
自己分析の情報を見やすくまとめたものが「自己分析ノート」です。しかし、自己分析ノートには「自分史」「モチベーショングラフ」「マインドマップ」といったように様々な種類があり、どのように作成したらよいかいいか分からない方も多いでしょう。
今回は、これから自己分析ノートを作成したいと考えている方向けに、自己分析ノートの主な作成方法や種類、各書き方のポイントについてまとめました。
自己分析ノートはエントリーシートの作成や面接対策の際にも活躍してくれます。本記事を参考にしながら、ぜひオリジナルの自己分析ノートを作成してみてください。
目次
自己分析ノートとは
自己分析ノートとは、就職活動に欠かせない「自己分析」の結果をわかりやすく取りまとめたノートのことです。ここでは、自己分析ノートがどのようなものであるのか詳しく解説します。
自分の経験や考え方を言語化・整理する
自己分析とは、自分の長所や短所、経験などから得た考え方を分析することで、自分自身を深く理解することです。そして自己分析の過程や結果を整理するためのノートのことを「自己分析ノート」と呼びます。
自己分析ノートを作成することで言語化・一覧化することができるため、自己分析を効率的に進めることができます。
複数種類あるため目的で使い分ける
自己分析ノートといってもその種類は様々で、「自分史」「モチベーショングラフ」「マインドマップ」などの方式があります。
自分の考え方や価値観の深堀りには「自分史」、モチベーションやパフォーマンスを上げるための条件を知るには「モチベーショングラフ」といったようにそれぞれ特徴が異なるため、自分がどんな目的で自己分析を進めたいのかに合わせて使用する種類を選択していきましょう。
各種類の詳しい書き方については後述するので、参考にしてみてください。
自己分析の目的

自己分析の主な目的は以下の通りです。
- 今の自分の性格・強みを理解するため
- 将来の夢や目標を明確化するため
- 企業選びの軸を明確化するため
- 面接官に伝えられるようになるため
- キャリア形成の道標にするため
選考を突破するため、企業から内定を獲得するためだけでなく、入社後に長く活躍するためにも重要なのが自己分析です。
自己分析全般について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
自己分析とは|なぜ必要なのか?目的を解説
自己分析ノートを作る目的
自己分析ノートを作る目的は以下の通りです。
- あいまいな自分像を言語化・可視化する
- 考えを可視化してさらに深堀りする
- 一元化して後から振り返れる状態にする
あいまいな自分像を言語化・可視化する
普段の生活の中で、自分自身について深く考える機会は意外とないのではないでしょうか。「自分のことはよくわかっているはず」と思っていても、いざ言語化しようとすると、なかなか明確に理解していないことに気づく人は少なくないはずです。
また、自分を理解していたとしても、周囲から影響を受けて価値観や考え方は徐々に変化するものです。そのため、就職活動の選考前に自己分析ノートにまとめて明確にし、常に自分像を言語化できるようにしておきましょう。
考えを可視化してさらに深堀りする
また、自己分析ノートを使って自分像を言語化・可視化することで、自己分析を深堀りしやすくなります。あいまいだった情報を見やすくまとめることで、「なぜこの時このような行動を取ったのだろう?」「自分は人と会っている時が楽しいと感じる傾向にありそうだ」といったように、さらに発展した分析を行うことが可能です。
ただ単に情報を書き出すのではなく、さらに深堀できるポイントがないかを意識して自己分析ノートに書き込んでいきましょう。
一元化して後から振り返れる状態にする
ふとした瞬間に良さそうなアイデアを思いついたり、何かを発見したりしても、その場で記録しておかないとどうしても忘れてしまいます。自己分析ノートには、このような些細な気づきもどんどん書き足していきましょう。
自己分析に関わる情報をノートに一元管理することで、いつでも振り返ることができる状態にしておきましょう。
自己分析ノートの種類【Excelダウンロード可能】
続いて、自己分析ノートの書き方を種類ごとに解説していきます。
- 自分史の書き方・テンプレート例
- モチベーショングラフの書き方・テンプレート例
- マインドマップの書き方・おすすめのアプリ
各項目の最後にテンプレート付きの解説記事を記載しているので、ぜひ参考にして自分に合ったものを使用してみてください。
自分史の書き方・テンプレート例
自分の考え方や価値観の深堀りには「自分史」の活用がおすすめです。
自分史とは、自分が経験してきたことを一覧化してまとめたもののことです。具体的には自分のキャラクターや心境の変化、その時々で取ってきた行動などを書き出していきます。これらを当時の出来事や環境と照らし合わせて振り返ることで、自分の特徴や価値観、考え方についての理解を深めようというものです。
自分史のテンプレートはこちらからダウンロードしてください。
ダウンロード_自分史Excelテンプレート_OfferBox
自分史は以下の手順で作成します。
- 各年代の自分のキャラクターを書く
- 実際のエピソードを時系列でなるべく多く書く
- 当時のモチベーションをグラフ化する
- 当時考えていたことをなるべく多く書く
- 振り返ると学びになったことをなるべく多く書く
- 全体の流れを見て自分の特徴をまとめていく
自分史の書き方の詳細はこちらの記事で解説しています。
自分史の作り方|テンプレートや作り方・例文を紹介
モチベーショングラフの書き方・テンプレート例
モチベーションやパフォーマンスを上げるための条件を知るには「モチベーショングラフ」の活用がおすすめです。
モチベーショングラフとは、自分の過去を振り返り、人生のモチベーションの高さを時系列に曲線で表したもののことです。モチベーションの源泉をグラフで可視化することで自分を客観視できるため、自己分析はもちろん就職活動の面接対策としても活用できます。自分史を作成した後にモチベーショングラフを作成するのも良いでしょう。
モチベーショングラフのテンプレートはこちらからダウンロードしてください。
Excelモチベーショングラフ_テンプレート
PowerPoint_モチベーショングラフ_テンプレート
Word_モチベーショングラフ_テンプレート
モチベーショングラフは以下の手順で作成します。
- 縦軸にモチベーションの高さ、横軸に時間で直線を引く
- 幼少期・小学生・中学生・高校生・大学生と時期に分ける
- 当時のモチベーションの高さに点を描く
- 点をつないで曲線にする
- モチベーションの山と谷を言語化する
モチベーショングラフの書き方の詳細はこちらの記事で解説しています。
モチベーショングラフとは|曲線の書き方やテンプレートを紹介
マインドマップの書き方・おすすめのアプリ
自己分析を項目ごとに深堀りしたい場合や、面接対策の際は「マインドマップ」を活用しましょう。
考えや記憶、情報をマップ化し可視化するマインドマップは、自己分析への活用はもちろん、自己PR文や志望動機の作成にも役立てられるので、この機会に覚えておくことをおすすめします。
紙にペンを使って作成する方法もありますが、オンラインでダウンロードできるスマホ用やPC用のアプリもあるので、ぜひ使ってみてください。
【スマホで利用できるマインドマップアプリ】
- SimpleMind
- miMind
- Mindly
【PCで利用できるマインドマップアプリ】
- FreeMind
- Xmind
- MindMeister
マインドマップの書き方の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
マインドマップとは?就活活用例やアプリも紹介
一問一答の質問集の答えをまとめる
一からノートを作るのが難しいという方は、「自己分析の一問一答の質問集」への答えをまとめる方法もおすすめです。一問一答形式なら一つずつ質問に回答する形で記入できるので、気軽に着手しやすい点がメリットです。
一問一答の質問には、例えば以下のような質問があります。
- 「働くにあたって大切にしたいことは何ですか?」
- 「目標に向かって頑張った時、どのように努力しましたか?」
- 「どのような趣味がありますか?」
- 「悩みがある時、誰に相談しましたか?」
上記のような質問に対して一問一答形式でノートにまとめていきましょう。回答を作成したあとは、それぞれの回答について「なぜ?」と問いかけ、さらに深堀りしていきます。
以下の記事で自己分析の質問を100項目ご紹介しているので、ぜひ参考にしながらまとめてみてください。
自己分析の質問項目100|自分史など深堀りのやり方も紹介
自己分析ノートを手書きで作る場合

- まずはテンプレートを参考に記入欄を作る
- ルーズリーフで作成して途中に追加できるようにする
それぞれ見ていきましょう。
まずはテンプレートを参考に記入欄を作る
手書きで作成する際は、いきなり詳細項目から書き始めるのではなく、まずは記入欄全体の作成を行い、ノートの土台を固めていきましょう。
自己分析ノートの種類に関わらず、全体像を把握してから書き始めることが重要です。全体のうち、どの部分を作成しているのか見失ってしまわないように、先にご紹介したテンプレートを活用して、各項目の記入目的を意識しながら作成してみてください。
ルーズリーフで作成して途中に追加できるようにする
パソコンではなく手書きで自己分析ノートを作成する場合は、通常のノートではなくルーズリーフの使用がおすすめです。
自己分析ノートを作成していると、当初と内容を変更したくなったり、新たに情報を書き足したくなったりすることが多くあります。用紙が一枚ずつ独立しているルーズリーフであれば途中で順序の変更ができるだけでなく、情報の追記も簡単に行えて便利です。
最近ではさまざまな種類のルーズリーフが販売されているので、自分に合ったものを探してみてください。
自己分析ノートで整理したいポイント
続いて、自己分析ノートで整理したいポイントをご紹介します。
- 興味・関心(就活の軸)
- 長所・短所(アピールポイント)
- 将来の目標(キャリアプラン)
- Will・Can・Must(やりたいこと・できること・必須なこと)
それぞれ詳しく解説していきます。
興味・関心(就活の軸)
就職活動を進めるにあたって、まずは就活の軸を決めることが必要です。自分の興味や関心事は就活の軸を考える際のベースとなりやすいため、自己分析の際に必ずまとめておきましょう。
何に取り組んでいる時にやりがいを感じるのかや、どのような環境でモチベーションが上がりやすいのかなど、自分の興味・関心に着目して客観的に言語化してみてください。
就活の軸を決めかねている場合や、興味関心と仕事の結びつけ方がわからない場合は、以下の記事もご活用ください。
【就活の軸の例一覧】自己分析との関連性や業界・職種別に紹介
長所・短所(アピールポイント)
長所・短所は、エントリーシートや面接での自己PRのベースとなります。長所と短所を整理して、各内容の質問にも答えられるように深堀りしておきましょう。
長所は自分の強みとして、どのように仕事に活かせるのかに繋げて考えることが大切です。また、短所はネガティブに捉えてしまいがちですが、他の言葉に言い換えてみたり、長所と一貫性をもたせたりすることで説得力を高められる可能性があります。
長所と短所の詳細については、こちらの記事も参考にしてみてください。
面接で「長所・短所」を聞かれた際の答え方|例文や言い換え一覧
将来の目標(キャリアプラン)
目先のことにとらわれず、将来の目標やキャリアプランについても考えてみましょう。就活の軸や目指す業界・企業を決めたら、その環境で自分のどんな強みを活かしてキャリアを築いていくのか総合的にプランを立てていきます。
先にご紹介した「興味・関心(就活の軸)」と「長所・短所(アピールポイント)」の項目を結びつけることにも繋がるので、ぜひ一度整理してみてください。
将来の目標が上手く見つからない場合や面接での答え方などについての詳細は、こちらの記事を参考にしてみてください。
将来の目標|回答例文一覧やない場合の見つけ方、夢との違いなど紹介
Will・Can・Must(やりたいこと・できること・必須なこと)
上記の3つについて整理を終えたら、「Will・Can・Must(やりたいこと・できること・必須なこと)」もまとめてみましょう。
Willは「自分が今やりたいこと」、Canは「自分が今できること」、Mustは「自分が今しなければならないこと」で、一般的に、これらが重なり合う仕事に就くと最もパフォーマンスが発揮しやすくなるといわれています。
Will・Can・Mustの進め方はシンプルで、それぞれの項目について列挙してみましょう。そして挙げられた項目をみて、どのような業界・企業・仕事であれば同時に満たせるのかを考えてみてください。
自己分析ノートのおすすめの活用方法
ここからは、自己分析ノートのおすすめの活用方法についてご紹介します。
- 自己分析ツールで強みや弱みを診断する
- 毎日・週一など定期的に更新する
- 他己分析・ジョハリの窓で客観性をもたせる
- 業界研究ノートや企業研究ノートと照らし合わせる
それぞれ詳しく解説していきます。
自己分析ツールで強みや弱みを診断する
いざ自己分析ノートを書き始めようとしても、書くことが思いつかない人も多いです。そのような時は、自己分析ツールを活用して自分の強みや弱みを診断するところから始めてみましょう。
OfferBoxに登録すると無料で受験できる自己分析ツール「AnalyzeU+」では、質問に答えると自分の強みや弱みを診断できます。無料で利用できるので、自己分析になかなか手がつけられないという人はぜひ活用してみてください。
無料の自己分析ツール、適性診断AnalyzeU+で、企業も納得の自己PRをつくる方法
自己分析ツールの一覧はこちらの記事でまとめています。参考にしてみてください。
自己分析ツールおすすめ一覧|無料・登録不要のツールもご紹介
毎日・週一など定期的に更新する
自己分析ノートを一通り作成したら、「毎日更新」「週一更新」など、期間を定めてこまめに更新していきましょう。
定期的に振り返りの習慣をつけることで、自分の考えや選考対策を深められるだけでなく、就職活動を進める途中での変化にも敏感に気づくことができます。
また、就職活動の進み具合も意識しながら対策を進められるので、ぜひ振り返りの癖をつけておきましょう。
他己分析・ジョハリの窓で客観性をもたせる
自己分析をしようとしても、自分を大きく見せようとしたり、反対に謙遜してしまったりして、どうすればいいのか分からなくなってしまうこともよくあります。客観的な視点を交えて分析を行いたい場合は、「他己分析」をしてみるのもおすすめです。
他己分析をする際は、後から振り返りを行えるように「ジョハリの窓」を活用するのがおすすめです。ジョハリの窓のテンプレートはこちらからダウンロードできます。
ダウンロード_ジョハリの窓Excelテンプレート_OfferBox
上記のテンプレートは、「記入シート_A(本人)」に自分で強みだと思うことを記入し、「記入シート_B~D」に他者から見た自分の強みを記入してもらうことで、「開放の窓(自分も他人も分かっている自分)」「未知の窓(誰からも知られていない自分)」といったような4つの窓に分類できます。開放の窓の内容を元に自分の強みに客観性を持たせたり、未知の窓の内容を元に自分では気づかなかった自分の強みに気付いたりすることができます。
他己分析やジョハリの窓の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
他己分析とは|やり方や質問例、使えるツールも
業界研究ノートや企業研究ノートと照らし合わせる
自己分析だけでなく、選考を受ける業界や企業の研究も大切です。業界研究や企業研究をノートにまとめることで選考対策に繋がるのはもちろん、志望していた業界や企業と自己分析の結果に大きな乖離がある場合は、もっと他に自分にあった業界や企業がある可能性も見えてきます。
志望動機をさらに深掘りするためにも、自己分析ノートが完成したら、ぜひ業界研究ノートや企業研究ノートも作成してみてください。
業界研究ノートの作成方法はこちらをご覧ください。
業界研究ノートの作り方|テンプレートや作成例を元に紹介
企業研究ノートの作成方法はこちらをご覧ください。
企業研究ノートの作り方|テンプレートや項目一覧、書き方まとめ方
自己分析ノートに関するよくある質問
最後に、自己分析ノートに関するよくある質問を簡単に紹介します。
- 自己分析ノートはいつまでに作ればいい?
- 自己分析ノートはいつから作り始めればいい?
それぞれについて解説していきます。
自己分析ノートはいつまでに作ればいい?
自己分析ノートは企業に提出するものではないため、特にこれといった期限は設けられていません。ただし、後悔なく就職活動を進めるためにも、できればインターンシップの選考前、遅くとも本選考前までには整理しておくようにしましょう。
また、先述の通り一度作成して終わりではなく、定期的に見直しを行うことも大切です。
自己分析ノートはいつから作り始めればいい?
自己分析ノートは定期的にアップデートするものなので、いつ作り始めても早すぎるということはありません。ノートを書く期間が早ければ早いほど自分の変化にも敏感になれるため、なるべく早期のタイミングで取り掛かるようにしましょう。
目安としては、インターンシップ選考や本選考のそれぞれ1ヶ月前までには取り掛かることをおすすめします。
まとめ
今回は自己分析ノートの主な作成方法や種類、各書き方のポイントについてご紹介しました。
一口に自己分析ノートといっても「自分史」「モチベーショングラフ」「マインドマップ」など様々な種類があるので、自分の目的にあったものを選ぶようにしましょう。また、始めからノートを作るのが大変な時は、まずは一問一答形式で取り掛かってみるのもおすすめです。
自己分析ノートはエントリーシートの作成や面接対策にはもちろん、就職活動の軸を決める際にも活躍してくれます。早めに取り掛かるほど就職活動に活かすことができるので、本記事を参考にしながら、ぜひ自分オリジナルの自己分析ノートを作成してみてください。