【入社手続き】総務人事担当者が新卒新入社員を迎えるためにやるべきこと

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「新卒新入社員の入社手続きを効率的に進めたい」と考えている総務の人事担当者は多いものです。

本記事では新入社員の入社手続きとして、新入社員に提出してもらう必要書類や、入社後に加入させる社会保険の手続き、労働基準法で義務付けられている法定三帳簿の作成などについて解説しています。

総務が新入社員の「入社前にやるべきこと」「入社後にやるべきこと」のスケジュールをそれぞれ紹介しているので、効率的な入社手続きの実施にお役立てください。

活躍する若手が育つ!新入社員研修のつくり方
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【1分で理解できる本記事の要約】

  • 入社前準備では、配属決定・研修策定・必要書類の提出依頼・労働条件通知書作成・備品用意・入社式準備を進める
  • 新卒手続きトラブルには、書類未提出・記載ミス・卒業延期が多く、事前リマインドとチェックリスト活用で防止する
  • 進行管理では、提出状況管理表を作成し、総務・人事・配属部署間の情報連携と問い合わせ窓口の一本化を図る
  • 入社後は、社会保険・雇用保険の加入、法定三帳簿の作成、新入社員研修、業務開始準備をスムーズに行う
  • 注意点として、卒業見込み確認、入社前後の学生の変化把握、社会保険書類のサポートを意識する

【総務・人事】新卒社員入社前の入社手続き準備スケジュール

新卒社員の入社手続き準備スケジュール

新卒の新入社員を迎えるにあたって、総務が実施すべき入社手続きを6つ紹介します。入社手続きチェックリストとしてご活用ください。

  1. 配属部署の本決定
  2. 新入社員研修の策定
  3. 新入社員に必要書類の提出を依頼
  4. 労働条件通知書の作成
  5. 備品の用意
  6. 入社式の準備

配属部署の本決定

まず、新入社員を配属する部署を本決定します。新入社員の人柄やスキルなどから本人の資質を活かせるような部署に配属するのが理想です。新入社員と面談を実施して、本人の希望をヒアリングするのも良いでしょう。

早期離職を防ぎ、本人のパフォーマンスを最大限発揮してもらうために、配属部署は慎重に決定する必要があります。

新入社員研修の策定

次に、新入社員研修を策定します。研修期間を決め、内容を協議し、研修資料を作成します。

新入社員研修に登壇してもらいたい社員がいるなら、スケジュールを確保してもらうよう依頼しておきます。研修を通じて、新入社員がビジネスマナーや仕事の進め方などの知識を身につけられるようにしましょう。

新入社員に必要書類の提出を依頼

新入社員に提出を依頼する必要書類は、以下表のとおりです。漏れがないか今一度ご確認ください。

必要書類(新卒のみ)

・成績証明書
・卒業(見込み)証明書

必要書類(新卒・中途とも)

・健康診断書
・ 年金手帳
・ マイナンバー
・ 雇用契約書
・ 給与振込先届出書
・ 各種手当支給届出書
・ 健康保険被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者 資格取得等届
※新入社員が家族を扶養している場合

場合によっては必要になる書類(新卒・中途とも)

・身元保証書
・ 資格免許証、合格証明書類
・ 住民票記載事項証明書

2月頃には必要書類の提出を依頼し、入社日には受け取れるよう準備してもらうことが理想です。

新入社員が提出する必要書類については「【新卒採用】採用時の提出書類の基本を確認:禁止書類からコンプライアンスを読み解く」でも詳しく解説しています。

労働条件通知書の作成

労働条件通知書を作成して、入社日までには渡せるようにしておきましょう。労働条件通知書とは、従業員が労働するときの条件について明示している通知書のことです。入社日以前に渡しても良いですが、勤務地をはじめ明記しなくてはならない項目に気を付けて作成しましょう。

労働条件通知書を渡すことは法律で義務付けられているので、必ず作成します。テンプレートを活用すると、作成の手間が軽減するためおすすめです。

備品の用意

新入社員が使う備品を用意します。一般的に必要になる備品は、以下のとおりです。

  1. デスク
  2. パソコン
  3. 社用携帯
  4. 制服
  5. 社員証
  6. 名刺
  7. 文房具
  8. ICカード
  9. ドアロック解除用指紋登録(必要な場合)

部署によっては必要のない備品もあります。例えば、社用携帯を支給していない企業も多いでしょう。ただし備品をそろえるときは、なるべくどの新入社員にも同じような備品を用意することが大切です。

「この部署はそれほど○○を使わないだろう」と総務が判断したとしても、実際の現場では必要とされている備品もあります。総務の判断で備品の支給にバラツキがあった場合、新入社員からだけでなく、現場の役職者から「うちの部署を軽んじているのか」と誤解されかねないため注意しましょう。

入社式の準備

入社式の準備も進めましょう。登壇する社員のスケジュール調整、司会進行の準備、内容などを確認します。

入社式を社外で開催する場合は、会場の手配と予約もしましょう。コロナ禍の影響を受けた年は、オンライン入社式を導入する企業もありました。オンラインの場合は、事前に資料を送付したりオンラインツールを導入したりしておくと、スムーズに実施しやすくなります。

新卒の入社手続き|よくあるトラブルと企業側の対応マニュアル

入社手続きは新卒社員にとっても企業側にとっても重要な初期対応ですが、実際にはトラブルも少なくありません。本章では、新卒社員の手続きにおいて起きやすい問題を整理し、トラブル発生時に企業側がとるべき対応フロー、さらに未然防止策まで体系的にまとめます。

事前にリスクと対策を把握しておき、スムーズな受け入れ体制を実現しましょう。

新卒社員の入社手続きで起きやすいトラブルとは?

新卒社員の入社手続きでは、提出書類の未提出や遅延、記載ミス、必要書類の紛失、さらには卒業延期・中退などによる内定取り消しリスクが主なトラブルです。特に新卒者は社会人経験がないため、提出の重要性やスケジュール感への理解が浅い場合があります。

企業側はこれらを前提に、リマインド設計やサポート体制を整備することが重要です。

主なトラブル内容 具体例
提出書類の未提出・遅延

卒業証明書・住民票などの遅延

書類の記載ミス・不備

誤字、未記入欄

必要書類の紛失

健康診断書・マイナンバー関連

卒業できない・中退

内定条件を満たさない事態

トラブル発生時に企業が取るべき入社手続き対応フロー

トラブル発生時には、まず事実確認と状況把握を冷静に行うことが重要です。例えば書類未提出なら、提出予定日や理由をヒアリングし、再提出期限を設定します。

記載ミスなら訂正依頼と再確認、卒業できなかった場合は内定取り消しや条件変更の社内基準に従って対応します。いずれの場合も、本人への丁寧な説明と社内関係者への共有を徹底しましょう。

トラブル種別 対応の流れ
書類未提出・遅延

期限設定→催促連絡→再提出依頼

記載ミス・不備

訂正依頼→再チェック

卒業できない場合

内定取消or条件変更判断→通知

新卒の入社手続きでミスを未然に防ぐためのチェックリスト

トラブルを未然に防ぐためには、手続きフローの見える化と、提出管理の仕組み化が欠かせません。具体的には、提出物リストを事前配布し、提出期限のリマインドを複数回実施します。

また、記載方法のマニュアルを用意することでミスを減らせます。これらをチェックリスト化しておくことで、誰が見ても対応漏れがない状態を作ることが可能です。

チェック項目 対策例
提出書類リスト配布

入社予定者へ事前配布

締切リマインド

2回以上リマインド実施

記載マニュアルの提供

記入例付きガイド作成

新卒の入社手続き|進行管理と社内連携をスムーズに進めるコツ

新卒社員の入社手続きは、個別対応ではなく「全体を一気通貫で進める仕組み」が重要です。本章では、進行管理表の作成方法、社内各部署との連携ルール、さらに入社式や初日オリエンテーションへのスムーズな接続方法まで、実務に即した流れで解説します。

事前に一元管理できる体制を整えることで、手続き漏れや混乱を未然に防ぐことができます。

新卒社員の入社手続き進行管理表を作成する方法

新卒社員の手続きを確実に進めるには、進行管理表の作成が欠かせません。管理表には、必要書類の提出状況、担当部署、提出期限、リマインド予定日などを一覧化して記載します。

提出が遅れている項目が一目で分かるようにしておくことで、リスクの早期発見が可能になります。ExcelやGoogleスプレッドシートを使い、リアルタイムで進捗更新できる仕組みを用意しましょう。

管理項目 内容例
提出書類一覧

卒業証明書、住民票など

提出ステータス

提出済・未提出・不備対応中

締切・リマインド日

締切日、リマインド実施日

総務・人事・配属先で連携して新卒の入社手続きを漏れなく進めるには

入社手続きは総務・人事だけで完結しないため、各部署との連携が不可欠です。まず配属先の決定後、配属部署へ新入社員情報を速やかに共有します。

同時に、社会保険・労務関係の担当部署とも連絡を取り合い、役割分担を明確にしておきます。また、社内で新卒対応窓口を一本化し、問い合わせ対応をスムーズに行える体制を整えることも重要です。

連携対象 役割・対応内容
配属部署

配属決定通知・初期受入れ準備

社会保険担当

加入手続き・扶養確認

労務担当

労働条件通知書管理・入社登録

窓口担当

新卒者からの問い合わせ一本化

新卒の入社手続き完了後、入社式や初日オリエンテーションまでを一気に準備する

手続き完了後は、そのまま入社式や初日オリエンテーションの準備へシームレスに移行することが理想です。具体的には、初日持参物・服装・集合時間の案内資料を早めに作成し、新卒社員へ配布します。

また、オリエンテーション用の社内ルール説明資料や、各種アカウント発行リストも事前にまとめておくと、初日の混乱を防げます。準備物はリスト化し、役割分担を明確にして進めましょう。

準備項目 対応内容
初日案内資料

持ち物・服装・集合時間を記載

社内ルール資料

就業規則・セキュリティポリシーなど

ITアカウント管理

メール・社内システムアカウント設定

【入社後】会社側がやるべき新卒社員の入社手続き

入社後、会社側がやるべき新卒社員の入社手続き

ここからは入社後に総務が取り組むべき新卒新入社員の入社手続きを紹介します。大きく分けて、以下4つの手続きが必要です。

  1. 社会保険と雇用保険の加入手続き
  2. 法定三帳簿の作成
  3. 新入社員研修の実施
  4. 業務を開始するための準備

社会保険と雇用保険の加入手続き

まず、社会保険(健康保険・厚生年金)と雇用保険の加入手続きです。保険の手続きは新入社員の入社後数日以内に進めなくてはならないものもあります。入社手続きの中で、社会保険と雇用保険の加入手続きが最も時間がかかります。

新入社員から提出してもらった書類を参考に、各種書類を作成します。雇用手続きは、必要事項を記入した「雇用保険被保険者資格取得届」などをハローワークに提出しなくてはいけません。提出期限は、新入社員を雇用した翌月10日までです。

新卒の新入社員は、前職がないので住民税の手続きが不要です。ただし、ごくまれに学生時代に高収入を得ていて、住民税の手続きが必要な新入社員もいます。

法定三帳簿の作成

法定三帳簿とは、労働者名簿・賃金台帳・出勤簿という3つの帳簿のことです。労働基準法により、法定三帳簿の作成は義務付けられています。法定三帳簿の作成は、社会保険の加入手続きに次いで時間のかかる手続きです。

労働者名簿は氏名、生年月日、従事する業務、雇入れ年月日などを記載します。保管期間は3年です。賃金台帳は、賃金の計算期間、労働時間、控除項目と額などを記載します。出勤簿は、タイムカードをはじめとした労働時間を把握するために必要な帳簿のことです。

厚生労働省が労働者名簿や賃金台帳の書式を配布しています。これらを活用すると、必要事項の記載漏れが起こりにくくなります。

参考:主要様式ダウンロードコーナー「労働基準法関係主要様式」|厚生労働省

新入社員研修の実施

各種手続きと同時並行して、新入社員研修を実施します。事前に用意した研修資料を使いましょう。新卒新入社員の中には、初めての社会人生活で不安を抱えている方も多いはず。同期や同僚とコミュニケーションがとれるグループワークや、レクリエーションなどを導入しても良いでしょう。

新入社員研修の最終日には、あらかじめ決めておいた配属部署を新入社員に通知します。

「新入社員研修をどうやって行うべきか」とお悩みの方は、新入社員研修の作り方の資料をぜひ参考にしてみてください。

新入社員研修を行う際のフレームワークや、対象となるZ世代の特徴をまとめており、実務に役立つ内容となっています。

活躍する若手が育つ!新入社員研修のつくり方
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業務を開始するための準備

配属後に散らかったオフィスやデスクに案内されたら、新入社員は戸惑ってしまうでしょう。新入社員が配属先で気持ち良く業務を始められるように、準備を整えておきます。

新入社員が使うパソコンを用意し、セットアップを完了させ、デスクを掃除しておきましょう。退職した社員のデスクを使わせる場合は、引き出しに忘れものが入っていないかを改めてチェックしておきます。

新入社員研修の終盤に、新入社員と配属先部署の上司を対面させ、挨拶させておきましょう。新入社員を迎え入れる上司も緊張している可能性があります。実際の業務が始まる前に、顔合わせを済ませておくことをおすすめします。

入社後に取り組むべき、新卒新入社員の入社手続きのチェックリストも作成しましたので、参考にしてみてください。

新入社員入社手続きチェックリスト

新卒の入社手続きならではの注意点

新卒の入社手続きならではの注意点

新卒の新入社員の入社手続きで気を付けたいことは、以下の3つです。

  • 本当に大学を卒業できるのか
  • 内定から時間が経っているので印象は変わっていないか
  • 社会保険の手続きでわからないことはないか

卒業見込みだった学生が、最後に単位を落として卒業できないことはごくまれに起こります。そのため、卒業できないという連絡を受けた場合にも、学生の見当違いでなく本当に卒業できないのか、課題などの提出で単位取得につなげられないかなどを確認しましょう。

さらに、学生は半年ほど会わないと雰囲気が大きく変わることも少なくありません。定期的に連絡して、印象が変わっていないか確認することをおすすめします。

また、学生は社会保険の知識がなく「年金手帳をなくした」という学生もいるかもしれません。保険手続きに関する質問があった場合は、丁寧に答えるようにしましょう。

入社手続きマニュアルで総務が行うべき手続きの漏れ防止

新卒新入社員の入社手続きで総務がやるべきことを紹介しました。入社前に新入社員研修を策定して、新入社員に必要書類を提出するよう依頼しましょう。入社後は、社会保険の加入手続きを進めて、法定三帳簿の作成、新入社員研修などを実施します。

初めて社会に出る新卒新入社員から、必要書類の書き方などを質問される可能性があります。総務は入社手続きに関する情報を事前に整理して、よく理解しておきましょう。新入社員の入社手続きは、マニュアル化して漏れがないように対策しておくことをおすすめします。

「新入社員研修を効果的に行いたいとお考えの方は、新入社員研修の作り方の資料をぜひ参考にしてみてください。

新入社員研修の目的と重要性から、対象となるZ世代の特徴、実務に役立つフレームワークまで網羅的に解説しています。

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人事ZINE 編集部

人事ZINE 編集部

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