エンジニアの新卒採用の動向と5つの採用手法・成功のポイント

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エンジニアの新卒採用は、企業の成長とイノベーションに不可欠な要素です。しかし、エンジニアの人手不足が深刻化するなか、効果的な採用手法を見つけることは簡単ではありません。

本記事では、エンジニアの新卒採用におすすめの採用手法を紹介し、それぞれの手法がエンジニア新卒採用においてなぜ効果的なのか、その理由と具体的な活用方法を解説します。また、成功するためのコツや注意点も提供します。

また、「総合職採用と違って、専門職の新卒採用がうまくいかない、経験がない」といったお悩みを抱えた採用担当者の方のために、人事ZINEではエンジニアなどのジョブ型採用を成功させるコツを解説した資料をご用意しています。ダウンロードして、自社のエンジニア採用の検討・改善にお役立てください。

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エンジニアの新卒採用をめぐる現状

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エンジニアの人手不足は新卒市場でも深刻化しており、企業間での獲得競争が過熱しています。外国人採用やオフショア拠点を展開する動きも見られ、また、エンジニアを別枠で獲得する企業も増えています。

新卒市場でもエンジニアの人手不足は深刻化

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査結果によると、企業におけるIT人材の量について、「大幅に不足している」または「やや不足している」という回答は89.0%、IT人材の質についても「大幅に不足している」または「やや不足している」という回答は90.5%に達していました。

日本の企業の特徴として、システムの開発・保守運用については外部ベンダーへの依存度が高いという点も指摘されており、ユーザー企業が自社内でIT人材を抱えるには多くの課題があるのが現状です。特に、情報セキュリティやアジャイル開発などの高度なICTスキルを持つ人材が強く求められています。

外国人採用・オフショア拠点展開の動きも

国内人材だけでなく、外国人エンジニアの新卒採用やオフショア拠点の展開も活発化しています。例えば、フリマアプリのメルカリはインド南部のベンガルールに現地法人を設立し、IT人材を確保する取り組みを行っています。その他にも、コロナ禍を経てDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速し、日本国内で十分なIT人材を採用することが難しいことから、東南アジアやインドなどの諸外国での採用を検討する企業も増えているようです。

外国人・オフショア採用にあたってはエンジニア人材を獲得できるチャンスもある分、同じような採用戦略をとっている企業と比較して魅力的な待遇を用意することも重要です。

採用エンジニアは別枠で獲得の企業も増加

エンジニアの採用において、別枠で採用に動く企業が増えています。例えば、トヨタ、みずほ、テルモなど、事業会社の3割以上が新卒のIT人材を別枠で採用している状況です。これは、DX推進やシステム内製のためにITエンジニアを直接雇用する事業会社が増えていることを反映しています。

また、待遇についてもエンジニア向けの待遇を用意するケースも見られます。これらの動きは、新卒市場でのIT人材獲得競争が激化しており、待遇面の再検討が必要である可能性を示しています。

そのようななか、新卒でエンジニア人材を採用するには従来型の考え方・採用戦略を改め、エンジニア人材のニーズ・志向をもとに最適な手法・訴求方法を模索する必要があるでしょう。

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エンジニアの新卒採用におすすめの採用手法

エンジニアの新卒採用におすすめの採用手法

新卒エンジニアの採用にはさまざまな手法がありますが、そのなかでも特に効果的なものをいくつか紹介します。それぞれの手法について、その特徴、エンジニア新卒採用におすすめの理由、成功するためのコツを解説します。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、企業が学生に直接アプローチを行って採用につなげる手法で、エンジニア新卒採用において効果的です。この手法の最大の特徴は、自社が求める要件に合致する学生をプロフィールをもとに絞り込み、直接コンタクトを取る点にあります。これにより、その時点では自社を認知・志望していない潜在的な学生層に対してもアプローチでき、自社が求める人材に出会える可能性が高まるのです。

また、ダイレクトリクルーティングは、求人サイトや就職イベントと異なり企業側からアプローチするため、母集団の数や学生に求める要件をコントロールしやすいというメリットがあります。さらに、工夫次第で採用コストを抑えやすい点も魅力で、長期的な運用により運用フローの効率化が図れれば、エンジニア人材の確保に成功しつつ、採用コストの削減につながるでしょう。

理系・IT/Web系ナビサイト

理系・IT/Web系のナビサイトは、エンジニア職と親和性の高い専攻の学生が多く登録しており、エンジニアの新卒採用において効果的です。

エンジニアの職務には、論理的な思考力や創造力などのポテンシャルが求められますが、自然科学や工学などの背景を持つ理系人材は、これらの要件を満たしていることが多い傾向にあります。

また、エンジニアの新卒採用においては、「学生がIT業界へ興味や志向を持ってくれていること」も重要な要素ですが、IT業界専門の求人サイトを活用すれば、エンジニア職を志向する学生と出会いやすくなります。

このような媒体を活用するうえでのポイントとしては、他社の求人情報や市場相場を参考にしつつ、興味を引ける要項を作成することが重要です。働き方やキャリアパス、教育体制などの職場環境についても、自社の魅力をアピールすることが欠かせません。

人材紹介エージェント

人材紹介エージェントは、学生と企業の間に立ち、企業の採用要件にマッチする学生を紹介するサービスです。エージェントは企業の求人情報と就職希望者の情報を保有し、両者がマッチすると判断した場合に提案を行います。

このサービスの大きな特徴は、従来の大規模な母集団から選抜する手法とは異なり、企業の特徴と学生の特性を熟知したスタッフがピンポイントで紹介を行う点です。エージェント側は学生に対して、企業への動機づけの強化、自己PRの方法、面談日の調整などのサポートも提供する場合があり、スムーズなマッチングにつなげられます。

エンジニアの新卒採用においてエージェントサービスを活用する際は、エージェントに対して自社が求める人材像や要件を正確かつ詳細に伝えることが重要です。また、担当者と方向性をすり合わせるためにも、定期的にコミュニケーションを取ることが必要となります。

インターン採用

インターン採用は、「採用直結型インターン」などとも呼ばれ、企業が受け入れたインターン生をそのまま正式に採用する手法を指します。

エンジニアの新卒採用においては、学生のスキル要件やキャリア志向と、企業が提供できる職場環境や求める要件のマッチングが重要です。インターンシップを活用することで、企業は学生が実際の業務に取り組む様子を確認し、そのスキルや仕事への取り組み方を評価することが可能となります。また、学生にとっても実際の職場環境を体験することで、その職場で働くイメージを持つことが容易になります。これにより、双方のミスマッチを減らす効果が期待できます。

インターン生をエンジニアの新卒採用につなげるためのポイントとしては、インターン生がスムーズに業務に取り組めるような受け入れ体制の整備が必要です。また、インターンシップ終了後も学生が自社へのエンゲージメントを持続できるようなアフターフォローも重要となります。

なお、インターンシップで得た学生情報を採用活動に活用するには要件があり、注意が必要です。詳しくは以下のページで紹介しています。

オウンドメディアリクルーティング

オウンドメディアリクルーティングは、企業が自社のWebサイトやSNSなどを活用して採用活動を行う手法です。エンジニア新卒採用においては、企業の技術力やプロジェクトの内容を具体的に紹介することで、技術に興味がある学生の関心を引きやすくなります。

エンジニアは専門職であり、学生側は就職先選びにおいて興味関心のある技術分野とのマッチや、エンジニアリング文化との親和性、長期的なキャリアプラン・成長可能性などを気にすることが普通です。オウンドメディアは、自社の生の声を使って発信できる媒体で、採用ターゲットとなる人材に適切にアピールできます。

オウンドメディアリクルーティングでエンジニアの新卒採用に成功するためのコツは、企業の魅力をなるべく正直かつ具体的に伝えることと、学生の関心を引くようなテーマを提供することです。

エンジニアの新卒採用で成功するポイント

エンジニアの新卒採用で成功するポイント

エンジニアの新卒採用で成功するためには、学生への理解と、適切な発信が重要です。ここでは主なポイントを7つ紹介します。

エンジニア志向の学生の関心・ニーズを理解する

エンジニア志向の学生の関心やニーズを理解することは、採用成功のための重要なポイントです。エンジニア業界では、収入や開発規模だけでなく、「クールかどうか」や「世の中に与えるインパクト」などの要素も重視されることがあります。

ターゲットとする学生の志向・ビジョンを理解したうえで、価値観や風土も発信することが重要です。具体的には、「エンジニア志向の学生の関心事や業界動向についての調査」や、「直接的なフィードバックを得るためのインターンシップの実施」などが有効な施策となります。

案件分野や仕事内容を分かりやすく伝える

エンジニアの新卒採用において、案件分野や仕事内容を明確に伝えることは必須です。これは、エンジニアが自分の志向とマッチしているかを確認しやすくするとともに、企業の魅力を正確に伝えるためにも欠かせません。

「自社が提供しているサービスや携わっている開発案件を丁寧に説明・発信する」「実際の仕事の一部を体験できるインターンシップのプログラムを用意する」などが有効な手段となります。これらの手法を取り入れることで、学生が自社の仕事内容を深く理解し、自身のキャリアビジョンと照らし合わせることができます。

理系・文系両方に訴求する

エンジニアの新卒採用にあたっては、理系、特に情報系や工学系が理想と思いがちですが、争奪戦が激しい現状では、文理問わず見込みのある学生にアプローチするのが当たり前になっています。特に、システムエンジニア職は将来的に開発・実装よりも管理職のキャリアパスに進むことも多く、数学的素養よりもコミュニケーションスキルが重視される場面も多いです。

「文系学生でも活躍できるチャンスがある旨と、求めている人物像を具体的に発信する」「文系学生がエンジニアになるための教育プログラムを提供し、その旨も伝える」などを徹底することで、理系・文系ともに自社が求める学生に訴求しやすくなります。

遠方・外国人学生にもアプローチする

エンジニアの新卒採用においては地方学生や外国人学生にもアプローチすることが有効です。地方学生は、エンジニア志向であるものの地元には自分が希望するIT企業が少なく、悩み・不満を抱えているケースもあります。また、都市部は採用レッドオーシャンである一方、地方は都市部ほど競争が激しくないケースもあるのが現実です。

そこで、「地方の学生に対する情報提供」「リモートワークの導入と、その旨の情報発信」「外国人学生に対するサポート体制の整備」などが有効な手段となります。これにより、幅広い地域・属性の層から自社が求めるエンジニア人材を採用しやすくなります。

現場エンジニアの実態・意見も参考にする

現役のエンジニア社員の意見を取り入れることで、エンジニア志向の学生に対してより魅力的な訴求がしやすくなります。

具体的には、「社内のエンジニアから職場・働き方へのフィードバックを定期的に収集する」「それを採用戦略に反映させる」などが有効です。また、「採用活動にエンジニアも参加してもらう」「学生と直接対話してもらう機会を設ける」など役立つ可能性があります。

これにより、学生に現場のリアルな声を直接届けやすく、企業の魅力やチームの雰囲気をより具体的に理解してもらいやすくなります。

キャリアパスや習得できるスキルを伝える

エンジニア職を目指す学生が特に気にする要素の1つは、「スキルアップやキャリアアップが可能な職場・仕事かどうか」です。そのため、具体的なキャリアパスや習得できるスキルを明確に伝えることが欠かせません。

「社内のキャリアパスを示すロードマップを作成し、それを学生に提示する」「社内で使用している技術スタックや、新入社員が習得することになる技術スキルを明示する」のも有効です。

これにより、学生は自社での成長のビジョンを描きやすくなり、企業への関心が高まる効果が期待できます。

職場環境・教育体制をアピールする

「IT業界は長時間労働」というイメージを持たれている可能性がありますが、働きやすさを追求している企業は、有給取得率や残業時間、その他の福利厚生などを訴求することが重要です。

具体的には、以下のような項目が挙げられます。

  • 福利厚生:健康保険、退職金制度、社員旅行
  • 職場環境:フレックスタイム制度、リモートワークの導入
  • 教育体制:メンターシップ制度、社内研修プログラム

こういった観点について、自社の取り組みを発信し、学生に自社の教育体制の強みを理解してもらうことも重要です。

エンジニアの新卒採用を行う際の注意点

エンジニアの新卒採用を行う際の注意点

エンジニアの新卒採用を行う際には、そのメリットとデメリットを理解し、エンジニアに特化した採用フローを確立することが重要です。

メリットとデメリットを洗い出す

IT人材が不足している現状において、新卒採用でエンジニアを確保しようとする動きは自然な方針といえます。

エンジニアの新卒採用を行うメリットとしては、エンジニアとしての予備知識や素質が備わっている人材を獲得することで、すぐに活躍してくれる可能性が高いという点が挙げられます。一方、デメリットとしては、エンジニアの年収が高騰しており、採用にあたってのコストもかかる点が挙げられ、その負担に耐えられるかどうかは検討が必要です。また、エンジニアを確保し、定着率を維持するには魅力的な職場環境の整備が欠かせません。

これらの要素を踏まえて、採用計画を立てて実行に移すことが求められます。

エンジニアに特化した採用フローを用意する

エンジニア人材は特に不足しているため、従来の考え方や同じ採用手法では通用しない可能性が高いです。そのため、エンジニアを新卒採用する際は他の職種の採用と同じように考えるのではなく、前半で紹介した企業の取り組みのように、エンジニアに特化した採用フローを確立することが必要です。また、その実行のためには、社内で適切な体制を確保することも重要となります。

これらの点を考慮し、エンジニアの新卒採用を成功させるための戦略を練ることが求められます。

まとめ

エンジニアの新卒採用は、企業の成長はもちろん、技術力・競争力を維持するためにも欠かせない要素です。ダイレクトリクルーティング、理系・IT/Web系ナビサイト、人材紹介エージェントなど、多様な採用手法を活用し、自社に最適な人材を見つけ出すことが求められます。

同時に、採用手法を選ぶだけでなく、エンジニア志向の学生の関心・ニーズを理解し、職場環境や教育体制をアピールするなど、採用成功のためのポイントを押さえることも重要です。これらのポイントを踏まえ、エンジニアの新卒採用を成功に導くための戦略を立てていきましょう。

最後に、「エンジニア採用を成功させたい」という採用担当者の方は、ぜひこちらの資料もご活用ください。ジョブ型採用が近年トレンドになっている背景から、ターゲットとの接触に効果的な手法、採用成功事例まで網羅的に解説しています。

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人事ZINE 編集部

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人事・採用担当者の悩みに寄り添うメディア「人事ZINE」の編集部です。 人事・採用に関する役に立つ情報や手法を発信します。 就活生の3人に1人が利用する新卒採用オファー型サイト「OfferBox(オファーボックス)」を提供する株式会社i-plugが運営しています。