採用広報とは?媒体の種類や取り組むメリットや成功ポイントを解説

採用広報
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採用広報は、候補者に自社を知ってもらい、仕事内容や組織文化への理解を深めてもらうための情報発信です。候補者が企業を知る手段は多様化しており、募集要項や会社概要だけでは、自社の魅力や働くイメージを十分に伝えきれない場面も増えています。そのため、採用広報に取り組み、企業理解を深めてもらう工夫が大切です。

本記事では、採用広報の基本的な定義や、採用ブランディング・採用マーケティングとの違いを整理したうえで、重要視される背景、企業が取り組むメリット、進め方を解説します。あわせて、活用できる媒体の種類や主な手法、成功のポイント、実際に採用広報へ取り組んでいる企業事例も紹介します。

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目次

採用広報とは

採用広報とは

採用広報は、候補者に向けて企業の考え方や仕事の魅力を継続的に伝える活動です。募集要項だけでは伝わりにくい職場の雰囲気や社員の声も発信し、候補者が自社で働く姿を具体的に想像できるようにします。まずは定義と運用体制を確認しましょう。

採用広報の定義

採用広報とは、自社が求める人材に企業の情報を届け、自社への理解や関心を高めるための広報活動です。採用サイトやSNSでの発信に加え、説明会後のフォロー、社員インタビュー、スカウト型採用でのアプローチなども挙げられます。募集要項だけでは伝わりにくい仕事内容や組織文化を、候補者が比較検討できる形で示す活動といえます。

採用広報は、直近の応募獲得だけを目的にするものではありません。まだ転職・就職先を具体的に決めていない層にも継続的に情報を届け、関係構築・企業理解を進める狙いがあります。

採用広報を担う部門・体制

採用広報は、人事・採用部門が中心になって進めることが多いですが、広報部門や現場部門の協力も必要です。人事は採用ターゲットや候補者からよく出る質問を整理し、どのような情報を発信するかを考えます。

一方、仕事内容や職場の雰囲気を具体的に伝えるには、現場社員の協力が欠かせません。社員インタビューや1日の仕事紹介、プロジェクト紹介などでは、実際に働く人の言葉を入れると、候補者が入社後の働き方を想像しやすくなります。

継続して発信するには、「誰が企画し、誰に取材し、誰が原稿を確認するのか」を決めておくことが大切です。人事だけで運用すると内容が似通いやすいため、職種や部署ごとに協力してもらえる社員を決めておくと、発信の幅を広げやすくなります。

採用広報・採用ブランディング・採用マーケティングの違い

採用広報、採用ブランディング、採用マーケティングは近い意味で使われることがありますが、役割は異なります。採用広報は企業情報を届ける活動、採用ブランディングは候補者に持ってほしい印象を形成する活動、採用マーケティングは候補者が応募するまでの流れを設計する考え方です。

項目主な役割見るべき観点
採用広報

仕事内容や社員の声などを発信する

候補者が企業理解を深められるか

採用ブランディング

候補者に持ってほしい印象を形成する

自社らしさが一貫して伝わるか

採用マーケティング

認知から応募までの流れを設計する

媒体や施策が応募・選考につながるか

運用にあたっては、まず採用広報で候補者に届ける情報を整えます。その内容が「企業の魅力として伝わっているか」を確認し、応募につながっていない場合は、発信する媒体や伝え方を見直します。

採用広報が重要視される背景

採用広報が重要視される背景

採用広報が重要視される背景には、採用難の長期化や働き方の多様化、候補者が情報収集する媒体の広がりがあります。ここでは、採用広報が求められる主な背景を解説します。

人材採用の難易度が上がっている

人材採用の難易度が上がるなかで、求人を出して応募を待つだけでは、十分な候補者と接点を持ちにくくなっています。候補者は複数の企業を比較しながら、事業内容や仕事内容、働き方、選考中の対応まで見ています。

こうした状況では、求人票に条件を載せるだけでは、自社で働くイメージや職場の実態まで伝えるのは難しいでしょう。採用広報を通じて、社員の働き方やプロジェクトの紹介などを発信しておくと、すぐに応募しない層にも興味関心を持ってもらえる可能性があります。

働き方や価値観が多様化している

候補者が企業に求める情報は、給与や職種名だけではありません。働き方、職場環境、成長機会、評価の考え方なども、入社後の姿を想像するための判断材料になります。

例えば、リモートワークやフレックスタイム制度を紹介する場合、制度名だけでは実際の働き方は伝わりません。「どの職種で利用されているのか」「チーム内の連携はどう進めているのか」「入社後のサポートはどうなっているのか」まで紹介すると、候補者が具体的に判断しやすくなります。

候補者に情報を届ける媒体が多様化している

候補者が企業情報に触れる場所は、求人サイトだけではありません。採用サイト、SNS、動画、口コミサイト、社員の発信など、選考前から複数の媒体で企業を比較するようになっています。

媒体が増えるほど、どこで何を伝えるかを整理する必要があるでしょう。SNSでは日常的な雰囲気を伝え、採用サイトでは募集要項や制度を紹介し、社員インタビューでは仕事内容を詳しく紹介するなど、役割を分けると候補者も情報を理解しやすくなります。採用広報を通して、「候補者が応募前、選考中、内定後のどの段階でどの情報を見るのか」という仮説を立て、必要な情報へたどり着けるようにしておくことが大切です。

企業が採用広報に取り組むメリット

企業が採用広報に取り組むメリット

ここでは、企業が採用広報に取り組む主なメリットを解説します。

母集団形成につながる

採用広報により、自社の採用要件に合う候補者と出会いやすくなります。母集団形成とは、単に応募者数を増やすことではなく、自社に関心を持ち、仕事内容や価値観を理解した候補者との接点を作ることです。仕事内容や社員の雰囲気を継続的に発信しておくと、候補者が自社を知る入口が増えます。

特に新卒採用では、学生が企業名を知るタイミングや情報収集の方法に差があります。採用広報で自社の事業内容、働き方、選考情報を分かりやすく示しておけば、求人媒体だけでは出会いにくい層にも情報を届けやすいでしょう。結果として、応募前から企業に理解のある母集団を形成しやすくなります。

潜在層からの関心も獲得しやすくなる

採用広報は、今すぐ応募を考えていない潜在層との関係作りにも役立ちます。候補者のなかには、現時点では特定の業界や企業を検討していない人も少なくありません。

学年が進む、就職活動を始める、関心分野が変わるといったタイミングで情報収集を始めるケースがあります。その時点で初めて企業名を知るよりも、日頃から記事やSNSで接している方が、選択肢に入りやすいでしょう。特に潜在層に対しては、応募を急がせるのではなく、事業内容や働き方、社員の雰囲気を継続的に伝えることが大切です。

採用ミスマッチを減らしやすくなる

採用広報では、企業の魅力だけでなく、仕事内容や職場の実態も伝えることが大切です。良い面だけを強調すると、候補者が持つイメージと実際の業務に差が生まれる可能性があります。

仕事の進め方、チームで求められる役割、育成環境などを具体的に伝えておくと、候補者は自分に合う職場か判断しやすくなるでしょう。入社前に現実に近い情報を届けることで、入社後の認識違いを減らしやすくなります。

採用広報の進め方

採用広報の進め方

採用広報では、発信内容を思いつきで決めると、候補者に届けたい情報と実際のニーズがずれやすくなります。目的とターゲットを決め、伝えるメッセージを具体化したうえで、制作体制と媒体、効果測定の方法まで設計しましょう。

目的・ターゲットを決める

まずは、どのような人材に向けて広報活動を行うのか、採用ターゲットを明確化します。ターゲットによって発信すべきメッセージの内容や使用する媒体の種類が異なるため、最初にターゲット像を具体化しておくことは欠かせません。

仕事内容、働き方、選考情報のように、ターゲットにとってより有益な情報発信ができれば応募増加につながるだけでなく、自社の求める人材に対して的確な訴求が可能になり、ミスマッチの防止効果も期待できます。

ターゲットを定める際は、「どのようなスキル・ポテンシャルのある人材を採用したいのか」「採否の基準をどこに設定するのか」といった能力面の指標だけではなく、「どのような経験をしてきたか」「何に興味を持っているのか」といったペルソナ設定まで行うとよいでしょう。

採用ターゲットの設定方法は、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

発信するメッセージ・コンセプトを具体化する

次に、設定したターゲットに対してどのような情報を発信すべきか、コンテンツの内容を具体化しましょう。

発信すべき情報は、「ターゲットが自社に対してどのような印象を抱いてほしいか」「どのような行動を喚起したいか」をもとに決定します。例えば、自社理解を深めてターゲットの志望度を高めたい場合には、仕事のやりがい・魅力の紹介に加えて事業の社会的意義、ビジョンや理念に関する経営者メッセージなどが効果的です。

企画に迷う場合には、入社から間もない若手社員や内定者にヒアリングしてもよいでしょう。「自社のどのような部分に魅力を感じたのか」「どの点に疑問や不安を抱いていたか」などを聞き出せれば、求職者にとって有益な情報発信につながります。

コンテンツ制作体制を整える

採用広報は継続運用が前提になるため、制作体制を先に決めておくことが重要です。人事部門だけで記事や動画を作り続けるのは負担が大きく、内容も採用担当者視点に偏りやすくなります。現場社員、広報、経営層の協力を得て、候補者が知りたい情報を集められる仕組みを整えましょう。「どの部署にどの情報を確認するのか」まで決めておくと企画化しやすくなります。

特に、企画と取材、原稿確認といった分担が必要です。公開後の効果測定まで役割を決めておくと、運用が属人化しにくくなります。特にチェック担当と承認者を分けると、表現のばらつきや公開遅れも防ぎやすくなります。

情報発信する媒体を選ぶ

情報発信の内容を固めた後は、発信する媒体を選びます。

使用する媒体や発信方法は、自社の採用ターゲットや採用広報の目的に合わせて選びましょう。例えば、自社を知らない層との接触機会を作り、応募数を増加させたいのであればナビサイトや企業説明会が効果的です。仕事内容、社内の雰囲気、独自制度といった自社のリアルな情報を発信してミスマッチを防止したい場合には、オウンドメディアやSNSの活用が適しています。

また、採用広報では継続的な運用が必要なため、情報発信にかかる費用と運用工数も考慮して媒体を選定することが大切です。

KPIを設定して効果測定する

採用広報は、PVやSNSの反応だけで評価すると実務上の改善につながりにくい場合があります。認知獲得を目的にした記事なら閲覧数を見ますが、応募につなげたい発信では、説明会参加数や応募数との関係も確認します。目的に応じて、どの指標を見るかを決めましょう。

目的主な指標確認すること
認知拡大

・PV/記事閲覧数
・SNSのエンゲージメント

候補者に情報が届いているか

応募促進

・応募数
・説明会参加数
・スカウト承諾率

接点が選考前の行動につながっているか

選考改善

・面談化率
・選考辞退率・内定承諾率

発信内容と選考体験にギャップがないか

媒体ごとの反応を比較し、成果が出たテーマと反応が弱いテーマを分けると、次の企画を決めやすくなります。単発の数値だけで判断せず、数ヶ月単位で推移を見ましょう。

採用広報で利用できる媒体の種類と主な手法

採用広報で利用できる媒体の種類と主な手法

採用広報で利用できる媒体は、大きく「ペイドメディア」「アーンドメディア」「オウンドメディア」に分けられます。

採用広報における3つのメディア(ペイドメディア・アーンドメディア・オウンドメディア)の関係性

3つのメディアにはそれぞれ特徴があります。

  • ペイドメディア:短期的な認知獲得や母集団形成に向いている
  • アーンドメディア:信頼形成や好意形成につなげることに向いている
  • オウンドメディア:自社ブランディング、長期的な採用を見据えた潜在層の獲得に向いている

ここでは、メディアのカテゴリごとに、採用広報で使われる主な媒体と手法を紹介します。

ペイドメディア

ペイドメディア(Paid Media)は、広告費や掲載費を支払って候補者との接触を図る媒体です。

  • 求人サイト・求人検索エンジン
  • Web広告・SNS広告
  • 就活イベント・合同説明会
  • テレビ・ラジオCM
  • 新聞・雑誌の求人広告

短期的に成果を得たい場合に活用しやすい一方、広告やイベントだけで興味関心を獲得できるわけではありません。遷移先の採用サイトや説明会情報、社員インタビューと組み合わせて、候補者が次の行動を取りやすい導線を設計することが重要です。

求人サイト・求人検索エンジン

求人サイトや求人検索エンジンは、募集情報を広く届けやすい媒体です。職種名、勤務地、給与、勤務条件などを検索する候補者に対して、自社の求人を見つけてもらう手段になります。

掲載後は、応募数だけでなく、表示回数やクリック率、応募につながった職種・条件も確認しましょう。反応が弱い場合は、仕事内容の見せ方や検索条件との相性を見直す必要があります。

Web広告・SNS広告

Web広告やSNS広告は、ターゲットに合わせて配信しやすい手法です。職種や地域、興味関心などに応じて配信できるため、特定の候補者層へ採用情報を届けたい場合に活用できます。

広告で関心を持った候補者が詳しい情報を確認できるよう、採用サイトや社員インタビュー、説明会ページなどへの導線も整えておきましょう。

就活イベント・合同説明会

就活イベントや合同説明会は、候補者と直接出会える手法です。企業の雰囲気や社員の人柄をその場で伝えやすく、候補者からの質問にも対応できます。

一方で、イベント当日の説明だけでは情報が残りにくいこともあります。参加後に採用サイトやSNS、説明会資料へ案内し、候補者が後から情報を確認できる導線を作ることが大切です。

アーンドメディア

アーンドメディア(Earned Media)とは、口コミ、SNS上の言及、第三者による記事掲載など、企業以外の第三者を通じて情報が広がる媒体です。企業が内容をすべて管理できるものではありませんが、候補者が応募前に企業の評判や社員の声を確認する場として影響を持ちます。

  • SNS(X(旧:Twitter)、Instagram、Facebookなど)
  • 口コミサイト

採用広報では、口コミを無理にコントロールするよりも、公式発信と実際の選考体験を一致させる必要があります。採用サイトでは魅力的に見えても、説明会や面接での印象が違うと、かえって不信感につながってしまいます。

社員の発信や口コミは、企業のリアルな姿として受け取られやすいものです。採用担当者は発信内容だけでなく、選考中の対応や連絡のスピードなども含めて、候補者の体験全体を見直していく必要があります。

SNS・口コミサイト

SNSや口コミサイトは、候補者が企業の雰囲気や評判を気軽にチェックしたり双方向的なやりとりをしたりできるプラットフォームです。公式アカウントの投稿だけでなく、社員の発信や過去の応募者の口コミなども参考にされることが多く、企業への印象に影響します。

企業側で内容をすべて管理することはできませんが、実態とかけ離れた発信は避ける必要があります。説明会や選考で伝えている内容と、実際の職場や社員の声が大きくずれていないかを確認しておきましょう。

オウンドメディア

オウンドメディア(Owned Media)とは、企業が自社で所有するメディアのことです。厳密には自社で発行するホワイトペーパーやパンフレットといった実体のある媒体も含まれますが、現在はインターネット上のメディアを指すことが一般化しています。

  • 採用サイト
  • 採用オウンドメディア・採用ブログ
  • 社員インタビュー・採用動画
  • イベントレポート

求人媒体では伝えきれない仕事内容や職場の雰囲気、社員の声、制度の背景などを詳しく発信できる点が特徴です。

採用サイト・採用オウンドメディア

採用サイトや採用オウンドメディアでは、募集要項だけでなく、仕事内容、社員の声、制度、カルチャーなどをまとめて発信できます。候補者が選考前に企業理解を深めてもらうための媒体としても便利です。

活用する際は、会社紹介に寄りすぎず、職種ごとの業務内容や入社後の働き方まで示しましょう。社員インタビュー、プロジェクト紹介、選考FAQなどを組み合わせると、候補者が応募前に抱きやすい不安を整理できます。

公開後は、閲覧数だけでなく、説明会予約や応募前後の質問内容も確認し、情報をアップデートしていきましょう。

社員インタビュー・採用動画

社員インタビューや採用動画は、文章だけでは伝わりにくい仕事内容や職場の雰囲気を伝えられる手法です。社員がどのような経緯で入社し、どのような業務に取り組み、どのような場面でやりがいを感じているのかを伝えると、候補者は入社後の姿を想像しやすくなります。

動画は視覚的に情報を届けやすい一方、制作に工数がかかります。見栄えだけを優先するのではなく、候補者が判断材料として使える内容になっているかを確認しましょう。

インタビューでは、よい面だけでなく、仕事の難しさや成長に必要な姿勢にも触れると、入社後のギャップを減らしやすくなります。実際の業務に近い言葉で伝えることが大切です。

イベントレポート・ブログ記事

説明会やインターンシップのレポート、採用ブログ記事も採用広報に活用できます。参加していない候補者にも、イベントの雰囲気や選考前に知っておきたい情報を届けられるためです。

記事化する際は、開催概要だけで終わらせず、参加者がどのような内容に触れたのか、社員がどのように関わったのかまで整理しましょう。写真や当日の質問、参加者に伝えたメッセージを入れると、イベントの様子が伝わりやすくなります。

公開後は、次回イベントや説明会、関連する社員インタビューへの導線も用意します。記事を単発で終わらせず、候補者との関係構築に活用することが重要です。

採用広報を成功させるためのポイント

採用広報を成功させるためのポイント

採用広報を成功させるには、ターゲットに合う内容を継続的に発信し、社内の協力を得ながら改善することが重要です。媒体を増やすだけでなく、発信内容が候補者の判断材料になっているかを確認しましょう。選考中の候補者の声も参考になります。

特定のターゲットに向けて発信する

採用広報は、「自社が求める人材を採用するために企業が行う広報活動」であり、「自社の求める人材」を明確にするところから計画を立てていきます。

ただ不特定多数に情報発信するのではなく、「自社が求める人材」に向けて「自社が目指すものに向けて今このような取り組みをしている」「それを実現するためにこのような人材を採用したいと考えている」といったことを適切に伝えるのが採用広報の大きな役割の1つです。例えばエンジニア採用であれば、単に「成長できる環境」と伝えるのではなく、現在取り組んでいる技術課題、開発体制、入社後に任せたい役割を示します。候補者が「自分の経験をどこで活かせるか」「どのような課題に向き合うのか」を判断できる状態にすることが重要です。

社内全体を巻き込む

採用広報を継続するには、人事部門だけでなく、現場社員や経営層の協力も必要です。人事だけで記事や動画を作ると、仕事内容やチームの実態が伝わりにくくなることがあります。

候補者が知りたいのは、「実際にどのような人と働き、どのような業務に向き合うのか」という情報です。社員インタビューや職場紹介では、現場社員の言葉を入れることで、仕事内容や働く雰囲気を具体的に伝えやすくなります。

社内に協力を依頼する際は、取材の目的や確認してほしい内容を事前に共有しておくと進めやすくなります。協力者に負担が偏らないよう、取材頻度や確認期限もあらかじめ決めておきましょう。

継続的に発信し反応を見て改善する

採用広報は、1本の記事や1回の投稿ですぐに成果が出るものではありません。候補者の認知や企業理解を少しずつ促す取り組みとして、継続的に発信することが大切です。

公開後は、閲覧数やSNSの反応だけでなく、説明会予約や応募、面接時の候補者の反応も確認しましょう。閲覧数が多くても応募につながっていない場合は、次の行動への導線が弱い可能性があります。

一方で、閲覧数が多くなくても、面談前の理解促進に役立つ記事もあります。数値だけで判断せず、候補者の声や選考中の質問も参考にしながら、次に発信するテーマを見直しましょう。

企業認知の接点としてスカウト型採用も活用する

スカウト型採用は、まだ自社を知らない候補者に企業を知ってもらう接点としても活用できます。求人を出して応募を待つだけでは出会いにくい層にも、企業側から情報を届けられる点が特徴です。

採用広報の観点では、スカウトを単なる応募獲得の手段として使うのではなく、認知・関心を獲得する入口として設計することが重要です。候補者がオファーを受け取った後に、採用サイトや社員インタビューへ自然に進めるよう、情報の導線も整えておきましょう。

新卒採用向けのOfferBoxでは、データベースから採用要件に合う学生を絞り込んだうえで企業側から学生へピンポイントでオファーを送ることができます。オファーの開封後にOfferBox内の企業紹介ページや企業公式サイトを閲覧してもらえることもあり、ターゲット層への採用広報、つまり自社の認知・企業理解を促すうえで有効です。「従来の採用手法だけではマッチングの精度や歩留まり、採用広報に課題がある」というケースは活用を検討するのも手です。

採用広報に取り組んでいる3つの企業事例

採用広報に取り組んでいる3つの企業事例

採用広報の事例を見るときは、利用している媒体だけでなく、誰に向けて何を伝えているかを確認することが大切です。ここでは、オウンドメディアや採用サイトを活用し、企業理解や職種理解につなげている3社の事例を紹介します。

サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社は、オウンドメディア「サイボウズ式」を通じて、働き方やチーム構築に関する情報を継続的に発信しています。サイトでは、チームワーク、人事制度、ワークスタイル、多様性、キャリアなどのテーマが網羅されており、会社の考え方や組織文化を知る入口になっています。

採用広報の観点では、制度や働き方を単発で紹介するのではなく、複数の記事を通じて会社の価値観を伝えている点が参考になります。求人票だけでは伝わりにくい職場の雰囲気や考え方を候補者に届けたい場合は、こうした継続的な発信が有効です。

出典:サイボウズ式

株式会社メルカリ

株式会社メルカリは、採用サイト内メディア「mercan」を通じて、会社や事業、職種、カルチャーに関する情報を発信しています。サイト内では、会社・事業、エンジニアリング、マーケティング・PR、プロダクトデザイン、人事などのカテゴリーがあり、候補者が自分の関心に近い記事を探しやすい構成です。

採用広報では、すべての候補者に同じ情報を届けるのではなく、職種や関心に合わせて情報を分けることが重要です。メルカリのように、事業の変化や組織の現在地を記事として発信しておくと、候補者は応募前に会社理解を深めやすくなります。

出典:mercan

フリー株式会社

フリー株式会社は、採用サイトでミッション・ビジョン、カルチャー、職種と仕事内容、社員インタビュー、座談会などを整理しています。候補者が会社全体の考え方だけでなく、職種ごとの仕事内容や働く人の声まで確認しやすい内容です。

また、freee Developers Hubでは、開発情報やイベント登壇情報などを発信しています。全候補者向けの採用サイトと、技術職向けの開発情報を分けて届けている点が特徴です。

出典:freee採用サイト
出典:freee Developers Hub

採用広報に関するよくある質問と回答

採用広報に関するよくある質問と回答

最後に、採用広報に関してよくある質問を紹介します。

採用広報では何をしますか?

採用広報では、候補者に自社を理解してもらうための情報を発信します。仕事内容、社員の声、働き方、選考プロセス、企業の考え方などを伝え、求人票だけでは分からない入社後のイメージを伝えます。応募前から内定後まで、候補者が判断に必要な情報を発信する活動です。

採用広報と採用ブランディングの違いは何ですか?

採用広報は、候補者に向けて情報を発信する活動です。一方、採用ブランディングは、候補者から選ばれるために自社の印象を形成する取り組みです。両者は別々ではなく、採用広報の発信内容が採用ブランディングにも影響します。

採用広報に向いている媒体は何ですか?

採用広報に向いている媒体は、目的によって異なります。採用サイトは基本情報の整理、SNSは日常的な接点作り、社員インタビューやイベントレポートは仕事内容や職場の雰囲気を深く伝える場合に向いています。

採用広報の効果はどう測定しますか?

採用広報の効果は、目的に合わせて測定します。認知拡大ならPVやSNS反応、応募促進なら説明会参加数や応募数、選考改善なら面談化率や内定承諾率などを確認します。単一の数値だけでなく、複数の指標を組み合わせて「候補者の行動がどう変わったか」までを見ることが大切です。

まとめ

まとめ

本記事では、採用広報の意味や重要視される背景、取り組むメリット、進め方、活用できる媒体の種類、成功のポイントまでを紹介しました。採用広報は、単に企業情報を発信するだけではなく、「自社がどのような人材を求め、どのような環境で働けるのかを候補者に伝えるか」を決め、相互理解を深めるための取り組みです。

運用にあたっては、目的やターゲットを明確にしたうえで、伝えるメッセージを整理し、採用サイトやSNS、イベント、口コミサイトなど複数の媒体を適切に使い分けることが重要です。あわせて、継続的に情報発信を行い、反応を見ながら改善を重ねていくと、自社に合った採用広報の形が見えやすくなります。

人事ZINEでは、直近の採用市場やZ世代の特徴を整理した資料をご用意しています。候補者にどのような情報を届けるべきかを考える際や、新卒採用戦略を見直す際の参考資料としてご活用ください。

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人事ZINE 編集部

人事ZINE 編集部

人事・採用担当者の悩みに寄り添うメディア「人事ZINE」の編集部です。 新卒採用オファー型サイト「OfferBox(オファーボックス)」を提供する株式会社i-plugが運営しています。