グループワークを選考や研修に導入したい!目的や実施ポイントを解説

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皆さんの会社ではグループワークの選考を取り入れていますか?

グループワークは、1対1の面接では引き出しづらい候補者の特徴や人となりを確認できる選考方法です。類似した選考方法にグループディスカッションがありますが、両者の違いをよく理解していない採用担当者も多いのではないでしょうか。

本記事では、筆記試験やエントリーシート、面接では見出せない学生の特徴や能力を評価することができるグループワークを導入するメリットや目的、導入手順をご紹介します。

効果的なチームビルディングを行う上で重要なポイント
効果的なチームビルディングを行う上で重要なポイント
内定者・新入社員研修において、効果的なチームビルディングを行うための重要なポイントを解説します。
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グループワークとは

グループワークとは

グループワークとは新卒採用やインターン、社内研修などで実施されるワーク形式の選考方法です。参加者を数人ずつのグループに分け、あらかじめ設けられたテーマに沿ってディスカッションや共同作業(ワーク)を行い、何かしらの成果物や結論を発表してもらいます。

一般的には5〜6人程度で1グループを作り、30〜40分程度の所要時間でワークを行います。

新卒採用のグループワークの実施率についてマイナビが発表したデータ(『マイナビ 2021年卒学生就職モニター調査 5月の活動状況』を発表)によると、グループワークのオンライン実施率は3.3%でした。これに対してグループディスカッションのオンライン実施率は10.9%となり、グループワークを導入する企業はやや少ない印象です。

グループディスカッションとの違い

グループワークとよく比較されるグループディスカッションには、どのような違いがあるのでしょうか。数人の候補者がチームを組んで課題に取り組む点は共通していますが、グループワークは最終的な結論や成果物が求められるのに対し、グループディスカッションはあくまでも議論をするのみという点が異なります。

グループワークでも、結論や成果物を出すためのディスカッションを実施するため、混同されやすくなっています。いずれも進める過程が似ていますが、グループワークのほうが個人の特徴や能力を評価しやすいと言えるでしょう。

グループワークのお題例 

グループワークのお題には「プレゼンタイプ」「作業タイプ」の2タイプがあります。プレゼンタイプは、テーマに沿ってディスカッションを実施し、グループで決定した結論を全員の前で発表する形式です。グループディスカッションと似ていますが、最後に結果を「発表」するところが大きな違いだと言えます。

プレゼンタイプのテーマ例

プレゼンタイプのお題には、次の3つがあります。

  1. オープンディベート・課題解決型
  2. 選択型
  3. ビジネス型

それぞれの型のテーマ例を紹介します。

オープンディベート・課題解決型
  • 社会人に求められる能力・スキルは何か?
  • 10年後、この業界はどのように変化しているのか?
  • 何故働かない人がいるのか?

オープンディベート・課題解決型は、討論の中で自分の意見を的確に伝えながら情報を分析しまとめることや、チームの結論を出してプレゼンする能力を評価したい場合におすすめです。

選択型
  • フレックスタイム制度を導入すべきか否か
  • この応募者の中で、採用するとしたら誰か

選択型は、与えられたいくつかの選択肢を選んだり、優先順位をつける方法で実施されるグループワークです。オープンディベート・課題解決型と同じく、明確な答えが存在しない課題が出題されるため、情報整理して分析する思考力や、課題特定の力、選択肢を選ぶ際の根拠を論理的にまとめられるかといったスキルを評価したい場合におすすめです。

ビジネス型
  • ただの石を3万円で売る方法は?
  • 1年後に売上を2倍にする方法は?
  • 地方都市進出における戦略立案を考えよ

ビジネス型は、実際のビジネスシーンでも起こりうる課題の解決策をディスカッションするグループワークです。実際のビジネスシーンに基づき、課題を想定して市場分析しレポーティングしていくため、チーム内の役割分担や進捗管理のスキル、仮説立てやプレゼン能力まで総合的に評価したい場合におすすめです。

作業タイプのテーマ例

作業型のグループワークでは、ディスカッションをしてチームの結論をまとめるだけでなく、実際に手を動かして作業をするタイプのグループワークです。作業型のお題例には以下のようなものがあります。

  • 断片的な情報が記載されたカードがチーム員それぞれに配布され、その情報を共有しながら1枚の地図を作る
  • 企業の新しいPRキャラクターを作る
  • 〇〇市の魅力を紹介する動画を作る

作業型は、決められた時間内で確実に作業を完成させるため、計画力と実行力、スムーズに進めるためのアイデア力、チームで進める協調性などを評価したい場合におすすめです。

効果的なチームビルディングを行う上で重要なポイント
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グループワークの導入目的 

グループワークの導入目的

学生の多くは講義や授業などで、知識を詰め込むインプット型の学習方法が中心です。しかし、実際の仕事現場では、学んだことをいかにアウトプットできるか、主体的に他者とのコミュニケーションをとれるかなどが重要視されます。

グループワークを実施する目的は学生の主体性やコミュニケーション力、行動力といったアウトプットする力を中心に評価することです。これらの能力は、書類選考や面接だけでは評価しづらいため、一定の成果物が確認できるグループワークで評価をするのが好ましいと考えられます。

グループワークであれば、短い時間ながらも他社とのコミュニケーションの取り方や、行動力、思考力、成果物をなどを確認できるのです。

グループワークの導入メリット 

グループワークの導入メリット

採用活動には、グループワーク以外にも筆記試験やエントリーシートなど、様々な選考方法があります。多様な選考方法の中でグループワークを導入するメリットは、実際の行動と成果に対して評価ができることです。

また、グループワークは複数のグループを同時進行で評価するため、多くの学生を一度に効率的よく評価・選考することができるのも利点と言えます。

この特徴を活かせば、グループワークは採用活動だけでなく、新人教育など人材育成のシーンでも活用が可能です。

グループワークを行う際の注意点 

グループワークを行う際の注意点 

グループワークを導入する際は、何を基準に、どのような方法で評価するかを事前に明確に決めておくことが大切です。具体的な評価方法についてすり合わせしないままグループワークを進めてしまうと、「なんとなく発言が多くて目立った人」「発表内容がよかった人」など、感覚的に評価してしまう可能性が高いです。

評価基準によっては、発言数が少なくても加点となる場合もあるため、必ず「何のスキルを評価するのか」「どういった採点基準でワークを確認するか」など詳細に決めるよう注意しましょう。

また、評価方法や基準が明確に定まっていても、選考や研修を担当する担当者が理解していなければ意味あるグループワークが実施できません。必ずグループワークの当日の評価者同士、人事担当者などで目線合わせを行ってください。

グループワークを導入する手順 

グループワークを導入する手順 

初めてグループワークを導入する企業のために、導入手順をご紹介します。採用の担当者は、ぜひグループワークを効果的に導入するための参考にしてください。

①評価項目と基準を決める 

まず始めに、学生が持つどのような能力やスキルを評価したいのか、評価したい項目の洗い出しを行いましょう。洗い出した評価項目ごとに、グループワークではどのような行動として表れるのかなどを、事前に議論してまとめておくことが大切です。

例えば、発信力を評価する場合「自分の意見をただ発信するだけでなく、意見がしっかりと整理されているか」「意見の趣旨を明確に伝えることができているか」などの評価項目が挙げられるでしょう。

その他にも傾聴力を評価する場合「相手に適切な質問をすることによって、うまく情報が引き出せているか」「相手の意見をただ聞くだけではなく、自分の意見を適切に加えることができているか」などがあります。

②グループワークのテーマを決める 

次に、求める人物像を参考にしながら適切なグループワークのテーマを決めていきます。例えば、学生の「状況判断力」「創造性」「論理性」などを評価したい場合、オープンディベート・課題解決型など明確な答えが存在しないテーマを用いることが好ましいでしょう。

・学生の「論理性」を評価したい場合
→実際に調査することが難しく、捉えどころのない数量に関連した「フェルミ推定型」のテーマ

・学生の「価値観」を評価したい場合
→議論の中で物事の優先順位を付けていく「選択型」のテーマ

評価したい項目に沿ったグループワークのテーマを適切に選ぶことにより、評価の精度が向上します。

③オンラインかオフラインを選択する 

評価基準やテーマが決まったら、オンラインかオフラインのどちらで実施するかを検討します。新型コロナウイルス感染拡大を受けてオンライン説明会などが普及しましたが、グループワークをオンラインで実施する企業はあまり多くありません。

しかし、Zoomのブレイクアウトルームを活用するなど、工夫次第でグループワークのオンライン実施は可能です。オンラインでグループワークを実施できれば、参加者の日程を調整しやすい、大型会場の準備負担を削減できるといったメリットも得られます。一方、オンラインならでは起こり得る、参加者が発言しづらい点には対策が必要です。自社にとってどちらで実施するべきかメリット・デメリットを見極めて判断してください。

④ファシリテーターや評価者をアサインする 

グループワークを実施するための準備ができたら、当日全体を仕切るファシリテーターや学生を評価する評価者をアサインしましょう。グループワークごとに評価者が複数名、ファシリテーター1名、タイムキーパー1名を決めます。各担当者をアサインすることができたら、当日スムーズに進行するためのシュミレーションを実施しておくことが大切です。

⑤会場や機材など準備する 

グループワークの実施に必要な準備は、オンラインの実施かオフラインかによって異なります。それぞれ準備に必要なものは下記を参考にしてください。

  • オフライン開催の場合
    • 会場
    • プロジェクターなどの機材
    • 課題に必要な小道具
  • オンライン開催の場合
    • ビデオ会議ツール
    • インターネット環境
    • 配信機材

⑥学生に告知を行う

グループワークに必要なことが決まったら、学生に告知を行いましょう。告知をする際、グループワーク目的、概要、実施日や準備してほしいものなどを伝えておくことが大切です。

また、オンラインで実施する場合においては、通信エラーなどのトラブルが発生する場合があるため、必ずWeb会議システムの使用方法や注意点、緊急連絡先などをあわせてアナウンスしておきましょう。

まとめ 

グループワークの目的や実施ポイント

グループワークは、候補者にお題を与えてディスカッションしてもらいながら、何かしらの成果物を発表してもらうワーク式の選考手法です。グループディスカッションと似ていますが、成果物の発表のために議論だけでなく作業を行ったり、最後に必ず発表を行う点で異なります。

面接では評価しづらい、実践的なコミュニケーション力や成果を出すまでの思考プロセス、その人の個性などが見れる点が導入メリットです。

現状としてはグループワークの実施率はやや低くなっていますが、オンラインでも工夫次第で導入は可能です。筆記試験やエントリーシート、面接では見極めが難しい候補者の素顔にアプローチしたい企業は、ぜひ導入を検討してみてください。

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人事ZINE 編集部

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人事・採用担当者の悩みに寄り添うメディア「人事ZINE」の編集部です。 人事・採用に関する役に立つ情報や手法を発信します。 就活生の3人に1人が利用する新卒採用オファー型サイト「OfferBox(オファーボックス)」を提供する株式会社i-plugが運営しています。