スカウトメールとは?例文付きで効果的な書き方を解説!無視させない文面の作り方

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長年大手ナビサイト掲載が主流だった新卒採用の手法も、近年では多様化してきています。

背景には、アベノミクス以降の売り手市場において求人広告を出して待っているだけでは人材の確保が難しくなってきたことがあります。そうした状況の中でより活用が進んできた手法の1つにスカウトメールがあります。

今回は、スカウトメールが何かというところから、効果が高いスカウトメールの特徴を例文付きでお伝えしていきます。

また、弊社YouTubeチャンネルでも、「求人広告・スカウト文面のワークシート」をもとに、効果的なスカウト文面の作り方について解説した動画を公開しています。10分程度でご覧いただけますので、よろしければご活用ください。

スカウトメールとは

スカウトメールとは

これまでの大手ナビサイトが、求人広告を掲載してエントリーを「待つ」手法とするなら、スカウトメールはデータベースから自社がターゲットとする学生を抽出し、その層に直接ダイレクトメッセージを送ることで応募を促していく「攻める」採用手法となります。

近年のような売り手市場の中では、待っていても十分な母集団形成ができないという課題感の中で、待っているだけではなく企業側からアプローチができる手法として注目されている手法となります。

スカウトメールの種類

スカウトメールは、大きく以下の3種類に分類されます。以下では順番に解説します。

  • オープンオファー
  • 条件一致オファー
  • 完全一致オファー

オープンオファー

対象者の条件を絞らずに、同一内容のスカウトメールを一斉送信する方法です。学生ごとにメール文面を変更する必要がないため手間がかかりませんが、反応が得られにくいというデメリットもあります。

条件一致オファー

経験やスキル、年齢や居住区など、自社のターゲット像と条件が一致する学生をピックアップし、オファーを送る方法です。プライベートオファーともいわれます。ピックアップの手間はかかるものの、オープンオファーよりも反応は良くなります。

完全一致オファー

複数の採用条件が一致する学生に対して、面接確約など特別な条件を付けて送るオファーです。学生の持つ属性に合わせて個別メッセージを作成する手間はかかりますが、高い確率で応募や採用につなげることができます。

採用活動でスカウトメールが効果的なケース

ピンポイントにターゲットを絞ってアプローチができるスカウトメールですが、どのような場合に活用すると効果的なのでしょうか。

採用する人材を早く決めたい場合

ある程度条件の一致する学生にスカウトメールを送るため、書類選考の手間などを省くことが可能です。また、通常の採用活動よりも応募や採用につながりやすいことから、「●日までに○人採用したい」など、具体的なゴールが決まっているときにも活用できます。

採用基準が厳しく母集団形成が難しい場合

専門職の募集で特殊な技能が必要、高い語学力が求められるなど、採用基準が厳しいため母集団形成が難しい場合もスカウトメールが有効です。条件のマッチする人材からの応募を待つよりも、ピンポイントで企業から接触を図る方が、効率的に選考を進めることができます。

企業の知名度が低い場合

求人サイトは数多くの登録企業と横並びに比較されるため、中小企業や地方企業は埋もれてしまいがちです。スカウトメールを活用すれば、自社を知らない学生とも接触機会を持つことができます。

スカウトメールを書く手順

スカウトメールを書く手順

効果的なスカウトメールを作成するには、誰に、何を、どのように伝えるのかを整理してから始めることが大切です。その手順と気をつけるべきポイントを以下にご紹介します。

ターゲット・ペルソナを設定する

スカウトメールを作成する前に、まずターゲットやペルソナ(人物像)を設定します。以下のような項目から、どのような学生を募集したいのか整理しましょう。

  • 学部・学科
  • 研究内容
  • 部活動
  • 趣味
  • 性格
  • 希望職種や条件

ターゲットの設定作業を通して自社の求める人材が明確になり、スカウトメールの文面を考える際にも役立ちます。

ペルソナ設定について詳しくはこちらの記事もご参照ください。

開封したくなる件名を考える

スカウトメールは、そもそも読まれなければ意味がありません。学生が思わず開封したくなるように件名を工夫しましょう。

設定したターゲットやペルソナをもとにして、「大学での研究テーマを応用できる仕事です」「スキル・成果次第で早期のキャリアアップも可能です」「△△な職場環境をご希望の方へ」など、具体的にアピールする文言を件名に入れると、スカウトメールへの関心を持ってもらいやすくなります。

カジュアル面談や座談会などのイベントを設ける場合は、「【特別招待】」といった引きの強い言葉を入れるのもよいでしょう。

自社の魅力を伝える

件名の次は、メールの本文です。ターゲットやペルソナ設定で明確になった人物像に対して、自社の魅力を伝えましょう。

例えば大学での専攻や研究テーマを軸とするなら、自社内のどのような職種・仕事において学びの内容を生かせるのか、また自社を選ぶことのメリットを伝えます。

なお、会社概要など自社のホームページを読めば分かるような内容は、なるべく端的にまとめましょう。

特別なメッセージを添える

スカウトメールには、その相手ならではのメッセージを添えて特別感を出すと効果的です。

例えば学生のプロフィールや経歴を踏まえて「そういうあなただからこそ、スカウトしたい」という意図が伝わるようなメッセージを打ち出せれば、学生の応募意欲はぐっと高まるでしょう。

ただし、こうした個別化した内容のメールは作文にそれなりの工数がかかりますのでご注意ください。

学生に刺さるメッセージを送るためのポイントについては、こちらの記事もご参照ください。

スカウトメールが無視されてしまう原因

「スカウトメールを送っても、なかなか反応がない……」と悩む採用担当者は少なくありません。ここでは、スカウトメールが無視されてしまう原因をご紹介します。

件名に魅力がない

スカウトメールで、最初に読まれるのは件名です。件名に引きつけられるものがなければ、その先を読んでもらうこともアクションを起こしてもらうこともできません。

学生は多くの企業からスカウトメールを受け取ります。届いたメール全てを開封するとは限りません。件名に訴求力がなく「この件名なら、どの企業でも送信できる」というものになっていないか、メールの作者自身も求職者になったつもりで読み直してみましょう。

定型文らしき文章が多い

スカウトメールの役割は「あなただからこそ、ぜひスカウトしたい」というメッセージをターゲットに伝え、応募を促すことです。そのスカウトメールで、ありきたりな定型文を多用していると、相手には「自分も他の学生と同じ扱いなのか」と思われ、逆に印象を悪くしてしまいます。

本文に個人名を入れたり、ターゲットの気持ちに寄り添う言葉を使ったりしながら「あなたをスカウトしたい」という特別感を出しましょう。

内容が抽象的

スカウトメールは、受け取った学生に会社の魅力や仕事内容を伝え、入社後のイメージをより具体的に掴んでもらうという狙いがあります。逆に、内容が抽象的すぎて「結局何が伝えたいのかよく分からない」と感じさせてしまってはなりません。

特に、会社説明は改まった固い言葉が並ぶため抽象的な文章になりがち。長々と書かないようご注意ください。

次のアクションが見えない

成果の出ないスカウトメールにありがちなのが、企業が伝えたいメッセージはきちんと表現できているのにターゲット目線でのデザインができていない、というケースです。スカウトメールのゴールはあくまで実際に学生に応募してもらうことですから、学生に望む次のアクションを必ず明示しておきましょう。例えば次のようなものです。

  • エントリーする
  • 説明会に参加する
  • カジュアル面談に参加する

ターゲットに刺さるスカウトメールの特徴・書き方

ターゲットに刺さるスカウトメールの特徴・書き方

ターゲットに刺さるスカウトメールは、伝えたいことが明確で、かつ「あなただからこそ、スカウトしました」という特別感が感じられるものです。ここでは、それらの特徴と書き方について詳しくご紹介します。

自社の魅力が訴求できている

優れたスカウトメールは、自社で働く魅力やメリットを分かりやすく訴求できています。

  • 業務内容(責任感のある仕事など)
  • 給与(月収やボーナス、インセンティブなど)
  • 休日(完全週休2日制や、年間休日○日など)
  • 役職(幹部候補・マネジメント職候補の採用など)
  • 風土・カルチャー(風通しのよさなど)

こういった項目のうち、競合他社と差別化できるのはどれか、ターゲットに響きそうなポイントは何かを見出して、メッセージに反映させましょう。

ターゲットの希望条件に合致したオファーを提示している

基本的なことですが、ターゲットが希望している条件に合ったオファーをスカウトメールで提示できているかは大変重要です。

例えば、「休日はしっかり欲しいという相手」には、完全週休2日制や年間休日の多さをアピールすれば、より興味を持ってもらえるでしょう。希望職種や給与面についても同様です。多くの条件を揃えておくほど、そのいずれかがターゲットに刺さる可能性は高くなります。

その候補者をスカウトした理由が説明できている

スカウトメールの内容に欠かせないのが「なぜ、あなたにスカウトメールを送ったのか」という理由です。

新卒採用では、企業に大量のエントリーを送っては断られ続けるという経験をしている学生も少なくありません。

そうしたなかで「こういう理由で、あなたが必要です」というスカウトメールを受け取ると、学生は「自分は必要とされている」と感じられ、自信を持ってやってみようという前向きな気持ちになりやすいのです。

具体的には、「○○様の経歴を拝見し〜」などの文言でスカウトに至った理由を説明しますが、これはなるべく個別化した、その人ならではのメッセージとなるように配慮しましょう。

また、ターゲットの個人名を文中に用いるとオリジナル感を出せます。

ただし、個別にスカウトメールを作ろうとするとどうしても業務負担が増えてしまうため、社内リソースの状態を考えながら、無理のない範囲で行なってください。

ポジティブなワードが入っている

効果の高いスカウトメールを作るには、ポジティブなワードを盛り込むのも大切です。

例えば営業職のスカウトメールなら「有休消化率高め」や「幹部候補」、IT系であれば「フレックス勤務」「経歴ではなく成果で評価」など、職種ごとに反響を得やすいキーワードを盛り込みましょう。

反対に、ネガティブな連想をさせるワードは避けるべきです。いくら早く採用したいからといって「大量採用」「学歴不問・未経験歓迎」といった言葉を並べてしまうと「誰でもよいのだな」という印象を与えかねません。

繰り返しますが、スカウトメールは「あなただから、スカウトした」という特別感が大切です。言葉選びにはご注意ください。

会社説明をなるべくコンパクトにまとめている

スカウトするターゲットに対して「うちの会社についてもっと知って欲しい」と思うのは採用担当者として当然ですが、スカウトメールにおいては、会社説明はなるべくコンパクトにまとめましょう。特に、メールの冒頭で長々と会社説明を書くのは避けてください。

学生が気になっているのは、抽象的な会社説明ではなく、職場環境や担当業務、待遇といった具体的な内容だからです。

応募までの導線が設計できている

成果の出るスカウトメールに共通しているのは、応募までの導線設計ができている点です。スカウトメールを読んだ後に、学生がどうアクションを起こせばよいのかが明確に分かるよう工夫しましょう。

基本的にスカウトメールはエントリーを促すためのものですが、それだけでなく、カジュアル面談のような企業と学生が気軽にコミュニケーションを取れる機会を用意するのもおすすめです。

効果的なスカウトメールの例文

スカウトメールの例文

それでは上記の要素を踏まえて、スカウトメールの例文をご紹介します。

例1:営業職種のスカウト

  • 〜〜をやってきたあなただから
  • 自社の〜〜で望む成長ができる とか

まずは新卒の特に文系の採用で募集の多い営業職採用のスカウト事例です。

こちらの企業は、募集職種は営業ですが、日々図面設計など専門性が高い技術的な業務に携わるため、理系人材の採用をしたいと思っている企業の例です。

そのためオファーについては営業ながらも技術的な側面が必要なことや、その業務の中でどんなコミュニケーションが必要とされるか具体的に落とし込んで伝えています。

また、自社を希望してくれるように、その技術がインフラに深く関わっていて日々の生活に欠かせない点や、独立系の◎◎会社の中で上位のシェアで、東日本でNo1を目指しているなど、社会的意義や事業の安定性を訴求しています。

そして会社の雰囲気に合った方に響くように、すこし真面目そうに書いてます。

結果として、オファー変更前と比較して、オファー承認率がアップし、そこから個別面談への接触にも繋がります。

例2:業界イメージにギャップがある候補者へのスカウト

ここでは、企業課題として、企業が求めている人材と学生が抱く企業イメージにギャップがある事例を紹介します。

食品メーカーの企業でありながら、医療分野の専門性を持つ学生に送るオファーの例を紹介します。

企業課題としては、企業が求めている人材と学生が抱く企業イメージにギャップがあり、この例では食品メーカーでありながら化学系の専門性を持つ学生を採用するターゲット設定をしています。

そのためのスカウト文として、まずターゲットとする学生のプロフィールのうち、何が自社の求めているポジションに合うのかを伝えています。まず、食品メーカー志望の多い農学系などだけでなく薬学や化学系の学生が活躍する場があることを提示しています。

その結果、理系のターゲット学生からのオファー承認率も高い水準に至りました。

まとめ

スカウトメールを成功させるポイント

採用活動におけるスカウトメールの種類や、効果的な書き方のポイントについてご説明しました。

スカウトメールといえば中途採用のイメージが強いかもしれませんが、新卒採用においても、採用対象の学生に直接アプローチできる手段として有効です。

スカウトメールを作成する際は、ターゲットに「他でもない、あなたに応募して欲しい」という特別な気持ちを伝えられるよう工夫しましょう。

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人事ZINE 編集部

人事ZINE 編集部

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