【完全版】不採用通知をメールで送る際の書き方!例文と共に紹介!

人事担当者の中で不採用通知をメールで送る場合、どのような書き方をすればよいのか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
企業の採用担当者としても、せっかく応募してくれた人に不採用の通知を行うのは、あまり気持ちのよいものではありません。特に、初めて採用担当となった人にとっては、どのような内容で通知したらよいのか困るのではないでしょうか。
今回は、不採用通知をメールで送るときの注意点と書き方を解説します。具体的な例文も記載しているのでぜひ参考にしてください。
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目次
不採用通知の連絡はメールでOK?

そもそも応募者に対して、不採用の通知を行う必要はあるのでしょうか。
また不採用通知を行う際の連絡方法は、文書や電話ではなくメールでもよいでしょうか。まずはこれらについて解説していきます。
不採用通知の必要性
人材を採用する過程で、書類選考や面接試験など、複数の採用試験を実施する場合、各段階で不採用の連絡をする必要があります。
応募者は、不採用になった場合、次の就職活動を進めるため、結果の通知を早くしてほしいと待っています。したがって、不採用通知をおこなわなかったり、通知が遅すぎたりする場合には、応募者は企業に対して強い不満を持つ可能性があります。
不採用にした応募者は、自社の社員にはならなくても、今後取引のある企業に就職したり、自社の顧客となる可能があります。不採用通知の仕方次第では、自社のイメージを損なう可能性があるので、通知の内容やタイミングには十分な配慮をするようにしましょう。
特に、新卒採用の場合には、自社に対して持ったネガティブなイメージが大学の後輩や就職課に伝えられたり、口コミサイトやSNSに書き込まれたりする可能性があります。翌年以降の採用活動に影響することも考えられるので注意が必要です。
不採用通知の連絡方法
不採用の通知には、文書の郵送や電話、メールの送信などの方法がありますが、一般的にはメールで連絡しても問題ありません。
以前は、文書や電話で不採用通知を行うのが普通でしたが、現在ほとんどの企業ではメールによって連絡するのが一般的となっています。企業としては採用業務の効率化を図ることができ、応募者もできるだけ早く合否の結果を知りたいと思っているため、メールで不採用通知を送ることは双方によってメリットがあると言えます。
だだし、応募書類などを返却する際には、メールで不採用通知を送った後に、文書と同封して郵送する必要があるため注意です。
また、ビデオ通話で伝えるという手もあります。最近はビデオ通話を採用活動に取り入れている企業が増えていますが、不採用通知もビデオ通話でしても問題はありません。直接お互いの顔を見て話せるので、気持ちが伝わりやすいというメリットがあります。とはいえ、メールや書面と比べてトラブルになる可能性が高いので、運用にあたっては通常以上に応募者への気遣いや注意が求められ、あまりおすすめはできない方法です。
不採用通知を送るタイミング

応募者の多くが、不採用の連絡を受けた場合、次の就職活動を進めます。これからまだ就職活動を続ける応募者に配慮して、不採用通知はできるだけ早く送るようにしましょう。
面接日からできれば3日以内、遅くとも1週間以内にするのが理想です。3日よりも早いときちんと選考していないような印象を与えるかもしれません。1週間を超えるような場合、応募者は身動きがとれずに困っている可能性があるので、選考が遅れているということだけでも連絡してあげてください。
また、応募書類などの返却が必要な場合、書類が応募者に届くまでに時間がかかってしまうので、遅れそうな場合は早めにメールで不採用の通知を送るようにします。
緊急の場合は電話で伝える
緊急の場合には、電話で伝えることもあります。レアケースですが内定者懇親会の日程が近づいている場合なども、応募者が出席のための準備をしてしまわないように早く知らせてあげるのが親切です。
電話の際もメールや文書と同じような内容で、できるだけ丁寧に伝えてください。また、「言った言わない」とならないように、電話をした後にあらためて文書を送付するのもポイントです。
不採用通知をメールで送る際の書き方
不採用通知をメールで送る際には、その書き方にも気を付けなければなりません。内容によっては誤解が生じてしまったり、件名の書き方次第ではメールに気づかなかったりする場合があります。
ここでは、不採用通知をメールで送る際の書き方について詳しく解説していきます。
件名で内容がわかるようにする
就職活動中には、エントリーした企業からの連絡や、転職サービスからのスカウトなど、たくさんのメールが送られてくるものです。受信トレイで、埋もれてしまい未読のままにならないように、件名を一目見ただけで採用試験についての連絡だとわかるようにしましょう。
件名の例)
【選考結果のご連絡】株式会社〇〇
件名に、自社の社名を記載すると、どこから送信されてきたメールか一目で判断できます。また、【】や『』を使うと目に留まりやすくなります。
応募してくれたことへの感謝の気持ちを表現する
応募者は、たくさんの企業の中から自社を選んで応募してくれています。また、書類選考の場合は郵送する手間と料金が、面接試験の場合は交通費や面接のための時間がかかっています。そのため、まずはそれらに対する感謝の気持ちを伝えましょう。
例えば本文を「弊社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございます。」のような感謝の言葉からスタートさせると、気持ちが伝えられると同時に、文章全体にやわらかな印象を与えることができます。
さらに、メールの文面では直接的に「不採用」と表現しないように配慮します。応募者によって本来、不採用通知は受け取りたくない連絡です。「今回はご期待に添えない結果となりました。」のように少しでもやわらかい表現で応募者を気遣いましょう。
なお、不採用通知では時候の挨拶は不要です。書面や文書では「拝啓」や「敬具」などの頭語と結語が必要ですが、メールの場合には書き加える必要はありません。
基本的に不採用の理由は不要
不採用通知を行う際には、不採用とした理由を応募者に伝える必要はありません。たとえどのような理由で不採用にしたとしても、応募者にとって納得できるものとは限りません。
しかし、不採用の結果だけを伝えると、事務的に感じられてしまうため、「今後の就職活動の成功をお祈りしています」などの応募者を気遣う言葉を添えるようにしましょう。
不採用通知の例文

不採用通知を書く際には、書類の返却をする場合があるので、その点において注意しなければなりません。
職種によってはエントリーや面接の際に、作品集やポートフォリオなどを受け取っている場合があります。また、履歴書などの応募書類を返却する企業もあります。
ここでは、それぞれの事例に分けて、不採用通知の例文をご紹介します。以下の例文を参考にして、自社や応募者に合わせた内容に書き換えてご活用ください。
書類選考で不採用とした場合(書類の返却なし)
件名:【選考結果のご連絡】株式会社○○〇〇
〇〇 〇〇様
株式会社〇〇〇〇の〇〇申します。
このたびは、数ある企業の中から弊社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございます。
応募書類をもとに慎重に選考した結果、誠に残念ではございますが、今回はご期待に添えない結果となりました。大変申し訳ございません。
何卒ご了承くださいますようお願いいたします。
ご応募いただいたことに御礼申し上げると共に、略式ながらメールにて通知申し上げます。
末筆になりますが、〇〇様のこれからのご活躍をお祈り申し上げます。
株式会社〇〇〇〇
(署名)
書類選考で不採用とした場合(書類の返却あり)
件名:【選考結果のご連絡】株式会社○○〇〇
〇〇 〇〇様
株式会社〇〇〇〇の〇〇申します。
このたびは、数ある企業の中から弊社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございます。
応募書類をもとに慎重に選考した結果、誠に残念ではございますが、今回はご期待に添えない結果となりました。大変申し訳ございません。
何卒ご了承くださいますようお願いいたします。
なお、こちらでお預かりした履歴書等の選考書類につきましては、履歴書に記載されておりますご住所に郵送させていただきます。
ご応募いただいたことに御礼申し上げると共に、略式ながらメールにて通知申し上げます。
末筆になりますが、〇〇様のこれからのご活躍をお祈り申し上げます。
株式会社〇〇〇〇
(署名)
面接試験で不採用とした場合(書類の返却なし)
件名:【選考結果のご連絡】株式会社○○〇〇
○○ ○○様
株式会社〇〇の〇〇と申します。
先日は、お忙しい中ご足労いただきまして、誠にありがとうございました。
さて、選考の結果についてですが、社内にて慎重に検討いたしました結果、誠に恐縮ながら今回はご希望に添いかねる結果となりました。何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
なお、お預かりしました応募書類につきましては、弊社にて責任を持って破棄いたします。
○○様のより一層のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
略儀ではございますが、メールにてご通知申し上げます。
株式会社〇〇〇〇
(署名)
面接試験で不採用とした場合(書類の返却あり)
件名:【選考結果のご連絡】株式会社○○〇〇
○○ ○○様
株式会社〇〇の〇〇と申します。
先日は、お忙しい中ご足労いただきまして、誠にありがとうございました。
さて、選考の結果についてですが、社内にて慎重に検討いたしました結果、誠に恐縮ながら今回はご希望に添いかねる結果となりました。何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
なお、こちらでお預かりした履歴書等の選考書類につきましては、履歴書に記載されておりますご住所に郵送させていただきます。
○○様のより一層のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
略儀ではございますが、メールにてご通知申し上げます。
株式会社〇〇〇〇
(署名)
不採用通知を送る際の注意点

採用通知を送る際には様々な注意点があります。求職者の方が不採用通知に気づかなかったり、応募書類の取扱いについて不安になる方もいるでしょう。
そのようなことがないように、ここでは採用通知をメールで送る際の注意点とさらにメール以外の場合でも不採用通知を送る際に気をつけたいポイントを解説していきます。
応募者への配慮が不可欠
なんといっても、応募者の心情や都合に配慮することが大切です。不採用による精神的負担を少しでも軽くする言葉選びを考えてください。
例えば、メールの文面では直接的に「不採用」と表現しないことも配慮への一環です。「今回はご期待に添えない結果となりました。」のようにすることで、精神的負担が少しとはいえやわらぎます。
件名で採用に関するメールだとわかるようにする
求職者の方にはスカウトメールなど、求職に関するメールが毎日送られてきます。件名の書き方によっては、メールの受信に気付いたとしてもスルーされてしまう可能性があります。
そのため、上記でも説明したように、選考結果通知であることを強調した件名をつけましょう。
「株式会社〇〇より」や「ご連絡です」などの件名にしてしまうと、他の会社の営業メールや迷惑メールと勘違いされてスルーされてしまう可能性が高いです。
選考に関する結果の連絡と一目でわかるように、件名に気を付けて書きましょう。
宛名とメールアドレスは念入りにチェックを行う
不採用通知の本文を書き終わったら、宛名とメールアドレスは重ねてチェックをしてください。複数の応募者へ同じ文面をコピペしながらメールを送っていると、宛名を修正しないままにしてしまうことがあります。宛名を間違えるのは失礼にあたるので注意が必要です。
また、メールアドレスを間違えて送ると情報が混乱します。大切な個人情報が洩れてしまい、トラブルに発展する可能性もあるので、見直すくせを日ごろからつけておくようにします。
文面の中に応募書類の取扱いについて明記する
求職者の方の中には、履歴書や作品集、自身のポートフォリオなど、個人情報の取扱いを気にする方も多いです。そのため、メールの文面の中に、応募書類に関する取扱いについてしっかりと明記するようにしましょう。
「こちらでお預かりした履歴書等の選考書類につきましては、履歴書に記載されておりますご住所に郵送させていただきます」と記載することにより求職者も安心します。
また、応募書類を返却しない場合は、「お預かりしました応募書類につきましては、弊社にて責任を持って破棄いたします」と記載しましょう。
応募書類を返却しない場合に何も記載がなければ、自身の個人情報について不安に感じさせることのないよう忘れずに記載するよう心がけましょう。
宛名はしっかりと明記する
テンプレートを利用して、不採用通知メールを送信している企業の方も多いかと思います。しかし、どの求職者の方に対して送るのか、宛名をしっかりと明記するよう心がけましょう。
宛名の記載もなく、テンプレートを利用しただけの採用通知はあまりよい印象を与えません。
また、送信間違いをした場合に気付けないことも多いので宛名をしっかりと記載しましょう。
不採用の連絡はできればメールで行う
不採用通知は電話ではなく証拠の残るメールで送信するよう心がけましょう。電話の場合、言葉のニュアンスにより誤解されてしまう可能性があります。また、選考内容について、答えにくい質問をされてしまうこともあります。
そのため、採用の連絡は電話でなくメールで行ったほうがよいでしょう。
書類や作品集を返送したい場合は郵送で行う
求職者の方から受け取った応募書類や作品集などを返送する場合は、必ず書面による不採用通知を同封するようにしましょう。
前もってメールで不採用を伝えておくのもよいですが、採用に関する書類や作品集を返却することがわかるよう、郵送書類の中に応募してくれたことへの御礼状や不採用通知も同封しておきましょう。
人材紹介会社が間に入る場合は理由の詳細を伝える
人材紹介会社が間に入っている場合は、不採用の理由の詳細を伝えるよう心がけましょう。
その場合、原則として間に入っている人材紹介会社のエージェントや担当営業が不採用の連絡をすることとなります。
直接自社から連絡をする必要はありませんが、「どうして不採用となったのか」と不採用の理由を伝えることが大切です。
エージェントや担当営業が「なぜ不採用だったのか」と求職者から問われたときに、答えることができるように配慮しておきましょう。
また、不採用の理由を伝えることにより、人材紹介会社も紹介する人材をより細かく選定することができます。
不採用通知を送ったがやはり採用したい場合

採用を進める中で、不採用通知を送ったがやはり採用したいという場合もあるでしょう。
もし、補欠採用の可能性があるなら、採用通知の際に文面でそのことを知らせておきましょう。
やはり採用する場合は、まずメールや文書などの文面で伝え、その後お詫びの意味も兼ねて改めて電話するようにしましょう。
不採用通知送ったが、やはり採用したい場合の文面の例は以下のようになります。
件名:【◯◯職再募集の件】株式会社◯◯
○○ ○○様
株式会社〇〇の〇〇と申します。
前回、不採用通知をお送りしておりましたが、以前応募いただいた職種に欠員が出ることとなりました。
○○ ○○様がもし、就職活動を行われているようでしたら、再度選考からとなりますが、再びお話をさせていただきたいと思いご連絡いたしました。
もし、お話の機会を設けていただくのであれば、ご連絡いただきたく存じております。
株式会社〇〇〇〇
(署名)
今後の採用活動のためにも誠実な対応を
不採用通知の内容や送るタイミングを誤ると、マイナスのイメージを応募者に与えてしまうことになります。特に、応募者が新卒者の場合には、マイナスイメージが後輩や大学の就職課などに伝えられて、翌年以降の採用活動に影響を及ぼすことも考えられます。
「不採用としたからもう自社とは関係ない」とは思わずに、誠実に対応することが大切です。また、不採用となった応募者は次の就職活動を進めるため、不採用通知はできるだけ早く送るようにしましょう。
