【2022年卒】新卒採用市場の動向・変化を考察

本記事は、弊社の独自調査や他社調査などをもとに2022年卒採用の市場動向や変化を予測した、最新調査資料の各章の一部を抜粋しています。調査資料では、2021年春以降の2022年卒採用の動向について考察しておりますので、皆様の採用活動にお役立ていただけますと幸いです。

最新の2022年卒新卒求人倍率を踏まえた市場トレンド

最新の2022年卒新卒求人倍率を踏まえた市場トレンドについて、以下3つの順に紹介します。

  1. 全体 求人倍率
  2. 従業員規模別 求人倍率
  3. 業種別 求人倍率

全体 求人倍率

来春2022年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.50倍。前年の1.53倍より0.03ポイント減少し、昨年と大きな変化はなく、2020年3月卒(1.83倍)から3年連続の減少となりました。

リーマンショック、バブル崩壊、東日本大震災などの大きな社会不安時には、求人倍率が急激に減少する傾向があるものの、2022年3月の求人倍率を見る限り、コロナ禍での求人倍率の減少には現時点では歯止めがかかっている様子が伺えます。

従業員規模別 求人倍率

従業員規模別に大卒求人倍率を比較すると、従業員規模300人以上の企業においては直近5年間であまり大きな変化は見られません。

一方で従業員規模300人未満の企業においては、2019年卒以降2年連続で減少し、特にコロナ禍の2021年卒では大幅な減少(‐5.22倍)が見られたものの、直近2022年卒では1.88ポイント回復していることが分かります。2022年卒直近の求人倍率は中小企業においても今後、同水準で推移することが予測されます。

業種別 求人倍率

出典:リクルートワークス研究所 第38回ワークス大卒求人倍率調査(2022年卒) 
※グラフは出典を元に当社独自で作成

業種別に大卒求人倍率を比較すると、直近5年間では製造業、流通業、金融業、サービス業・情報業の求人倍率に大きな変化は見られません。

一方で流通業、建設業においては、2019年から2021年までの3年間で流通業は5.29ポイント、建設業は3.54ポイント減少しました。

しかし2022年卒をみると、昨年と比較して流通業は0.84ポイント、建設業は0.39ポイントと増加に転じていることがわかります。業種別求人倍率の差は依然として大きいものの、流通業、建設業においても若干の回復基調が見られます。

直近の企業側の動きと、今後3か月以内の動向予測

直近の企業側の動きと、今後3か月以内の動向予測について、以下3つの順に紹介します。

  1. 22卒の採用見込み
  2. 採用活動のスケジュール見通し
  3. オンライン採用の導入状況

22卒の採用見込み

新型コロナウイルスが蔓延し、採用の形態が変化した2021年卒では「減少」と答えた企業は27.6%と、前年2020年卒と比べて19.7ポイント増加しました。

続く2022年卒では、「減少」と答えた企業は12.9%と2021年に比べて14.9ポイント減少、「増減なし」が8.1ポイント増加しました。新型コロナウイルス流行を契機に2021年卒から急激に縮小した採用活動は、2022年卒では均衡状態が続き、直近春以降も様子をうかがいながら採用活動が継続されていくことが予測されます。

採用活動のスケジュール見通し

2021卒と2022年卒の採用活動のスケジュールを比較すると、面接の開始時期が1月以前の企業は2021卒(9.1%)→2022卒(10.2%)と1.1ポイント増加しており、面接の開始時期が若干早まっていることがわかります。

また内定出しの開始時期に関しても2021卒では7月が最も高く13.8%(2021卒:5.0%)だったのに対し、2022卒は4月下旬が最も高く12.5%(2021卒:6.7%)と採用スケジュールが総じて早期化していることがうかがえます。

2022卒は現時点で内定出しのピークを過ぎたため、今後、各企業は内定者フォローおよび、内定辞退発生による追加選考に注力することが予測されます。

オンライン採用の導入状況

2022卒採用活動におけるオンライン採用の導入状況の調査によると、「全くオンライン化していない」と回答する企業が8.7%のみ、つまり約9割以上が採用活動の中でオンラインを導入していることが明らかになりました。

特に説明会と面接は約8割近くの企業がオンラインで行っている状況でした。一方、内定(最終選考)は20.9%と、面接(75.2%)と比べると54.3ポイント少ない結果になりました。

このことから説明会~内定出しまで全てオンラインで完結させるわけではなく、最終フェーズは意図的に対面で行っている企業の方が多いことがわかる。直近2022年卒採用においては引き続き対面での内定出し・承諾面談の実施が予測されます。

全編ではさらに詳しく市場動向や学生の変化、主要な採用トレンドをデータで解説していきます。全編は以下からダウンロード可能ですので、採用活動にお役立ていただけますと幸いです。

前回の新卒市場動向調査の掲載(2020年12月 発行)

最新の新卒市場動向の調査概要は以上になりますが、以降当社が2020年12月に発行した2022年卒の市場動向調査について解説します。最新の市場動向を知りたい方は上記の概要や全編資料を参照いただき、過去の市場調査について知りたい方は以下を参照いただけますと幸いです。

求人倍率から2021年卒を振り返る 

2021年卒大卒者の求人倍率は1.53倍に

来春2021年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.53倍(6月調査)と、前年の1.83倍より0.3ポイントの低下、2年連続の低下となりました。求人倍率が大幅に低下した2010年卒の時(0.52ポイント低下)には及ばないものの、10年ぶりに0.3ポイント以上の低下になります。

一方で、求人倍率は1.53倍を維持しており、バブル崩壊後の経済停滞期やリーマン・ショック時のような低水準とはなりませんでした。2月調査においては、2021年卒の求人倍率は1.72倍となっており、景気減速により2020年卒の1.83倍から低下はしていましたが、高水準を維持していました。

しかし6月調査では、1.53倍と約2ポイント低下したことから2~6月の新型コロナウイルス(以下、コロナ)感染拡大により、企業が採用計画を縮小したことがうかがえます。

従業員別に見る大卒者の求人倍率による変化

従業員別に求人倍率を確認すると全体の変化の詳細がうかがえます。もっとも大きな変化があったのは、従業員300人未満の求人倍率になります。前年の2020年卒よりも5.22ポイント低下していることが分かります。

この低下が全体の有効求人倍率を下げる要因となっています。またその他の従業員別セグメントによる求人倍率は、前年同様売り手・買い手の境界線といわれる1.6倍を下回る数値を継続している状況です。

求人総数が与える大卒者の求人倍率への影響

全国の民間企業の求人総数は、前年の80.5万人から68.3万人へと12.2万人減少(対前年増減率は▲15.1%)しました。コロナの感染拡大による景況感の不透明さにより、求人意欲は10年ぶりの前年比▲10%以上と低下するも、60万人台を維持企業規模に関わらず、約15%ほどの減少傾向にあります。

就職企業者数が与える大卒者の求人倍率への影響

学生の民間企業就職希望者数は、前年44.0万人から44.7万人へと0.7万人増加(対前年増減率は+1.7%)しました。 就職希望者数に対して、求人総数が23.6万人の超過している状態です。従業員別に確認すると、999名以下は増加、1000名以上は低下となっています。長年継続されていた大企業への就職希望の一点集中から、中小企業への就職企業へと変化が起こっていることが分かります。

2022年卒の新卒採用市場の変化

新型コロナウイルスにおける経済活動の変化

新型コロナウイルスの影響によって、社会、生活、産業、事業を構成する前提条件が変化すると考えられます。これまでの経済活動は、リアルに集約し規模化して効率化を図るという経済活動がメインとなっていましたが、集約・規模化が実施できないことから、これまで通りにはいきません。

これからの経済活動は、オンラインを活用して、拠点は分散しつつ自動化しながらテクノロジーの力を使い生産性を向上させていく、経済活動に進むと考えられます。

マクロ環境における外部環境の変化

新型コロナウイルスを起点に外部環境の変化が起こっていることが分かります。特に社会・ライフスタイルにおける三密回避における変化が顕著になっています。今後、この動きは一定期間は継続されることが考えられるため、採用活動でも従来の活動に限定せずに、新たな変化に挑戦していく必要があるでしょう。

2022年卒採用の2021年1月までの展開

夏のインターンシップから始まり、秋を終え企業や学生の動きに変化が見られるようになりました。「学生の動き」と「企業の動き」に分けてそれぞれ解説します

2022年卒の学生の活動状況の変化

2022年卒では学生の活動は顕著な動きを見せています。弊社が運営するOfferBoxでも変化があります。2022年卒の学生は、2021年卒と比較すると5月以降、1.5倍の登録数が継続しており昨年と比較すると早期に活動する学生が増加しています。

またその学生たちは早期から活動する理由として「就活に不安を感じているから」と回答する学生が全体半数を占めており、弊社が行っている学生インタビューからも、メディアで就職活動について取り上げられることも多く不安に感じると回答する学生も多くいます。

また、学生1名あたりのエントリー数にも変化が見られます。右図はサマーインターンシップへのエントリー数を表しており、昨年までは16社以上のエントリー数が10.6%に対して今年は22.2%と11.6%も増加していることが分かります。

これは急激に求人倍率が変化したリーマンショック当時と比較すると、当時と同様の変化となっています。恐らく学生の不安の現れからエントリー数に反映されていることが考えられます。

2022年卒の企業の活動状況の変化

2022年卒の企業は、社会・ライフスタイルにおける三密回避における変化の対応策として、オンライン化の導入を進めていることがわかります。

新型コロナウイルスにおける採用業務への影響を調査したところ、。影響範囲は、「面接方法の見直し・再設計(オンライン面接への移行)」(75%)と「採用スケジュール」(64%)に集中しました。このことから2022年卒も継続してオンラインを取り入れていることが想定されます。

また、企業のオンライン化が進むことで、すでにわかってきたこともあります。オンラインを導入することで、メリットとデメリットが顕著に出始めています。

メリットでは、オンラインを導入することで、いままであった「時間」「場所」「コスト」の3つの制約が軽減されました。特に「時間」「場所」の制約が軽減されたことで学生との接点が持ちやすくなりました。そのことから、『2021年卒よりも学生と会いやすい』と感じられている企業も多いと考えられます。

デメリットでは、対面ではないため学生の反応や印象を感じ辛いと感じたり、職場の雰囲気など感情に訴えかけ辛くなったという声が上がっています。オンラインであることでの難しさが表面化しています。そのことから、『2021年卒よりも口説きづらい』と感じる企業様も多いと考えられます。

最後に

本記事では、弊社の独自調査や他社調査などをもとに2022年卒採用の市場動向や変化を予測した下記の調査概要を解説しました。

  • 最新の2022年卒新卒求人倍率を踏まえた市場全体動向
  • 直近の企業側の動きと、今後3か月以内の動向予測
  • 前回の新卒市場動向調査の掲載(2020年12月 発行)

最新調査の全編では詳しく市場動向や学生の変化、主要な採用トレンドをデータで解説しています。本調査が皆様の採用活動にお役立ていただけますと幸いです。

人事ZINE 編集部

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