
「言いたいことをうまくまとめられない」
自己PRを作成中の学生のなかには、このような悩みを抱えている人が多いのではないでしょうか。
エントリーシートや履歴書で必ずといっていいほど求められる自己PRですが、自分の強みを言葉にするのは難しいですよね。アピールポイントを思いついたとしても、文章としてうまくまとめられず困っている人も多いはずです。
この記事では、自分の強みやエピソードを当てはめて簡単に作成できる、自己PRのテンプレートを紹介します。アピールポイントが思いつかない場合の対処法や、受かる自己PRにするためのポイントも解説するのでぜひ参考にしてください。
目次
自己PRの書き方・テンプレート【当てはめて簡単作成】
大前提として、テンプレートに当てはめるだけでは「受かる自己PR」にはならないことを理解しておきましょう。
テンプレートはあくまでも、「こうすれば自己PRを書きやすい」というものです。そのため、まずは土台を作り、そこからブラッシュアップして自分ならではの自己PRに仕上げることが重要になります。
【当てはめて簡単作成できる自己PRのテンプレート】
- ①結論:強み・長所
- ②理由:裏付けるエピソード
- ③締め:入社後に貢献できること
①結論:強み・長所
最初に自分のどんな点が強み・長所になるのか、結論から伝えます。冒頭で結論を伝えることで、その後に話すエピソードについて理解してもらいやすくするのが目的です。
反対に、結論を最後まで言わない自己PRは何についてのエピソードか分からず、読み手の集中力を途切れさせてしまいます。ダラダラとした自己PRを避けるためにも、結論から伝えることを忘れないようにしましょう。
【例文】
・私の強みは◯◯です。
・私の強みは◯◯の経験で身につけた◯◯です。
・◯◯な点が私の一番の長所だと自負しています。
②理由:裏付けるエピソード
続いて、強み・長所を裏付けるエピソードを話します。長所を発揮した場面や、強みが伸びた経験を話すことで、自己PRの内容に説得力をもたせるのが目的です。
裏付けるエピソードがない自己PRでは、「私の強みは◯◯です」と伝えても、企業がその真偽を確かめる術はありません。結論を裏付けるエピソードを付け加えることで、初めて強み・長所に信憑性が生まれます。
【例文】
・この強みが特に発揮されたのは、サークルでミーティングをしていたときです。私が所属していたサークルでは◯◯が課題となっていたのですがー
・その根拠は、大学3年生の頃に経験した子どもたちへの教育ボランティアにあります。活動中は◯◯という困難がありましたが、私の長所である◯◯を発揮しー
・◯◯の強みを発揮し、シューズショップの販売員としてお客様満足度の向上に貢献した経験があります。接客の仕事で私が最も大切にしているのはー
③締め:入社後に貢献できること
最後に、入社後に貢献できること・実現したいビジョンを話します。強み・長所を活かして、企業にどのように貢献できるのか、あるいはどんなことを実現したいのかを伝えるのがポイントです。
自己PRでは、ただ自分の強みを語るだけでは評価してもらえません。企業に自分を採用すべきだとアピールするため、強み・長所がどんな形で企業に役立つのかを伝える必要があります。
【例文】
・試行錯誤しながら続けた研究で身につけた計画性を発揮し、入社後の業務にも自分なりの目標を立てながら臨みたいと思います。
・営業の長期インターンシップで培ったチャレンジ精神は、御社の新規開拓事業において最も発揮できると考えています。
・複数の意見をうまくまとめる調整力は、個人ワークよりチームワークを重視する業務が多い御社の◯◯部門で大いに活かせると思います。
最後の印象をよくする自己PRの締め方はこちらの記事を参考にしてください。
自己PRの締め方・例文|最後の印象をよくするポイントを解説
自己PRの例文

大学3年生の頃に参加した災害復興ボランティアでは、炊き出し担当としてバーベキューの開催を提案・実行しました。活動中は主に炊き出しを手伝っていたのですが、提供する料理の種類が少なすぎて飽きる人が少なからずいました。
そこで私は一緒に参加した友人に呼びかけ、聞き取り調査を実施したところ、焼肉を食べたいという声が多くあがりました。他の参加者とも協力して食材と道具を用意し、炊き出しでバーベキューをした結果、多くの人に喜んでもらえたことが強く印象に残っています。(②理由:裏付けるエピソード)
こうした経験から、課題を発見したら主体的に行動し、解決に貢献できる能力があると自負しています。御社の商品開発部でも私の強みである行動力を活かし、新しい価値をもつ商品を生み出していきたいです。(③締め:入社後に貢献できること)
他にも例文を参考にしたい人はこちらの記事も読んでみましょう。
自己PRでのアピールポイント例一覧
自己PRでのアピールポイント例を15個ほど紹介します。自分の強みを表現する言葉が思い浮かばない人はぜひ参考にしてください。
- 協調性
- 継続力
- 傾聴力
- 計画性
- 向上心
- 課題解決力
- 冷静さ
- 対応力
- 周囲を巻き込む力
- 調整力
- 目標達成意欲
- 探求心
- 視野の広さ
- 失敗から学ぶ力
- ストレス管理能力
自己PRのアピールポイントが思いつかない場合
例一覧を参考にしても、自己PRのアピールポイントが思いつかない人もいると思います。「いくら考えてみても思いつかない」という人は、以下の3つの対処法を試してみましょう。
自分の経験を洗い出してみる
強みを発見するために、これまでの自分の経験を洗い出してみましょう。経験を洗い出すことで、自分の過去の行動の共通点や、発揮した強みが見えてくる場合があります。
具体的な方法としては、自分史を使って考えるのがおすすめです。自分史は自分の半生を時系列に整理したもので、年代ごとに振り返っていくことで過去を思い出しやすくなるメリットがあります。
「大学生活ではゼミの研究が特に大変だった」「高校2年生のときの部活動が楽しかった」などと年代ごとに印象に残っている経験をピックアップし、当時の行動や考えを振り返ってみてください。
自分史の詳しい作り方はこちらの記事を参考にしてください。
自分史の作り方|テンプレートや作り方・例文を紹介
短所を言い換えられないか考えてみる
思いつきやすい短所から、アピールポイントを考える方法もおすすめです。「何事にも臆病⇔リスク管理能力に長けている」「流されやすい⇔反対意見を尊重できる」というように、短所を長所に言い換えられないか考えてみましょう。
短所からアピールポイントを考えるメリットは、回答に一貫性をもたせられることです。例えば、自己PRで「柔軟性」を強みにしたにもかかわらず、短所を聞かれたときに「不測の事態への対応が苦手」と答えると回答に一貫性がなくなってしまいます。
その点、短所を言い換えて考えると「柔軟性が強みではあるものの、少し周りに流されやすい一面がある」などと長所と短所を関連付けてアピールできるのがメリットです。
長所と短所の言い換えの例はこちらからどうぞ。
面接で「長所・短所」を聞かれた際の答え方|例文や言い換え一覧
自己分析ツールを使ってみる
本来は自分の経験から強みを抽出し、ツールでチェック・補完するのが適切ですが、どうしても思いつかない場合は、先に自己分析ツールで強みを列挙するのも一つの手です。
自己分析ツールで明らかになった強みを参考にし、自分の経験と照らし合わせながら、それが本当に強みといえるのかを確かめていきましょう。
例えば、OfferBoxの自己分析ツール「AnalyzeU+」では、社会人基礎力11項目+次世代リーダー力14項目に加え、役割思考タイプ、認知・思考スタイル、職種適性の計28項目で分析できます。
質問数が多いぶん非常に精度の高いデータを得られるので、自分史や短所の言い換えを試してもアピールポイントが思いつかない人は、ぜひ活用してみてください。
無料の自己分析ツール、適性診断AnalyzeU+で、企業も納得の自己PRをつくる方法
「受かる自己PR」の書き方・ブラッシュアップのポイント

求める人物像を正しく把握する
企業が求める人物像を正しく把握し、それに沿った自己PRを心がけてください。
自己PRの目的は「この学生を採用したい」と企業に思ってもらうことですから、ただ自分の強みを述べるだけではアピールに繋がりません。企業に貢献できる人だと評価してもらうためには、求める人物像に沿った強みをアピールすることが大切です。
求める人物像は採用ページやパンフレットなどに載せられているので、必ずチェックしておきましょう。載せられていなくても実際には重視されている場合もあるので、企業研究をして自分のどんな一面が企業にマッチするかを考えてください。
四季報を使った企業研究の進め方は、以下の記事を参考にしてください。
「四季報」で就活を有利に!簡単&分かりやすい使い方【徹底的な企業研究で内定獲得】
エピソードは盛らずにリアルに伝える
エピソードを盛ったり、嘘をついたりするのはNGです。内容を偽った自己PRは見抜かれるうえ、「仕事でも虚偽報告をする可能性が高い学生」と印象が悪くなってしまいます。
印象に残ろうとして内容を偽る学生が少なからず存在しますが、こちらの記事のアンケート結果から読み取れるように、企業はエピソードの派手さや成果を重視していません。
人事の本音ランキング発表!ガクチカや自己PRの「エピソード」で見ているポイント
エピソードを盛ったり嘘をついたりしたことが見抜かれた場合、評価は大きく下がります。
高評価につながる可能性は低く、むしろ評価が下がるリスクがあるため、自己PRではエピソードを盛らず、ありのままのことを伝えましょう。
自分の経験をもとにリアルな内容を話せば、よくあるテーマであっても自分らしさが伝わる自己PRになります。
当時が思い起こせるように伝える
自己PRを読んだ面接官が、当時の状況を思い起こせるように伝えましょう。自己PRの完成後は、誰にでも伝わる表現・言葉を使えているかを確認することが大切です。
特に、アルバイトや部活動・サークルのエピソードを伝える際は、仲間内でしか伝わらないような表現を無意識に使いがちです。伝わらない表現が多い自己PRでは魅力が半減してしまうため、細かい部分まで気を配りましょう。
自分でも自己PRの見直しはできますが、社会人の先輩に添削を頼むと客観的な意見を採り入れられます。大学の先輩に頼んだり、OB・OG訪問を活用したりして、自分が作った自己PRへの意見を聞いてみましょう。
OB・OG訪問の探し方や流れは以下の記事を参考にしてください。
OB・OG訪問の探し方や流れを徹底解説
自己PR・書き方に関するよくある質問
最後に、自己PR・書き方に関するよくある質問にお答えします。自己PRは選考での評価に大きく影響する重要な質問項目です。質問意図に沿った回答をするため、疑問点を分からないまま放置するのはやめましょう。
そもそも自己PRとは?
自己PRとは「企業に自分を採用すべきだとアピールするもの」です。どんな強み・長所をもっており、それを企業でどう活かせるのかをアピールする目的があります。
書類選考や面接で聞かれる質問は企業によってさまざまですが、そのなかでも特に聞かれやすいのが志望動機と自己PRです。選考対策においても、優先して回答を考えるべき質問といえます。
自己PRの定義や目的については、以下の記事を参考にしてください。
自己PRを聞く企業の意図は?
- 自社とマッチしているか
- 自己分析ができているか
- 企業研究ができているか
企業は主に上記のポイントを確認するために自己PRを聞いています。
学生が入社後に自社で活躍することができて、はじめて企業の採用は成功と言えます。そのため、学生が自社とマッチしているかを知りたいと考えています。
また、自分を客観的に見て正しく自己分析できていること、企業の求める人物像がわかるまで企業理解できていることも重要です。
上記の3点を知るために、企業は自己PRを聞いています。
「自己紹介」や「強み・長所」との違いは?
自己紹介は氏名や所属、研究内容など、自分のプロフィールを簡単に説明するものです。面接開始時の挨拶の意味合いが大きいため、自己PRのように自分の強みをアピールするものではありません。
また、強み・長所も自己PRとよく混同される質問項目ですが、こちらは強みから人柄を知ってもらうのが目的です。強みを伝えて自分を採用すべきだとアピールするのが自己PR、強みから人柄を知ってもらうのが強み・長所と理解しておきましょう。
自己紹介や強み・長所との違いについて、より詳しく知りたい人はこちらを参考にしてください。
就活の自己紹介|面接や動画で1分・3分にまとめるコツや例文を紹介
自己PR・強みと長所の違い|書き方や例文一覧を紹介
自己PRがどうしても思いつかない場合は?
自己PRが思いつかない人によく見られる原因は、「特別な経験や実績が必要だと考えている」ことです。組織の代表を務めた経験や、海外留学の経験など、インパクトのある経験がないから自己PRを作れないと思い込んでしまっています。
特別な経験があるのは確かに素晴らしいことですが、先にも述べたとおり、企業はエピソードの派手さや成果を重視していません。よくあるテーマでも自分らしい魅力的な自己PRは作れるので、もう少し視野を広げてみましょう。
例えば、趣味にしている料理や、1人暮らしの経験などからも自己PRは作れます。
具体的な対処法は以下の記事を参考にしてください。
【自己PRが浮かばない人へ】強み・エピソードの考え方・書き方
自己PRのエピソードがない!自信がない場合の考え方【例文あり】
履歴書とエントリーシートの自己PRの書き分けは?
履歴書とエントリーシートで自己PRをかき分ける必要はありません。いずれも記入スペースや文字数を指定されるケースが多いため、字数制限に合った書き方を心がけましょう。
また、選考を受ける企業によっても自己PRの字数制限は変わります。600字のような長めの自己PRと、200字のような短めの自己PRの両方に対応できるよう、長いパターンと短いパターンを用意しておくと効率的です。
自己PRが完成したら、ぜひOfferBoxへのプロフィールに登録してみてください。スカウト型の就活サイトであるOfferBoxでは、自己PRを見た企業からオファーをもらえるチャンスがあります。
面接と履歴書で同じ自己PRをしてもいい?
面接と履歴書の自己PRは同じ内容のほうが望ましいでしょう。
1つの強みに絞ってアピールすることで、自己PRの説得力が増します。万が一、書類提出から面接までの間に認識が変わった場合は、その旨を伝えて話してください。
ただし、面接で自己PRをする際に、履歴書をそのまま読み上げるだけの回答にならないよう注意しましょう。面接官が書類に目を通して準備していることを考慮し、履歴書に書き切れなかった情報を付け加えて伝える必要があります。
まとめ
以上、自己PRの書き方や、アピールポイントが思いつかない場合の対処法を紹介しました。
自己PRを書くときは、「強み・長所→裏付けるエピソード→入社後に貢献できること」の構成が基本です。アピールポイントが明確な自己PRにするため、まずは結論を簡潔に伝えてからエピソードを話し始めるように心がけましょう。
アピールポイントがどうしても思いつかない場合は、AnalyzeU+を使って客観的な情報を参考にする方法がおすすめです。AnalyzeU+で明らかになった特徴と、過去の経験に共通する特徴を照らし合わせ、「自分の一番の強みはこれ!」と自信をもってアピールできる強みを見つけましょう。