新卒採用の失敗事例6選!よくある原因と解決策を徹底解説

近年の新卒採用市場は売り手市場のため、採用ターゲットに合った手法やアピールができなければ、採用の失敗につながります。もし新卒採用で失敗したと感じているなら、失敗の原因を詳しく調べて見直すことが欠かせません。
そこで本記事では、新卒採用でよくある失敗事例と、その原因や解決策を詳しく解説します。今年度の採用結果と向き合って、次年度に活かすためのお力になれると幸いです。
なお、自社に合う母集団を形成してミスマッチを防ぎたいなら、ダイレクトリクルーティングがおすすめです。以下の資料で詳しく紹介していますので、ぜひご活用ください。

目次
新卒採用でよくある失敗事例6選

新卒採用活動の失敗例として、今回は以下6つを紹介します。
- 母集団形成が上手くいかない
- 選考中・内定後の辞退が多い
- 採用活動を始めるのが遅かった
- 採用したい人材に出会えない
- 応募者の能力と業務が合わない
- 入社後の退職者が多い
失敗事例を知ることで、採用活動の問題点を分析できるようになります。順番に見ていきましょう。
失敗事例1:母集団形成が上手くいかない
新卒採用では、まず候補者の母集団を十分に集めなければなりません。しかし、下記のような理由で母集団形成が上手くいかないケースもあります。
- 募集を出しても応募が集まらない
- 合同説明会に参加してもエントリーにつながらない
実際に、弊社(株式会社i-plug)の調査結果では、約7割の企業が「母集団の数」を課題に感じていることがわかりました。
出典:株式会社i-plug『【25卒学生/企業対象】就職活動・新卒採用の課題に関する調査(2024年2月)』
採用サイトの募集要項や企業説明会のスライドなど、企業情報を伝える場面が多くあります。しかし、学生の知りたい情報が入っていないと、関心が下がりやすいです。
もし「母集団形成におすすめの手法を早く知りたい」という場合、こちらの記事をご覧ください。9種類の手法と、それぞれのメリット・デメリットを解説しています。
失敗事例2:選考中・内定後の辞退が多い
「選考を進めていた学生から辞退の連絡が入り、想定よりも採用人数が確保できない」という失敗事例です。とくに最終選考まで進んでいた学生に辞退されると、スケジュールや人員計画に大きな影響が出ます。なかには「内定出し:9人→内定承諾:0人」のように全員に内定辞退されてしまった例もあり、企業側の負担は軽くありません。
内定承諾後に辞退される理由については、以下の記事で詳しく解説しています。
失敗事例3:採用活動を始めるのが遅かった
新卒採用は早期化が進んでおり、大学3年の夏頃から動き始める学生もいます。中小企業などの採用担当者が、総務として他業務を兼ねて採用をしている場合、採用を始めるのが遅くなりがちです。
とくに、年末は年末調整や優先度の高い業務が重なり、3月になってようやく動き始められるケースもあるでしょう。
その結果、すでに他社に目星をつけていた学生との接点を持てず、採用数の確保に苦戦しやすくなります。
中小企業が新卒採用で抱える課題を知りたい方は、以下の記事をご一読ください。採用を成功させる施策もわかります。
失敗事例4:採用したい人材に出会えない
応募は一定数あるものの、自社が求める人物像に合った人材に出会えない失敗事例です。
現在の新卒採用市場は売り手市場なので、企業が求める人材を採用するのが難しくなっています。とくに、高い能力を持つ人材は複数社の内定を比較し、より良い条件の企業を選ぶのが一般的です。
欲しい人材が求めている情報のリサーチや、ニーズに合った情報発信が欠かせません。
失敗事例5:応募者の能力と業務が合わない
新卒採用では、応募者の能力や志向が実業務と合わずにミスマッチが起きることがあります。応募人数が多くても、採用したいターゲット層と異なる母集団が形成された場合、自社に合う人材を見つけにくいです。
「配属先のメンバーや上司との相性が合わない」など配属後に問題が発覚することもあり、結果的に戦力化が進みません。
特定のスキルや特性を持った人材を採用したいなら、「ジョブ型採用」と「職種別採用」の違いを知ることが大切です。以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
失敗事例6:入社後の退職者が多い
「ようやく採用できたのに、入社1週間で辞めた」というのもよくある失敗事例です。採用コストや準備した研修費用なども損失になってしまいます。
厚生労働省の『新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します』によると、2021年3月大学卒就職者の3年以内の離職率は34.9%でした。前年度と比較して2.6ポイント上昇している状態です。
内定後や入社後のフォローが不十分だと、学生との信頼関係が築けず、早期離職につながりやすくなります。
新卒採用の人材が早期離職する理由を詳しく知りたい方は、下記の記事をご一読ください。
母集団形成が上手くいかない原因と解決策

母集団形成が上手くいかない原因は、主に以下の3つです。
- 認知度・知名度が低い
- 採用ターゲットに合った訴求ができていない
- 企業の魅力を訴求できていない
あわせて解決策も紹介しますので、ぜひ採用活動の参考にしてみてください。
原因1:認知度・知名度が低い
自社を知られていなければ、応募数が増えることは期待できません。とくに中小企業は広告予算も限られており、大手より学生に情報を伝える機会が少ないケースがほとんどです。
認知度・知名度が低い場合の解決策には、以下があります。
- 大学のキャリアイベントやオンライン説明会に参加する
- ダイレクトリクルーティングを取り入れる
- SNSで定期的に情報発信し、若い世代にアピールする
ダイレクトリクルーティングとは、データベースから自社と相性の良い候補者を探し、スカウトメールを送る採用手法です。認知度・知名度がなくても企業の魅力をターゲットに届けやすいメリットがあります。詳しい活用方法を知りたい方は、こちらの資料をダウンロードしてご活用ください。

SNSを活用して、社員の声や企業のリアルな雰囲気を伝えるのもおすすめです。ほかにも採用に活用できるSNSや導入方法について、以下の記事で解説しています。
原因2:採用ターゲットに合った訴求ができていない
欲しい人材に届く情報を発信しなければ、採用は難航します。たとえば、理系学生を採用したいのに、文系向けのメディアに求人を出しても効果は出ません。
まずは、学歴・価値観・志向などをもとに「採用ペルソナ」を明確にしましょう。採用ペルソナとは、自社が採用したい人物像のことです。
挑戦意欲の高い学生を求めるなら、「若手でも自分のアイデアを実現できる環境です」と具体的に訴求します。相手のニーズに刺さる表現を使い、応募意欲を高めましょう。
採用ペルソナを明確にする方法を知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。
原因3:企業の魅力を訴求できていない
働きやすさや福利厚生をアピールするだけでは、他者と差がつかず埋もれてしまいます。応募者に響くのは、「その企業で働く魅力」が明確に伝わることです。
以下の施策を取り入れてみましょう。
- 社員の声や成功事例を紹介し、リアルな職場の雰囲気を伝える
- 社員座談会や職場体験プログラムなどを実施する
実際に入社1年目でプロジェクトを任された若手社員のストーリーを紹介すれば、成長環境をリアルに伝えられます。また、社員座談会や職場体験を通じて、働く人の想いや日常を届けるのも有効です。
採用したい人材に選ばれるブランディングの進め方について、こちらの記事で解説しています。成功事例も取り上げていますので、あわせてご覧ください。
選考中・内定後の辞退が多い原因と解決策

選考中や内定後の辞退が多い場合、次のような原因が考えられます。
- 選考フローが長くて時間がかかる
- コミュニケーション不足で関係が構築できていない
辞退を減らしてスムーズに採用を進めるためにも、順番に見ていきましょう。
原因1:選考フローが長くて時間がかかる
選考期間が長いと、応募者は他社に先に内定を出されて辞退する可能性が高まります。とくに「面接が多くて時間がかかる」「連絡が遅い」といった不満は、辞退の原因になりやすいです。
選考フローの長さの解決策として、下記があります。
- 選考回数を見直す
- 面接日程の調整ツールや採用管理システムを導入する
もし面接を4回実施しているなら2〜3回に見直し、日程調整ツールでスムーズに予定を確定させましょう。採用管理システムの導入で全体の進捗管理を効率化すれば、スピード感のある選考が可能になります。
新卒採用のスケジュール決めでお悩みの場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
原因2:コミュニケーション不足で関係が構築できていない
応募者との関係性が築けないと、企業への不信感が募り辞退につながる恐れがあります。下記のように定期的なコミュニケーションを通じて、学生の不安を取り除きましょう。
- 現場社員との面談やランチ会を設ける
- 選考中にグループワークを行い、改善点などをフィードバックする
弊社(株式会社i-plug)の調査結果によると、内定後に欲しいフォローとして「人事との面談」「人事以外の社員との面談」が多数でした。
出典:株式会社i-plug『どうなる?25卒・26卒 新卒採用 市場動向調査レポート(春版)』P.15
応募者に「この会社で働きたい」と思われるような信頼関係づくりが、辞退を防ぐポイントです。
以下の記事では、オンラインでできる内定者フォロー施策も紹介しています。
採用活動を始めるのが遅い原因と解決策

採用活動の遅れの主な原因は、マンパワー不足で前年の採用活動を長引かせてしまうことです。採用活動が遅れると、高いスキルを持つ学生はすでに他社で内定を得ているため、母集団形成も難しくなります。
採用したい人物像を明確に設定し、スケジュールに沿って早めに動き出しましょう。ダイレクトリクルーティングを活用すると、事前に学生を絞ってアプローチできるため、効率良く採用活動を進められます。
ダイレクトリクルーティングは、採用コストの削減やノウハウの蓄積といった点もメリットです。以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
「ダイレクトリクルーティングの導入を検討しているので、活用方法を知りたい」という方は、こちらの資料をご活用ください。

採用したい人材に出会えない原因と解決策

下記のような原因がある場合、採用したい人材に出会えない可能性があります。
- ターゲット層と接点のあるチャネルを使っていない
- 求人内容から魅力を感じにくい
欲しい人材との出会いを増やしたい方は、これから解説する解決策を試してみてください。
原因1:ターゲット層と接点のあるチャネルを使っていない
採用したい人材に出会えない原因の1つは、ターゲット層が普段利用していないチャネルで情報発信をしていることです。やみくもに求人メディアを増やしても、手間とコストがかかるだけで成果につながりません。
このようなケースでおすすめの解決策は、下記の通りです。
- ターゲット層の特性を分析し、よく利用されるSNSや求人サイトを使う
- ダイレクトリクルーティングを活用し、直接アプローチする
たとえば、ITエンジニア志望の学生を探すなら、X(旧Twitter)やWantedlyで発信するなどです。ダイレクトリクルーティングも活用すれば、ターゲットに直接アプローチできるため、マッチ度の高い人材と出会いやすくなります。
原因2:求人内容から魅力を感じにくい
求人情報に魅力がなければ、学生は応募をためらいやすいです。とくに仕事内容が曖昧だと、入社後の自分を想像できず、他社に流れてしまうケースもあります。
次のようにリアルな情報を加えて、応募者に働くイメージを持ってもらいましょう。
- 1日の仕事の流れ
- 先輩社員のエピソード
弊社(株式会社i-plug)が学生に調査した結果によると、「社内の雰囲気が良い企業」を魅力的に感じる人が最多でした。
出典:株式会社i-plug『どうなる?25卒・26卒 新卒採用 市場動向調査レポート(春版)』P.5
上司と部下が気軽に話せる職場の雰囲気など、社風が伝わる内容を盛り込むのもおすすめです。
ほかにも、「2025・2026年卒の学生の内定承諾の決め手は何か?」などの調査結果を次の記事にまとめています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
応募者の能力と業務が合わない原因と解決策

「応募者の能力と実業務が合わない…」と感じている場合、以下の原因に心当たりはありませんか?
- 求めるスキルの定義が曖昧になっている
- 選考プロセスで能力の見極めができていない
それぞれの解決策について、以下より詳しく解説します。
原因1:求めるスキルの定義が曖昧になっている
スキルの定義が曖昧だと、面接官の主観に頼った選考になり、適任者を見逃しかねません。その結果、入社後にギャップを感じた新入社員が、早期離職する恐れがあります。
採用ペルソナを具体化し、必要なスキルや経験を明確にしましょう。新卒入社3年目で活躍している人・そうでない人に面談や適性検査を行い、以下のように能力や性格を可視化するのがおすすめです。
- 他者と協力して仕事を進める能力
- 新しい知識を積極的に学ぶ姿勢
実際の業務内容やチームの文化なども反映させ、より現実的に必要なスキルを洗い出しましょう。
求めるスキルを明確にするには、ハード面とソフト面の両方を洗い出すことが大切です。以下の記事では、人物像の決め方をわかりやすく解説しています。
原因2:選考プロセスで能力の見極めができていない
選考段階で能力を十分に見極められていないと、入社後に「想像と違った」とミスマッチが生じやすいです。とくに新卒採用では実務経験がないため、質問内容や評価基準が重要になります。
たとえば、下記の点を選考に取り入れて、現場での対応力をチェックしましょう。
- 実務に近い課題に取り組んでもらう
- クレーム対応や部下への指導などのロールプレイングを行う
また、応募者の「〇〇が得意」というアピールに対し、「どのように努力して得意になったのか?」など過程を聞き出すのも効果的です。
下記の記事では、面接で人柄を見抜く質問例を5パターン紹介しています。ぜひ採用活動の参考にしてみてください。
入社後の退職者が多い原因と解決策

以下に当てはまる場合、入社後の退職者が多くなる傾向にあります。
- 入社前と入社後にギャップがある
- 教育・育成体制が整っていない
どのように解決すればいいのか、詳しく見てみましょう。
原因1:入社前と入社後にギャップがある
新入社員の早期離職は、「入社前の説明」と「実業務や職場の雰囲気」のギャップが原因になりやすいです。新入社員は社会人経験がないので、理想と現実のズレに戸惑いやすく、不信感を抱くケースがあります。
以下の通り、選考時に自社のネガティブな面も共有することが重要です。
- 週に〇時間は残業がある
- こういうプロジェクトに参画すると忙しくなる
メリット・デメリットの両方を伝えたほうが、自社への信頼度がアップしやすくなります。あわせて職場の様子を伝える採用動画を用意し、入社後のイメージが湧くようにしましょう。
ほかにも、新入社員が入社後にギャップを感じる原因について、こちらの記事で紹介しています。
原因2:教育・育成体制が整っていない
新入社員の退職が多い企業では、教育体制が不十分な傾向にあります。研修やマニュアルがなく、OJTも行き当たりばったりだと、新入社員が孤立感を抱きかねません。
早期離職を防ぐには、次の対策を取り入れてみましょう。
- 新入社員の育成目標を明確にし、全社で一貫性のある育成をする
- 上司からOJTリーダーに対して、期待する役割をしっかりと伝える
社内で新人教育の時間を確保しにくい場合は、外部サービスを活用するのもひとつの手です。
もし新入社員研修のカリキュラム例や資料の作り方を知りたい場合、下記の記事をご活用ください。
新卒採用の成功率を高めるポイント

新卒採用の成功率を高めるには、次のポイントを押さえてみてください。
- トレンドに合った採用方法を取り入れる
- 採用管理システムを導入して効率化する
近年はSNSやダイレクトリクルーティングなど、自社から積極的にアプローチする採用方法が注目されています。とくに、特定の学部やスキルを持つ学生を狙いたい場合は、ダイレクトリクルーティングでの接点づくりが有効です。
ダイレクトリクルーティングに興味のある人事担当者の方向けに、メリットや活用方法を解説した資料をご用意しました。ぜひダウンロードして、採用戦略にお役立てください。

また、採用管理システム(ATS)を導入すれば、応募者情報の一元管理や選考状況の可視化が可能になります。面接日程の調整や進捗確認もスムーズになり、業務負担を減らしやすいです。下記の記事で、導入時に押さえるべきポイントを解説していますので、参考にしてみてください。
ほかの採用手法も知りたい方は、こちらの記事をご一読ください。
まとめ
本記事では、新卒採用における代表的な失敗事例と、それぞれの原因・解決策について詳しく解説しました。母集団が集まらない、内定辞退が続く、早期離職が多いといった課題には、必ず原因があります。
重要なのは、現状の採用プロセスを丁寧に見直し、自社の採用ターゲットや社風に合った施策を選ぶことです。小さな改善を積み重ねれば、採用のミスマッチを防ぎ、長く活躍する人材と出会える可能性が高まります。
攻めの採用におすすめの手法が、ダイレクトリクルーティングです。ダイレクトリクルーティングの詳しいメリットを知りたい方は、下記の資料をご活用ください。
