ソーシャルリクルーティング(SNS採用)とは?新卒採用での成功事例や注意点を解説

ソーシャルリクルーティング

採用手法が多様化する現代において、大きな注目を浴びているのがソーシャルリクルーティング(SNS採用)です。しかし「ソーシャルリクルーティングを始めたいけど、何から始めればよいか分からない」と悩んでいる、採用担当者の方も多いでしょう。

そこで今回の記事では、企業の採用担当者の方に向けて、ソーシャルリクルーティングについて幅広く解説します。具体的な成功事例など、役立つ情報もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ソーシャルリクルーティング(SNS採用)とは?基礎知識を解説

ソーシャルリクルーティング(SNS採用)とは?基礎知識を解説

まずはソーシャルリクルーティングの定義や、それを取り入れる目的について解説します。

ソーシャルリクルーティングの定義

ソーシャルリクルーティングの定義は、「FacebookやTwitter、YouTubeなどSNSを活用して行われる採用活動」です。SNSは、日本で広く浸透しており、それを採用活動に役立てている企業も増えつつあります。

特にZ世代にとって、SNSは生活の一部といっても過言ではありません。そのため、ソーシャルリクルーティングを実施する際は、基本的に新卒学生などの若い世代がターゲットになります。

ソーシャルリクルーティングを取り入れる目的

ソーシャルリクルーティングを取り入れる目的は、SNSを情報収集源にしている若い世代を、効果的に採用することです。求職者側にとって、従来の情報収集方法といえば、求職サイトや企業公式サイト、Googleなどの検索エンジンが主流でした。しかし若い世代は「よりリアルな情報」を手に入れるために、SNSを積極的に活用しています。

特に新卒採用市場では、企業のブランドイメージが、就活生に大きな影響を与えます。そこで昨今では、自社のリアルな魅力や情報を発信するツールとして、SNSを活用するのがトレンドとなりつつあります。

ソーシャルリクルーティングを実施するメリット

ソーシャルリクルーティングを実施するメリット

ソーシャルリクルーティングを実施するメリットはさまざまです。ここでは、代表的なものを4つ解説します。

採用コストを抑えらえる

ソーシャルリクルーティングの代表的なメリットは、採用コストを抑えられる点です。SNSは無料で利用できるものがほとんどで、求人広告媒体やエージェントサービスとは異なり、広告掲載などをしなければ外部コストが一切発生しません。

企業がSNSアカウントを育成してアカウント自体の影響力が高まれば、宣伝広告費用をかけずに高い宣伝効果を期待できるようになります。アカウントを育てるまでにそれなりの工数はかかりますが、コストパフォーマンスの高い手法といえそうです。

転職潜在層にもアプローチできる

転職潜在層にアプローチできるのも、ソーシャルリクルーティングの魅力です。SNSは基本的に拡散力の高いメディアなので、「自社に興味を持っている層」以外にも情報を届けられます。

今すぐに転職をする意思がない人でも、SNSを通して信頼関係を築いていけば、将来の応募・採用につながる可能性もあるでしょう。SNSで投稿する内容次第で、潜在層をうまく取り込めるのも、ソーシャルリクルーティングの特徴です。

働くイメージを具体化できる

新卒学生などの求職者にとって、具体的な働き方をイメージしてもらいやすいというメリットもあります。SNSは、「よりリアルな情報」を発信できる場所です。画像・動画を用いつつ社員が普段働いている姿を投稿するなど、コンテンツの内容を工夫すれば、より効果的な情報発信ができます。

求人広告を打ち出せば、仕事の全体像が分かりやすくなるのは確かです。さらにSNSで具体性・生身の声を加えることで、より「その企業で働くイメージ」が伝わりやすくなるでしょう。

企業ブランディングにつながる

SNSでの投稿を通して、企業ブランディングにつながるというメリットも見逃せません。ブランディングができると、他社との長期的な差別化ができるようになり、人材採用はもちろん、マーケティングの面でも有利になります。

適切な企業ブランディングをするためには、「CI」(コーポレートアイデンティティ)などをもとに自社が相手に伝えたいメッセージを整理するのが大切です。現状分析をもとにSNSで投稿するコンテンツに落とし込めれば、効果的なブランディングができるでしょう。

ソーシャルリクルーティングのデメリット・注意点

ソーシャルリクルーティングのデメリット・注意点

ソーシャルリクルーティングには、いくつかのデメリットや注意点があります。ここでは、代表的なものを3つ解説します。

炎上リスクがある

ソーシャルリクルーティングには、炎上リスクがあるので注意しましょう。SNSは、不特定多数のユーザーとコミュニケーションができるツールです。拡散力が大きいのは確かに魅力的ですが、ネガティブな評判が広まることもあります。採用活動の工数が無駄になってしまうどころか、むしろ逆効果になってしまうケースも珍しくありません。

ソーシャルリクルーティングを活用する際は、必ず社内でSNSガイドラインなどを作成し、担当者間で共有しておきましょう。

魅力的なコンテンツが求められる

魅力的なコンテンツが求められるため、比較的運用のハードルが高い点にも注意しましょう。企業がただ情報を発信するだけでは、あまり高い効果は期待できません。その企業にしかできない差別化されたコンテンツが必要です。

具体的には、「SNSならではの動画・写真も用いた社内のリアルな情報」「ユーザーアンケートや独自調査といった関心を引きつけるトピック」が考えられます。いわゆる「バズる」確率の高い、刺激的なコンテンツもありますが、炎上するリスクもあるため注意が必要です。

長期的な運用が必要になる

SNSは、短期で効果を発揮するものではなく、ある程度粘り強く運用し続ける必要があります。SNSで有効な情報発信をするためには、まずアカウントを育てなければなりません。TwitterやInstagramであれば、「フォロワー」を集める作業です。

アカウントを育てた後も、ユーザーに飽きられないために、定期的な更新が必要になります。外部コストなどはかかりませんが、投入しなければならないリソースは多いため、計画的に運用するのが重要です。

【チャネル別】ソーシャルリクルーティングで活用できるSNSの特徴

【チャネル別】ソーシャルリクルーティングで活用できるSNSの特徴

ここでは、ソーシャルリクルーティングで活用できるSNSを6つピックアップし、それぞれの特徴を解説します。

Twitter

Twitterは、20代などの比較的若い世代が多く利用しているSNSです。ユーザーが「ツイート(つぶやき)」と呼ばれる短い投稿をし、不特定多数のツイートが並ぶ「タイムライン」を形成するのが基本となります。

Twitterの最大のメリットは、拡散力が高いことです。ブログ記事のようなものではなく、短文発信型なので、社員の日常や思考を切り取って発信するのに向いています。

Twitterはテキスト・画像・動画と自由度が高く、ユーザーに「企業のリアルな空気感」を感じ取ってもらいやすいサービスです。ツイートに応募フォームのリンクを設置すれば、採用の窓口としての役割を与えられます。

Instagram

Instagramは、Twitterと同じく20代を中心とした若い世代が多く利用しているSNSです。写真や画像を使った投稿がほとんどであり、「おしゃれ志向」の強いサービスとなっています。

Instagramのメリットは、求職者に対して視覚的に訴求しやすい点です。特にアパレルやカフェなど、「ビジュアル面でアピールしたい」と考えている場合は、親和性が高いメディアだといえるでしょう。企業ブランディングにもよく使われています。

LINE

LINEは、10代から50代までさまざまな年齢層が利用しているSNSです。日本国内では、連絡ツールとして浸透しており、まさに生活の一部となっています。

ビジネス向けの「LINE公式アカウント」というサービスがあり、友達追加してくれた求職者に対して、セグメント配信やリッチメニューの提供など多様なアプローチが可能です。

LINEの大きなメリットが、ユーザーと質の高いコミュニケーションが交わせる点です。採用情報や選考のスケジュールなどの情報を発信するのに役立ちます。

Facebook

Facebookは、世界で広く利用されているSNSです。実名登録が基本となるため、プロフィールの信憑性が高く、ダイレクトリクルーティングに適しています。「いいね」や「シェア」など、投稿を拡散するための機能も豊富です。

Facebookの利点は、採用活動をサポートする「求人機能」が備わっている点です。プラットフォーム上で応募を促進できるため、スムーズなアプローチが可能になります。

YouTube

YouTubeは、動画コンテンツを中心としたSNSです。視覚的・聴覚的に訴求できるのが大きなメリットで、魅力的なコンテンツを作成できれば、採用活動で有利になります。

以前は数分から数十分の動画が主流だったものの、2020年頃から各国で順次「YouTubeショート」が追加され、1分程度のショート動画も増加しました。コンテンツ内容に合わせて、動画の形式を変えられるため、自社の魅力をアピールしやすいSNSといえます。概要欄に文字情報を多く載せられるため、採用受付の窓口としても利用可能です。

TikTok

TikTokは、10秒から数分程度のショート動画を中心としたSNSです。10代などの若い世代が主に利用しています。TikTokの大きなメリットは、比較的コンテンツを作成しやすいことです。YouTubeのように、高い編集技術を求められることもほとんどありません。

またTikTokが活用しているアルゴリズムの都合上、不特定多数のユーザーにアプローチをしやすいのも大きな魅力です。TikTokで知名度を得て、YouTubeに移行するという流れもあります。ショート動画が基本なので、会社紹介・社員紹介などをするのに役立つでしょう。

ソーシャルリクルーティングの成功事例

ここでは、ソーシャルリクルーティングの成功事例を、4つのトピックに分けて解説します。

ネクステージ|Twitter

ネクステージは、中古車販売を中心に、輸入車ディーラー事業や買取なども行っている企業です。同社は、Twitterによるソーシャルリクルーティングを実施しています。

ネクステージのユニークな取り組みとして挙げられるのは、「Twitter限定の選考フロー」です。「お題」と書かれたツイートに写真がアップされており、その写真に対してリプライをするというスタイルになっています。Twitterを採用窓口の1つにしている典型例です。

第一生命|Instagram

第一生命は、国内の大手生命保険会社です。同社は、Instagramによるソーシャルリクルーティングを実施しています。

コンテンツの内容は、現場で働いている人にフォーカスした社員紹介です。職種の紹介や就活生へのアドバイスがコンパクトにまとまっています。写真を使って、ビジュアル面でも分かりやすくなっているなど、「親近感を抱きやすい」「入社後のイメージをつかみやすい」のが魅力です。2022年12月時点で、フォロワー3,000人を達成しています。

バンダイ|YouTube

バンダイは、玩具の製造販売を中心に行っている、国内のメーカーです。同社は、YouTubeによるソーシャルリクルーティングを実施しています。

「バンダイ公式チャンネル BANDAI OFFICIAL」では、商品紹介やアニメの配信など、さまざまなコンテンツを提供しています。社員にインタビューする映像が多く含まれており、仕事内容や社風をイメージしやすいのが魅力です。

三和交通|TikTok

三和交通は、横浜市に本社を置いているタクシー会社です。同社は、TikTokによるソーシャルリクルーティングを実施しています。

コンテンツの内容は、取締役部長と渉外係長の2人のベテラン社員を中心に、社員が全力でダンスを踊るというものです。コミカルな動画が若者の間でヒットし、瞬く間に有名人となりました。動画を見て面接を受けたきた人がいるなど、採用面でも大きな効果をあげています。

ソーシャルリクルーティングを成功させるためのポイント

ソーシャルリクルーティングを成功させるためのポイント

ここでは、ソーシャルリクルーティングを成功させるためのポイントを、3つのトピックに分けて解説します。

ターゲットと目的を明確にする

まずはSNSで接点を持ちたいターゲットと、施策の目的を明確にすることです。

ターゲットは、「専攻分野」「居住地域」「志望業界」などの要件を詰めて行きます。ターゲット像が固まっていることで、使用すべきSNSや発信するコンテンツのテーマを検討しやすくなるためです。

また目的を明確化しておくのも重要です。人材採用につなげたいというゴールがあるにしても、「SNSはあくまでも接点作りとして使う」「SNSは採用ブランディングに用いる」といったSNSを使う目的を定めておきます。

ターゲットにマッチしたSNSを選定する

ターゲットにマッチしたSNSを選定するのも重要です。例えば30代をターゲットにしているのにもかかわらず、10代〜20代のユーザーが多いTikTokを活用しても、効果を期待するのは難しいでしょう。

また年齢層だけでなく、コンテンツの方向性によってSNSを選定するのも重要です。「ビジュアルを訴求したい」と考えているのであれば、テキスト中心のSNSよりもInstagramやYouTubeなどが合う可能性があります。

根気強く継続的に投稿する

根気強く継続的に投稿するのも重要です。

SNSでの投稿は、積み重なるようにして効果が現れてくるケースもあれば、いわゆる「バズる」といった瞬間的なものもあり、いつ成果が出るか予測しにくい傾向があります。

またSNSアカウントが育ってきて、一定の知名度を得た場合でも、新しい投稿を継続することは欠かせません。

中長期的な計画を立てて継続できるかどうかがソーシャルリクルーティングの成功の鍵になります。

ソーシャルリクルーティングを実施するための手順

ソーシャルリクルーティングを実施するための手順

ここでは、ソーシャルリクルーティングを実施する手順として、3つのステップを紹介します。

投稿の方向性を策定する 

まずは投稿の方向性を策定します。具体的には「自社のどのような魅力を伝えたいのか」「ターゲットとする人材のどのようなニーズ・関心に訴えたいのか」です。これが明確になっていると、SNS選定がしやすくなり、ソーシャルリクルーティングをスムーズに進められます。

昨今では、画像や動画など、ビジュアル面で訴求する企業が増えています。特に動画メディアの成長は著しく、知名度があまりない中小企業でも採用しやすいフォーマットです。

SNSを選定し運用担当者を決める

投稿の方向性が決まったら、ソーシャルリクルーティングに活用するSNSを選定して、運用担当者を選びましょう。SNSの運用は、アカウントの管理、配信コンテンツの制作、ユーザーとのコミュニケーション、採用ターゲットへのオファー、効果分析・改善案策定などがあり、工数がかかります。自社のリソースを確認したうえで、最適な担当者を選びましょう。

運用担当者として選ばれることが多いのは、普段からSNSに慣れ親しんでいる若手社員です。しかし社会人経験やリテラシーが浅いと、運用の方向性や細かい表現を間違えてしまい、炎上につながってしまう可能性もあります。研修などを通して、広報活動の担当者としての自覚を持ってもらいましょう。

運用フローと投稿ルールをまとめる

運用担当者を含めて、運用フローの細かい部分を決めます。具体的には「どれくらいの頻度で更新するか」「どれくらいの期間運用するか」などの項目です。

このあたりを決めておかないと、SNS運用の優先度が無意識的に下がってしまい、「何か面白いトピックがあったら更新すればよい」といった運用になってしまいます。

また、先ほどSNSガイドラインについて触れたように、社内で一定のルールも作っておきましょう。ただしルールを厳しくしすぎてしまうと、クリエイティブなアイディアが生まれなくなる可能性があるので、さじ加減が重要です。

まとめ

ソーシャルリクルーティング SNS採用まとめ

ソーシャルリクルーティングは、採用コストを抑えつつ、就活生・転職潜在層へのアプローチや企業ブランディングにもつなげられる手法です。成功させるためには、「コンテンツをどのような方向性で作っていくのか」「どのSNSを活用するのか」が重要になります。

さらに運用フローや投稿ルールの策定など、ソーシャルリクルーティングを実施するための手順も念頭に入れておきたいところです。

SNS運用の目的を明確化した上で、自社のリアルな魅力や情報を発信し、効果的な採用に繋げましょう。

新卒学生を振り向かせるための”攻め”の採用バイブル
新卒学生を振り向かせるための”攻め”の採用バイブル
母集団形成がうまくいっていない企業様向け。新卒学生を振り向かせるための”攻め”の採用バイブルを用意しました。
人事ZINE 編集部

人事ZINE 編集部

新任人事の悩みに寄り添うメディア「人事ZINE」の編集部です。 人事の方々の業務に役立つ情報を発信しております。