理想の母集団を作れるプロセス設計とフレームワーク|応募数に左右されない新卒採用手法とは?

2024年8月、OfferBox主催のオンラインセミナー「応募数に左右されずに求める学生と出会うには?理想の母集団を作れるプロセス設計とフレームワーク」を開催しました。当記事では、セミナーの講演パートを一部抜粋してお届けします。
人事ZINEでは、求める学生と出会えるフレームワークを体系的に解説した資料「ペルソナ設計フレームワーク」をご用意しています。ダウンロードして、本記事と合わせてご活用ください。

目次 [表示]
セミナー趣旨
当セミナーは、大規模な母集団形成を必要としない採用プロセスの設計手順を紹介します。
- 「知名度がなく、応募が集まらない」
- 「小さい母集団でも効率的に採用できる方法を知りたい」
このように、求める人物像との出会いやペルソナ設計に悩む人事担当者の方におすすめのセミナーです。
講義は、3つのパートで構成されています。
- 最適な母集団形成
- 着実な戦略実行プロセス
- 採用成功事例
以下、詳しく説明します。
1:最適な母集団形成
早期化による課題

人事担当者の方と話すなかで「早く採用を開始したのに学生が集まらない」「年々学生を集めることが難しくなっている」など、”就活の超早期化”による悩みを聞きます。そこで「毎年多くの学生を一度に集める必要はありますか?」ということを考えてみましょう。
ここでは、限られたリソースのなかで、自社に合いそうなターゲットの学生にだけ会う採用手法について解説します。
新卒採用のサイクル

はじめに、新卒採用に陥りがちな「負の採用サイクル」と「目指すべき採用サイクル」を知ることから始めましょう。陥りがちなサイクルは以下の図の通りです。採用候補学生集めを大量にしすぎることで、一人当たりにかける時間が少なくなり、辞退や志望度の低下につながってしまうサイクルです。
「目指すべき採用サイクル」はこちら。候補学生をターゲティングして絞り込み、一人ひとりにかける時間を増やし積極的に接触の機会を設けることで、志望度を上げて入社を決めてもらうサイクルです。

2:着実な戦略実行プロセス
これまで「目指すべき採用サイクル」を説明しましたが、あくまでも理想形であり、採用は簡単なものではありません。自社で活躍してくれる学生を”着実に”採用するためには、下記の3つが重要な戦略立ての道筋です。

そこで今回は、3つのうちの「いかに適切なターゲットを定めるか」「いかに出会うか」の2つを紹介します。
ターゲット設定
求める人物像のターゲット設定をする前に、まずは「皆さんの会社が求める学生はどんな人物ですか?」を考えてみましょう。
「コミュニケーション能力が高い人」「理系人材が欲しい」「素直な人が欲しい」などが、よくある回答ではないでしょうか。ターゲット設定においては、これではまだ不十分なのです。
ターゲット設定において、最も重要なのは「具体化(絞り込み)」です。

「コミュニケーション能力が高い人」を例に考えてみます。コミュニケーションといってもさまざまなシチュエーションによっても発揮するスキルが違います。「誰と」「いつ」「どんな」だけでなく、聞く側と話す側によっても異なるのです。定義しているものを一つずつ解いていくと具体化ができます。「なぜ」そういったスキルが必要なのかまで落とし込むと、さらに良いターゲティングができるでしょう。
例)ラグジュアリーブランドのスタッフ採用をする場合
- 高級品を扱う職種であるため、目上の方とコミュニケーションをとる機会が多い。だから、丁寧な言葉選びで会話を進められる資質を持った学生
- 具体的には、ホテルや高級飲食店などでアルバイト経験があるのが望ましい。
など、具体化していきます。
そして、求める人物像を具体化を進めることで、ターゲットの学生だけに会いやすくなるでしょう。
最後に、これまでの説明のまとめです。
- 工数をかけるべき学生の母集団形成を進める
- ターゲットを絞り込むことで少ない母集団から欲しい学生を採用することが可能になる

ターゲット設定のフレームワーク
続いて、どのように自社が求める人物像の要件定義をするのかを考えます。ターゲット設定のフレームワークを紹介します。紹介するのは以下の4つのステップです。
- 3C分析
- 自社の強み・魅力の言語化
- 具体的なエピソードの洗い出し
- 求める学生の要件定義

「3C分析」とはマーケティングのフレームワークです。自社の強みと弱みを整理することで、採用における強みがみえてきます。「顧客」「競合」「自社」に分けて分析をしていきます。採用における3C分析は、以下のようになります。

そうすることで、最適な採用ツール、内定までのフローの見直し、競合との違いなど、言語化が必要な項目が明確になっていきます。だから、次に重要になってくることが「自社の強みや魅力を言語化」です。言語化におけるポイントは2つです。
- ターゲットを魅力から逆算すること
「スキル」「コミュニケーション力」「向上心」など全てを追い求めて、理想が高くなりすぎるケースがあります。自社の魅力を好きになってくれる人はどのような人物なのかを考えることがおすすめです。 - 適切なメッセージを作成すること
自社の魅力が整理できていないと、適切なメッセージの作成は困難です。求める人物像が好む自社の魅力を理解しましょう。
続いて、ターゲットとなる学生を言語化していきます。「ハード」「ソフト」をMUSTかWANTで考えることがおすすめです。

3:採用成功事例
最後に、これまで紹介した内容を振り返るために、ターゲットを明確化することで採用成功した「OfferBox」を利用いただく企業の事例を紹介します。今回紹介するのは、地方銀行の事例です。
課題:内定承諾率が低い
OfferBoxを導入する前の課題は、以下の2つでした。
- 応募してくる学生の多くが金融業界志望であるため、大手銀行や他の地銀と採用において競合していた。
- ナビサイトなどで学生を大量に集める採用をしており、内定承諾率が10%台とかなり低かった。
また当時のターゲットは「体育会系学生」と漠然としたターゲットでした。

取り組み:ターゲット学生の言語化
はじめに、OfferBoxのカスタマーサクセスと3C分析を実施。そこでわかったことが下記の通りです。
- 今までの入社者に体育会系が多いわけではなかった。
- 顧客の課題抽出が出来て改善提案ができる資質を持った学生が好ましい。
- 多くの学生を集めても、他の金融系の企業に流れていた。
これまでのターゲットが合っていなかったことや、具体的なペルソナ、金融業界を志望する学生についてが明確となりました。
続いて、言語化を行い「学生に求める資質」をより明確に紐解いていきました。OfferBoxでは、適性検査に基づいた学生検索が可能です。だから「計画力」や「行動・実行力」、「主体性」などガクチカなどのエピソードを通してだけでなく、適性検査の結果の数値をみながら、ターゲット学生により近い人材にアプローチすることができます。

結果:OfferBox導入後、ターゲティングを明確化することで採用成功
漠然としたターゲット設定でなく、分析をし言語化することで下記の変化がありました。
- 採用において他の金融系企業とバッティングをしなくなった。
- 綿密なコミュニケーションを通じて学生の意向上げがしやすくなった。
- 面接からの内定承諾率が上がったため工数削減につながった。

その結果、内定承諾率改善につながり、5名の採用に成功しました。

採用成功のポイント
当企業において採用成功したポイントは2つだと考えます。
- ターゲット学生を具体的に言語化して自社が必要とする学生だけに出会う。
- 求める人物像が定まったら、スカウトツールなどで自社から声をかける。
とにかく多くの学生さんに会う手法ではなく、求める人物像を明確にすることが採用成功への一歩です。「負のサイクル」に陥っている方や、これから新卒採用を考えている人は、ぜひ試してみてください。
そして、採用にお困りの際はOfferBoxのカスタマーサポートがサポートしますので、ぜひお問い合わせください。

成功事例や料金プランはこちら
最後に人事ZINEでは、求める学生と出会えるフレームワークを体系的に解説した資料「ペルソナ設計フレームワーク」をご用意しています。具体的な手順もご紹介していますので、本記事と合わせてご活用ください。

開催概要
- イベント名:学生が思わずホンネを話したくなる 面接3つのメソッド 人柄や価値観を引き出すコミュニケーション術とは
- イベントURL:https://offerbox.jp/company/event/event_old/30674.html
- 日時:2024年8月7日(水)8月20日(火)※終了しました。
- 講演者:株式会社i-plug 法人マーケティンググループ 前本 貴生
2016年4月、新卒でオフィス機器やシェアオフィスを運営する専門商社へ入社。新規開拓営業/法人パートナー営業ののち新卒採用担当として従事。 25名の採用をするため年間約1500名と面接・面談。一次選考・二次選考・初回接触から内定承諾までのフォローを担当。23卒では内定承諾率100%に。
採用活動をしながら出身大学でゼミ2クラスの就活講座を行う。
2022年10月〜現職。株式会社i-plugに入社。カスタマーサクセスとしてのOfferBox運用・採用に関する包括的なサポートを経験を経て、現在は法人マーケティンググループに所属。