うちの会社は新卒採用イベントに出展するべき?|自社の採用課題と投資対効果から検討しよう

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新卒採用において、学生へのアプローチを図る方法は、「合同説明会などの新卒採用イベント」「ナビサイトへの掲載」「ダイレクトリクルーティング」など様々です。

今回は、この中の「新卒採用イベント」についてお話したいと思います。

「今まで新卒採用イベントに出展したことがなく、出展すべきか迷っている」
「新卒採用イベントへの出展を検討しているけど、何を重視して選べばいいのかがわからない」
「そもそも新卒採用イベントがどういうものなのかわからない」

上記のようなお悩みを持つ採用担当者の方は是非ご覧ください。

新卒採用イベントの特徴や出展によって期待できる効果、イベントの種類と選び方、出展するべきかどうかの判断軸など詳しく解説していきます。

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新卒採用イベントに出展する意義とは?採用の目標達成に向けた1つの選択肢

まず新卒採用イベントに出展する意義を考えてみましょう。

新卒の採用計画では「どんな人材が何人必要か」という目標が設定されていると思います。

新卒採用の大きな目標の1つに「決められた期間内に、必要な人員(自社が求める人材・採用予定人数)を採用する」ことがあります。

新卒採用イベントに出展するかどうかの判断基準は、「新卒採用イベントに出展することでこの目標を達成できるかどうか?」です。

採用活動を成功させるための他の手法とも比較しながら「新卒採用イベントに出展するべきか否か」を考えていきましょう。

新卒採用イベントは企業と学生の新たな出会いの場

まずは他の手法にはない「新卒採用イベントの意義」や「イベントに出展して得られるもの・期待できること」を知っておきましょう。

新卒採用イベントに出展する意義としては、主に下記2点が大きいです。

  1. 自社だけでの採用活動では出会うことができない学生へのアプローチができる
  2. 学生と企業が顔を見合わせて情報交換できる

以下、詳しく説明します。

(1) 自社だけでの採用活動では出会うことができない学生へのアプローチ

複数の企業が出展している合同イベントでは、自社からの情報発信のみでは出会うことができない学生や自社のことを知らない学生も来場しています。

自社のことを元々知ってくれている、あるいは自社に何らかの興味を持ってくれている学生だけでなく、それ以外の学生層との出会いのきっかけになるでしょう。

また、地方開催であっても複数の企業が集まれば、より多くの学生が集まりやすくなり、大きな合同イベントでは数百名規模になる場合もあります。

学生からの認知が高い人気企業でない限りは、1社でこの規模の学生を集めるのは難しく、そういった意味ではイベントへの出展は多くの学生に自社を認知してもらう大きなチャンスです。

このように、自社のみでの情報発信や人材募集では出会うことのない数多くの学生に対して、アプロ―チをかける機会を得られることが、新卒採用イベントの1つの特徴です。

(2) 学生と顔を見合わせての情報交換

新卒採用イベントの一番の特徴は「直接学生に接触することができる」ことです。

自社の情報を伝える手段には、就活ナビや採用サイトを始めとするWeb広告やWebメディアの使用もありますが、新卒採用イベントではリアルタイムで学生と企業の担当者がコミュニケーションを取ることができます。

伝える情報が同じでも、顔を見合わせたリアルタイムの会話が生まれることで、単純な情報提供ではなく、より深い興味付けを行うことが期待されます。

また、準備してあるものを配布・公開するだけでなく、会場での学生の動きや就活状況を読み取って話の内容を変えるなど、臨機応変に対応することも可能です。

学生から受けた質問から、企業側として今まで考えたこともなかった「現代ならではの学生のニーズや就活に対する悩み」を発見するきっかけにもなるかもしれません。

このように、企業から情報発信に加えて、学生と企業が顔を合わせて情報交換できることも、新卒採用イベントの醍醐味です。

新卒採用イベント以外にも学生にアプローチをかける方法はある

以上でご紹介したように、「新卒採用イベント」には他の手法とは違った特徴や意義があります。

しかし、学生へのアプローチをかける方法は、「新卒採用イベントの出展」以外にもあり、例えば、下記が挙げられます。

  • ナビサイト
  • ダイレクトリクルーティング
  • 人材紹介サービス
  • OB紹介
  • 自社のコーポレートサイトや採用サイトでの情報発信

上記もまたそれぞれ異なる特徴や効果を有しています。

もし、自社サイト経由のみで十分な集客効果が出ており、それが採用に結び付いているのであれば、無理をしてまで「新卒採用イベント」に出展する必要はないでしょう。

仮に採用活動にかけるリソース(時間、人件費、予算)を限りなく投入できれば、あらゆる全ての手法を実施することができるかもしれませんが、現実問題としてそうはいきません。

採用イベントを活用するのであれば、出展費だけでなく、会場ブースの準備、配布する企業パンフレットやノベルティの手配、話す内容のスライドや資料の作成も必要となり、それに何人の担当者とどのくらいの時間をかけられるか、という考慮も必要になってきます。

他の手法の特徴や狙い、見込める効果とも比較をして「新卒採用の目標を達成するために、”新卒採用イベントへの出展”は必要か?」という視点で、「採用イベントに出展するかどうか」を考えてみるといいでしょう。

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新卒採用イベントの種類をイベント規模で分類:それぞれの特徴は?

新卒採用イベントは、合同説明会や業界研究セミナー、特定分野の限定イベント、少人数で参加した学生全員とじっくり話ができるマッチング型のものといった、様々な種類・趣旨・規模のものが開催されています。

地方を含めて全国で数百以上ある採用イベントですが、ここでは「規模別」に分けて、それぞれの性質や活用のポイントを紹介します。

①(超)大規模な新卒採用イベント:多種多様な学生に会える

超大規模な新卒採用イベントとは、『マイナビ就職EXPO』などに代表される、特定の業界に限定されない多様な企業100~300社が一度に出展するイベントです。

また全業界対象でなくても(例えば中小企業限定のイベント、理系学生限定のイベントなど)、50社以上が出展し、数百人~1000人程度の学生が集まるような大規模イベントがあります。

大規模な新卒採用イベントの特徴には下記のようなものが挙げられます。

  • 大勢かつ様々な層の学生に一度に会うことができる
  • 自社の業界に興味がなかった学生に自社の存在を知ってもらえる
  • 人気企業で自社の存在が埋もれてしまう可能性がある
  • 学生一人あたりと話をできる時間が短い

大規模な新卒採用イベントに出展する1番の強みは、やはり「一度に大勢の多種多様な学生に会える」ことではないでしょうか。

会えさえすれば魅力が伝わるのに、学生からの知名度が低くて学生が集まってこないBtoB企業などにとっては、自社を認知してもらうチャンスです。

また自社が所属する業界にもともと興味のなかった学生であっても、自社が求める人材として目星をつけた学生に企業から積極的に話しかけて、話を聞いてもらうといったこともできるでしょう。

ただし、大規模イベントでは、企業の数も学生の数も多いため、出会いの機会が多い反面、学生一人あたりと長く深く話をすることは期待しにくいです。

学生側も、できるだけ多くの企業に触れて、各企業の概要を知ることを主要な目的として参加している場合があり、長く引き留めることが難しく、またライバルとなる他の企業に埋もれてしまわないように、差別化の工夫をするなどして自社のプレゼンスを高めることも重要です。

②特化型・中小規模の新卒採用イベント:じっくりとコミュニケーションしやすい

中小規模の新卒採用イベントは、20社程度、少ないところでは5~10社程度の企業が出展し、それに対して数十人から100人程度の学生が参加するといった規模感です。

中小規模の新卒採用イベントの中には、「特化型イベント」と言われる、地域産業に寄り添ったイベントや、特定の分野・業界、学部など対象を限定したイベントも数多くあります。

中小規模・特化型の新卒採用イベントの特徴には下記のようなものが挙げられます。

  • 既に明確な目的を持った学生が多く参加している
  • 個々の学生とじっくりと向き合える
  • 特化型でも自社が欲しい人材に出会えるとは限らない

中小規模・特化型のイベントに参加する学生は、一度に会える学生には少なくなりますが、その分、個々の学生とじっくりとコミュニケーションを取る機会があり、自社のことを学生により詳細に知ってもらうことができます。

特に特化型イベントでは、そのイベントに出展している企業は何らかの共通点(例えば特定の業界・職種、特定のターゲット(留学経験者や理系学生)等)があるはずで、それに参加している学生は明確な目的を持っている可能性が高いです。

来場した時点で自社のことを認識していなくても、話を聞いてもらえれば興味を持ってもらえるかもしれません。

また自社の印象やアピールポイントが学生の記憶に残りやすいのと同様に、企業が学生のことを深く知る機会でもあります。

ただし、業界や分野を絞っても、そこに参加している学生たちが自社の求める人材である確率が高いとは限らないので、その点は注意です。

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新卒採用イベントへの出展を検討するためには採用目標の明確化と全体像の把握が重要

新卒採用イベントは、企業が学生と出会い、自社の認知を高めるきっかけとなる場です。

新卒採用イベントの特徴や役割、出展によって期待できる効果を理解してから、新卒採用イベントに出展すべきかどうかを検討してみましょう。

新卒採用の採用活動全体から見た「新卒採用イベント」の位置づけをもう一度おさらいしておきます。

  • 新卒採用の大きな目標の1つは「決められた期間内に、必要な人員(自社が求める人材・採用予定人数)を採用する」こと
  • 新卒採用イベントに出展するかどうかの判断基準は、「新卒採用イベントに出展することでこの目標を達成できるかどうか?」
  • 学生にアプローチをかける手段は「新卒採用イベント」以外にもある

「新卒採用イベントへの出展」の是非を決める2つの具体的な検討事項

「新卒採用イベントへの出展」を数ある採用活動の手法における1つの選択肢として捉え、また他の手法との併用も含めて検討することを前提に、「新卒採用イベントへの出展は必要か否か」を下記2つの視点から考えていきます。

  1. 自社の採用課題と照らしあわせて採用活動の手法を選択する
  2. 採用活動全体の投資対効果を算定して検討する

検討事項①自社の採用課題と照らしあわせて採用活動の手法を選択する

前述したように学生にアプローチする採用活動の手法は1つではありません。

  • 新卒採用イベント
  • ナビサイト
  • ダイレクトリクルーティング
  • 人材紹介サービス
  • OB紹介
  • 自社のコーポレートサイトや採用サイト

上記は、どれも新卒の採用に繋がり得る手法ですが、それぞれ他の手法にはない特徴や強みを持っており、その企業の採用課題や目的によって活用する手法は使い分けられています。

例えば、学生からの認知度が高い大手の人気企業に、応募数は多いけど自社が求める人材がなかなか来てくれないといった課題があるとします。

その場合は、ナビサイトや大規模イベントでの露出を抑え、「母集団を絞り込む」「人材をじっくり見極める」ことに重点を置いて、特化型の小規模イベントやダイレクトリクルーティングの利用を検討します。

また別の例を挙げると、近年の学生は就活の情報収集経路を1つに定めず、ナビサイト離れが徐々に起きているとは言え、自社のホームページを持っていない、もしくは持っているけど簡易的であまり力を入れていない中小企業にとっては、情報発信の媒体としてナビサイトは企業認知を上げる手段の1つとして挙げられます。

このように、「自社の採用課題を解消するにはどの手法を用いるのが最適か?」「この層にアプローチをかけるにはこういう特性を持つ手法が必要だ!」といった採用課題や目的に沿って必要な手法を選択していきます。

「ナビサイト経由で自社の求める人材の大部分は確保できているけど、毎年どうしても足りないポジションがある」という場合は、その人材層にリーチできる別の手法と合わせて検討することとなります。

検討事項②採用活動全体の投資対効果を算定して検討する

「既に新卒採用イベントの出展を過去に実施している」「1年に何種類かのイベントに出展している」という場合は、その効果を分析して、次年度の採用活動に向けて「新卒採用イベントに出展すべきか否か、またはどのイベントの効果が高いか」ということを投資対効果から検証します。

ここでの投資対効果とは「投じた費用に対する採用決定数」つまりは「一人あたりの採用コスト(採用単価)」のことです。

新卒採用イベントを例にすると、150万円の新卒採用イベントに出展し、そのイベント経由で最終的に採用にまで至ったのが3名だとすると、そのイベント出展による採用単価は50万円です。

※わかりやすいように簡易的な数値を使用していますが、実際には出展費以外にも、ブースの設営費、人件費、その他諸経費も全て含めたものが、投資額となります。

新卒採用イベントを始めとする各流入経路の採用単価を算出して、下記のように比較し合うと、そのイベントに出展することの妥当性が見えてきます。

  • 採用活動全体の採用単価と比べる
  • イベントごとの採用単価を比べる
  • 他の手法の採用単価と比べる
  • 過去に出展した同じイベントの採用単価と比べる

まずは、採用活動全体の採用単価を基準に投資対効果を検証してみましょう。新卒採用イベントの採用単価が採用活動全体のそれよりも低ければ、効果の高い手法であると言うことができます。

採用単価が高い=ダメという単純な問題ではない

ただし、「採用単価が採用活動全体の平均値よりも高い手法はダメ!」というわけではありません。

前項でも触れたとおり、採用活動で使われる手法にはそれぞれ他の手法にはない特徴や強みを持っており、「この手法でなければ一部の欲しい人材にリーチできない!」「採用単価が高くなってでも、採用基準を下げたくない!」という場合もあるはずです。

ですので、この投資対効果の検証は、採用活動のふり返りや次年度の採用計画に活用するデータ、また別の手法へのシフトを検討する裏付けデータと捉えておけばいいでしょう。

まだ一度も「新卒採用イベントに出展したことがない」という場合は、前項でお話した自社の採用課題や目的から採用活動の手法を選択するところからスタートし、「新卒採用イベントに出展する意義」を明確にした上で、ひとまず試行期間として出展してみるといいと思います。

最後に

今回は、「新卒採用イベント」について、その特徴や他の手法にはない価値、また出展を検討するにあたっての具体的な検証事項などについてお話させていただきました。

新卒採用イベントに出展すべきかどうか悩んでいる方や出展を検討されている方は、まず明確な目的を持ち、採用活動全体から見て「新卒採用イベントの出展」が最適な選択となっているかどうかを分析・確認するとことから始めてみましょう。

最後に、人事担当者の方向けに、「2024卒の採用市場から学ぶ!Z世代×新卒採用」という資料をご用意しています。市場動向を押さえた上で、採用戦略に重要な3つの観点をくわしくご紹介しています。ぜひダウンロードして、これからの自社の新卒採用戦略の策定にご活用ください。

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人事ZINE 編集部

人事ZINE 編集部

人事・採用担当者の悩みに寄り添うメディア「人事ZINE」の編集部です。 人事・採用に関する役に立つ情報や手法を発信します。 就活生の3人に1人が利用する新卒採用オファー型サイト「OfferBox(オファーボックス)」を提供する株式会社i-plugが運営しています。