幸いです。

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採用担当者のプロフィール

取材者プロフィール
人事部採用チームの吉原氏(左)と野田氏(右)

野田 博和氏(東京ガス株式会社 人事部人材開発室 採用チームリーダー)

日本を支える様々な産業分野や商業分野のエネルギー安定供給やCO2削減に貢献したいと思い、東京ガス株式会社に入社。産業用分野の技術営業や、省エネ機器等の商材開発経験を経て、採用業務に従事。脱炭素・デジタル分野へのシフト、コロナ禍による採用市場の変化に向き合いながら、これからの東京ガスグループを担う多様な人材の採用に向けてチャレンジしている。

吉原 裕貴氏(東京ガス株式会社 人事部人材開発室 採用担当)

国内で培った技術力・ノウハウを武器に新たなフィールドに挑戦し続ける会社のスタンスに共感し、東京ガス株式会社に入社。地域密着の営業所における営業支援や、工場向けソリューション営業などを経て、現職。現在はチームを牽引する一人として採用業務全般に広く携わり、採用市場における自社のプレゼンス向上に挑戦し続けている。また、仕事と並行してビジネススクールに通う等、自己研鑽にも精力的に取り組んでいる。

東京ガスのインターンシップの概要

東京ガスのインターンシップ概要

東京ガスでは「TOKYO GAS 2DAYS INTERNSHIP 東京ガス、ミライキカク」と題して2Daysのインターンシップを開催しています。

こちらのインターンシップはオンライン形式で実施。業務体験や座談会を通して、業界知識や会社への理解を深めることが目的です。

一方で、DX人材の確保を目的とした超実践型のインターンシップは職場受入型。対面形式で開催されます。顧客データやエネルギー関連データ、設備データ等を使用し、データ分析・AI活用による課題解決の一連の流れを体験することが可能です。

今回、人事ZINE編集部が取材に伺ったのは「データ活用統括グループ データ分析コース」です。実際に採用担当者の方々に今回のインターンシップの特徴や実施する背景を伺ってきました。

東京ガスのオープンスペース
東京ガスのオープンスペース

DX人材向け×職場体験型インターンシップ開催の背景

吉原氏

東京ガスでは、2019年に「Compass 2030」という経営ビジョンを設定しました。具体的なアクションプランに落とし込み、2022年卒の新卒採用からDX人材の確保に力を入れています。DX人材、特にデータサイエンティストの領域の採用は激化している印象です。「DX人材を採用にどのように繋げていくか?」と社内で考えた際に、より早いタイミングから接点を持って関心度を上げていくという結論に至りました。

野田氏

「職場受入型」とし、採用担当者だけではなく会社全体で取り組む体制を作りました。実際に参加した3名の学生に対して、それぞれの若手のメンター社員をアサイン。常に1to1でコミュニケーションが取れるような体制となっています。

DX人材向けのインターンシップの特徴

DX人材向けのインターンシップの特徴

吉原氏

DX/データアナリスト人材向けのインターンシップでは以下のような特徴があります。
  1. 実データに近い形式や量を扱う
  2. 課題設定から結果の考察・活用検討までの一連プロセスを経験できる

実データに近い形式や量を扱う

野田氏

東京ガスが保有しているアセットデータ(顧客情報、エネルギー、設備の稼働状況)に近いモデルデータを使ったインターンシップとなっています。

「他社ではここまで膨大で、かつ実践に近いデータを扱うインターンシップはないのではないか?」と野田氏は語っていました。「どのような環境で、どのような人が、何をしているのか?」をよりリアルに体験してもらうために、現場の方々と共にこだわったポイントであるそうです。

課題設定から結果の考察・活用検討までの一連プロセスを経験できる

吉原氏

データ分析はあくまで手法の一つであると考えています。課題設定から仮説を立て、事業に落とし込んでいくまでを体験していただくのが最大の目的です。今回のインターンシップでは、メンターの先輩社員と共に、以下のようなプロセスで業務に取り組んでいます。
  1. 東京ガスのアセットデータに近いモデルデータから分析した課題や傾向を見つける
  2. 仮説を立てる
  3. 「事業に落とし込んだ時にブラッシュアップできるか?」「新しいビジネスが生まれるか?」を考える

野田氏

東京ガスは事業会社であり、「データ活用・分析をどのように問題解決に繋げていくのか?」という視点が重要になります。一般的なデータサイエンティストとの違いを体験していただけたら幸いです。

デジタル分野の視点から企画立案に繋げていく」。ここまでリアルな職場を体験できるインターンシップはDX人材の新卒採用に取り組む企業の中でも珍しいのではないでしょうか?

実際に学生にも伺ってみたところ、「何社かインターンシップに参加しましたが、ここまでリアルに近いデータを取り扱うのは初めて。その分難易度も高いが、やりがいがあります」と語っていました。

どのような学生を集めているのか?

どのような学生を集めているのか?
インタビューに答える吉原氏

今回のインターンシップに参加していた学生は3名。「どのような学生を求めているのか?」「学生を集めるアプローチ方法」を採用担当者の方に伺ってみました。

理系だけではなく、幅広い人材を求める

吉原氏

DX人材やデータアナリストと聞くと世間的には理系のイメージがあるとは思いますが、東京ガスの場合は文理問わず、幅広い人材を求めています。近年では、経済学部や商学部でもAIやビッグデータなどを積極的に授業に取り込んでいますしね。また、コロナ禍で課外活動ができない学生も多い中で、プログラミング学習をする学生も増えており、バラエティに富んだ学生が集まってきますね。

学生へのアプローチ方法とは?

野田氏

通常の、自社採用ホームページでの掲載やマイページ登録済の学生への声掛けに加えて、デジタル分野に感度が高い学生向けのWebページ掲載や、スカウト方式での参加者募集を行っています。

学生とのコミュニケーションの工夫についても伺ってみました。

吉原氏

ストーリー性を意識して今回のインターンシップの紹介をしていますね。以下のような流れでコミュニケーションを取っております。

①東京ガスについて知ってもらう

いきなりDX人材の話をする前に、東京ガスがどんな価値観を大切にしてこれまで事業を営んできたか、今後どのように成長しようとしているか、事業内容や「Compass 2030」に関する説明を通して、会社の全体感をお伝えしております。

②データ分析の職場の方とのオンライン座談会

2022年卒入社の「DX人材×新卒採用1期生」に参加してもらっています。ポテンシャルの高い若い人材が早い段階から活躍している側面を見ていただき、「東京ガスでDX人材がどのように活躍できるのか?」をイメージしていただきます。

③職場受入型インターンシップの案内

オンラインではなく、対面形式で仕事内容や働いている環境を深く知りたい方向けに、職場受入型のインターンシップの案内をしています。

実際にインターンシップを開催してみての所感

採用担当者の声

吉原氏

実際の職場の雰囲気や先輩社員のモチベーションの高さなどを感じていただける良い機会になったかと思います。
また、最近の学生の方のデータ活用に対する柔軟な適応力にとても感心しました。

野田氏

データ活用を通じて、当社のリアルな業務、当社が目指す方向性を体感いただけたと感じています。

対応した先輩社員の声

先輩社員A

今回のインターンシップを通して、経営戦略としてもDXを重要視し、チャレンジしていることが伝わったかと思います。また、一連のデータ分析業務を経験してもらい、事業会社ならではのデータ分析の難しさ・やりがいも感じてもらえていたら嬉しいです。

先輩社員B

学生とのお話を通して、「あらためて東京ガスの魅力って何だろう?」と客観的に自身の仕事について考えることができ、学びがありました。社員との交流により、社員や職場の雰囲気・働くイメージの具体化に繋がる機会になってくれていれば嬉しいです。

学生に参加してみた感想を聞いてみました

実際にインターンシップを開催してみての所感
インターンシップに取り組む学生と先輩社員

今回のDX/データアナリスト人材向けインターンシップに参加した背景を教えてください。

学生Aさん

インフラ業界で圧倒的に顧客数が多い東京ガス。難しい部分もあると思いますが、その分やりがいがありそうと思い、応募しました。また、今回のテーマを聞いたときに直感的に楽しそうだと思いました。

学生Bさん

データアナリストの採用ルートが他のインターンシップと別途設けられており、興味が湧きました。

インターンシップに参加してみての感想を教えてください。

学生Cさん

想像以上に様々な社員の方とお話することができました。扱うデータも本番に近く、他に参加したインターンシップと比較してなかなか経験できない内容となっていました。

まとめ

今回は東京ガスのDX/データアナリスト人材向けのインターンシップについて紹介しました。

本インターンシップでは、分析そのものだけではなく、課題設定から仮説構築、結果の考察や活用検討まで、データ分析業務の一連のプロセスを実務レベルで体験が可能。事業会社におけるデータサイエンティストの業務イメージや、求められるスキルについて学ぶことができる内容となっていました。

東京ガスのDX人材インターンシップの特徴・強みは上記の感想からもわかる通り、学生にも伝わっていました。また、コロナ禍でオンライン形式のインターンシップが主流となった中で、原点回帰となる対面形式。学生自身も働くイメージの解像度を上げることができ、たいへん満足度も高まっていた印象です。

2022年からスタートしたインターンシップ。採用担当者の方々もこれからさらにブラッシュアップして「Compass 2030」のロードマップ達成に向けて、新卒採用強化に繋げていくとおっしゃっていました。

「DX人材×新卒採用」にチャレンジされている企業様の参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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人事ZINE 編集部

人事ZINE 編集部

人事・採用担当者の悩みに寄り添うメディア「人事ZINE」の編集部です。 人事・採用に関する役に立つ情報や手法を発信します。 就活生の3人に1人が利用する新卒採用オファー型サイト「OfferBox(オファーボックス)」を提供する株式会社i-plugが運営しています。