決められない学生と決まらない企業-17卒就活状況調査(2016年6月実施アンケートより)

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3月ナビ解禁、6月より選考開始となり、前年に比べ選考期間が2か月前倒しになった17卒採用。

この状況下で、企業側・学生側の双方は、どのような進捗状況下にあるのか?
アンケートの調査結果から、双方の実情が見えてきた。

内定を持ちつつ活動をしている学生 23.1% 決めきれない・絞り込めない実情

◆学生の就活状況

「内定をもらって活動を終了している(33.3%)」「内定をもらっているが活動を継続中(23.1%)」と
56.4%の学生が既に内定を手にしており、企業側よりは順調な状況のように見える。
一方で、「あらたにエントリー・ES提出を行っている(12.1%)」「あらたに情報収集している(11%)」と全体の23.1%の学生が
再び就職活動のプロセスを踏み出している状況も見えてきた。

 

既に活動を終了してる学生の約6割は、2社以上の内定を獲得している。

驚くのは最初の内定を獲得した時期について、「3月(7.4%)」「3月より以前(11.2%)」と回答した学生が18.6%で、
ナビ解禁前後に、既に内定出しを行っている企業があるということがこのデータでわかる。

内定を持ちつつ活動をしている学生は23.1%おり、「現在の内定先に納得を得ていない(41%)」や「本命企業から内定をもらうため(24%)」という意志やこだわりに基づく意見が多い中、一方で「他の業種や企業について知りたいから(28%)」や「迷っている」という意見も多く、
決めきれない・絞り込めないという状況下で、「時期にはこだわらず希望企業から内定をもらうまで(38.6%)」と、
自分の納得感を大切にして就活に取り組む学生が多いことがわかった。



上記より、6月以降も引き続き就活を続ける学生に加え、留学や学業やクラブ活動等ナビ解禁のタイミングでは就活を始められなかった学生たちも加わり、真夏に向けても多くの17卒学生が就活を続けている状況が予想される。

6月以降も「追加募集をする」企業58.8% 採用活動の長期化か?

◆企業の採用状況

採用人数は、16卒採用と比べ「ほぼ同人数(44.1%)」又は「増えた(38.2%)」と回答、
82.3%の企業が16卒採用と同等もしくは増加した採用人数を、この短期スケジュールの中で採用しなければならない状況となっている。

では実際の17卒充足率はどうなのか?
「80%以上の充足率」と回答している企業が20.6%であるのに対し、「50%以下」の回答は52.9%となっている。
つまり、企業側としては、現状満足のいく採用ができていないわけである。



上記の結果を受け、6月以降も「追加募集をする」と回答したのは58.8%にのぼり、採用活動の長期化が伺える。
そもそもに「予定数に満たないから(56.9%)」という企業が大半だが、今後起こりうる「内定辞退者に対する不安(23.5%)」や
就職活動の波に乗り遅れがちな「留学生採用をしたいから(5.9%)」等の理由もあり、追加募集を検討する企業が多い。

17卒採用活動の終了予定時期については、「既に終了した(4.9%)」や「6月中(9.8%)」は全体の14.7%にとどまり、
次に「7月中(21.6%)」が続く。

一方で、「いつ終了できるか見えない」が23.5%と多く、人事担当者の不安も多少見えつつも、採用基準を下げるのではなく、自社にあう学生をギリギリまで探す姿勢が見える。

 

最後に・・・

6月以降も、追加募集を検討する企業が多く、学生側の就活への納得感や、留学等によりスタートが遅れた学生など、

企業と学生のマッチングの可能性は十分にある。
内定辞退や入社後の早期退職など、双方にとって不利益な事がおこらないよう、
お互いつつみ隠さず相互理解を深めながら、時間の許す限り、納得のいく採用及び就職活動を行ってほしい。

 

※企業向けアンケート調査:回答数102(実施期間:2016年6月6日~6月28日)
※学生向けアンケート調査:回答数537(実施期間:2016年6月9日~6月24日)