「さとり世代」の特徴や年齢は?新卒社員の育成や指導におけるポイントを紹介

さとり世代
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今の若者を表す言葉として「さとり世代」という言葉があります。新入社員教育など、若手の育成を行う場合に、指導する対象となる世代にあたります。

いつの時代も、若手社員は自分たちの頃と違うと言われてきましたが、近年の社会変化のスピードを考えると、よりそのギャップは高まっていると考えられます

そこで今回は、さとり世代の特徴を紐解き、そんな彼らに対する接し方や育成の注意点などを解説していきます。

また、2023年3月に「2024卒の採用市場から学ぶ!Z世代×新卒採用」という資料も作成しました。新入社員の特性を考える際の参考にしていただければ幸いです。

2024卒の採用市場から学ぶ!Z世代×新卒採用
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さとり世代はいつから?定義と社会的背景

まずはさとり世代の定義や、さとり世代という言葉が誕生した社会的背景について解説します。

さとり世代の定義

さとり世代は、堅実で高望みをしない、現代の若者気質を表す言葉です。インターネットの掲示板「2ちゃんねる」で生まれ、広まったとされています。年代としては、1980年代半ば以降に生まれ、主に2002~10年度の学習指導要領に基づく「ゆとり教育」を受けた世代に当たります。

ただ、ゆとり世代がゆとり教育を受けた世代という定義なのに対して、さとり世代は不景気やリストラなどの社会問題に触れながら価値観形成されてきたという気質を表しているという違いがあります。

そのためさとり世代を語るためには、彼らが育ってきた社会環境と紐付けながら考えていく必要があるでしょう。

また、よく混同される言葉として「Z世代」があります。Z世代は1990年から2000年代にかけて生まれた世代を指しますので、さとり世代よりも後に生まれた世代です。現実主義でデジタルネイティブである点など、さとり世代と似ている部分もありますが、Z世代のほうがより環境問題への関心が高く、ジェンダーレスな価値観を持っているという特徴があります。

経済成長率の推移

上記の図は、内閣府が公開している日本の経済成長率のデータに、さとり世代の育ってきた時期を筆者が加筆したものです。

20年前、40年前の平均に比べて成長率はそれぞれ、−3.2%、−8.1%となっています。

バブルが崩壊したのと同時期に産まれ、リーマンショックや大手企業の経営破綻などが取り沙汰される時代に成長してきた世代と言えるでしょう。

この通り、さとり世代は不況のなかで育ってきたため、現実的かつ合理的な価値観を持っているのが特徴です。現実の厳しさを知っているため、大きな夢を持ったりせず、浪費を抑えて身の丈に合った生活を好むようになったのではないかと推測されています。

さとり世代の特徴や傾向

さとり世代の特徴や傾向

現実主義である

さとり世代が育ってきた時代は、バブル崩壊後の経済が停滞していた時代と重なります。そのため、大前提の考え方として「未来は不確実なもの」と捉えている部分が大きいと言われています。

そんな彼らだからこそ、実は「現実主義」とは言われていても、「安定した大手に入ること」が安定ではなくなってきています。

これまで絶対に潰れないと考えられてきた大手家電メーカーが、東証一部上場企業ではなくなったり、海外のメーカーに買収されたりする中で、大手に入ることではなく、会社や社会がどんな状況であれ、自分に求められる実力をつけることを重視する傾向があります。

1つの会社で出世するなどの意欲がないため、やる気がないように見られがちですが、彼らのスキルアップに繋がると実感することで彼らは意欲的に働く傾向があるようです。

デジタルネイティブである

また、さとり世代が育ってきた時代は、インターネットが加速度的に普及していった時代と重なります。

そのためそれまでの世代にはないくらいデジタルに慣れ親しんだ世代です。上の世代に比べ、圧倒的に多くの情報に触れることができ、また発信できます。

「少し厳しくするとすぐSNSなどに書かれて怖い」というのはこうした手軽さから来ているとも言えるでしょうが、逆にこれまでの世代では考えられないほどの情報収集力と発信力を持っている世代ともいえるでしょう。

「個」を重視する

ゆとり世代とも重なるこの世代は、学業が短縮されたりする中で、自分の好きなことを追求するような時間が多く持てました。

そのため、個々の価値観や個性が育つなど、本来的なゆとり教育の目的が果たされている一面もあります。また、そのため、自分の価値観にマッチしていることや自然体でいられることを重視する傾向があります。

そうした価値観は人間関係にも表れます。直接的に深い関係を築くというより、SNSなどで繋がった趣味の合う人間関係を大事にしたり、そうしたコミュニティを大事にします。彼女や友人も、例えば「ステータス重視の人付き合い」よりも、「気を使わずに趣味があう重視の人付き合い」の方が重要と考えている世代です。

ブランドではなく実用性やコスパを求める

高価なブランド品より、実用性やコストパフォーマンスの高い品物を好むのもさとり世代の特徴です。

特にバブル世代では、ブランド品の時計やバッグ、高級外車などに憧れを抱き、高級品を買うことを目標に仕事に励む若者が多くいました。一方、さとり世代はブランド品をステータスに感じる若者が少ない傾向にあります。インターネットが普及して口コミやレビューを参照しやすくなったため、情報収集してから買い物をするようになったことも一因と考えられています。

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さとり世代の仕事におけるスタイルや性格

さとり世代の仕事におけるスタイルや性格

さとり世代は、仕事においても独自の価値観を発揮します。さとり世代の仕事スタイルや性格について解説します。

合理性を重視する

さとり世代は仕事を進めるうえで合理性を重視し、過程よりも結果や成果を求める傾向があります。最短でゴールするにはどうすればよいのか見極めて、コストパフォーマンスの高い方法で成果を出すことが得意です。

反対に、面倒事を好まず労力をかけたがらないという性質を持っているともいえます。「できるまで根性で乗り切ろう」「とにかくやってみよう」といった仕事スタイルが苦手で、明確なマニュアルがある業務を好みます。

ライフワークバランスを大切にする

昇進や出世に対する意欲が低く、仕事にまい進するよりもプライベートを大切にしたいと考えるさとり世代も多いです。残業や休日出勤のある企業を選ばず、趣味や家庭を大切にできる労働環境を好みます。

職場での人付き合いを敬遠する人も多く、終業後の飲み会やチームメンバーでのランチ会などに出席したがらない傾向もあります。自分の時間を自由に過ごしたいと考えるため、休憩時間を1人で過ごす人も少なくありません。

成長意欲が高い

出世に対する意欲が低い一方で、成長意欲は高い傾向があります。管理職にはあまり興味を抱かないものの「自分の市場価値を高めたい」「もっと高度なスキルを身に付けたい」と考えるタイプが多いようです。

さとり世代は不況のなかで育ってきたため、転職市場で有利になるよう戦略的にスキルアップしたいという意欲があります。また、終身雇用が崩壊して中途転職をするのが当たり前になったこともあり、1社に勤め上げるのではなく転職や独立を視野に入れてスキルアップしようとする人が多くなっています。

効率化が得意

デジタルネイティブであるさとり世代は、インターネットを駆使して情報収集することを当たり前として育ってきた世代です。そのため、仕事においても素早く必要な情報を収集して、効率的な方法を導き出してくれるでしょう。

また、タスクの処理能力が高く、業務プロセスの効率化も得意です。既存の方法にとらわれずに、合理的な方法を自分で探りながら実践できる人が多い傾向があります。

さとり世代の育成や関係作りで大事にすべきポイント

さとり世代の育成や関係作りで大事にすべきポイント

1.さとり世代の個性を理解する

個々の価値観を大事にするさとり世代対して「◯◯世代にはこうしたらいい」という固定的なやり方は合いません。回りくどいようですが、一括にせず一人一人の理解に努めましょう。

彼らはどうなりたい(ありたい)のか、そのために仕事に対して何を求めるのか、などコミュニケーションを図って理解に務めるのが重要です。

例えばメンバーの個性を理解するための方法として、私の勤めている会社では、週一回の1on1ミーティング(上司とメンバーとのミーティング)があります。その場は、仕掛中の仕事の進捗確認など、業務的なミーティングと言うよりは、どちらかと言うとメンバーの成長促進の意味が大きい内容となっています。

個々が求めることを把握し、それに見合っていてかつ会社や部署の目標達成にも繋がる役割を設定すること。その進捗やメンバーの納得度をその中で図ります。これによって、各メンバーは自分の求める働き方や求める成長と、取り組むべき仕事が一致し、モチベーションを上げることができます。

その際注意したいのが、与える役割や行う施策の意図とそれによってどうなるのか明確に示すことです。「1on1ミーティングがいいというなら、やってみよう」といきなり導入してもさとり世代の彼らの不満を買いかねません。

なぜやるのか。それが彼らにとってどうプラスになるのか。しっかり擦り合わせた上で共に進むようにしましょう。

近年は、適性診断を社員に実施し、個々のメンタルヘルスケアに取り組む企業も増えてきました。そうしたテストを基に社員の状態を把握して、コミュニケーションに活かすことも有効です。

2.プライベートまで踏み込まない

コミュニケーションを大事にして、仕事とさとり世代である彼らの求めることを一致させることは重要ですが、プライベートには必要以上に踏み込まないように注意しましょう。

さとり世代は仕事とプライベートを明確に切り分けたい想いが強い傾向があるので、上司や教育係にプライベートまで踏み込まれると、強制されているような気持ちになります。強制され、自分が大事にしたいプライベートが侵されると感じると、1つの会社に留まることに執着しない彼らは新天地を求めるでしょう。

3.価値観を押し付けない

合理性や効率性を重視するさとり世代は、精神論や根性論を嫌う傾向があります。昭和世代からすると、ついつい「俺が若い頃は」と言いたくなるかもしれませんが、価値観の押し付けは逆効果です。

また、仲を深めようと急に距離感を詰めようとするのも要注意です。飲み会やランチにしつこく誘ったり、プライベートに踏み込むような質問をしたりすると、かえって溝が深まる結果になるかもしれません。さとり世代の価値観を尊重して、適度な距離感を保つことが大切です。

さとり世代を指導する際の注意点

さとり世代を指導する際の注意点

さとり世代を指導する際は、どのような点に気を付けると効果的なのでしょうか。仕事でさとり世代に指導を行う際の注意点やポイントを紹介します。

指示・命令ではなく、提案する

「強制されている」「やらされている」と感じると、個々人が成長実感をもつことへの妨げになってしまいます。

さとり世代の彼らに指示したいことがあった場合、なぜそうした方がいいのかを理論的にしっかり説明し、指示ではなく提案するように伝えることをおすすめします。そのうえで彼らが納得しているかを確認し、不安や不満、疑問点を一緒に解消することで、「自分事」として仕事に取り組むでしょう。

成果よりもプロセスを重視する

さとり世代は、成長意欲が高く、自身のスキルアップに積極的という特徴があります。そのため、仕事の結果だけでなく、プロセスを進めるうえで「どのような点がよかったのか」「以前と比較して何ができるようになったか」に着目してフィードバックすると効果的です。

「目標には満たなかったけど、この進め方はよかった」「この点でチームに貢献できている」など、過程のなかで良かった点を具体的に伝えると、モチベーションを維持してさらに自己研鑽に励んでくれるでしょう。

具体的な指示を出す

さとり世代は最も効率のよい方法で仕事を進めるのを好むため「先輩の背中を見て学べ」「とにかくやってみろ」といった指導は馴染みません。無理強いするとモチベーションが大きく低下してしまうケースもあるため、仕事の指示は具体的に出すよう心がけましょう。

マニュアルや指示書を用意したり、段階的な目標を定めたりすると、積極的に仕事に取り組んでくれます。

まとめ

さとり世代の特徴を押さえましょう

いかがだったでしょうか。これまで書いてきた通り、デジタル化や不景気の中を育ってきた彼らは、上の世代では考えづらいような価値観を持っていて扱いづらいと感じることも多いかもしれません。

ただ、不景気の時代で育ったからこそ一つの会社に頼ろうとしない価値観を持っていたり、デジタルを使いこなして自ら情報をとることが当たり前の社会で育ったからこそ、例えば変わった趣味でも受け入れてくれる人がいて、個性を受容しやすい気質が育ったりしています。

このように社会状況などを踏まえて捉えると、さとり世代の特徴にも理解が及びやすいのではないでしょうか。

ぜひこの記事を参考にして、さとり世代の新入社員と接する際の姿勢や伝え方の参考として頂ければ嬉しいです。

また、人事担当者の方向けに、「2024卒の採用市場から学ぶ!Z世代×新卒採用」という資料をご用意しました。市場動向を押さえた上で、採用戦略に重要な3つの観点をくわしくご紹介しています。ぜひダウンロードして、これからの自社の新卒採用戦略の策定にご活用ください。

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人事ZINE 編集部

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