【企業側】座談会の活用方法とは?新卒採用でミスマッチを防ぐ効果

座談会の開催経験がない採用担当者の方の中には、

「そもそも座談会の役割や目的がよくわからない」
「座談会を開催するにしてもどんなポイントを押さえればいいのかわからない」
「座談会のテーマの選択や進行方法がわからない」

などの悩みを持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかも、これまで座談会はリアル(対面)で行うのが一般的でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響からオンライン座談会も増加しています。今までとは異なる形での開催を余儀なくされ、手探り状態でお困りの方も多いかと思います。

そこで本稿では、座談会を行う意義・目的を再確認し、オンラインも含めた座談会の進め方や企業側が意識すべきポイント、注意点を解説します。本稿を、企業と学生の双方にとって実り多い、効果的な座談会を開催するための実践的なヒントとしていただければ幸いです。
 

新卒採用における座談会の意義・目的

座談会とは、ひとことで言えば「社員と学生が話をする場」です。学生にとっては説明会で聞き逃したことなどを質問したり、企業はより会社のことを知ってもらうために、通常の面接とは異なる方式で学生と意見や感想を交換したりします。

では、その意義や目的はどのようなものなのでしょうか。
 

座談会の目的は一つではない

採用活動が大きく様変わりし、企業から学生への一方向ではない、双方向性のある採用活動(学生と企業がマッチングする採用活動)が主流になりつつあります。「企業に対して自分が必要な人材であることを訴える就活」から「学生と企業の双方がお互いのことを知り、選びあう就活」があるべき就活の姿と考えられるようになっていく中で、座談会は、学生と企業がお互いのことを知るための、双方向のコミュニケーションができる有効な手段として注目されているのです。

上記に加えて、企業にとっては、「学生の本音の部分を見ることで選考の参考にする(採用後のミスマッチを防ぐ)」ことも目的のひとつとなります。

一方、学生に向けて、「企業の風土や現場の雰囲気などを見て、入社後のイメージをつかんでもらう場」、「応募者同士が顔を合わせることで、入社後の不安を払しょくしてもらう場」という役割もあります。

以上のように、座談会の目的はひとつだけではありません。そのため、まずは「何のために座談会を開催するのか」を明確にし、「応募者に何をどう伝えるのか」を整理しておく必要があります。そして、これを全スタッフで共有しておくことが大前提となります。
 

副次的に採用関係者で体感が生まれる

また、座談会は人事だけでは開催できないイベントでもあります。

学生にとって「現場の空気感が肌で感じられるような場」とするためには、現場社員の協力が不可欠だからです。

このため、座談会で企業の風土や現場の雰囲気をよりよく伝えることができるように、自社の理念やビジョンを体現している社員や現場で活躍する社員、採用したい人材像の条件を備えたモデル社員などに参加してもらうことが重要となります。

座談会は、採用に向けた社内の一体感を醸成することにも役立つイベントなのです。
 

座談会を企画するうえでのポイント

では、実際に新卒採用活動において座談会を開催するとして、具体的にどのようなところに気をつけて企画すればいいでしょうか。以下にポイントと注意点をまとめました。
 

座談会を企画するうえでのポイントとは

学生は、会社説明会や面接では知ることのできない情報を求めて座談会に参加してきます。「とりあえず学生とコミュニケーションを取っておく」という姿勢では、学生側はなんのために座談会に参加したのかわからない、という結果を招きます。以下のようなポイントをしっかりと押さえて、実りある座談会にしましょう。

テーマを明確にする

座談会を通じて参加学生に何を伝えたいのかを絞り込んで明確にし、テーマを設定します。現場社員が参加したフリートークというだけでは単なる雑談に終わり、自社の魅力が学生に届かない場合があるので、学生にとって有意義で魅力的なテーマを設定しておくことが大切です。

テーマの設定には、(1)各部署の仕事内容を知ってもらう (2)会社および仕事の魅力ややりがいを感じてもらう (3)配属後の仕事や職場のイメージを持ってもらう、(4)会社の制度や取り組みを知ってもらう、などの切り口があり、これらを組み合わせて実施することが一般的です。

参加する社員を厳選する

テーマに応じて参加する社員の社歴や立場、部署は変わってきますが、どのようなテーマであっても、学生が「こんな人がいる会社なら入りたい」と思える社員に参加を要請します。

また、参加する社員には座談会のテーマとそれに沿って発信したい情報を事前にしっかりと伝え、会社側の共通認識を固めておく必要があります。

参加する社員の資質と言動によって座談会の成否が分かれると言ってもいいほど重要な役割ですので、経営陣や社員の上長とも緊密に連携を取って全社的な取り組みとすることも大切です。

最近では、候補となる社員了解のもとに適性検査を行い、応募者のプロファイルに相応しい社員を人選して座談会に参加させるという企業もあるほどです。

座談会参加者はテーマによってさまざまな組み合わせる

若手社員だけ、特定部署の中堅社員だけ、若手社員と中堅社員、特定大学のOB・OG社員、女性社員だけ、上司と部下など、参加者の組み合わせはさまざまにありますので、テーマに応じてどういう組み合わせにするかが工夫のしどころです。

例えば、「配属後の仕事イメージを伝える」という内容の場合、どうしても若手社員からの情報だけでは乏しく、仕事に精通した中堅以上の社員からでないと深い話は聞き出せないものです。ただ、近い未来の仕事をイメージしてもらうには、若手社員のほうがリアル感がありますので、その組み合わせで考えるとよいでしょう。

一方、「給与への満足度」や「休日・休暇のとりやすさ」などを本音で語ることをテーマにする場合は、やはり若手社員とフランクに話せたほうが場は活性化します。

座談会開催のタイミング

時期という意味では、いつが良いというものはありませんが、インターンシップ、会社説明会、選考初期の集団面接、内定者フォロー面談など、さまざまなイベントの開催時に行うとよいでしょう。各イベントがリアルの場合は特に、開催時に行うことで一連の流れで参加しやすいというメリットがあります。いつでもどこからでも参加できるオンラインでは、他のイベントとの関連にこだわることはありません。

質問させることで学生の本音を引き出す

説明会よりも社員座談会のほうが学生は質問をしやすく、説明会や選考面接時に時間の関係で聞きそびれたことを質問してもらい、より理解を深める、志望度を高める場として役立ちます。企業視点に立つと、学生の質問内容によって学生が自社をどう見ているのかがよく分かる機会にもなります。企業から学生という一方通行ではなく、学生から企業へ発信できる場にすることが大切です。
 

座談会を企画する上での注意点

座談会は会社の魅力を伝える格好の場ですが、あまりに力を入れすぎて情報過剰となってしまったり、フランクな雰囲気から不用意な発言をしてしまうなど落とし穴もあるので注意が必要です。以下の点には特に注意しましょう。

学生の意向度を下げないように

マッチングするための判断軸としての座談会なので、合わないと判断する学生もいるでしょう。しかし、フランクな雰囲気だからこそ企業側の軽率な発言や態度で意向度を下げないように注意しましょう。

話しやすい環境づくりを

テーマと参加する社員を厳選して開催しても、それだけでは活発で話しやすい雰囲気の座談会になるという保証はありません。特に学生の側は現場社員と話すのは緊張するものです。場が活性化するように、会が始まる前からさまざまな工夫と準備を整えておくことが必要です。

例えば、参加する学生に会社側参加者のプロファイルシートを事前に配布しておいて、それぞれの参加者に対する質問を考えておいてもらえば、その場の思いつきで質疑応答するよりはるかに効果的です。さらに質問票をあらかじめ回収する形にすれば、質問に対する回答を準備しておくこともできます。

また、社員の側にも配慮が必要です。例えば先輩社員の話題が尽きないように、「入社を決めた理由」などよくある話題だけでなく、「仕事でつまずいた時にどう乗り越えたか」など、できるだけ具体的に職場の雰囲気が伝えられるようなトピックをまとめてもらい、その中から話題を提供するようにすることも話しやすい環境づくりに有効です。
 

座談会の進め方と時間配分

座談会では社員から話し始めるようにしましょう

座談会のスタートと同時に、学生から質問するのは難しいものです。社員から話し始めてもらいましょう。最初に話す内容は事前に段取りを決めておくとよいでしょう。例えば最初は社員からの促しで全員でアイスブレークなどを行い、その時のテーマに沿った会話を始めていく、という流れが考えられます。

座談会での時間は最低でも10分は必要

開催形式によりますが、グループ分けして複数の人と話すのであれば少なくても10分。同じ人固定であれば30分はとりましょう。

一方で座談会は、話が盛り上がると時間を忘れがちな点にも注意しましょう。特にグループで開催する場合は、ある一定の人とのやり取りに時間を取られてしまうと参加者全体では不満を感じることになります。

参加者の平均的な満足度をあげる、多くの参加者と接点をもち選考に進んでもらう、という目的を達成するためには時間配分をしっかりと決めて進行することが重要です。参加者に前もって座談会の終了時刻を伝えておく、司会者に進行を任せて従ってもらう、などの対策が有効です。
 

まとめ

採用活動において双方向性を活かせる座談会の重要性に注目が集まっています。人事のみで完結した採用活動で生じがちなミスマッチを防止する効果が期待できるからです。

座談会を成功させるためには、現場社員や経営陣とも連携を密にして全社的に取り組む、十分な準備と明確なテーマ設定を行う、などのポイントを押さえることが大切です。

また、最近普及しているオンライン座談会なら、いつでもどこからでも参加できるため、他のイベントとの関連にこだわることなく開催することが可能です。

座談会は直接的に選考には関わらない一方で、応募者に会社の魅力を知ってもらうための重要な接点でもあります。

特に「応募者が現場の空気感を知り、入社後のイメージを掴みやすくなる」というメリットは座談会ならではのものです。ミスマッチを防ぐための一策として、まずは座談会で「会社の空気を伝える」ことをはじめてみてはいかがでしょうか。

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人事ZINE 編集部

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