「採用が難しい」要因を徹底分析。人事がおこすべき14のアクションプランを考える
日々人事として働いていらっしゃる皆様も、「自社に応募してくれない」「良い人材が応募してくれたものの辞退されてしまう」というように、採用の難しさを感じられているかもしれません。
- 「採用の難しさ」の要因はどこにあるか?
- 「認知の壁」の突破のためにどのようなアクションを行なう?
- 「なかなか人が採れないな」というときの行動のポイント
- どのような切り口で自社の魅力を発見・伝達するか?
- 「採用の難しさ」を突破するために必要なことは?
今回は、「採用の難しさ」について、採用業務を経験されていた網野さんにお答えいただきます。
株式会社i-plug
網野 紗弓
新卒で、教育関連の企業に採用担当として勤務。その後データ分析専門企業での人事担当を経て、2020年3月株式会社i-plugに入社。
現在は、総務チームにて法務関連業務及び、全社の業務効率向上のための施策について幅広く担当。
目次
採用の難しさの正体は一体何なのか?:決定的な3つの要因
編集部
はじめに、網野さんは人事業務を行なう中で「採用が難しい」とお感じになった経験はありますか?
網野さん
- 採用目標人数に対して、人数ちょうど採用するのが難しい(新卒)
- スキルによっては、市場に人材が少なく応募がこなくて難しい(中途)
網野さん
中途に関しては、スキル要件が明確に定義できず、欲しい人材のターゲティングの難しさを感じていました。と同時に、当該スキル人材自体の市場の中での数の少なさも採用の難しさを増長する要因としてありました。
編集部
網野さん
- 要件定義の難しさ(ターゲットの特定に時間がかかる)
- そもそものターゲットの少なさ(職種・経験値・ペルソナ・転職意欲)
- 自社の提示条件に限界があり、際限ない条件を提示できるわけではないこと(中途採用)
網野さん
例えば、給与の交渉も社内基準のバランスを見なければいけませんし、コロナの影響でフルリモートという可能性もありますが、基本的に大阪に所在している会社は東京在住の人材を採用することはできません。
そのような制約はどの会社にも必ずあるので、「自分達がリーチできる人材」を明確にし、「具体的にどのように難しいのか?」というリアルな認識から施策をスタートしたほうがいいと思います。
採用の難しさを突破するための14個の具体的アクション【背景別】
編集部
網野さんは具体的にどのようなアクションを行なっていましたか?
網野さん
- 自社サイトのブログなどオウンドメディアでの継続的な情報発信
網野さん
その他にも、自社を知ってもらっている場合だと、次のような方法が挙げられます。
- Wantedlyなどの採用プラットフォームに採用広報として様々なフィードを投稿
- Twitter,Facebook,Instagram,LinkedinなどのSNSに人事担当者として発信、ファン作りと自社に興味がある潜在層とつながりを作る
網野さん
編集部
BtoB企業様や地方の会社様の中には、「収益体質も良い優良企業なのに、応募者に認知がないために応募がなかなか来ない」というケースが多くあるのも事実です。そのような「応募者が自社を知らない場合」には、「認知の壁」をどのように突破すれば良いのでしょうか?
- SNSの発信内容そのもので有名になり、PVやフォロワーを増やすことにより自社の認知を促進する
網野さん
- 合同説明会やイベントに参加し、多くの求職者に声掛けをし、つながりを作る
- ダイレクトリクルーティングのオファーを活用する
- 成功報酬型、ランニングコストがかからない求人媒体に求人を公開しておき、ターゲットが見つかったらスカウトメールを送る
網野さん
例えば、求人サービスを利用していて、そのサービスのスカウトメール枠・オファー枠を使い切ってない場合など、枠いっぱいまで使い切ることから始めていくべきです。できる行動はやりきりましょう。
編集部
仮に行動量が十分で、「行動の質」を見直さないといけないフェーズになると、どのようなアクションをしていくべきでしょうか?
網野さん
- 市場感や他社の動きの情報をもらう
- 自社の求人原稿や発信内容を見てもらいフィードバックをもらう
網野さん
- フィードバックを反映した求人原稿の見直し(コピー、本文、条件、写真など)
- 求人原稿の上限まで入稿していない場合、違うパターンの求人原稿を追加入稿してABテストを実施
網野さん
編集部
網野さん
- ターゲットに近い応募者であれば、採用のスケジュールを短縮する(面接回数など)
- 日程調整や連絡メールはスピード感を持って行なう(即返信が理想)
- 連絡メール1つ1つも機械的な対応ではなく、応募者個別にメッセージを届ける
網野さん
「自社の魅力を再定義する」ための3つの方法・外せない考え方
編集部
網野さん
- 直近の入社者にどういった点を魅力に思って入社したかヒアリングしてみる
- 自社内で、エンゲージメント施策の一環として「自社の魅力を発見する」ワークショップを開く
- 客観的な視点を取り入れる目的でお取引先の担当者などお付き合いのある人に忌憚なく意見をもらう
網野さん
その入社者は入社を決定したことから、「入社を決定する要因となる自社の魅力」という、採用施策を実行する上で加工しなくてもよい純度の高い情報を得られ、自社の魅力の再定義の大きな手がかりになります。
また、「自社の魅力」を定義するためには、「客観的な目線」というものが非常に大切になります。社内だけで「魅力」の定義付けを行なっていくと、根拠のない自社礼賛になってしまう危険性を常にはらんでいます。応募者が納得感をもって「魅力」を感じてもらえるよう、客観的な目線での厳しい指摘も常にもらうようにしましょう。
まとめ:難しい採用を打破するのに必要なのは「行動量」と「社内の密な連携」
今回は、採用業務を経験されていた網野さんに、「採用の難しさ」についてお話をいただきました。
この記事では、まず「採用の難しさ」の要因として以下の3つを挙げてまいりました。
【採用の難しさの3つの要因】
- 要件定義の難しさ(ターゲットの特定に時間がかかる)
- そもそものターゲットの少なさ(職種・経験値・ペルソナ・転職意欲)
- 自社の提示条件に限界があり、際限ない条件を提示できるわけではないこと(中途採用)
次に、「採用の難しさを突破するアクション」として、以下の14個の項目を挙げてまいりました。
【採用の難しさを突破する14個のアクション】
- 自社サイトのブログなどオウンドメディアでの継続的な情報発信
- Wantedlyなどの採用プラットフォームに採用広報として様々なフィードを投稿
- Twitter,Facebook,Instagram,LinkedinなどのSNSに人事担当者として発信、ファン作りと自社に興味がある潜在層とつながりを作る
- SNSの発信内容そのもので有名になり、PVやフォロワーを増やすことにより自社の認知を促進する
- 合同説明会やイベントに参加し、多くの求職者に声掛けをし、つながりを作る
- ダイレクトリクルーティングのオファーを活用する
- 成功報酬型、ランニングコストがかからない求人媒体に求人を公開しておき、ターゲットが見つかったらスカウトメールを送る
- 人材紹介や求人媒体会社から市場感や他社の動きの情報をもらう
- 人材紹介や求人媒体会社に自社の求人原稿や発信内容を見てもらいフィードバックをもらう
- フィードバックを反映した求人原稿の見直し(コピー、本文、条件、写真など)
- 求人原稿の上限まで入稿していない場合、違うパターンの求人原稿を追加入稿してABテストを実施
- ターゲットに近い応募者であれば、採用のスケジュールを短縮する(面接回数など)
- 日程調整や連絡メールはスピード感を持って行なう(即返信が理想)
- 連絡メール1つ1つも機械的な対応ではなく、応募者個別にメッセージを届ける
現代では大多数の会社にとって採用は難しいものです。
このような時代であるからこそ、「ターゲットの人材を獲得する」という目的に必要な行動を愚直にたくさん行なっていく「行動量」が大切になってきます。
採用プラットフォームや、成功報酬型求人媒体、ダイレクトリクルーティングサービス、イベント参加、SNSなどあらゆる手段を駆使し、使える機能は使い倒してターゲットの応募者が増えるように人事全体でPDCAを回していきましょう。
また、人事の要件定義の難しさの要因として「現場の業務に必要なスキルが掴みにくい」というところが必ず出てきます。
採用業務をする上でも、「社内の連携」を密にする必要があります。現場と密にコミュニケーションを取り、要件定義をクリアに把握して、採用難時代に自社のターゲットに合った人材を採用しましょう。
最後に、“攻めの採用”について包括的に解説した資料をご用意しました。求める学生に振り向いてもらえずお悩みの採用担当者の方は、こちらの資料もぜひご活用ください。