面接で聞いてはいけないこと13選・NG質問例と厚労省の原則を解説
面接では、応募者の適性や能力を見極めるために多くの質問を行います。しかし、緊張をほぐすための雑談や、働き方への配慮を意図した確認であっても、内容・聞き方によっては就職差別やハラスメント、プライバシー侵害につながるおそれがあるため注意が必要です。
本記事では、厚生労働省が示す公正採用選考の原則をもとに、面接で聞いてはいけない質問例、必ずしもNGではない質問の線引き、不適切な質問を防ぐための対処法を解説します。面接質問を属人化させず、公正な選考を行うための確認資料として活用してください。
人事ZINEでは、面接で使える質問を整理した資料として、面接質問例文マニュアルをご用意しています。応募者のキャリアやパーソナリティを適切に把握するための質問例や、面接全体の流れを組み立てる際の参考として、あわせてご活用ください。

目次
面接・選考において徹底すべき原則とNG例

厚生労働省が示すガイドラインでは、採用選考の場で採用側が徹底すべき基本原則が明示されています。以下では、「応募者の基本的人権を尊重すること」「適性と能力にもとづいた選考」「広く門戸を開くこと」の3つのポイントについて触れ、NG例も紹介します。
出典:厚生労働省「公正な採用選考の基本」
応募者の基本的人権を尊重する
面接・選考において最も重要な原則の1つが、応募者の基本的人権を尊重することです。基本的人権の尊重とは日本国憲法に記されている考え方で、例えば以下のような決まりがあります。
- すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない(第14条)
- 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない(第19条)
面接・選考に当てはめると、応募者の人種や信条、家庭環境や思想・宗教などにもとづく差別的な質問や評価は避ける必要があります。選考の際に基本的人権を尊重することは、コンプライアンスのみならず、企業への信頼形成や、応募者が安心して選考に臨んでもらうためにも欠かせません。
応募者の適性・能力にもとづいて選考する
「求める職務を遂行できるかどうか」を基準とし、応募者の適性や能力にもとづいた採用選考を行うことも重要です。それ以外の事項が採否に影響することがないよう、質問内容や評価基準を明確にし、客観的に判断する必要があります。
例えば以下のような考え方は面接・選考において不適切な可能性が高いと言えます。
- 該当職種の募集において合理性がないにもかかわらず詳細な健康状況の説明を求める
- 人脈・交友関係について踏み込んだ質問をする
- 特定の評価者の主観・好みで合否を決める
採用面接では、「応募者が募集職種の職務を遂行できるか」を基準に質問を組み立てます。本籍、家族、宗教、健康状態など、適性・能力と関係しない情報を聞くと、採用基準に使う意図がなくても応募者に圧迫感を与えるおそれがあります。質問表も同じ基準で見直しましょう。
応募者に広く門戸を開く
適正な採用選考を行うには、応募者に対して平等に機会を開くことも欠かせません。募集の際は特定の人を排除するような条件を設けず、応募者にとって公正で透明性のある選考を行う必要があります。
例えば以下のようなやり方には注意が必要です。
- エントリーシートや面接で家庭状況や居住環境を問う
- 潜在的な可能性を一切考慮せず属性情報のみで不採用とする
面接で聞いてはいけない質問例13選

面接で避けるべき質問は、「本人に責任のない事項」「本来自由であるべき事項」「ハラスメント・プライバシーに関わる事項」に分けられます。ここではカテゴリごとに具体的なNG質問例を紹介します。
本人に責任のない事項に関する質問
本人に責任のない事項とは、本籍、出生地、家族、住宅、生活環境など、応募者本人の努力では変えにくい背景情報です。
本籍・出生地・門地に関する質問
面接の冒頭で「ご出身はどちらですか?」と聞くのは、一見自然な会話に思えます。しかし、本籍地や出生地などは本人の努力で変えられない事項であり、これらを採否の判断材料にすることは「門地による差別」につながるおそれがあります。出身地を話題にするのは避け、まずは職務に関連する話題から入るのが無難です。
NG質問例
- ご出身の地区はどこですか?
- ご家族の出身地を教えてください。
- 本籍地はどちらですか?
家族構成・家族の職業に関する質問
家族構成、家族の職業は、本来応募者本人の職務遂行能力とは関係しない情報です。「ご両親は何をされていますか」「兄弟はいますか」といった質問は、家庭背景による評価と受け取られかねません。アイスブレイクでも家族の話題は避け、応募者本人の経験や希望条件を中心に確認しましょう。
NG質問例
- ご家族は何人ですか?
- ご両親の勤務先や収入を教えてください。
住宅状況に関する質問
持ち家か賃貸か、間取り、部屋数、近隣施設などを聞くことは、本人の適性・能力ではなく生活水準や家庭環境を把握する質問になりやすい項目です。在宅勤務の可否を確認したい場合も、住宅の種類ではなく、業務に必要な通信環境や作業スペースの確保可否に絞って聞く必要があります。
NG質問例
- ご自宅は持ち家ですか、賃貸ですか?
- 自宅の間取りや近隣環境を教えてください。
生活環境・家庭環境に関する質問
「学費は自分で払いましたか?」など、経済状況や家庭環境について深掘りすることも避けるべきです。生活環境は本人の適性とは関係がなく、家庭の事情によって選考に差をつけることは不公正とされます。「応募者がどのような環境で育ったか」ではなく、「今どのような能力を持っているか」にフォーカスしましょう。
NG質問例
- 現在の生活環境は快適ですか?
- 家族との関係は良好ですか?
- 学生時代の学費はご自身で負担しましたか?
本来自由であるべき事項に関する質問
宗教、思想、支持政党、人生観、購読媒体などは、個人の自由に属する情報です。質問票や評価メモにも残さない運用が望まれます。
宗教・支持政党に関する質問
信仰している宗教や、特定の支持政党に関する質問は、思想・信条の自由を侵す行為です。「最近の選挙には行きましたか?」といった何気ない問いかけも、政治的信条を問うていると受け取られるリスクがあります。個人の内面に関わる思想的なテーマは、通常、業務上確認する必要はないため、面接では触れないようにしましょう。
NG質問例
- 近年の宗教をめぐるニュースについてどう思いますか?
- 尊敬する政治家は誰ですか?
- 支持している政党はありますか?
人生観・生活信条に関する質問
「座右の銘は何ですか?」や「どのような生き方を目指していますか?」という質問は、個人のパーソナリティを知るためにと思って聞かれがちです。しかし、これらは「本来自由であるべき事項」に含まれます。人生観や信条そのものを問うのではなく、過去の行動事実から「やり抜く力があるか」「問題解決能力があるか」を推察する手法に切り替えるのが適切です。
NG質問例
- あなたの人生の目標は何ですか?
- 生活のなかで大切にしている信条はありますか?
- どのような生き方を目指していますか?

思想・尊敬する人物に関する質問
「尊敬する人物は誰ですか?」という質問は、かつては面接の定番でしたが、現在はNGとされる可能性が高い項目です。尊敬する人物には、その人の宗教観や政治思想が反映されやすいということが理由に挙げられます。特定の人物の名前を挙げるよう求めることは、間接的に思想チェックを行っているとみなされるリスクがあるため、現在は控えるのが一般的です。
NG質問例
- 尊敬する人物は誰ですか?
- どのような思想をお持ちですか?
- あなたが最も影響を受けた人物は誰ですか?
労働組合・学生運動など社会運動に関する質問
「過去に労働組合や学生運動に参加していたかどうか」を問うことは、憲法で保障された団結権や結社の自由に関わるデリケートな問題です。特定の社会活動への参加歴を採否の判断基準にすると、就職差別につながるおそれがあります。学生時代の活動を聞く際は、あくまで学業やサークル活動などに留めましょう。
NG質問例
- 学生時代に社会運動に参加した経験はありますか?
- 労働組合の活動には興味がありますか?
- 学生運動についてどのような考えをお持ちですか?
購読新聞・雑誌・愛読書に関する質問
「普段はどの新聞を読んでいますか?」や「愛読書は何ですか?」といった質問も、質問者にその意図がなくても個人の思想や信条を推し量る手段とみなされる場合があります。業務上、情報収集の姿勢を確認したい場合は、職務に関連する情報収集方法や学習習慣に絞って聞く方が安全です。
NG質問例
- どの新聞を購読していますか?
- 愛読している雑誌はありますか?
- あなたの愛読書について教えてください。
ハラスメント・プライバシーにつながる質問
職務との関連性が薄い健康状態、性的指向・性自認、結婚や出産、恋愛、容姿などの話題は、プライバシー侵害や就活ハラスメントにつながるおそれがあるため注意が必要です。
職務に関係がない健康状態・病気に関する質問
「持病はありますか?」と漠然と聞くことは、プライバシーの侵害となるおそれがあります。業務上の必要性がない限り、身体的な状況を詮索するのは避けなければなりません。色覚異常や特定の体質など、多くの職務に直接影響しない事項を採否のポイントに含めることは、機会均等の観点からも不適切です。
NG質問例
- 持病やアレルギーはありますか?
- 健康管理で気を付けていることはありますか?
性的指向・性自認(SOGI)に関する質問
性的指向や性自認は、応募者の尊厳に関わるセンシティブな情報です。本人が自発的に話した場合でも、プライバシー保護やハラスメント防止の観点から、評価メモにも残さない運用が望まれます。
面接官が恋愛やパートナーの話題を雑談として出すことも、相手に回答を迫る状況を生むため避けましょう。本人確認や福利厚生の説明が必要な場面でも、面接評価とは切り離して対応します。
NG質問例
- 恋人はいますか?
- パートナーの性別を教えてください。
結婚・妊娠・出産予定に関する質問
結婚予定、妊娠予定、出産後の働き方などを採否判断のために聞くことは避けます。勤務条件の確認が必要な場合は、家庭事情ではなく、勤務可能時間、出社可否、残業や転勤の条件、配慮希望の有無として全応募者に同じ基準で確認しましょう。
特定の性別や年齢層にだけ聞く運用も不公平な選考と受け取られるおそれがあるため注意が必要です。
NG質問例
- 結婚や出産の予定はありますか?
- 子どもができても働き続けますか?
容姿・恋愛・私生活に踏み込む質問
容姿、恋愛、休日の過ごし方など、評価に関係しない私的領域への質問は避けます。場を和ませる目的でも、応募者は面接中に回答を断りにくく、不快感や圧迫感を覚えることがあります。
アイスブレイクは、天気、交通アクセス、当日の進行説明など、誰でも答えやすい話題に限定しましょう。褒め言葉のつもりでも、外見や身体的特徴に触れる表現は避けるのが無難です。
NG質問例
- 恋人はいますか?
- 見た目を褒める、体型や服装を必要以上に話題にする。
必ずしもNGではないが注意が必要な質問

職務遂行上の合理的な必要性がある場合、確認自体が直ちに不適切とはいえない質問もあります。ただし、聞く目的、対象者、聞き方、評価への使い方を理解し、私生活や属性の把握に広げないことが重要です。迷う項目は事前に人事・法務で基準化します。
犯罪歴に関する質問
犯罪歴は法律で必ずしも聞いてはならないことになっていません。
例えばバスの運転手を採用する際、安全運転ができる適性を確認するために、交通違反歴や事故歴を質問するのは「合理的・客観的に必要性がある」とみなされる可能性があります。
しかし、仕事の内容とは関係のない犯罪歴を聞くことは、認められないおそれがあるので注意しましょう。例えば少年時代の非行歴を聞くことは「必要性がある」とはみなされないこともあり、損害賠償請求を受ける可能性があります。
在宅勤務環境に関する質問
家族や住宅状況について直接的な質問をすることは推奨されませんが、在宅勤務を導入している場合、「在宅勤務が可能かどうか」に関する事項に限れば、質問することは問題ない可能性が高いでしょう。
先述の通り、面接で聞いてはならないことは、「本人の責任ではない事項」や「本来自由であるべき事項」です。自宅の間取りや部屋数、住宅の種類、近隣の施設といった在宅勤務に関連性がないと考えられる事項について質問することはNGになる可能性があります。
一方、在宅勤務に必須である「在宅勤務を行う場合、業務に支障のない通信環境・作業環境を用意できますか」「業務やオンライン会議などに集中できる環境がありますか」といった質問をすることは、一定の合理性があり、問題にならないと考えられます。
人事ZINEでは「面接質問例文マニュアル」をご用意しております。面接において、応募者を見極めるための質問文を考える際のヒントや例文をまとめており、面接の精度アップに役立ちます。面接で使える効果的な質問をお探しの方はぜひご活用ください。

介護・育児の有無に関する質問
介護や育児の有無を直接確認する質問は、家庭事情を理由に選考していると受け取られるおそれがあります。そのため、「介護している家族はいますか」「子どもはいますか」といった聞き方は避けるのが基本です。
一方で、業務上どうしても確認が必要な場合は、家庭の状況そのものではなく、勤務条件に対応できるかどうかを確認します。例えば、勤務可能な時間帯、出社の可否、残業やシフトへの対応可否、業務上必要な配慮の有無など、職務遂行に関係する範囲に絞って聞くことが大切です。
また、特定の性別や年齢、家族構成の応募者だけに質問すると、不公平な選考と受け取られる可能性があります。確認する場合は、同じ職務条件を応募者全員に説明したうえで、対応可否を確認する形にしましょう。
健康状態・既往歴に関する質問
応募者の健康状態について質問する際は、あくまで「職務の遂行に支障がないか」という観点に絞る必要があります。漠然と「これまでに大きな病気をしたことはありますか?」や「持病はありますか?」と聞くのは、必要のない個人情報を収集することになり、不適切とみなされる可能性が高いでしょう。
一方で、業務上の必要性がある場合は聞き方を工夫すれば問題ありません。例えば配送業であれば「業務で長時間運転を行いますが、支障はありませんか?」、高所作業であれば「業務遂行にあたって、配慮が必要な健康上の事情はありますか?」といった聞き方が適切です。このように、具体的な業務内容を提示したうえで、安全に働けるかを確認する形に留めるのが推奨されます。
面接での質問内容は、企業の評価や採用成果に直結する重要なポイントです。しかし実際には、アイスブレイクの雑談や何気ない一言が、法令違反や差別と受け取られるリスクを含んでしまうケースも少なくありません。以下の動画では、前述の厚生労働省「公正な採用選考の基本」をもとに、面接で聞いてはいけないNG質問と、必ずしもNGではないが注意が必要な質問の考え方を具体例付きで解説しています。現場面接官への共有資料としても活用できる内容ですので、面接の運用に不安がある方はぜひご確認ください。
面接で聞いてはいけない質問をすることのリスク

面接で不適切な質問をすると、応募者に不快感を与えるだけでなく、企業の選考姿勢そのものに不信感を持たれる可能性があります。内容によっては、行政機関への相談、応募者からの指摘、SNSや口コミでの評判悪化につながることもあります。以下で主なリスクを確認しましょう。
行政指導・法令違反リスクがある
厚生労働省は、公正な採用選考において、応募者の基本的人権を尊重し、適性・能力に基づいて選考することを求めています。面接で業務と関係のない個人情報を聞くと、公正採用選考の考え方や職業安定法、男女雇用機会均等法などの観点から、行政機関による指導や確認の対象となる可能性があります。
特に、本人の責任ではない事項や、本来自由であるべき事項に踏み込む質問は注意が必要です。
応募者から訴訟・通報を受ける可能性がある
不適切な質問を受けた応募者が、企業の問い合わせ窓口、学校、ハローワーク、労働局などに相談する可能性もあります。質問内容によっては、プライバシー侵害や差別的な取り扱いとして問題になることがあります。
訴訟へ発展する可能性も否定できず、応募者から指摘を受けた時点で、事実確認と再発防止を丁寧に行うことが大切です。対応が不十分だと、企業側の説明責任や管理体制そのものが問われる可能性もあります。
企業ブランドや応募者の志望度を損なう
面接でのやり取りは、応募者にとって企業の姿勢を判断する重要な接点です。不適切な質問があると、応募者の志望度が下がるだけでなく、口コミやSNS、就職情報サイトなどで企業への不信感が広がる可能性があります。
採用広報で丁寧なメッセージを発信していても、実際の面接体験が伴っていなければ、企業への信頼は損なわれます。面接官の質問内容や態度は、応募者への配慮はもちろん採用ブランディングの一部としても考える必要があります。
面接で聞いてはいけないNG質問をしないための対処法

面接で不適切な質問を防ぐには、面接官個人の注意に任せるのではなく、組織として質問設計や評価基準を整えることが重要です。ここでは、面接でNG質問を防ぐための対処法を紹介します。
人事担当者が最新のNG項目・事例を整理する
まずは人事担当者が、厚生労働省や労働局が公開している公正採用選考に関する資料を確認し、面接で避けるべき項目を整理しましょう。
面接で問題になりやすいのは、家族構成や思想・信条、支持政党などです。公的機関が示している不適切な質問例まで確認しておくと、どのような聞き方が問題になりやすいのかを具体的に把握できます。
この段階では、まず「面接で聞くべきではない項目」を洗い出すことが目的です。法律や行政資料の更新があった場合に見直せるよう、確認する資料や更新担当者も決めておくとよいでしょう。
社内基準を策定して面接官へ周知する
NG項目を整理したら、自社の面接でどのように運用するかを社内基準としてまとめます。公的資料を確認するだけでは、現場の面接官が具体的に判断できないためです。
社内基準では、聞いてよい質問と避ける質問を並べるだけでなく、職務との関連性や質問の目的も明記しましょう。例えば、在宅勤務や健康状態など確認が必要になる可能性がある項目は、どの職種で、どの範囲まで聞けるのかを決めておくと運用しやすくなります。
作成した基準は、面接官へ共有し、面接マニュアルや評価シートにも反映します。評価シートには私的情報を書き込まない設計を取り入れ、迷った場合の相談先も明記しておくと、担当者ごとの判断のばらつきを抑えやすくなります。
面接官研修・トレーニングを徹底する
面接官研修では、NG項目を覚えるだけでなく、実際の面接でどのように言い換えるかまで練習することが大切です。知識として理解していても、アイスブレイクや雑談のなかで不適切な質問が出てしまうことがあります。
研修では、ロールプレイや事例検討を取り入れると実務に落とし込みやすくなります。例えば、応募者が家庭事情や健康状態に触れた場合に、どこまで聞いてよいのか、どのように職務条件の確認へ戻すのかをトレーニングしておくと安心です。
なお、こうした面接官向けの研修やワークショップは各社で実施されています。自社で実施する場合も、こうした事例を参考に設計してもよいでしょう。
典:PR TIMES「厚生労働省登壇、就活ハラスメント防止策 勉強会&ワークショップ」
出典:株式会社i-plug「テレビ東京WBSにて就活ハラスメント防止策勉強会の様子が放送」
OK/NGチェックリストを活用する
面接前に確認できるOK/NGチェックリストを用意すると、面接官の経験差によるばらつきを抑えやすくなります。チェックリストには、面接の目的、評価項目、質問例、避ける話題、応募者が私的情報を話した場合の戻し方などを盛り込みましょう。
例えば、以下のように質問例を整理しておくと、面接官が判断しやすくなります。
- OK例:募集職種で必要な経験について、具体的なエピソードを教えてください。
- NG例:家族構成はどうなっていますか?
チェックリストは作成して終わりではなく、面接後の振り返りや応募者からの指摘をもとに定期的に更新しましょう。
面接で聞いてはいけないことに関するよくある質問と回答

最後に、面接で聞いてはいけないことに関して採用担当者からよく出る疑問と、それに対するヒントを解説します。
面接で聞いてはいけない質問は法律違反ですか?
質問内容によっては、就職差別、ハラスメント、個人情報の不適切な収集として問題になる可能性があります。ただし、違法性は質問内容、職務との関連性、対象者、採否判断への使い方によって変わります。断定せず、公的資料や専門家に確認しながら社内基準を整えましょう。面接官には「迷ったら聞かない、必要なら人事に確認する」という判断軸を共有します。
健康状態や病気について聞いてもよいですか?
健康状態や病気については、職務遂行上の合理的な必要性がある場合に限り、業務内容に即して確認します。病名や既往歴を広く聞くのではなく、業務に支障があるか、必要な配慮があるかに絞って確認しましょう。
例えば、重量物を扱う業務や夜勤がある職種など、健康状態が業務遂行に直接関わる場合は、職務条件を説明したうえで対応可否を確認する形が望ましいです。特定の応募者だけに聞くのではなく、同じ職務条件を全応募者に説明することも重要です。
逆質問で応募者が私的な情報を話した場合はどう対応しますか?
応募者が自ら家族、健康、宗教、恋愛などの私的情報を話した場合でも、採否判断には使わないようにしましょう。面接官は深掘りせず、話題を戻してください。評価メモにも、職務と関係のない私的情報を残さないのが望ましい対応です。対応に迷った場合は、面接後に人事担当者へ共有しましょう。
アイスブレイクで避けるべき話題はありますか?
アイスブレイクであっても、出身地、家族、恋愛、宗教、政治、健康状態などに関する話題は避けましょう。雑談のつもりでも、応募者によっては答えにくく、選考に影響するのではないかと不安を感じる可能性があります。緊張を和らげたい場合は、天気、交通アクセス、面接の流れなど、応募者が負担なく答えられる話題を選ぶのが無難です。
まとめ

本記事では、面接で聞いてはいけない質問について、厚生労働省の原則を踏まえながら、具体的なNG質問例、注意が必要な質問、企業側のリスク、再発防止のための対策を紹介しました。採用面接では、応募者に広く門戸を開き、本人の適性と能力にもとづいて選考することが前提になります。そのため、本人に責任のない事項や、本来自由であるべき事項、私生活やプライバシーに過度に踏み込む質問は避ける必要があります。
面接では、面接官個人の判断に委ねるのではなく、社内基準の整備、NG項目の共有、面接官研修、チェックリストの活用といった運用面の整備が重要です。質問の意図が適切であっても、聞き方や文脈によっては応募者に不信感を与えることがあるため、質問内容だけでなく面接設計全体を見直す視点も欠かせません。
人事ZINEでは、面接で活用しやすい質問例をまとめた面接質問例文マニュアルを提供しています。適切な質問の組み立て方を整理したい場合や、応募者理解を深める面接設計を見直したい場合は、実務資料の1つとしてご参照ください。

